12月の釣り


   ■ 今度こそ!ラストアキアジ

11月30日 先週が最後と決めていたわけでなく、例年は12月に入ってまでアキアジ釣りをすることは少なかったが、木
曜日に埠頭入りしていた師匠と松さんとその友人に計5本の釣果があったと聞いたことと、全ての時間帯が晴れマーク
の天気予報に網走行きを決定する。
前夜からの出発に、雪は積っていたが星空を眺めながら快適に走ることができたし、高規格道路を過ぎると路面は乾
いている。
先週の3連休のような混雑はなかろうと余裕で開放中の第四埠頭入りするが、好きな場所を自由に選ぶなどは夢また
夢・・・気温マイナス4℃ほどの寒さの中で、車内泊をして泊り込んでいる車の多さに驚かされた。
車がなくても竿立てやその他の物で場所取りがしてある中を探してみると・・・あったあった!それほど悪くなさそうな場所が空いていたと冷静に確認してみると、なんと!先週と寸分違わぬ同じ場所だったのである。
しかも、左隣には先週と同じグループだろう、地元ベテラン勢のクーラーボックスがこれまた全く同じ場所に置かれていたのである。
ただし、「12月1日11時入港」と張り紙がしてあったために、翌日はこの時間までしか釣りを楽しめない場所だった。
近くで夜釣りをしている若者グループがいたので聞いてみたところ、見せてくれたスカリにはカジカがたくさん入っていた。

日の出前の風景
見ていると、ほどほどに忙しく動き回ってカジカを釣っていたようだったが、それにしてもこの寒さの中で元気な人たちで
ある。
もちろん私達は車内で燗酒を飲みながらテレビを観て、早めに一度横になってはみたものの寝付かれず、ビールを1
缶飲んでから寝る前に外を覘いてみたところ、依然カジカ釣りに励む姿があった。


