11月のオホーツク



   ■ 網走港(第四埠頭)

11月5日 レガオさんが場所を確保してくれると言う言葉に安心して出発したのが18時45分だった。初めから入釣予定
のない帽子岩は波が高く釣りにならないらしいが、第四埠頭は開放中でも随分と空き場所があるという。白滝を過ぎる
と霧雨になり、それは網走入口まで続いたものの、市内に入るとなぜか路面も乾いていて雨はなかった。
第四埠頭に着いたのでレガオさんに電話をするが、空き場所が多かったので場所は取らずに別な用を足しに出かけた
というので、空き場所は沢山あったが左入口に近い場所を確保した。30分ほどしてレガオさんも到着、暖かい車内でビ
ールと燗酒を楽しみ、12時過ぎに寝た。


11月6日 5時起床だったがトイレに行きたくて目が覚め、その後うとうとしているうちに5時になってしまった。薄っすらと
明るくなり始めてから外に出て準備を始めチカの置き竿をウキ付きで1本セットしてレガオさんとともにキャスティング開
始。妻もすぐに準備を済ませロッドを振った。
ポツポツと上がるサケは銀ピカ・ブナ半々程度で、釣れる可能性もありそうだったが、私たちのところはアタリもなかった。置き竿には時々反応があってワカサギや子チカが釣れていた。
6時58分、レガオさんのウキを見ていたところ、巻き上げようと早巻きを始めた時にウキがグッと沈みヒットした。私がタモ入れをして上がったのはブナAの小さめの細身のアキアジであった。
1本釣って安心したのか、その後の彼は釣り場を自転車で廻っていたり寝ていたりで、あまり釣りをする気はなくなっていたようだった。同じく妻も眠気と寒さで車内にいることが多かった。
私は根気良くとまではいえないものの、少し真面目にチカとサケの
両刀使いを続けていたが、サケのアタリは全くなかった。
昨年地元ベテランの方にいただいたウキは見ていると実に面白くて、2匹以上掛からないと大きな反応はなく、3匹掛
かると沈み込むが、その動きに快感を覚えていた。
周囲ではサビキ釣りをしている人はほとんどおらず、この場所ではチカはあまり釣れなかったが、退屈しのぎ程度に釣れる小魚が私の遊び相手をしてくれていた。
ウキルアーのキャストをしてからチカ竿を見ていると反応があるのでリーリングが終わったところでチカ竿の魚を袋に入れて、再び置き竿にする、を、一投ごとに繰り返していることが楽しかった。
しかし、周囲ではこの時期にしては釣れていて、お昼近くまでに全体見える範囲でも40本以上釣れていたようであったが、自分は全く釣れる気がしなかったので、2時間以上寝ていたレガオさんと妻を起こして片付けをした。
お昼はキッシーさんさんもやってきたので、場所は別の釣り人に譲
り、4人車内で昼食を食べながら14時過ぎまでのんびりしてから網走を後にした。





   ■ 網走港(第四埠頭)

11月14日 この朝は、すでにアキアジ釣りも終了し、チカ釣りとサケ狙いの入り混じった釣り場になっていると思われた
網走港第四埠頭にいた。
天気予報では晴れ、昨日に比べ5℃以上暖かいということだったが、北西の風が強くて寒さが身にしみるほどの車内から出たくない気分の夜明けだった。
レガオさんと妻の3人で準備を済ませていると、隣にある車が見たことのある白い車だったので、もしかして・・・やっぱり松さんだった。少し明るくなってほとんどの人がキャスティングを始めるも釣れている気配はなかった。チカ釣りをしている人は誰もおらず、およそ200人以上の人たちがサケを狙っていた。自分たちもキャスティングを始めたものの、やや横からの風が微妙なアタリは判らないし、ラインが流されるという厳しい釣りだった。朝マズメは周囲見える範囲で2本しか釣れなかった。
置網はすでに外されているほどサケは少なくなってきているし、釣れても滅多に状態の良いものは釣れないのに、自分たちも含めてサケ
釣りを止められない釣り人がここに終結していたのだった。
昨日の土曜日は「閉鎖中」だったという、ここ第四埠頭には前日の鬱憤(うっぷん)を晴らしたいという地元のベテランの
人たちも多く顔を見せていた。聞くと、昨日の第五埠頭はオイルフェンス付近以外はほとんど釣果はなかったそうだが、
銀ピカが多かったと言う。
松さんは寒さのためか車内にいる時間が長くなり、釣りをしている時間よりも多かったように見えた。私には一度大きく
ウキが沈みこむようなアタリがあったのだが、スッと軽くなり、その後食ってはくれなかった。そして3人で暖かい車内で
朝食を食べてのんびりしてから、再度キャスティングを開始。置き竿はチカが時々釣れるが、見えている数の割には釣
れなかった。

