4月の釣り



   ■ つりぼり厚和

4月8日 2日ほど続いていた春を感じる暖かさに、そろそろ巻き貯まってきたフライのテストをしてみたくなり、3月25日
には早くもオープンしていた留辺蘂の管理釣り場へ行くことを決めた。
この日も良く晴れていたので、何の心配もなく10時過ぎに出発!所々雪解け水に濡れた路面はあったものの快適なド
ライブ日和となった。大雪湖では氷が全く解けておらず、一面真っ白な氷上と青い空が対照的だった。石北峠を越えて
からは、道路脇に沢山のエゾシカの姿が確認できて、長く厳しい冬を乗り切ったシカたちは、やせ細り灰色の薄汚れた
姿ではあったが、しきりと何かを食べているようだった。そんな姿を楽しんでいるうちに常元方面への標識が見えたの
で、右折しようとしたところ「通行止」の案内板が見えた。しかし、道半分は開いていたのでそのまま進入して、数百メー
トル先のつりぼり厚和・入口から私道に入った。
数日前の大雪の為にその先は通行止めになっていたようで、受付をするために入った事務所の中で客と電話で話して
いる管理人のおばさんの話を聞いて、そのことを知った。
池はメインとなる2号池に8人ほどの釣り人がいて、奥にある3号池には1人しか姿は見えなかった。
到着したのがお昼近かったので、さっそく車内で食事をしながら目の前の2号池で釣りをしている人たちを見ていたが、
あまり釣れていない様子・・・。唯一マーカーをつけたニンフ釣りの人が時々釣れていて、その子供なのか5歳くらいの女
の子がうれしそうにタモ入れをしていた。



ここで重大な失態に気付いた・・・・・フライやルアーなど一番大事な小物が入っているベストを忘れてしまったのであ
る・・・・・私にとっては驚愕の大事件である。
お先真っ暗な状態に食事ものどを通らず、それでもなんとか済ませてから管理人のおばさんに泣きつくと「これでよかっ
たら・・」とスプーンやミノーが数個入ったルアーケースごと貸してくれたのである。感謝!
幸いフライを巻くためのバイスやマテリアルは持参していたので私はフライ、妻は借りたルアーで釣り始めることにし
た、ところにキッシーさんが現れた。
向かい風が強かったためにフライは諦め、妻と1本のロッドで交代(ロッドは持参していたが、寒くて準備する気力がな
かった)で続けていたが釣れない・・・。そのうち妻は寒さの為に車に戻ってしまったが、その直後、私にヒット!しかし残
念ながらスレだった。
大きなニジマスの尾びれ近くに引っ掛かってしまったためになかなか取り込めず大変だったが、久しぶりにドラグ鳴りま
くりの楽しい感覚を思い出すことができた。リールが妻用の左巻きだったために、感覚が違っていまひとつ満足できな
かった。
しばらくしてから釣れていない状況を見かねておばさんがエサを撒きに来てくれて、撒いた瞬間にヒット!キッシーさん
もヒット!その隣の人もヒット!しかし、フィーバーはすぐに収まってしまうという活性の低さは寒さのせいなのだろう。
風を背に受ける場所が空いたので反対側に移動してみたが、マイナスの気温は指の感覚をなくし始め、体に震えがく
るほど冷えてきていた。そんななかでもキッシーさんは新たな技を使ってヒットさせていたが、私にはそれを試みる元気
もなくなっていて、車に戻ってしまうことになった。
3人で車内で休んでいるうちに釣り人の数も減ってきて、次第に天気は曇りから雪に変わった。随分と長い時間車内でおしゃべりしていたが、まだ試していなかった3号池が気になったのでそちらへ行ってみることにした。
池の3分の2以上が氷に覆われていて魚の姿もあまり見えず、フライには無反応そうだったので3キャストで中止し、ルアーをキャスト。足元はまだ雪で不安定なので、場所によってはタモ入れの際に滑り落ちそうになった。

