8月の釣り Vol.2


  ■ 網走第四埠頭

8月13日 19時前に寿君宅から奥さんと子供の見送りで出発、宮一家と合流し一路網走へ。サロマのトイレで休憩、
常呂のコンビにで買物、網走港は22時頃到着した。
第五埠頭に行ってみると3台ほどだったので、第四に場所がなくても大丈夫ということが分かり安心する。第四は釣れていると予想される右から中央部まで車と場所取りの竿立てがぎっしりと並んでいた。左奥まで来てようやく車2台分の釣場を見つけることができた。
すぐに竿立てを4本立て室内のセッティングをして宴会に入った。宮君の持ってきた二つのクーラーボックスの一つには飲物が沢山入っ
ていた。それをテーブルに6人が乗り込んでし
ばらく振りの同級会となった。右となりには岸壁のすぐ近くに横付けされた軽自動車があり、左となりにはテーブルを出
して楽しんでいるグループがあった。
12時前には宮一家も車に戻り、私が2段目にマットだけをセットした固いベッドだったが酔いのせいかすぐに眠れた。


8月14日 3時の目覚ましが鳴って目が覚めたが寿君の買ってきたワインが頭をどんよりさせていた。その張本人は
180度回転させたシートから周囲の様子をうかがっていたのを、暗い中で見た私は少し驚いてしまった。私よりも先に起
きていたらしい。
    

外へ出ると右となりのおじさんが声を掛けてきたので話してみると、人の良さそうな感じの良い方だった。周りでは真っ
暗い中すでにキャスティングを始めており、熱気が伝わってくるようだった。   
薄明るくなってから始めると、左前に太陽が半分顔を出したがすぐに四角くなり雲に消されてしまった。
風なし、波なし、寒くない状態でポツポツ釣れだして5時頃にはピークとなったようであちこちでマスがタモ網に入った。
私と寿君はお互いアタリがあり一瞬竿が曲がったもののヒットにはいたらなかった。 
右5人目にいたジャージ姿のおねえちゃんは4本も釣って筆頭となっていたが、マスの体が半分以上出てしまうほど引
っ張りタモ網に入ってからもタモがいらないくらい竿を上げていて、釣れるたびに冷や冷やして見ていた。
場所によって大きく差が出る第四埠頭はやはり中央部分が多く釣れていた。やがて子供達も練習がてら始め、のんび
りした雰囲気の中7時半頃、次男にヒット!私はキャスティングしたばかりだったのでどうしようかと考えていると、左と
なりの方がタモを持ってきてくれた。安心してみていたが取り込みに失敗してしまった。残念だったが仕方がない・・・。こ
の方達は何度も謝り、宮君達はかえって恐縮していた。子供達は各自何度もアタリがあったりヒットするも合わせられ
ずバラしていた。
      

8時00分、長男にヒット!今度はすぐに私がタモを持っていった。なかなか元気に暴れていたが一発で入れることがで
きた。55cmくらいのオスで、母さんのリクエストに魚を持って写真を撮っていたので、私も1枚。
お昼までの予定がなかなか止められなかった。午後から隣に入ったベテランの方があることに気付く。それはマスが私
の横まできて前を通らずに沖の方へ行ってしまうらしく、おじさんが指差す所にいるマスは本当にそういう動きをするの
が見えた。そういえば私の右前を餌付きでリーリングしていると、必ず同じような場所で餌取りの小魚がいたのだった。
そこには何かがあり、マスなどの回遊魚は避けて通るのだろう。目の前を横切るマスは何度か見かけたが・・・。
子供達は投げずに目の前に落とした仕掛けでクロガシラも数枚釣っていたし、最高の夏休みの思い出になっただろう。
私も友人との語らいを楽しみながら、晴れた空の下での釣りを15時まで楽しむことができた。
帰りは白滝に近づく頃には山際に霧も出て雨が混じってきた。寿君を送り届け自宅に着いたのは18時半だった。





