■ 網走港(第四埠頭)
9月といえば初旬は若干のマスが混じる程度のサケモード突入状態となるが、すぐに完全なサケばかりの北海道で言 うところの「アキアジ」シーズン突入となり、マスが釣れてもウグイ並みの扱いになってしまう。 マスには大変失礼である が、すべてにおいてサケのパワーとは段違いであるから仕方のないことであろう。しかし、これまで楽しませてもらった マスさん達に感謝の気持ちは忘れない、そして来年の再会だけは約束しておこうではないか! 9月5日 いつも通りに出発したが今回も雨だった。天気が変りやすくなってきたことも、秋の訪れを予感させてくれてア キアジシーズンらしい感じがしていた。高規格道路を走行中に師匠からの電話で「入院中の松さんが夕方第四で3本釣 ったらしいので第四に入る」という連絡があった。入院中なのになんで埠頭でサケ釣りしてるんだ?しかも埠頭に泊り込 んでいるらしい・・・携帯に電話をしてもでてくれない?いくつかの疑問を持ちつつも雨の確立が40%ということなので私 たちも埠頭ですることにした。 埠頭に着くと師匠はまだ起きていた。早速竿立てを置いて場所を確保して、隣で釣りをしていた方を覗いてみると、発 電機で海中を照らし餌付きのごついサビキでマス釣りをしていた。私は釣れたところを見ていなかったが、4本ほど釣 れていたらしい。小降りではあったが雨は時々降っており風も吹いていた。 9月6日 3時20分の目覚ましで起きるが誰も外にいる気配はなかった。ゆっくり準備をしてからわずかに明るくなった ところで外へ出てみると、隣にウルシさんが来ていたので挨拶を交わす。昨夜のうちに着いていたそうだが全く気付か なかった。 正面からの風が強くキャスティングがしにくい上に、雨が少しだけ降っていて厳しい釣りであった。 確認できただけで2本程度しか釣れない状況の中、目の前すぐのところに背びれと尾びれを海面に出して泳いでいる サケが現れるが、見える魚は釣れないという原則どおりに無視していたが、足元に近づくと気になるらしくタモ網で掬お うとしていた人もいた。その後数回現れたが、ホッチャレらしく
血を吸われ始め出血していたややセッパリがかったマスであるが、予定外(本当は狙っていた)の釣果にうれしかっ た。
本来の目的地である帽子岩が気になっていたので、ウルシJr達が先発隊でそちらに向かい流してきた情報ではサケが 程々釣れているそうだ。すぐにウルシさんと師匠夫婦は帽子岩へ向かったが、私たちはもう少し様子を見てから行くこ とにした。
スとの違いを分かってはいるものの、その余りあるパワーにはいつも度肝を抜かれる。左側中心に走り回り深いところ で抵抗するのでウキも見えなかった。 ようやく近くまで寄ってきてくれて見えたのが、オスらしき色づいたアキアジだった。うーん、記念写真はまだ撮れないな あ・・・、そんなことを思いながら少し余裕の釣りでもあった。おじさんに「大丈夫です、カミさん慣れていますから」と言っ て妻にタモ入れしてもらい上がったが、結構な重さに妻も「イヤー重いワこれ」と言っていた。78cm・4.7kg、網走のブ ナという奴で身はしっかりオレンジ色で、食べても銀ピカより美味しい事もあるので侮れない。事実、裁いてみると身は 赤く背中の方にまで脂がのっていた。 8時22分、今度は妻だった。今日は釣る気がないと言いつつしっかり狙っていたことは言うまでもなかった。ゴンゴン! という前アタリが数回あってからウキが沈み急に重さが伝わってきたので、巻きながらこれでもかというくらいに強くアワ セを何回も入れたそうで、何回入れたか覚えていないと言う。やりすぎダー! 私ほど時間はかからなかったが、見えた魚は輝いていた。妻のバイオマスター2500A-RBが軽やかなドラグ音を響か せ2号のラインを守ってくれていた。「おーほほほ!」と高笑いをしながら(私の想像)楽しむ妻にはすでに余裕すら見え ていた。 暴れるサケに少しもたついたが無事ネットインしたのは75cm・4.1kgのオスだった。 ここで前回失敗だったサケを持っての記念写真をもう一度Try、まあ前回よりはましか?というところである。 しばらくして近くに見たことのある少しだけぽっちゃり目(太目ではない)の人影があった。