3号池
ここで再びおばさんがエサ撒きにやってきて、撒いた瞬間にヒット!ルアーが流れていた位置は撒いた場所とは離れて
いたにもかかわらず、この食い気の凄まじさに驚かされた。
キッシーさんは独自の釣法で頻繁にヒットさせていて、それにも飽きた頃にはフライに挑戦。しばらくしてヒット!
メガ弟さんから教えていただいて私が巻いてきたパイロットフライとした、グリフィスを使ってのものだったのである・・・自
分で釣りたかったのだが、寒さにかじかむ手にそんな元気は残っていなかった。
事実、ガイドの先端に付いた水が凍り、しばらくするとラインがギコギコ言い出して巻けなくなるほどだった。体の震えが
止まらなくなってきたので再び車に戻ったが、釣り道具は全て片付けて、車内で温かいコーヒーを飲みながら再び談笑
のひとときを過ごすことになった。
気が付いた時には18時近くなっていたので、おばさんにルアーを返してから出発したが、私達の姿が見えなくなるまで
おばさんは手を振ってくれていた。
石北峠までは雪が降っていて積雪もあったが、層雲峡に近づくと乾いた路面に変わり空も明るかった。不完全燃焼の
厚和には、早めのリベンジを考えている・・・。





   ■ 富武士(サロマ湖)

4月16日 週末はのんびりと休養を・・・と考えていたのだが、サロマ周辺の各漁港に大チカが入っているとの情報を見
てしまったので、急遽早起きしての出発となった。早起きといっても5時半の目覚しなので、楽に起きることができたの
は歳のせいだろうか?
天気は曇りだが雲に霞んだ太陽が微かに見えていて暗くはなかった。途中のコンビニで朝食を買い車内で軽く短時間
に済ませ、現地近くにあるサロマ町のコンビにでは昼食を調達した。
サロマ町内からは、昨年の同時期に爆釣した富武士(とっぷし)漁港までは5分程度という近さで、牧場が多い丘陵地
を越えるとすぐにサロマ湖に出る。
昨年のポイントを覗いてみると誰もおらずガッカリ・・・・・しかし、その奥にあるやや広い新港に数十人の釣り人の姿を発
見!速度を落として様子を見ながら奥へと進んだが、釣れていない・・・。
一番奥まで進んだところで数人の竿に鈴生りの魚が釣れている姿が見えたので、その場に車を止めて様子を見ていた。チカにしては大きな魚に見えたので釣り人に話を聞きに行くと、釣れていたのはやはりチカであったが、20cmを超える大きなチカも釣れていたのでキュウリかとも思ったほどだった。
しばらくは気さくなおじさんたちとお話しをしながら釣れる様子を見ていたが、カレイも狙える栄浦はケンカが起こるほど混んでいるとの情報を聞き、栄浦はやめてこの漁港でチカ釣りをすることにした。
一級ポイントは当然のことながら隙間なく一杯だったので、やや離れた場所であればいくらでも釣り場はあった。
さっそく準備を始めたのだが、強く冷たい風が吹いていたのでなかな