  ■ 帽子岩

8月15日 カラフトマスの祭典も最後となり、前回の失敗の教訓を生かして第四埠頭でのリベンジを考えていたが、留
辺蘂の師匠からの電話で気が変ってしまった。この日午後から現地入りした師匠夫婦からの情報では入口付近が良
かったとのことで、久しぶりに師匠の横で楽しもうと考えていた。
19時雨の中の出発となったが、白滝を過ぎると路面は乾いていて網走に近づくにつれて天気は良くなってきた。験(げ
ん)を担ぎ、昨年2人で6本サケを釣った時に寄った帽子岩近くのコンビニで食材を買ってから駐車場に入った。
師匠の車(今年買い換えている)らしきワゴン車の横に停めて、自転車で釣り座を決めに走った。入口付近はルミコの
灯りで数ヶ所の場所が決っているのが確認できたが、ただタモ網が置いてあるだけの所はテトラポットに乗って確認し
なければよく分からないし、師匠のタモ網がどれなのか探すのに苦労した。21時45分に着いたが車に戻ると22時半
近くになっていたし、たっぷり汗もかいてしまっていた。
近くの砂浜では団体でキャンプをしている連中が騒ぎ、23時過ぎからはこともあろうか花火を上げ(周囲にはアパート
もあるのに)うるさかったが反対にすぐ寝ることができた。夢中になっている当人達は気付かないでいるが、こんなこと
から帽子岩への出入り禁止に進展してしまうことだってあり得るから気をつけて欲しいものだ。