    

その後、ポツポツと釣れだしてはいたものの黒いサケが多くて、やる気も失せてしまったレガオさんと妻は、先週と同様
に車内で寝てしまっていた。
10時30分、チカの置き竿に付いているウキに近くなったので巻き上げようかと思っていたところに何の前ぶれもなく、鈍
い重さだけが伝わってきた。まるでルアーとフックが絡まった時のような軽い重さだったが、少し引くと魚の重さだと判る
ほど重くなったので軽いアワセを入れてみた。
マスのような軽い手ごたえだったが、サケと確信してアワセを1回入れて巻くと魚体がキラリと光って見えた。チカウキ
の僅か2m向こうだったが、絡むことなく目の前まで寄せることができた。
自分でタモを持って入れようとすると、駆けつけてくれた松さんが私のタモを持ってサッと掬ってくれた。 
型は小さいが銀Bのきれいなメスだった。口の横に皮1枚でフッキングしていたので、強いアワセを入れていたならバレていたかもしれなかった。
この騒ぎに目を覚ましたレガオさんや妻もキャスティングを始めることになった。空を覆っていた雲が薄くなり、やがてその雲もどこかに流れて青空になると風もなくなり、11月とはとて
も思えない穏やかな暖かな釣り日和となった。
風も弱くなって気温も上がり始めた頃、妻のウキが沈んでいたようだが妻に合わせる気配はなかった。その直後にアワ
セを入れるとフッキングしたようだった。銀色に光る魚体が見えたので、タモ入れの為に自分のリールを巻き上げよう
かと思ったときに・・・バレてしまった。ウキは沈んでいたが手ごたえはほとんどなかったという、この時期らしいサケだっ
た。松さんは寒さとアタリのなさに諦めてしまい、名残惜しそうではあったがこの頃に帰ってしまっていた。
11時半頃、そろそろあの人が現れる時間だなあとレガオさんと話していると、突然に後方から「イヤー寒い、釣りなんかできないよねー・・・これじゃあ!」そんな言葉を発しながらキッシーさんお約束の登場となった。予想通り昼食を持参していたので、私たちはこれを助け舟に車内へと入った。
車内に置いてあった電話に師匠から「着信あり」、しかもたった今だった。すぐに電話してみると、私たちの居場所を確認して「今すぐに行くから!」そう言って電話は切れた。
3分ほどすると埠頭に不釣合いな怪しいマイクロバスが入ってきて、私たちの車の後ろに止まった。中からは師匠を先頭に10人ほど降りてきて賑やかな雰囲気の中、しばらく釣りをしていない禁断症状の師匠が私たちのロッドでキャスティングを開始した。
3本のロッドをそれぞれ何投かしてみたものの、周囲でもこの時間誰も釣れず、「今釣れたらヒーローだな!」そう言っ
ていたが、名残惜しそうに師匠はこの場を去っていった。
再び車内へ戻り、私たちは昼食と談笑を楽しんでから、午後のキャスティングを始めたレガオさんに続き私も外に出る
と、早くもレガオさんはロッドを置くところだった。
12時25分、第一投!穏やかな海面は20mほど先まで海中が見えるほどだった。自分のウキの下にルアーが見えて、その少し後方にサケの姿が見えたが、フッと消えてしまったので「あー!今追ってきていた・・・」レガオさんに伝えてからもう一度見ると、ルアーの後方に再度サケを発見!
食いついてくれることを願って誘っていると、一旦横を向いたサケはくるりと方向転換するように食いついた。一部始終を見ながらではあったが、早アワセは厳禁のこの時期なのでじっくり待ってから、ここぞというタイミングで合わせると、しっかり乗ったようだった。
すぐに駆けつけてくれたレガオさんがタモ入れをしてくれて、銀Cのメスザケが上がった。
キッシーさんの「いいんじゃない!」の言葉にリリースしようかと考えていた私の手は木槌を持ってしまった。
この時期特有の変なサケで緑色をしており、シーライスがたっぷり付いていたのは気味が悪かった。フックが突き抜けていて手間取っている間に、僅か数分の時間ではあったがみるみる変色をはじめて黒くなりだしたのには驚かさ
れたが、これもこの時期のアキアジである。
これに発奮した妻がキャスティングを開始、第一投の着水してすぐにアタリがあった。しかし、早アワセだったようで、す
ぐにバラシ・・・・・。その後、仕事があるレガオさんが帰ってしまい、キッシーさんも帰り、14時にメインのエサが切れたと
ころで納竿した。
持ち帰ったサケの1本目は身も赤く筋子はしっかりしていたが、2本目の変色が早かったサケは身は薄赤くて、すでに筋
子はイクラになっていた。





