11月の釣り Vol.2



   ■ 埠頭のアキアジ釣り

11月10日 先週はメスばかり持ち帰ったのでサケトバを作ってみたところ、これが意外に大評判だった。私自身も「これ
はうまい!」と思ったので、この時期にしかできないサケとチカを同時に釣る場所と言えば・・・網走しかない。
トバ用のアキアジを3本釣らねば・・・」そんな言い訳をしながら、来週は遠出ができないので、今週がおそらく本当に最
後のアキアジ釣りとなるだろう・・・・・?
出発前に師匠から連絡があり「木曜日に第四埠頭にて、午後から立続けに銀毛が3本」と聞き、少なからず期待も高まったことと、イノケンさんも最後のアキアジ釣行にするべく網走行きを決定したとのことで、釣り仲間も一緒で楽しめそうだった。
道中は雨が降り続き疲れる運転だったが、網走市内のコンビニで食料の調達を済ませてから第四埠頭を覗いてみると「閉鎖中」・・・やはりかと思いながら第五埠頭へ向かうと、予想通り車は少なくて20台ほどだった。
トロール船の停泊している間の出航の妨げにはならない場所に車を停めたので、早朝の出航時に起きて車の移動をすることもなく、安心して眠れそうな場所だった。

11日早朝
場所の確保を済ませたところにイノケンさんが到着して、軽く飲みながらアキアジ釣り談義を楽しんだ。


11月11日 話に夢中になっているうちに、気付くと24時を過ぎていたので寝ることにする。
5時15分の目覚しが鳴る10分前に起きてしまう自分に感心しながら外へ出てみると、イノケンさんもすでに起きていて準
備中だった。この時期としては異常に暖かく感じるほどで、先週よりも更に気温は高いようだった。
まだ真っ暗なので車内でゆっくりと準備をしてから外に出てみると、すでに明るくなり始めていたが、キャスティングを始めている人は少なかった。
6時を過ぎてから釣れ始めたが、どうも今シーズンの埠頭では釣れる気がせず、もちろんアタリなど全くないので一本だけ出しているチカ竿のウキの動きばかりが気になる。
6時25分、イノケンさんにヒット!タモ入れを手伝おうかと聞くと、自分でタモ入れをしてみたいと言うので見ていると、タモの重さに翻弄されてしまったのか、以前の小型のタモ網と軽量で長い柄を扱うようにはいかず、何度か隣のおじさんに指導されながらも無事ネットイン。
それから僅か数十分後に、再びイノケンさんが鋭いアワセを入れる音がした
「ビュッ!」・・・・・アワセ切れだった。
ウキアジをつくってしまったイノケンさんは、サケの後を追いかけてあちこち探し回っていたが、結局その姿

← イノケンさんの一本目
は海中に消えてしまっていたようだった。
ドラグを調べてみると固く締められており、いくら30ポンドのラインでもあのアワセには耐えられないだろう。一本目は中
途半端なアワセだったので、功を奏したのかもしれない・・・。
        
            妻の一本                            私達の釣り場付近
7時47分、妻にヒット!近い場所でのヒットだったので、すぐにタモを持って暴れる暇を与えずネットに入れた。何度か消
えたアタリをものにした一本で、この時期にしては大きめのオスだったので、トバサケ目標3本のうちの一本目がスカリ
に入った。
この頃、周囲の釣り人たちが慌てて道具を車に積み込み移動する姿があった。第四埠頭が開放されたとのことだが、
ここ第五埠頭は結構釣れていたので私達はそのまま移動することもなく釣り続ける事にした頃、レガオさん登場。
国道側ではチカ釣りをしている人が多く、対してオイルフェンス側はアキアジ釣り一色で、チカ竿を出しているのは私くら
いのものだったし、この日釣れたのは僅か一匹だけだった。
10時49分、再びイノケンさんにヒット!先程のライン切れで臆病になっているのかやや慎重なやり取りをして、レガオさ
んがタモ入れをして無事Get!
       