8月16日 3時の目覚ましに目が覚めた時は夢の中でマスがヒットして気持ちの良い状態だったが、眠たさに起きるの
は大変だった。準備している間に妻の2台の目覚ましが鳴り、先発隊の自分は自転車で出発した。今年初の帽子岩で
あるが、数人の歩いている人を抜かし入口付近でたむろしていた師匠夫婦を見つけた。
師匠のタモだと思っていたものは違っていて間に別の方が入っていたが、この方も師匠の知り合いだった。師匠夫婦とお話しをした後、竿のセットをしているところにキッシーさんが現れ残念な話を聞いた。それは私の入った場所に置いておいたはずのタモ網がなくなっていたそうだ。
キッシーさんが前回沢山釣れた場所で、私としては偶然入ったラッキーな釣り座になったが、盗んだ人も他人のそれも使い古したタモ網など盗んで気分良く釣りができるのだろう
か?と理解不能な出来事に私も残念だった。
この日は他に同僚のtanさん、レガオさん、メガ弟さんが一緒に来ていた。
4時過ぎには薄明るくなり始めほぼ全員がキャスティングをしていた。4時20分、師匠が1本上げて他にも数人がヒット
していた頃妻が到着して、他の人の釣ったマスをじっくり見てから釣り座に入った。
15mほどの近くを繰り返し攻めていた4時半、残り10mを切った付近で何の前触れもなくスーッと重くなるというアタリを感じ、竿を立て巻きながら軽めの合わせを入れた。心地良いマス特有の手応えと重量感が伝わり、妻に「来たよっ!」そう伝えタモ網の用意をしてもらう。
しっかりフッキングしているようで見えない海中のマスの動きがグングン伝わってきて、いつもの例えようのない快感に酔いしれる・・・間もなく目の前のテトラポットまで寄せてきたが、満潮時間が近づきつつある状態で取り込みにくい場所だった。
それでもサケに比べ軽いマスは暴れているうちに小さなプール上になった所に入り込んで、すぐにとはいかなかったが
網の中に収まった。これで安心してこの後を楽しめるので、〆た後に写真だけを撮って釣り座に戻った。59cm・2,4kgの
オスだった。
師匠は間もなく2本目を釣って腕の違いを周囲にも見せつけていたが、先程ヒットした辺りで急に今までとは違う手応え
があり、ドーンと重くなってそれはサケだと分かった。しかし、数秒でバレてしまった。次に右5人目位で釣っていたレガ
オさんにもヒット!20秒も楽しめなかったかもしれない・・・バレてしまい、その後は近くの誰にもサケは釣れなかった。
今朝の帽子岩は、近くでのマスからの挑発にも見えるライズが何回も見えていたが、リーリングしているポイントからは外れていた。マスも海水温の表層との温度差に夏を感じ喜んで跳ねていたのだろう右となりの方は2回ほどヒットさせており、いずれもバラして悔しがっていたが、餌のせいで小魚にも悩まされている様子であった。師匠が3本目をヒットさせたのでじっと見ていると、なんとウグイだった。師匠も照れ隠しにサケの仕掛けでウグイを釣るのが上手な万次郎君を引きあいに出して「万次郎君が来ないとダメだワー、俺が釣っちゃったー!」そう言っていた。私も人のことは言えず、少ししてから小さなカジカを釣ってしまった。
4時40分、師匠今度は本当にマスがヒットしたようだったので、残りの群れを狙い少し右目のそれも数メートルの近場に
ルアーを落としてみると、リーリングしてすぐにコン!という合図の後にグン!と重くなった。
面白みには欠けるが予想的中のヒットで、少し沈ませてから巻いたのが当たったのだった。1本目よりは軽く抵抗も少
なかったので片手で寄せる事ができた。海面で暴れるマスの姿に「帽子岩はやっぱりいいなー魚が目線に近いから」そ
う思った。妻に本日2度目の取り込みをしてもらい簡単に網に入ったマスを見て妻は「やったーメスだね!」そう言って
いたが、最近は遠めに見てもオスメスがわかる妻の慣れに驚いていた。
サイズは56cm・1,8kgのレギュラーサイズだった。
今年初のメスに私もうれしかったが、自分ばかりでは申し訳なく、昨年のサケシーズンの妻の不調が思い起こされていた。
釣ったマスはスカリに入れ海中に吊るしていたが、立ったままの自転車に掛けていた為、波の力で自転車が海中に落ちそうになってしまう場面もあったので自転車は寝かせておいた。しかし、この一件で自転車のライトが海中に落ちてしまったら
しく、台座を残し消えていた。
自作ルアーの改良型で釣れたのは実にうれしい事だったが、この後妻にそのルアーと場所を奪われてしまった。それ
でも、妻に1本釣れてくれるほうがうれしいので心の中では応援していた。
5時ジャスト、またしても師匠にヒット!奥さんがタモ入れしているその姿を写真にしようとレンズを向けてみた。2倍ズームしか使えないカメラにしてはなかなか良い写真が撮れたと自分でも満足していたが、この時のマスは65cm以上はある良い型のオスだった為取り込みにも時間を要したという幸運もあった。
時間が経って周囲も釣れなくなってきたのでキッシーさんとメガ弟さんでパソコンなどの昔話をして楽しんでいた。すっかり太陽が昇り気温も上がり始めていて、こうなると次第に気分もだれてきてしまう。