自作ウキのおじさん
か進まず、先ほど親しくお話をしたおじさんが様子を見にやって来てくれたときにも、まだ仕掛けを下ろすには至ってい
なかったほどだった。
ようやく2本の竿をセットした時にはチカの群れは去った後だったので、すっかり冷え切った体を温めるために車内へ
避難した。釣り場を見ると釣れなくなったのか、隣の二人のおばさんたちもその向こうの人たちも車の中だった。
20分ほど経過した頃だったろうか湖側から釣れ始め、隣のおばさんたちにも動きが見えたので私も外に出てみると、私の大き目のウキが海中に刺さりこんでいた。久しぶりのチカ釣りだったので魚の外し方のコツを忘れてしまっていて、ワカサギの針外しのようなことをしていた自分が可笑しかった。
春の大チカは1匹だけでも重く感じるのが5〜6匹釣れてくることも珍しくなく、準備していたオキアミも使うことなく置き竿をしておくだけで釣れてしまうのだからこんな楽な釣りは無い。
風も次第に収まってきたので、妻も外に出て複数匹釣れる大チカ釣りを楽しみ始めた。
釣り場の半分以上が近所の人たちというアットホームな雰囲気と、気さくな人たちに囲まれて楽しく過ごすことができた。
しかし、10時過ぎにはピタリと釣れなくなったので、散歩がてら歩いて5分ほどのきれいな公衆トイレに行くことにした。
日曜日ということもあって漁港内は静かで、係留されている小型の漁船が岸壁の壁に擦れて出る「ギュッ」という音だけ
が聞こえていた。近くにチカ釣りをしている地元のおじいさんが二人いたので、少しだけお話を聞いてから釣り場へと戻
ることにした。
のんびりと歩いて自分の釣り場へ向かっていたが、なにやら釣り場にあわただしい動きが見えていて、てっきり車内か
と思っていた妻も忙しく動いていたのであった。
チカの群れが入っていたようで、短い時間の間に数十匹の釣果があったそうだった。そのまま良い状態で釣れ続けていたが、私が一度に釣った5匹の中の1匹が見たこともない魚だった。私は「たぶんオオナゴだろう」と思って妻に話していたのだが、自信はなかった。
自宅に戻ってから調べてみたところ、正式名は「キタイカナゴ」で、その大きさからして2〜3年魚のようである。
今シーズンの新たな目標としてキッシーさんと話していたのだが、釣った外道も大切に記録するだけでなく、むしろ外道は自慢の釣魚にさえなってしまうという話をしていたので、キタイカナゴは貴重な1匹となった。
関西の友人が春を告げる魚と言う「イカナゴの佃煮」を毎年送ってくれることで食したことはあったが、このような大きさのイカナゴは見ることも、もちろん釣ったのは始めてだったのである。

一瞬サンマかと思った
その後のチカ釣りの方はといえば、大きな漁港ではないところにいくつかの群れが回遊している状態だったので、魚が
いないときには周囲の人たちとお話をしたり、車の中で休憩しながら竿先を見るといったのんびりした釣りだった。
お昼近くなって一時ぱったりと釣れない時間がありその合間に昼食を食べていると、隣の方が釣れていることを教えて
くれるので食事を中断して魚を取り込み、再び食事を続けるといったこともあった。
加工場に出稼ぎに来ているという中国の若い女性たちが賑やかな中国語で話しながら漁港を散歩していたが、こんな小さな港でも外国からの出稼ぎ者がいることを知り意外な感じがした。
食後はキャンプ用のイスを出して竿の前でのんびりとする私と、車内で昼寝を始めた妻だったが、次第に向かい風が吹き始めた後から小雪も混じってきてしまった。しかしこれも天気予報の範囲内で、チカは充分に釣れたのでいつ納竿しても満足だった。
そろそろ片付けを始めようかと思っていたところに群れが入ってきてしまい、気付いた妻も忙しく釣ったりバケツの周囲で跳ねているチカをバケツに入れたりして、2つ目のバケツにも魚が増えてきていた。
13時半、群れが去ったところでキリよく片付けを始め、隣のおじさんに挨拶を済ませてその場を去った。
サロマ町までは雪が降っていたが路面は濡れている程度で、高規格道路は一部に積雪があるほど雪が激しく降ってい
た。





   ■ つりぼり厚和

4月22日 新開発のフライを巻いたので試すことも楽しみだったが、前回の物足りなさを満足させることが最優先だった
のかもしれなかった。
MLBのテレビ観戦を途中で切り上げて出発したのは10時半過ぎ、途中の大雪湖では2週間前と同様に湖面は氷に覆
われているらしく雪しか見えなかった。石北峠に近づくと雲間から日が射してきて、その暖かさは春そのもののような強
さも感じられたせいか、隣を見ると妻は眠ってしまっていた。
国道39号線から常元方面へ右折すると、その先は通行止が解除されておらず、釣堀の水面の氷も残っているのではと
少しだけ心配になるくらい晴れ間は何処かへ消えてしまっていた。
釣堀に着くと、丁度キッシーさんも到着したばかりで準備中だった。受付を兼ねてそのまま管理事務所で昼食を食べながらおばさんと色々な話をしているところに、放流のために上川町からやってきたトラックが2号池の脇に停まった。
聞くと600gほどの魚を100kgほど放流すると言うので、食事をしながらも目はそこに釘付けになった。丁寧に網で放流していたので魚の大きさはわからなかったが、池の中の魚が増えるということは釣れる可能性も高くなるので期待できる。
しかも、数日降り続いた雨のせいで濁りがきつくなり、魚の警戒心も薄くなっているのか、この日はたくさん釣れているとのことで早く釣りたい気持ちではあったが、コーヒーまでご馳走になってしまい随分とのんびりしてから車に戻り準備を始め