もしかしてと思ったらやっぱり レガオさんで、手を振って近づいてきた。今朝も美咲へ行ってきたそうで、キッシーさんがいたせいで(本人はそんなこと は言っていません)バラシで終わってしまったそうだが、キッシーさんは3本も釣ったそうである。 もの足りなそうなレガオさんだったので妻との間に入れて、美咲にまだいるというキッシーさんとTanさんを呼んでから釣 り開始。 天気も回復し、雨は止んでいたが正面やや右からの風は牧場からの香ばしい香りを運んできてくれて、まるで違う場所 のようだった。 10時02分、数投しか投げていない、しかもウキが美咲仕様の短さに餌なしで投げていたレガオさんにHit!すかさず 私がタモでネットイン!少し色づいた大き目のオスだったがあっという間の出来事だった。 少ししてからTanさんが到着し、遅れてキッシー親分貫禄の登場。役者が揃ったところで、いつもの和気藹々のお気楽 な、それでいてどこかに緊張感が漂うというその場にいたものにしか分からない理解しがたい?雰囲気である。
た。レガオさんは帰ってしまったが、周りではポツポツ釣れていた。 11時15分、キッシーさんとその隣のおじさんが同時にHitした。ラインが交差して絡んでしまうかと思ったがそれだけは 回避する事ができた。
た師匠たちから師匠の奥さんも久しぶりに釣ったということを聞きうれしかったが、師匠もウルシさんも近くにいないとき に釣れたそうで、痛めているひじの状態が気になった。
隣のおじさんの3本目をタモ入れしてあげた後、おじさんはニコニコ顔で美幌に帰った。 少しだけ風が弱まったので自作のアワビ貼りルアーを試していた14時05分、半分ほど巻いたあたりからアタリを感じ 始めていた。 銜(くわ)えたり離したりするような感触が続き、残り10mほどのところでやや重くなりウキが沈むのが見えた。ワンテン ポ我慢してしっかり重くなった時、思わず「よーし来た!」そう言ってしまい、強く2回合わせを入れた。
にじませ・・・」と書いてあったが、私にはうれしそうに帰って行ったように見えていた。どこか釣れない事を楽しんでいる かのように・・・。苦しんで悩んで、そして釣れた時の喜びは最高のものだろう。ねっtanさん!
けてしまった。竿がかなり曲がっていただけに残念な最後の興奮だったであろう。 17時過ぎからやっと太陽が顔を出して、正面の知床の山々と空に美しい色を付けていた。月も暗くなるにつれ白く輝き だしていたが、最後まで頑張った私たちにはそれを見せてくれたのかもしれないと思った。結局この日、自宅に着いた のは22時少し前となってしまった。 ■ 帽子岩 9月12日 今週は敬老の日が月曜日の3連休なので混雑するのは間違いなかった。19時前に出発する直前、師匠 の奥さんから数十分後には帽子岩到着との連絡が入って気分も盛り上がった。さらに15分位走ってレガオさんからも 電話があって、明日釣行予定の常呂の情報を聞いてきたが充分な情報はあげられなかった。 久しぶりに乾いた路面を走って網走に向かうことができて快適だった。帽子岩の駐車場はすでに満杯状態だったが、 なんと最先端近くに1ヶ所空きがあったので何とか入ることができた。すぐに釣り場へ向かうと目的の場所隣に人影が あって少々驚いたが、声をかけて少しだけお話をした。 帰り道は途中からその方と明日に期待する話をしながら帰ってきた。事実ここ数日釣れているそうだし、キッシーさんの 掲示板に98cm・9.5kgのサケが釣れたと書き込みがあったので期待も大きかった。 9月13日 3時起床、前回のタモ網を投げ捨てられた場所だったので不安はあったが、釣り場に着いてみるとタモは無 事だった。しかし、こんなに早い時間からすでに満杯状態とは?準備を済ませ休んでいると、いるはずのないレガオさ んが現れ驚いた。奥のカーブの所に入っているそうで、その手前には師匠の姿もあったそうだ。
のモラルの問題であり、そこまでして釣った魚では喜びは無いと考えている。つまり、釣れないときもあるから(なかなか 釣れない)釣ったときの喜びが大きいのである。
サケの力は力は強いのでスレ掛りかと思ったくらいである。目の前まで寄せるがすぐに離れていくという状態が何度も 続き、周囲の人たちには迷惑をかけてしまったが「おーいいもんだ。
