6月の釣り Vol.2



   ■ 近郊河川(石狩川水系)&つりぼり

6月19日 5時起床だったが20分前に目が覚めた。
昨夜は沢山のビールを飲みながらWCを観てから寝たので体が重くて、このまま寝てしまおうかとも思ったが、ビョーキ
のレガオさんに文句を言われると困るので起きる事にした。
顔を洗ってみると意外とすっきりして、5時になったところでレガオさんを起こすが、なんだかまだ寝ぼけている様子・・・。
しかしこの男、釣りとなると驚くほどの体力とモチベーションを発揮するので何の問題もない。すぐに出発し、近くのコン
ビニで食料を調達してから現地に向かった。
雨上がりの靄は山の上に僅かに残っている程度で、早朝の清々しさが実に気持ちよい。もちろん私はフライの準備に
取り掛かったのだが、ちょっとしたトラブルからフライを諦めてルアーの準備・・・。

      
            まだ少し水量が多い
レガオさんは早くもミノーをキャストしており、私が準備を終えた頃には「反応なし!」と戻ってきていた。
次に橋を渡った対岸のポイントを攻めようと下りる場所を探してみると、急な斜面に2箇所ほど下り場があった。1箇所
目は危なそうだったので、レガオさんが見つけた奥側から川に下りる。
いくつかのポイントを試してみたが反応はない・・・というよりもフライでやる気満々だったので、ルアーでは気力は失せ
ていたのかもしれなかった。しかし、レガオさんが反応がないというのだから、魚はいないのかも知れない。
早々とこの川に見切りをつけて、次の川に移動することにした。
10分で移動して、国道脇の駐車スペースに車を停めて田んぼの脇を歩いて川に入った。
うーん、きれいな川だ!水が澄み切っているし、川底の石がぬるぬるしていない。しかも、魚がいそうなポイントが沢山見えていた。私も今度はなんとかフライを準備して入ったので、なんとなく釣れそうな予感がしていた。
いくつかのポイントを流しているうちにライズがあったが、フライ初心者にはそう簡単に釣れるはずもなく、下りてきたレガオさんがオショロコマを釣ったと聞いて再び希望を持った。
釣り下っていくうちに川幅一杯に大きな流木が道を塞ぐように何本も重なっていて、更にそのすぐ下には根まで残っている大きな木が倒れていて、増水した川の巨大なパワーを垣間見ることになった。

凄い迫力だ
大木が倒れている間のポイントを二人で攻めていたところ、レガオさんにヒット!・・・しかしバラシ!そこで私がフライを
流し込むと・・・魚が姿を見せたが、合わせるには至らず・・・。
ここで大木を避けて川から上がってみると、次のポイントまでの道が付いていたので私はその道を使って移動し、レガ
オさんは川をそのまま下りていたようだった。

実に神秘的
そして、川に出てからすぐの中央部を流したときに再びフライに反応があったのだがフッキングには至らず、その後反応はなくなった。
レガオさんと合流して下ろうとしたのだが、その先は別の流れとの合流点になり、濁りがきついことと流れが速すぎることで終了。
最後にもう一度二人に反応があったポイントを攻めてみることにした。
倒れている木の下にフライを流してみたところ・・・なんと!ヒット!しかしバラシ!
アメマスだとレガオさんが言っていたが、私には全く見えなかった。
このヒットには妙に興奮してしまい、悔しさよりは自分のフライに天然の魚が反応した喜びの方が大きく、リベンジを誓
って車に戻った。
この川の上流部にポイントがあるというレガオさんだが、道東の人がどうしてそんなに知ってるの?そう思いつつも5分ほど車を走らせて橋の袂に到着。
上流なのに下流よりも流れが速そうで、川を渡るときは緊張する。
さっそくフライを流していると反応があったが、フッキングには至らない・・・。レガオさんも「出ないなあ・・」と言いながら二人で下り始めたときだった。
レガオさんが叫んでいて、みるとかわいいアメマスを釣っていた。
きれいな魚体で少しうらやましかったが、これは実力と経験の差・・・仕方がない。
その後、川下のポイントに移動する際に流れに片足をとられバランスを崩してしまったが、カバンの一部を濡らしただけで事なきを得、小さな川だと油断していたことを反省する。
そして、下流を攻め続けるも共に反応がなく、車に戻った時は11時であった。
魚は釣れなかったが、自分で巻いたフライでも沢山の反応を得られたことで自信に繋がったことと、川と森の中で過ごした久しぶりの時間が楽しかった。
さあ!それでは大きな魚の引きをたくさん味わいましょう!と釣り堀へ行くことになった。
10分ほどで釣り堀に到着、雨が降りそうな雲行きのなかで客はたった二人だけの貸切状態だった。
しかし、この日の魚たちは非常に活性が低く、レガオさんにヒットするがバラシ・・・私のフライはと言えば、やっぱりバラ
シ・・・。ダメなときの頼みの綱であるルアーも反応が薄いのである。
キッシー釣法もここでは全く効き目がなく、二人はキャッチできないままに時間だけがむなしく過ぎてゆく。
そしてしばらくしてからレガオさんの100円均一ミノーにようやく一本目のアメマスがヒットしてネットイン!レガオさんに満
足そうな笑みが!
        