6時10分過ぎ、キッシーさんが妻のヒットに気付いたので慌てて駆けつけた。「ゆっくり、ゆっくり」そう言ってタモを持って魚を待っていると、隣のおじさんが「もう少し前のテトラに降りたほうがいいわ」そう言うので、言う事を聞かないのも失礼なので、少し距離があり昨年の海に落ちた経験から少しためらったが、思い切って飛んで降りた。魚は暴れながらプールに入った時点でメスだと分かった。
しかし再び外に出てしまいバレてしまおそれがあったので、テトラポットに網を被せるようにして最悪の事態だけは防ご
うと思った。魚はそのまま網の中に滑り降りるように入ってくれて無事ネットイン!52cm・1,7kgのメスである。
妻に今年の初物が早くに釣れて、昨年の苦労が懐かしくも思い出された。
妻のアタリは微妙なもので、ジワーッと重くなってくるマスらしくない感触だった
そうだ。急に軽くなったのでバレてしまったかとも思ったが、隣のおじさんが「まだ付いてるから巻いて巻いて!」それを聞き巻いてみたのだが、こちらに向かって泳いできていたようだった。
後で隣のおじさんが妻に「1本上げて吸うタバコはおいしいよね!」そう言っていたことに、変な事を言うなあと思っていたが、記念写真を撮った時には
気付かなかったが至福の一服をその時すぐに楽しんでいた事を、後から写真を見て気付いた。もしも妻にも釣れたら
明日の釣りは中止という約束をしていたので、これからの可能性が薄い時間帯ものんびり楽しもうと話していた。
マスの跳ねも遠くで見えるようになってきて、いくら頑張って投げてもあそこまでは届かないだろうと思われる距離だっ
た。
その後隣のおじさんにも再度ヒットしたので、おじさんのタモを持ったが柔らかすぎて不安はあったが一回で入ってくれ
て安心した。やっと釣れたマスにおじさんも私たちもほっとしたように喜びあった。
次第に周囲の釣り人も帰り始め、メガ弟さんが帰り、キッシーさんとtanさんも帰ろうとしていたので少し話をすると、マスはしばらくお休みにして家族サービスで新しいタモ網を買うと、残念そうに話していた。キッシーさん自身も気付いている事だが、彼のサングラスを掛けた風貌は一見ヤクザの組長か大幹部である為、不幸にして盗難にあったタモ網を持たないキッシーさんと、どちらかというと組の若い衆に見えるタモ(自分の)を持ったtanさんの組み合わせは、さしずめ素人集に混じって意外にも釣り好きな網走潮見組(?)の御一行様にも見えてしまうから不思議だ!
ともあれ、レガオさんもいつの間にか姿が見えなくなってしまい、師匠と私達だけになってしまったが、これから人気の奥の方はまだまだ沢山の人たちが残っていた。
この後師匠は10時前に5本目を釣っていたが、まだまだ釣る気は残っていたようだった。師匠の同級生で現在入院中
の松さんは療養中でありながらも気になってしょうがないらしく、師匠の携帯電話を鳴らしていた。それを聞いて私達
は、昨年初冬に松さんと一緒に来た第四でのサケ釣りで、お酒のせいでふらふらしながらも竿が動いた瞬間靴も履か
ずに車から飛び出していったことを思い出し、あの楽しい釣りを見せてくれる松さんが早く退院して復帰してくれる事を
願った。
妻は器用にもテトラポットの上で眠ってしまったが、師匠と二人っきりでいつものように竿を振り続けた。次第に周囲に
も数人の釣り人がやってきていたが、マスはなかなか食いついてくれない。
11時半には師匠も帰ってしまうし、照りつける太陽に気温も上昇し暑くなってきたので、ウエダーを脱ぎジャージとTシャツ姿で暑さ対策をしていた。足元は小石が飛び出しているので足つぼマッサージのように痛かったが涼しくて気持ちが良かった。
知り合いは皆帰ったしいいだろうと思っていると、奥の方から歩いてきたのはレガオさんだった。彼は場所を変え、粘って2本釣ってきたと言う。この粘りが彼を侮れない要因のの一つでもある。手を止めてのんびりと釣りの話を楽しんでいたが、テトラポットの先で素足で立っている、まるで罰ゲームのような自分の姿は確かに妙だなと思った。
レガオさんも帰ってしまい、お昼も過ぎたので帰り支度をしている頃には周囲にも釣り人が増えてきていた。
駐車場は相変わらずの混雑ぶりであり、アパートの住民に迷惑を掛けていないか少し心配でもあった。
車内で昼食を食べ休んでいると、先日10日に隣で独り言のようによく喋っていた方が来たので話をすると、今朝は第
四で1本釣ってきたらしいが全体に釣果は少ないようなので夕方はここでするそうだ。
市内で用事を済ませてから第四埠頭へ様子を見に行ったが、この日は左側の方が釣れていたそうだ。大君の車を妻
が見つけたので行ってみると確かに本人がいた。今日はボウズらしいが、仲間が4本釣ったうちの1本はサケだったそ
うだ。彼がボウズとはよっぽど運がなかったのだろうと思っていると、やはり前日のパチンコで7万円勝ってしまったそう
で、迷わずsimanoのリール「ステラ」を買ったそうだ。
私もステラは初めて触ったが、釣りマニアにはあこがれの商品だけに味わい深いものがあった。年は若いが彼のよう
なテクニシャンにはお似合いの一品かもしれない。
帰りに見た常呂漁港は濁りが消え15台ほどの車も止まっているのが見えたので、ようやく釣りができるようになったよ
うだった。久しぶりに遠軽の「登代里」で夕食を食べ、自宅に着いたのは20時近くになっていた。


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