   ■ 網走港(第四・五埠頭)

私は意外に、この時期のアキアジ釣りが好きだということを確信したのは先週の体験だった。食としての対象からはと
っくに外れているが、釣り本来の「魚とのかけ引き」が一番楽しめるのも、この時期ならではのサケである。ただし、フッ
キングしてからは、最盛期とは比べものにならない無抵抗といってもよい引きが残念である。しかし、それでもサケの重
さであるから、少しは楽しむことができる。
サケがエサを銜えていてもアタリは伝わってこないことも多い中で、いかにして見極めて誘いやアワセを入れるか?も
ちろん明確なアタリを伝えてくれるサケもいるし、先週のように魚体が見える場合もある。さらにこれからの時期は私に
とっての幻の魚「クチグロ」も釣れる可能性があるのだ。


11月20日 レガオさんとチカさん親子はアキアジに見切りをつけてS川へミノーイングに行っている中、私たちは相変わ
らず網走港を目指して9時半過ぎに出発した。曇り空ではあったが、網走方面は天気も良さそうだったので、高規格道
路付近の雨は気にならなかった。
第四埠頭に着いてみると、恐れていた「閉鎖中」にガックリ・・・・・中は作業車両が行き交い、外国船らしき大きくはない
船が見えていた。第五埠頭に行くと予想通りに激混み状態であったが、中央付近からオイルフェンスにかけて見て回っ
た結果、チカもサケもほとんど釣れておらず、特にサケは午後から1〜2本程度しか釣れていないらしかった。それで
も、この第五埠頭しか残された釣り場はなかったので、場所が空くのをじっくり待つことにした。
二人が入れそうな場所がすぐに空いたので準備を始めると、さらにその左隣が空いたのでそこでキャスティングを開始したのが14時近くであった。釣れていないので続々と帰り始める人もいる中で、地元のベテランの方たちが入れ替わってキャスティングを始めていたが、聞くと15時半過ぎから底引き網の漁船が帰ってくるので、2時間ほどしか釣りはできないと言
う。
14時25分、妻が「来ているみたい・・・」そう言った妻のウキ
を見るとピコピコ浮き沈みを繰り返し、スーッと沈み込んだときに合わせた。
先週2バラシしていた妻だったので心配ではあったが、しっかり乗ったようで、無事私の差し出すタモに入った。顔が黒
くなければ銀Bの判定をするようなウロコだったが、リリースしようとしていると、見たことのあるおじさんが現れ「イヤー
久しぶりだね、2年ぶりかい?」と話しかけてきたのが津別の名前は知らないが、この時期一緒に楽しんだことのある
おじさんであった。
「リリースするならオレにくれ」というのでもらっていただくことになり、お礼にと言ってワカサギが200匹ほど入った袋を
頂いた。なんだか得した気分だったし、再会したうれしさで一杯になっていた。
15時30分、再び妻にヒット!白いお腹が見えてクネクネと魚体が動いていたので「銀ピカだー!」そう言った瞬間にバレてしまった・・・私もなんだか自分のことのようにがっかりしていた。15時45分、今度は私に妙なアタリがあって、この時期特有のエサをいたずらしているようなウキの沈み方だった。
間もなくアワセの時期がやってきたので、しっかり合わせてフッキングしたが、ずいぶんと重々しいサケであった。妻はキャスティングしたばかりだったので、自分でタモ入れして、上がったのはブナBのオスだった。