       さすがレガオさん、スケール持っていた
そして、ルアーに変えていた私にもヒットしたが、なんだか随分大きそう!7.6フィートのカラフトマス用のロッドを使ってい
たので、いつも使っている6フィートのウルトラ・ライトであれば大変な騒ぎとなっていたかもしれなかった。
それでもなんとかバレることなくレガオさんがネットインしてくれて、型のよいニジマスをキャッチ。見た目70cmオーバー
かと思ったがそうでもなくて、それでも満足の一本となった。
その後はこの池でもキッシー釣法が少しだけ威力を発揮していたが、すぐに通用しなくなった。
レガオさんはライズに合わせたフライに変えて一投目でヒット!とか、ルアーでは色々なミノーを楽しみ、私はアメマスと
ニジマスを釣ったものの、さほどの釣果もないまま時間の経つのも忘れて熱中していた。
雨が降り始めてきたので帰ろうかと思ったときに、レガオさんが粘り続けたトップで見事キャッチしてから終了!
私としては珍しく、川のハシゴに加えて釣り堀にも行くことになり貴重な体験をした気分である。レガオさんありがとう!





   ■ 近郊河川(石狩川水系)

6月22日 という訳で(何が?)リベンジをせねば胸の支えがとれないのでバラした川に行くことにしたが、持ち時間は10
分程度しかないために攻めるポイントは一箇所に絞られた。
車から10mほどの近場にそのポイントはあり、はやる気持ちを抑えつつ車内でウエダーを履いて、今回は忘れずに持
ってきた虫除けスプレーをたっぷり塗り、車から飛び出すように川に向かった。
雨が降った後だが濁りは全くなく、相変わらずきれいな水と程好い水量に安心して中州の砂利の上に乗る。
そして狙ったポイントにフライを流す・・・・・食った!だがフッキングしない・・・。落ち着いて第2投・・・今度も居そうな場所
の上流に落ちてライズがあった場所に近づいたが、その少し手前で魚が食ってきた!

       
           川幅一杯の倒木
すかさず合わせると、今度はヒット!しっかり針掛かりしているようで、無事ネットインすることができた。20cmを少し超
えるほどのチビニジマスだが、エサが豊富なのか随分と太っていた。
よくよく見ていると時々ライズがあり、まだ他の魚が居るようなのでキャストを続ける・・・だがフライを変えるなどして攻め
たが、短い釣り時間内にはヒットしなかった。
ヒットフライはエルクヘア・カディスで、私が最初に憧れて巻いた入門用フライだった。





   ■ 網走港(南提)

6月23日 「今シーズンの網走でのカレイ釣りは終った・・・」と思っていたが、週始めにレガオさんから「土曜日に南提行
きの船が出るよー!」と電話があったので、迷わず「行く!」と即答した。するとその日のうちにキッシーさんからも電話
があり同行するとのことで、今度こそ落ち着いて楽しみながら釣りができると思った。
前回の爆釣のようないい思いは無理としても、ソウハチは混じるがそれでも満足できる釣果が得られることに加えて、
ゆっくりとロック・フィッシングなどを楽しみながら、ビデオ撮影でもしようと考えていたのである。

いつもどおりに夕食後に出発、高規格道路から白滝付近は大雨となり、その後は雨が止んだとしても又すぐに降り出し
たり霧に包まれるなど、速度を落として慎重に走らなければならなかった。
途中、常呂のコンビニで買い物を済ませて外に出るときはようやく雨が止みかけていたが、しとしとと降り続き完全に止
むことはなかった。
21時40分には網走市内に入り、仮眠用の駐車場に車を停めた。昨日のWCを観戦して睡眠不足だったせいか、23時過
ぎには横になり眠ってしまった様だった。