         イノケンさんの2本目                     レガオさんのタモ入れでGet
11時32分には、またまたイノケンさんにヒット!絶好調である。
一度顔を出した太陽だったが、その後は雲に覆われてしまって二度と見られなかったものの、風は弱いので差ほど寒
さを感じることなく続けることができたが、私とレガオさんにはアタリすらないのに対して周囲では複数本釣っている人は
少なくない・・・。
この日は近場ばかりでヒットが続いていて、遠くには魚は居ないのかと遠投気味に投げてみたところアタリ・・・合わせる
が乗らない・・・釣れない焦りが合わせのタイミングを狂わせてしまっていたのか?
その後、トラウトマスターズのカジカさんとそのお友達のトラウトさんが現れて一緒にキャストしていた正午近くなった頃、
1台のマイクロバスが埠頭に現れ、私達の後方に停車した。
       
           釣り場に大勢の人が・・                   不思議な姿で釣っている人も
バスから降りてきたのは師匠とお仲間の皆さんで、知床への旅行中にもかかわらず釣り場が気になって、途中から引
き返して様子を見にきたと言うから驚きだ。コート姿の師匠に私のロッドを預けて、ほんのひと時だが師匠もキャスティ
ングの感覚を楽しんでから、安心して知床行きのバスで去って行った。
12時48分、トラウトさんにヒット!この時期としては大き目のオスをキープしていた。

              
           トラウトさんニッコリ                      レガオさんの魚はイノケンさんが
13時40分にはレガオさんにヒット!久しぶりに「やっと来たぜー!」のセリフが聞こえ、タモ入れ大好きのイノケンさんが
もちろんタモ入れをしてメスをGetしてしまったので、とうとう私一人が残されてしまい、ますます釣れる気がしなくなって
きてしまった。
その後、ルアー付きのウキが流れて来るのをみんなで狙い撃ちして回収を楽しんでいた時だった。
回収に失敗した私が、一人抜け駆けしてリーリングしていたときにヒットゾーンの少し奥でアタリ・・・冷静に、冷静にと自分に言い聞かせて合わせたつもりだが、それでもタイミングが違うなあと考えながらヒットしてファイトを楽しむ。
タモはどこだっけ?と探していたときにフックアウト・・・ルアーがこちらに向かって飛んできて、目の前の海上に落ちた。うーん、どうしても私には釣らせてくれないようだ。この時、完全に私は釣りの神様に見放されたと思った。
そして、久しぶりにヒデボさんが現れ「見てましたよ・・・」と笑っていた
が、実はヒデボさんもこの日は第四埠頭で2バラシして帰る途中だったそうである。第四埠頭は全体的にも釣果は良く
ないようだったが、こちら第五埠頭は全体60本以上は釣れていただろう。
その後レガオさんたちが帰ってしまい、3人に戻ってしまったうえに周囲の釣り人も少なくなってきていたが、トロール船
が帰ってくる時間にはまだ早かったので続けていたところ、15時17分にはイノケンさんにヒット!
タモ入れの練習だと自分でネットインし、絶好調のイノケンさんが4本目を釣りあげた時点で私の希望は限りなくゼロに
近づいた気がしていた・・・。
しかし、最後に一本釣ってアキアジ釣りを終了したいと願う執念がアキアジを呼んだのかもしれない、15時43分にヒットゾーンでアタリ・・・しかしアタリは消えた・・・・・再びアタリ・・ヒット!
それに気付いたイノケンさんがすぐに来てくれて、素早く一発でネットに入れてくれた。頑張ったご褒美なのか銀ピカメスだったので喜びも数倍、思わずイノケンさんとハイタッチ!
イノケンさんのオスと交換して頂き、さらにもう一本オスを頂戴することになって、目標の3本のトバ作り用のアキアジを持ち帰ることにな
った。
この一本で、まだ釣れそうな気がしたのでキャスティングを続けたが、すぐに「もう帰るよ!」妻の一声で撤収となる。
イノケンさんと別れてから市内のホテルで温泉に入って体を温め、常呂ではサロマコ湖のカキを堪能してから帰った
が、途中から雪が舞い始め、今シーズン初めて雪らしい雪を見ながら帰途に着く。