写真だけ撮ってリリースしようとしていると、車止めの間でクネクネと海に向かって
動いていたサケを見て見物の人が、海に返すことを知らないので「あー逃げちゃう!」と言っている間にサケは自分で海に飛び込んでいった・・・無事リリース完了。
日が沈み暗くなり始めていたが、ウキが見えなくなるまでは続けようと話していた。
確かに釣れていないという話は
本当で、見える範囲で6本しか釣
れていないのだが、この日の私たちの場所は良かったようで、まだ釣れそうな気配があった。
16時05分、妻が着水してすぐにアタリを感じていたようで、長い時間じっと我慢してその時を待っていたそうだ。半分ほ
どリーリングしたところでアワセを入れ無事乗った。タモに入ったのは銀Cのメスだったが、迷わずリリースした。こんな
に短時間で、これだけ釣れる場所ではあったが、屋外スピーカーから「漁船が入港しますので大至急車の移動をお願
いします・・・」というアナウンスが流れてしまい、間もなく横付けされるであろう船の位置に大型トラックが入ってきたの
で、大急ぎで片付けを始めることになってしまった。
21時前にメガ弟さんと一緒に第四埠頭入口へ向かうと、何と!「開放中」になっていた。多くの釣り人たちはこのことを
知らないのか車の数は10台程度で、どこでも好きな場所を選べそうではあったが、各人気ポイントに泊めている車も半
数はあった。メガ弟さんは翌朝に覗きに来るかも?と言って自宅に戻った。
この日はとにかく幸運続きで、信じられないような気分でいたが、長い間釣りをしていない師匠には開放中を連絡して、
それから間もなく布団に入った。


11月21日 5時の目覚しでは早すぎて真っ暗だったので寝なおし、20分後に起きた。外に出てみると、なま暖かいような
風が強くなり始めていた。ゆっくり準備を始めてから外に出ると、次々と入ってくる車であっという間に一杯になってしま
った。やや明るくなって周囲の様子を見るも、まだサケは釣れていないようだった。
朝マズメは今日もダメかと思いながら6時17分に第1投。3分の1ほどリーリングしたあたりから、モゾモゾとしたアタリがあったのでキュウリか?と思いつつも慎重に引いてくると、半分を過ぎたところからアキアジを確信した。しかし、まだ合わせられなかったので、我慢比べを残り3分の1まで続けて、やっとアワセを入れた。私の周囲には誰もおらず妻も準備中だったので、自分でタモ入れをしたが軽かった。
上から見ると細くてサンマのようなサケではあったが銀Cプラスの判定をしてリリースした。
レガオさんに電話をしたが起きない・・・チカさんもやっぱり起きない・・・・・すぐに折り返し二人から連絡があり、時間を要するが来ると
言うので一安心していた。
妻もキャスティングを始めて、相変わらずサケ釣り一色の第四埠頭になっていた。
今シーズンは帽子岩が絶好調だったので、密かに狙っていた3桁釣りも11月に入ってからは絶対に無理だと思ってい
たが、この日は行けそうな予感がしていた。カラフトマスを含む記念すべき100本目は実に豪華な1本となったのだ
が、 6時32分、後方からの強い風が少し力を入れてキャスティングすると随分遠くまで飛んで着水するが、この時期は
遠投は全く必要ない。しかし、この強風も私には幸運となって、リーリングを始めてすぐに遠くから明確なアタリがあり、
ヒットした!