12月1日 雲がないので夜明けも早く6時頃でも充分に釣りはできそうだったが、準備を整えてからもしばらく周囲の様
子を見ていた。
まず始めに右隣の方と朝の挨拶を交わし、左隣にたった今着いたサケおばさんにも話しかける・・・もちろんここ最近の
情報収集だが、木曜日からぱったりと数釣りはできなくなっているそうで、サケおばさんに言わせると「いつものこの時
期の釣れ方に戻っただけ」である。
このサケおばさんとは、地元では有名な「おばさん」と言うよりは「おばあさん」と言ったほうが正しいのだが、敬意を表し
てホームページ上はサケおばさんと呼んでいる。
サケおばさんは、アキアジの釣り人が少なくなり始めるこの時期から、実に色々なオリジナル仕掛けを使ってたくさんの
アキアジを釣り上げることでも有名だ。
この日は2連ウキ仕掛けとウキルアーを使っていたが、過去にこの2連ウキの両方に加えてウキルアーにも同時ヒットしたこともあるというから面白い。この時は3本のタモを使っての大騒動になったそうだ。
もちろん年間3桁釣りは当たり前の兵(つわもの)なので、これまでに釣ったメジカは数知れず、鮭児も2本釣ったことがあると言うからうらやましい限りだ。
7時前に正面の斜里岳左から朝日が昇り、その美しさにみとれながらもリーリングは続けていたが、まだ全体でも1本しか釣れておらずアキアジの気配さえない。
と思っていたところ、サケおばさんがアワセを入れる姿が目に入った・・・何回も悪戯してたんだわ、そんなことを言いなが
らファイトしているうちに仲間の人がタモ入れをしていた。
イヤーお見事!そしてしばらくしてから、再びサケおばさんの近くの仲間の人にもヒット!この人も先週来ていた同じメ
ンバーの人だった。
しかし後が続かず、次第にチカ釣りを始める人が増え始め、私達の左隣で朝からチカ釣りをしていた人が一匹ずつし
か釣れていなかったのだが、この頃から複数匹釣れるようになってきていた。
もちろん私達は時間制限のあるこの釣り場でチカ釣りをすることはなく、せめてアタリだけでも味わってみたいと遠慮が
ちな思いでリーリングを繰り返す。
10時20分、Kさんのウキが巻上げまで後僅かの近場まで近づいていた頃に横倒しになった・・・所謂食い上げであるが、直後にウキはルアーだけの負荷がかかった正常な状態に戻ってしまう。
Kさんはここで誘いを入れて様子を見たところ、今度はウキが沈みこんでいったので明らかに早いのだが、アワセを入れるしか手はなくすかさずアワセを入れてみたところヒットしたそうである。
私が見たのはこのアワセを入れたところからだが、本当に目の前の真下でアキアジが暴れていたのですぐにタモの準備をして、あっという間にネットインしたのである。
65cmくらいだろうか、縦縞が入ったメスだった。
すると、近くにいたベテランの人がやってきて「メスだねこれは・・ほらここで見分けるんだ。俺は以前加工場で働いてい
たから確実な見分け方がわかるんだ」と、これまでに知らなかった見分け方を教えていただく。
アキアジの処理を終えたKさんに「たぶんもう釣れないからタモは車の近くに干しておいたらいい」と頼んでおいたほど
全体的にも釣れておらず、この時点で全体でも僅か5〜6本程度であろう。
それでも時々アキアジの群は目の前を通過するのだがルアーには反応はなく、二度ほど群が通過して周囲でも気がつ
いた人が騒ぐほど巨大な群だったこともあった。
時間は11時近くなっていたのだが入港予定の作業船は見られず、後方にクレーンや大型車が行き交うだけでまだ釣り
は可能な状態だった。
ここまで私は新兵器となりうる予定の仕掛けを流し続けていたのだが、今年度中の新兵器でのヒットは翌年度にお預け
してこれまでのものに戻し、アキアジにとってはスペシャルなご馳走仕様のエサで時間までの賭けに出る。
11時40分、諦めつつも船待ちの気の入らないリーリングをしていたところにアタリ・・・というよりも微かな手ごたえだけ感じたので自分のウキを探したところ、僅かに沈みかけていた。
最後に後悔だけはしたくないと、次の感覚的なタイミングを見計らって早めにアワセを入れてみる・・・ヒット!
朝から待ちに待ったアキアジのアタリと引きを堪能していたまでは良かったのだが、タモは4mほど後方に置いてあるしKさんは車内で休憩中だった。
横になっているのだろう車内にKさんの姿は見られず、こうなったら
アキアジを寄せつつ少しづつ後ずさりしながらタモの位置まで後退しようとしていたところに、右隣の方が駆けつけてく
れたのである。
食いの浅そうなアキアジという不安もあったので、迷わずお願いして無事にネットインとなる。
大きくはないがレギュラーサイズのブナオスで、意外にこの魚は身が真っ赤だったことが捌いてみて判明。
うーんそれにしても何たる幸運だろうか、最後に二人とも釣果に恵まれるとは「また私だけが釣れちゃって・・」と思って
いたというKさんが一番驚いていたようである。
作業船は入港して来なかったが私達はこれで納竿することにして、他の埠頭の様子を見ながら見晴らしの良い場所で
昼食休憩。
その後、第五埠頭のアキアジでは良いポイントに空きスペースがあったので聞いてみると、チカは飽きない程度に釣れていると聞いていた目線の先にアキアジがヒットしていたが、次なるターゲットのチカ釣りをすることにした。
開始5分・・・・・釣れない。しかも周囲でも全く釣れていないようだし、投げ釣りをしていた人には大きなヒトデが釣れているような状態だったので、即刻納竿!
第3埠頭は釣り人も少なく少しだけサビキを試すも反応なく、第2埠頭もチカ掬いの人が3人程度・・。
最後に河口の船着場に数十人の釣り人がいたので、ここは釣れているだろうと竿を一本片手にサビキを落としこむ。
釣れないなあと思っていたところに、久しぶりに懐かしいアタリ・・・釣
れたのはワカサギだった。
久しぶりにワカサギの釣り方を思い出して実践するとダブルでワカサギが釣れ、3週間後には解禁されるだろう冬の楽
しいワカサギ釣りを連想していた。
しかしアタリは途絶え、10時頃から釣っていたと言う人が「釣れなくなってしまった・・」とぱったりと反応は消えた頃に、消防車と救急車のサイレン音が重複して聞こえてきた。
音の方向を見るまでもなく、すぐ近くから煙の柱が空高く舞い上がっていて、のろしのように火災発生場所を教えてくれていたのである。
しばらくはその騒動を見ていたが、サビキに釣れるワカサギは少なく、隣の人に釣った魚を差し上げてその場を去った。
夕暮れは近かったが最後に常呂漁港も覘いて見たところ、数人がチカ釣りを楽しんでいたので釣果を見せていただいたが少ない・・・。
しかも港内では水深を深くする作業中の船とユンボが魚を寄せ付けない上に、ホタテ船の水揚げが始まるらしく全ての釣り人は納竿していたので、私もここで完全に諦めることができた。
チカ釣りは後日の楽しみとして漁港を後にして、遠軽付近まで走ってきたところで雪が舞い始め、その後は帰宅するま
で雪が降っていた。

2008年の釣り 終了  



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