   ■ 最後のアキアジ釣り

11月17日 先週で終了したはずのアキアジ釣りだが、火曜日に埠頭入りした師匠から「9時から昼現在で4本、松さん
が2本、しかも2本は新開発の仕掛けに同時ヒットして、松さんが一本のタモで2本の取り込みに成功!」などと、とんで
もない知らせがあった。
メールで送っていただいた仕掛けの写真を参考に、私なりに考えた仕掛けを2組作っての釣行を考えていたところ、妻
が「15日に網走の最後の網が上がるので、まだ期待できる」と、知人から聞いてしまったせいで「私も行く!」と言いだし
たので、結局二人で今度こそ最後の網走を目指すことになってしまう・・・。
いつもの時間にいつもどおりに出発するまでは同じだが、高規格道路に近づくにつれて雪景色となり、道路もアイスバ
ーンやブラック・アイスバーンに変わってきた。幸い高規格道路は圧雪で走りやすく、時間的な遅れは僅か5分程度とな
る。シーズン初めの雪道は恐ろしいので慎重に走行していたが、丸瀬布付近からは雪は消えて乾いた路面となり、星
空に変わる。
しかし、気温はマイナスとなっていたために常呂大橋はアイスバーン、卯原内付近では路外に飛び出してしまった事故
車も見てしまったために急に速度を落とす。
第四埠頭は・・やっぱり閉鎖中だったので第五埠頭ヘ向かうと、先週よりも車の数は多く、先週の場所にはすでに先行
者が・・・トロール船の出航の妨げにならない場所に車を停めてから、車内で二人きりのシーズン最後の一杯をやって
23時前には床についた。


11月18日 3時にトロール船のエンジン音で目覚めたが、さほど大きな音ではない。しばらくして船のエンジン音が消え
たので外に出てみると、すべての船が出港した後だった。
場所の確保ができて安心したところで5時過ぎの目覚しが鳴るまで寝ようとするが、結局眠ることはできなかった。
まあ、4時間も眠ることができたので充分だなと5時半には外へ出てみたところ、寝ている間に雪が降っていたようですっかり雪化粧をした別世界に変わっていた。
6時過ぎには、釣り人
でほぼ一杯になっているここ第五埠頭でもアキアジ釣りが始まり、先週と違うところはチカ釣りをしている人が多くなって
いたことだった。
朝一番に釣れたのは先週私達が釣っていた辺りで、オイルフェンス近くでも1本釣れていた頃、私も5投ほどしたところ
でヒット!少しアワセに不安があったが巻いていると「タモ入れしますか?」と、左隣の方が声をかけてくれたのだが「大
丈夫です」私は久しぶりに自分で入れたかったのでお断りしたところで・・・バラシ!「やっぱりタモは必要なかったみた
いです・・」などと照れ隠ししたところ「私もさっきバラしたんですよ」と左隣の方が言っていた。
先週に比べるとあまり釣れていなかったので、このバラシは希望が半減してしまう事件となり、妻も「見ていたよ・・・」そう
言いながら車から出てきてキャスティングを始めた。
8時頃までに全体5本程度だったが、その後周囲でもポツポツ釣れ始めた頃、置き竿のサビキのウキが暴れ始めていた・・・サンマの群れが通過したようで、鈴生りに20cmほどの小サンマが釣れた。タナが違っていたのか隣の人にはワカサギのようなチカが鈴生りに・・・。
8時22分、アタリ・・・しかし消えた・・・直後にヒット!お隣さんは一度お断りしていたので自分でタモ入れを考えていた
が、この時期のアキアジにしては力があり何度かドラグを鳴らして走っているうちに、いつの間にか私のタモを持って二
人隣の方がタモ入れをしてくれた。やや大きめのオスだったので、そのまま生かしてスカリに入れる。

         