左端が放流中の車両
た。
天気は曇りで風も冷たかったが、前回に比べれば気温も高いし全ての池から完全に氷は消えていた。2号池に比べて
型は少し小さくなるがたくさん釣れる3号池から始めることにして、どんな時でも必ず釣れるルアーを付けての第一投!
すぐにヒット!立て続けに3匹釣れたので、即刻封印・・・。

放流直後のニジマス
次に明るい色の軽量スプーンをキャストするが、これもすぐに釣れてしまう・・・。水は濁っているので、魚にしてみれば随分と視界が悪い状態のせいか警戒心が薄く簡単に食ってくるのである。やがて、このルアーも間もなく封印!
キッシーさんもいつものルアーでどんどん釣っているが、妻は不調気味・・・。しかし、いつもの慣れたサイズにルアーチェンジしてからは釣れていた。
釣れる魚の半数以上は、さきほど放流していたと思われる30cm前後の小型のニジマスで、元気は良かったが少し物足りなさを感じていた。
しばらくしてからキッシーさんが、私にフライはやらないのかと何度か勧めるのでフライを始めることにしたが、濁りのき
つい魚にドライフライは無力で、早々に諦めて別の新作フライを使うことにした頃、「しょうがないなあ、もう・・・」などと意
味不明な言葉を残してキッシーさんが釣り場から消えた。
しかし、数分で戻った時には何やら見たことのない新しいフライロッドを手にしていたのである。
なんと!手にしていたのは「無人速度取締自動監視装置 というメーカーの 透明水シリーズ・伝統装備」という長い名前の、みるからに重厚なフライロッドだったのである。
ついにキッシーさんもマイロッドでのフライ・デビューである。
で、私はといえば、こんなフライを巻いた人はいないだろうと思いながら近場の魚を狙ってみることにした。実はこのフライはキッシーさんの考案で前回も車内で巻いてみたのだが、納得できるものができなかったので使用せず、試行錯誤の末にようやく完成した逸品である。
「新しいロッドはいいねえ・・・」などとキッシーさんのロッドを見ながらウキ釣りをしていると、何と、ウキに反応があった。すかさず合わせるとヒット!
フライの世界ではウキのことをインジケーターと言うらしいが、

3号池は釣り人も多い
この言葉はすぐに忘れてしまうのでこの時点では「ウキ」となっている。
ルアーに反応する魚は放流したばかりの小さいものが多かったが、ウキエサ釣りのような釣り方のフライには大きな魚
が釣れるようで、なかなか寄せられないほど型モノが釣れることがこの後の釣れ方で確認できた。

        
                3号池                         4号池にてブラウンヒット
しかし、何匹か釣った後は飽きてしまいルアー釣りを楽しみ、その後キッシーさんもルアーにチェンジ。妻は寒いと言っ
て車に戻ってしまう。私とキッシーさんは寒さも忘れて夢中で釣りを楽しみ、その後は4号池を試してみたのだが数本を
バラシ・・・反応も鈍かったので、再び3号池に戻った。
しばらくの間続けていたが、寒さに耐えられなくなり暖をとることにして駐車場へ向かったところ、おばさんが2号池で給
餌をしている姿を発見!すでに入れ食いタイムが始まっているので暖などとっている暇などなくなり、キッシーさんはす
ぐにヒット!