私の最後の一本
この時期のやる気のないサケとは違い、ヒットしてからも抵抗力はあった。目の前でも随分暴れてくれてから妻の差し出すタモに入った。
間違いなくキープしなければならないと思えるほどのサケだったので、ハンマーを車に取りに行く間に飛び散ったウロコが朝日にキラキラ輝いてきれいだった。69cm・3、9kgのメスではあったが、このサケが自宅に戻ってから大変貴重なサケであることが判るのであった。 
見える範囲で、この朝マズメは私の2本+3本程度で終わってしまうほど少なかった。しかし、チカはどこでも釣れ始め、チカ釣りに変更したり両刀使いの人も多かった。
レガオさんとチカさん親子も到着したがサケ釣りはチカさんだけで、何故かレガオさんとJrは車内で本を読
んでいた。日が差しているとはいえこの時期の外は寒く、チカさんと私以外は車内で暖をとる時間が多く、チカさんは釣
れないサケに見切りをつけて友釣り?となるチカ釣りを始めていたが、Jrとレガオさんはそのチカ釣りも数十分で見切
りをつけてしまっていた。
そして、メガ弟さんがあのバンブーロッドを持って現れ「これでアキアジ釣りたいんだよねー」と言っていたが、もしも釣
れたら確実に折れそうだった。そのバンブーロッドにサビキをつけてチカを釣ってみるも、ロッドか硬すぎて釣りにくいら
しく、ロッドを捨てて実家に帰ってしまった。
師匠が松さんと現れたのはその後であったが、別な場所を探して消えてしまった。後で探してみると、良さそうなポイン
トで師匠だけがキャスティングをしており、松さんは「師匠が釣ったらオレの出番だ!」と意味不明なことを言っていた。

    
                                                妻最後の一本
二日酔いと睡魔に勝てなかったレガオさんとチカさんは10時過ぎに帰ってしまい、雲がすっかりなくなってしまった青空
の下、ダラダラした釣りを楽しんでいた。右隣の方は師匠の知り合いらしく、私とは隣のせいもあって釣りの話を長い時
間楽しむことができた。
10時47分、周囲でも釣れない状況が続いていており、様子を見に来た師匠と話し込んでいたときに妻にヒット!このサ
ケは妻にとって50本目の貴重な1本だったので慎重にタモ入れをした。銀Cのメスで、居合わせた師匠にもらっていた
だき、安心したところで私は車内で休憩した。
温かい飲み物を飲みながら妻の様子を見ていると、いつの間にかロッドが曲っていた。まあ急ぐこともないだろうと思っ
ていると、隣の人がタモを持って駆けつけてくれたので私も外に出たが、バレてしまったようだった・・・残念。すぐ目の
前でヒットしたので合わせきれなかったらしかった。
その後はアタリも全くなく、主とするエサもなくなり、隣の人がくれたエサなども使ってはみたが、結局納竿することにし
た。昼食をコンビニの弁当で済ませてから、網走を後にした。


夕食後、筋子の醤油漬けでも作ろうかとサケのお腹に出刃を入れて自分の目を疑った。中には筋子が見当たらな
い・・・かといって白子もない?内臓を除けてみると小さな粒の筋子が片側100粒程度で、こんな状態のサケは初めてだ
った。腹は出刃を通す感触が全く違い、随分と厚く刃には脂が付いていた。

    
              腹まで銀ピカ                          筋子はこれだけ
身は異常に赤く、3枚におろした時には、かつてない美しささえ感じたほどだった。あの幻のサケは生殖巣が未成熟で
あるから、これはもしかしてそのサケから少し成熟した・・・「なんちゃって鮭児」であろうか?深まる疑問とは別に、大事
なのはその味である。翌朝の朝食に塩焼きで食することにした。
まず驚いたのは、出てきた脂が焼き網の下に落ちることで、普通のアキアジではあまりないことだ。そしてその味
は・・・・・初めて感じたうまさで、ハラスの先がキングサーモンのように脂ぎっていたのには感動すら覚えた。しかも、あ
んなにくどくはないのだ。
このままでは納得できないので関係機関にお願いして、このサケは何なのか?確かめてみたいと考えている。このよう
な魚が釣れてしまうから、どんなに寒くてもサケ釣りに通ってしまうのだろう。


おわり  



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