6月24日 2時の目覚しで起きるのは辛く、それでも5分後に2回目の目覚しが鳴る前にトイレに起きることにした。外は
まだ真っ暗だが雨は降っておらず、準備を手早く済ませて出発。
集合場所の船着場に近いコンビニで食料を買ってから、網走川の横にある小型漁船が並んで係留されている場所に着いたが誰もいなかった。
だが、20mほど離れた場所に船のエンジンがかかっていて明かりがついているのが見えたので、集合場所はもう少し先であることがわかったのは前回と違って暗いせいである。
そのまま車を停めて荷物を船に運んで行くと、今回同行する人たちとレガオさん、そしてレガオさんの職場の仲間であるトウサイさんがいた。
この日南提に渡る人数は11名で、この時点で乗船メンバーは9人と二人がまだ姿を現していなかった。

二人が重なってキッシーさんにもみえる
一人は別のグループの人で、時間を勘違いして5分ほど遅れるとのことだったが、もう一人はなんと!・・・・・我らがキッ
シーさんだったのである。
レガオさんの話では、昨夜は何らかののっぴきならぬ理由によって寝たのが遅かったらしく寝坊してしまい、へりコプタ
ーでもチャーターすれば?とレガオさんが助言したのも聞かず、今回は行けないと電話してきたそうである。
あの厳格で時間に厳しいキッシーさんが・・・寝坊?その衝撃は薄暗い船着場に、あのゴールデンウィークの地震のよう
に遠くから不気味な音とともにやってきて、恐怖に慄(おのの)く私達を軽く揺らせて去っていった・・・というほどの大事
件となった。
ということで、残念ながら今回はトウサイさんを入れて4人の釣り日誌となる。
船頭さんは前回と同じ人で、あの個性派俳優でいて東大法学部中退という天本英世のそっくりさんである。荷物を船に
積んで乗船が済み、周囲も随分と明るくなってきたところで出船となったのが3時10分過ぎだった。
網走川河口に近づいても波は全くなく、追い抜いていった中型漁船が残していったうねりで少しの間揺れただけだっ
た。そして10分ほどで南提に近づいたが、第五埠頭から出船していた漁船が引き起こしたうねりを避けるために少しの
間接岸せずに待ってから上陸となった。
沖合いもほぼベタ凪だったので上陸は容易で、あっという間に全員が上陸して各自釣り場に向かう。
私達4人は船から一番近い場所で、いち早く準備を済ませたレガオさんが一番にキャスティングをしていた・・・と思った
らすぐに釣れていた。今日も爆釣の予感・・・。
            
                                                 マガレイだらけ
私も1本目の竿にエサをつけてキャストしたが、糸のたわみの調整中からアタリがあり、それでもそのままにしておいて
2本目をキャストしてから巻き上げてみたが、マガレイと20cm位のギッシーことツマグロカジカが釣れていた。
それから少しの間この魚の猛攻に遭ってしまい、「ギッシーの呪いだー!」とか「寝坊したからってこんなとこから現れな
いでよー!」などと、さすが外道の中の外道キングであるツマグロカジカはみんなに好かれていた。
お断りしておくが、このツマグロカジカというのはSTVの釣〜りング北海道の番組中でギスカジカと呼んでいる魚だが、
正式名はツマグロカジカである。
しかし、しばらくすると釣れる魚はマガレイのオンパレードとなっていて、クロガシラもソウハチもほとんど姿を見せず、釣れ方は前回よりも良いくらいだったのでたちまちチカ釣り状態のように釣れたカレイがスカリに入れる暇もなく散乱していた。
この日も船頭さんは帰らずに船は船着場にあったので、時々見回りに来て他の人たちの調子を教えてくれたり、最近の船釣りの釣果を教えてくれた。
時々降っていた雨も止んだが、再三ガスがかかったりして沖にいることを忘れてしまいそうになる。
前回はそれほど多くなかったダブルは毎回のようにあったものの、手のひらどころかビックリするような小さなカレイも釣れてくるのでリリースはかなり多かった。
レガオさんの職場仲間のトウサイさんは「釣りキチになりたい!」という不思議な人で、自分から熱望する人はそうそういないだろう。今回も投げ釣りは初めてだったのか、丁寧に教えるレガオさんの説明を熱心に聞いていたようだった。
途中から投げ竿はそのままに捨て置き、ロック・フィッシングに熱中していたレガオさんだったが、周囲数百メートルすべてが彼専用の釣り場状態だったので、ポイントを捜し歩いているうちに姿が見えなくなってしまうほどであった。
7時過ぎには私もブラーにイソメをつけて目の前を探っていたところ、レガオさんがジグヘッドにザリガニのようなワーム
を付けてくれたので、彼と一緒にカレイ釣り場と反対のテトラポット群の隙間にジグを落とし込んで軽く誘ってみたとこ
ろ・・・小気味良いアタリとともにアワセを入れるとグッと重くなり、25cmほどのガヤことエゾメバルが釣れた。