フライには50cm弱が釣れる
私も必殺フライをキャストしたところ、一発でヒット!大きなニジマスだったのでなかなか寄せられず楽しむことができた。
しかし、体の震えが止まらなかったので休憩所に避難。休憩所は薪ストーブなので、その暖かさは体の芯まで染み込むようであった。
一緒に休憩していた高校生の4人組は、指が動かなくなったというくらいに頑張っていたようで、「1500円も払ったのだから暗くなるまでやるぞ!」・・・凄い根性だと思った。
一方、私が体を温めている間もキッシーさんはたった一人で釣り続け、コーヒーをご馳走になった私と4人組が再び2号池に向かったときは、すでに暗くなり始めていた。
私が休憩している間に10匹ほど釣ったというキッシーさんだが、中には70cmほどの大型も釣れたそうである。
水面のウキが微かに見える程度になってしまった時、私とキッシーさんほぼ同時ヒットし、これを最後に私は納竿とし
た。キッシーさんは更にもう一匹追加してから片付けを始めたが、キャップライトが必要なほど暗くなっていた。だが、4
人組はまだ続けているというド根性をみせていた。
19時5分前に出発、厚和を後にしたが、こんな時間まで釣り続けていた私に妻は飽きれかえってしまっていたようだっ
た。





   ■ サロマ湖

4月28日 ゴールデンウィークの初日も「釣り」から始まろうとしていた。
キッシーさんに頂いた情報を信じて、カレイが釣れそうなポイントがあるサロマ湖内の漁港には翌朝向かう予定で、い
つになくのんびりしていたので、出発は20時近かった。
星空の下を軽快に走っていると対向車線ですれ違う車の多さに驚いたが、反対にサロマ方面は前後に車の姿を見るこ
となくサロマ町に着いてしまった。いつものようにコンビニで買い物をしてから、10分後には道の駅サロマ湖に到着。す
でに数台の車中泊の車があり、私達もその中の1台になって車内でくつろぎ、23時過ぎには横になった。


4月29日 目が覚めたのは5時過ぎで、なかなか起き上がれずにいるうちに朝日が山の上から顔を出してしまった。
予定よりも随分遅くなってしまったが、たくさん釣りたいなどという気持ちもさほどなかったので景色を楽しみながら釣り場へと走った。
浜サロマの大きな河口付近では、何が釣れるのか知らないが数台の車が停まっていて投げ釣りをしているのが見えた。
栄浦の様子も見たかったが遠回りになるので通り過ぎ、常呂漁港ではチカが釣れているとの情報どおり数台の車と釣り人が見えた。
そしてようやく目的の漁港に着いたのだが、なにしろ初めての釣り場と、予想していた場所には1台しか車がなかったこ
とで困ってしまう。その周辺を探索してみたところ、漁船が停泊している先に釣り人の姿を発見した。しかし、たった一
人しかいないし双眼鏡でしかその様子は確認できなかった。釣れているのかいないのか、しばらく観察していたが判断
できなかったので、そのポイントまで歩いて様子を伺うことにした。
5分も歩けば先端まで行ける距離なので散歩がてら周囲の様子を調べながら歩いてみたものの、意外に風が冷たくて
細い防波堤だった。
先行者に聞くとあまり釣れていないそうで、一人寂しかったのか私にも釣りをしたらと誘ってくれる・・・・・私としてもせっ
かく来たのだから竿を出したかったので後押しをしてくれたことになり、準備の為に車へ戻った。