真を撮るときも何度か暴れてくれるほどの力がまだ残っていた。処理を済ませ全体の写真を撮っていると師匠の奥さん が現れ、釣れたことを一緒に喜んでくれた。 ルアーのテスターではないが、すぐにルアーを変えて試すのも楽しみのひとつなので大漁とはいかないのかもしれな い。本日のヒットルアーは上から2番目の赤ベースのアワビ貼りレーザーアイ付きだった。最近のダイワのルアーは、 はがれやすく1回の釣行でダメになってしまったのでこれをベースに製作してみた。
9時頃から近くに入ったカップルがなんと、いきなり数投目でいきなりGet!女性の方だった。サケは黒かったがうれし そうだった。 そして数十分後にまたしても彼女がGet!今度はきれいなマスだった。時間を置いて男性もGet!楽しそうに話している 姿に数年前の自分達を見ているようだった。
であった。 右となりは感じの良い方で、自分は網走在住だがまだサケは釣っていないと言い一心にキャスティングしていた。 17時半近くなってその方が帰ると、代わって入ってきたのが旭川から来たという60歳くらいの二夫婦で、その中の一 人の女性が1投目でヒット!しかしすぐにバレてしまった。私にもアタリがありウキが沈んだが乗らなかった。 暗くなりかけていたのでこの日は終了して、隣の方に挨拶をしてから釣り場を離れた。簡保の宿網走はお風呂が小さい ので、日によっては洗い場が一杯になってしまうのが難点であるが、400円は格安である。子供で一杯になっていた が、あっという間に数人足らずになってしまって、寂しいいつもの温泉になった。 コンビニで夕食の買物を済ませ第四埠頭に戻ると、隣の二夫婦はすでに寝てしまったのか灯りは消えていた。この時 間から早くも隙間無く釣り場は埋まってしまっており、それでも釣り場を探して走る車の灯りが動き回っていた。 司さんから電話があり、帽子岩はほどほど釣れていたが自分達はボウズだったので、このままでは帰れないと第四埠 頭中央部付近に泊り込んでいると気合が入っていた。 9月14日 4時の目覚ましが鳴った時は台風の接近で、というよりも台風真っ只中だったのでかなり強い風が正面から 吹いており、港内も波が高く岸壁の上まで波しぶきが上がってきていた。この状況では釣りにならないと判断して車内 でコーヒーを飲みながら待機していると、明るくなるにつれて風も弱くなり波も納まってきた。
伸ばしたタモ網の接続部がきちんと伸びきっておらず、ラケットが回ってしまいネットに入らず、もう一度締めてから無事 にネットインすることができた。
朝食に市場へ出かけた隣の方がタラバガニ足とトウキビをお土産に買ってきてくれてすっかりご馳走になってしまった。 4人はワゴン車1台でほとんどの季節を釣りと温泉巡りで楽しんでいるそうで、釣った魚はすぐに宅急便で地方発送す るので、何本釣っても大丈夫だと話していた。
ると話していた。 お昼近くなると右側のグループの付近に魚が溜まり始め、時々釣れて歓声が上がっていた。この日は日中もマスが回 遊しており、私たちの前にもマスが通り、ルアーに1回振り向いて銜えたが離してしまった。更に垂らし餌には食いつい ていたが、早く合わせてしまい乗らず。もう一度垂らし餌に食いついた時は、魚体がクネクネとしているのが見えたがフ ッキングはしなかった。 その後サケ・マスの群れが何度も目の前を通るのが見えるが、見える魚を釣った人は数人しかいなかった。
現れたので師匠に場所を空けてあげた。師匠の奥さん姉妹はなかなかユニークで、奥さんが私たちの車のサイドオー ニングを見て「これ竿入れ?」と聞いてきたのに対して、妹さんは師匠に「サケ釣りの餌は何使うの?ミミズ?」と聞いて いて、師匠は真面目に答えていたが、横で聞いていた私は思わずコケそうになってしまった。なかなかどうしてユニーク な二人だった。 その後17時には納竿して師匠や隣の2夫婦に別れを告げた。遠軽の登代里で夕食を食べてから丸瀬布で燃料の補 給をして、自宅には21時過ぎに着いた。 すぐにサケを裁いてみると、2本ともオレンジというよりは赤い身で実においしそうだった。
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