        
       ロックにはまっているレガオさん                 型の良いガヤもよく釣れる
私もこれは面白いと入れ食い状態のようなロック・フィッシングに魅了され、良いポイントに当たると同じ場所から複数
のガヤやアブラコなどが釣れるし、釣れなくなってもすぐ近くに新しいポイントはいくらでもあった。
この日一箇所で一番多く釣れたのは6匹で、埠頭では考えられないほど魚は濃いようだ。
再びカレイ釣りをしているとキッシーさんから電話があり、第一声が「どうも、寝ボスケです!・・・」その潔(いさぎよ)さに感動しつつ長話をしていたところ、8時前だったと思うが途中で帰る人がいて、気が付くとその船が何故かバックしていて私の糸に近づいていた。
それでも電話を切らないでいると、とうとう糸を引っ張り始めたので慌てて電話を切って糸を緩めることにした。船では私の糸を手繰り始めていて、リールを巻いてくれと言っていたので軽くなっている糸を巻き始めた。
そして糸は船の後を回り、ここでようやく重さが伝わってきたが、すでに魚は海上に
見えていてカレイがダブルで釣れていた・・・見たところ2枚ともになかなかの良型で、この魚を釣った感触は船上で手繰
っていた釣り客が堪能していたんだなあと損した気分だった。
          
              テキサスリグも良さそうだ                       血を吹くカレイ
そんなパプニングに見舞われた後の8時少し前には、妻にどっしりとした重量感のあるダブルで釣れたマガレイとカジ
カだった。カジカは30cmを超える大きさだったのでキープすることにして放置しておいたところ、近くにいたマガレイを頭
から銜えてしまったのには驚かされた。このカジカは通称「真カジカ」と呼ばれているが、正式には「ギスカジカ」である。
9時前のことだった。それほどのアタリもなかったが竿先から微かな反応が伝わってきていたのでアワセを入れて巻い
てみたところ、随分と重くて巻き上げも根掛かりを避けるためにリールの高速巻きが大変な状態で、ぬうっと見えたの
はマガレイのダブルだったが一枚が結構デカイ!計ってみると36cmで、私にとっては今シーズン最大のカレイとなっ
た。
              
                                        この日唯一釣れたヒトデに見入る
妻もこの少し前に私よりもほんの少し小さいマガレイを釣っていた。
トウサイさんは地味に楽しんでいたようで、レガオさんの教えを守りながら南提の釣りでも釣りキチになるための腕を磨
いているようにみえた。
再びロック・フィッシュを楽しもうとしたレガオさんと私は、二人で「釣りビジョン」や「釣〜りんぐ北海道」などの釣り番組を
模してビデオ撮影をして遊んだのは楽しかったが、カメラを前に話しながら釣りをすることの難しさを知ることにもなっ
た。
帰りの船は予定の10時よりも遅れると船頭さんが言っていたのに、時間前にゆっくりと近づいてくるのが見えて大慌て・・・・・すぐに片付けを始めると、奥に入釣していた人たちは早くも船着場に戻っていた。
それでも荷物は少なめだったので素早く片付けることができて、他の人を待たせることはなかった。
大きな船が起こしたうねりがやってくるというので急いで乗船し、船着場から離れたところでうねりがやってきて揺れたが、前回の揺れ方に比べると全く問題はなかった。
ベタ凪の海上を軽やかに走って船着場に着き、荷物を車に積んでから、レガオさんがトウサイさんにルアー・フィッシン
グ講座をしていたので私も一緒に聞いて、11時には解散となった。
佐呂間で昼食をとり、睡魔に襲われた妻に付き合って昼寝をして、それでも自宅には16時半に到着した。
今回は時間に余裕があったせいかロック・フィッシングも楽しめ、釣れたカレイの数は前回よりも多かったが、妻は前回
に比べるとそうでもないという・・・確かに小さなカレイも多く、リリースした数は私だけでも40枚近くなっていた。
マガレイ・クロガシラ・ソウハチ・コガネガレイ・カワガレイ・コマイ・エゾメバル・黒ソイ・ギスカジカ・ツマグロカジカ・ベロ・ア
ブラコと12種類の釣果は大満足である。

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