一本釣って一安心したところで車内で暖をとってから師匠に連絡してみたところ、あの火曜日でアキアジ釣りを終了した
らしく、現在道具を洗いながら手入れをしているとのことだった。しかし、松さんは第五埠頭入りしていると聞いたので連
絡してみたところ、私達とは全く反対側の国道側にいることがわかった。
第四埠頭も開放されたのか何台かの車の姿は見えたが、第五埠頭の釣り人たちは移動する様子もない。
一本釣れたところで、試験的に製作した仕掛けを試してみることに・・・自信は全くなかったのだが、予想していた絡みは
全く起こらず実用化できそうな手ごたえも感じていた。
欠点は遠投には向かないこと、上層部を流れるタコベイトの動きが悪いなど、まだまだ改良が必要ではあるが、この仕
掛けで一本でも釣らない事には自信はもてない。などと頭の中でブツブツ言いながらキャスティングを繰り返していた。8時56分、ヒット!しかも、開発中の仕掛けの下側のルアーだ!
一本目よりは力なく、今回はお隣さんがタモ入れをしてくれて、すぐにネットイン。このオスもそのままスカリに入れて生かしておこうとしたところ、網を破って一本目のサケが顔を半分出していたが、直すのも面倒だったし手が冷たいので、そのまま海中に引き下ろしたのは寒さのせいであった。
午前中は厚い雲に太陽が顔を出すこともできず、ほとんど風がないにもかかわらず寒さ厳しく、車内で暖をとる回数が
多く釣りに集中することができなかったが、次第に日が射し始めると暖かくなり始めていた。
先週とは違い、エサも付けずに置いてあるサビキ仕掛けには10cmにも満たないチカが食いついているのが見えて、キ
ラキラと光っていることを合図に取り込みをして楽しんでいた頃、ふと見ると先週私達が入釣していた場所でヒットしていた人が、タモを使わず一気に抜き上げていたのには驚かされた。
この日は同じくタモを使わない人を他にも見る機会があり、私達の近くでもアキアジを簡単に抜き上げていたが、大きくはないといえど3kg近い重さはあるだろう。
また、この時期はアキアジやチカ釣りばかりではなく、他の魚種を狙う人たちも少なくない。カジカはこの日だけでも3匹は見たし、巨大なヒトデはブッコミ竿を上げるたびに見ることができたが、この人は最後に40cmほどのカジカを上げていた。
根魚専門の人も時々現れたり、第四埠頭ではニシンも釣れていたようで、周囲の人の話を聞いているだけで、様々な魚種が釣れていて
楽しくなる。
14時過ぎには予告どおりウルシ夫妻が登場したが、アキアジはあまり釣れていない時間帯だった。それでも暗くなる前
にはきっと釣れはじめると信じて準備を始め、午後からはずうっと車内にいた妻もその後一緒に釣り始める。
アキアジの道具はすべて片付けたウルシさんではあったのだが、師匠からの「釣れてるよ!」の連絡で来てしまったと
言うから、釣りのビョーキは私達と同じである。
たくさんいた釣り人も次第に帰り始めたので、朝方釣れていた場所に少しづつ移動して、ウルシ奥さんはサビキ釣りを
していたが急に周囲で釣れ始めたのでアキアジに変更し、私は片付けを始めたときだった。
ウルシ奥さんの「ダメダメ・・・」と子供を注意しているような声が聞こえたので私の釣り場を見たところ、知らない人が勝手に私のロッドを使っているではないか!すぐにその場に戻り取り返したのだが、何と!その人物はマウンテンバイクに乗って現れたロシア人の若者で、ニコニコしながら悪気なく返してくれたし怒るほどのことでもなかったのだが、次はウルシ奥さんのサビキ竿を勝手に使い始めたのであった。

チカ釣りをするロシア人
奥さんはアキアジロッドを振っていたので、ウルシさんが「いいから使わせてやれ」と目で奥さんを説得・・・・・すると、そのロシア人の若者は、釣れたチカをウルシさんのクーラーボックスに入れてニコニコしている。
しばらくの間、その若者はウルシ家のおかずを釣っていたようである。

ウルシさんの一本目
日が沈むと急に寒くなり、トロール船が帰ってくる時間が近づいたので私達は納竿し、ウルシさんたちは水揚げの妨げ
にならない場所だったのでそのまま釣り続けていたところ、16時少し前にウルシさんにヒット!あっという間にタモにアキ
アジが入ったので、奥さんをバックに記念写真を撮る。
         
           漁を終えた漁船が帰港する                 ウルシさんあっという間の2本目
私達が片付けを終えて挨拶をしに行ったときだった・・・16時10分、ウルシさんに再びヒット!すぐに私がタモ入れをして
「手加減くらいしなさいよ!」と言う奥さんの声を聞きながら、私達はその場を去った。この日の第五埠頭は全体40本以
上釣れていただろう。


今シーズンは爆釣はなかったものの毎週コンスタントに釣果を伸ばすことができ、予想以上の成果を上げることができ
て大満足のシーズンとなった。バラシは少なく、アワセ切れのようなライントラブルは一度もなかった点でも満足してい
る。
好天に恵まれたお陰で埠頭での釣りが少なく、特に第四埠頭では一本も釣っていない。
ワカサギが始まるまでの間は一度くらいチカ釣りをしたいと考えているが、次はいつ出撃するか考え中である。


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