幅は3mほどと狭い
ブラーにルアーロッドと磯竿の二刀流で最小限の装備は少しやる気がなかったと後から反省したが、防波堤の入口の港内で試し釣りをしていた丁度この時、地元のベテラン釣り師の人がこの釣り場の情報を教えてくれてから防波堤方面へ去って行った。
そして更に二組の地元老年夫婦が私に言葉をかけてくれて行ったので、防波堤は私を入れて7人となり、並行に走っている船道の対岸の防波堤にも数人の釣り人があり、釣り場らしい雰囲気となった。
すぐに地元ベテランの方々に次々とカレイが釣れ始
めてきたので期待が高まったものの、私には何の音沙汰も無い・・・。やっぱりエサが古いばかりか細くて針にやっと通
るようなイソメはダメかと少々気が滅入ってきていたときに、隣のおばさんに身の厚い30cmくらいのクロガレイが釣れた
ので、思わず見に行ってしまった。
ブラーでも胴付き仕掛けでも釣れていたので、仕掛けを磯竿には3本針胴付き仕掛け(昨年の使古しだった)を付けて
近場に投入し、もう一本のブラー竿で誘っていたところすぐ目の前でカレイらしき反応・・・アワセを入れてみると更に反
応があったので確信してリールを巻く・・軽くなった?バレたか?次の瞬間グッと引きが強くなって、ルアーロッドなので
ニジマスとは一味違った引きの楽しみを味わいながら、クロガシラかクロガレイか確かめなかったがこの日最初のカレ
イが釣れた。
隣のベテラン老夫婦も「よかったね」と祝福してくれて、なんだか以前からの知り合いのような暖かさを感じたのは、快晴の空の下だったからかもしれない。
さあこれからだと張り切っていたところにイヤーな潮目が現れ、黒い筋がこちらにどんどん近づいていた。
黒い筋目の正体はサロマ湖特有の藻の固まりだった。これが糸に絡み付いてしまうのでアタリはもちろんとれなくなるばかりか、その量の多さに仕掛けが引っ張られてしまうのである。さらにその潮目の向こうには泥水で濁ったような海水がこちらへと向かっていたのである。向かい風による流れ藻と海水の濁りに、この日の釣りを見切ったベテランの判断が正しかったかどうかは別問題として、地元の方々が帰り支度を始めときにまとわり付いた流れ藻を取り除こうとした磯竿に変化を感じた・・・

こんな外道も
重い!大きくしなった磯竿仕掛けの下に型の良いカレイが見えたのである。
ずっしりと重いカレイは身の厚いクロガレイで、久しぶりの30cmオーバーだった。もちろん隣のご夫婦が祝福してくれた
ことは言うまでもなく、他の人たちが納竿して行ったものの私の釣りへの意欲は高まることとなった。
この後数枚のカレイを釣ったのであるが、潮止まりの時間も重なり全く反応がなくなってしまったし、お腹も空いてきた
ので一旦車に戻ることにした。
        
           この日唯一のトリプル                 この大物よりも手のひらサイズが美味
車内で寝ていた妻を起こして朝食をとっていると、河口にたくさんの車が集まり始めていた。干潮時間が近づいていた
ので、干潟になった河口付近に漁師が集まり始めアサリ漁をしているようだった。
食後は妻も一緒に釣り場へ向かい、置いてあった竿を上げてみると、重い・・・何と!3本ある仕掛け全てにカレイが釣
れていたのである。1枚はカワガレイだったが、2枚のクロガレイはから揚げサイズの食べるには丁度良い大きさだ。
妻はルアーロッドのブラーで足元を探っていると、竿先がピクピクと反応し始め、ヒット!しかし大きなカワガレイで少し
ガッカリ・・・。その後、向かい風が強くなってきたので妻は車に戻り、私一人が釣り場に残った。

栄浦漁港
時々反応を見せるカレイとのかけ引きのお陰で退屈はしなかったが、釣れる大きさは30cmには満たないものばかりで、11時には釣り場を後にした。
昼食を眺めのよいところで楽しもうと考え栄浦漁港に行ってみると、さすがに昼時だったせいか20人ほどしか釣り人はおらず釣れている様子もみられない。
昼食後は相変わらず風が強めで、外に出て様子を見て回ったが、カレイ以外の魚ばかり釣れていた。
帰りがけに加工場の排水が流れ出ているポイントを覗いてみると、釣り人が一人サビキで40cmくらいの魚を釣っていた。 
聞くと「ウグイしか釣れんワ!」そう言いながらも、何本かのウグイを釣り上げリリースして去って行った。
私もその場を離れ帰ることにして車を走らせた。途中の遠軽付近で電話が鳴り「いますれ違ったよ!」師匠の奥さんだ
った・・・まったく気付かなかった。久しぶりに明るい時間に自宅に戻ることができた。

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