9月の釣り Vol.1


  ■ 網走港(第四埠頭)

9月といえば初旬は若干のマスが混じる程度のサケモード突入状態となるが、すぐに完全なサケばかりの北海道で言
うところの「アキアジ」シーズン突入となり、マスが釣れてもウグイ並みの扱いになってしまう。 マスには大変失礼である
が、すべてにおいてサケのパワーとは段違いであるから仕方のないことであろう。しかし、これまで楽しませてもらった
マスさん達に感謝の気持ちは忘れない、そして来年の再会だけは約束しておこうではないか!  


9月5日 いつも通りに出発したが今回も雨だった。天気が変りやすくなってきたことも、秋の訪れを予感させてくれてア
キアジシーズンらしい感じがしていた。高規格道路を走行中に師匠からの電話で「入院中の松さんが夕方第四で3本釣
ったらしいので第四に入る」という連絡があった。入院中なのになんで埠頭でサケ釣りしてるんだ?しかも埠頭に泊り込
んでいるらしい・・・携帯に電話をしてもでてくれない?いくつかの疑問を持ちつつも雨の確立が40%ということなので私
たちも埠頭ですることにした。
埠頭に着くと師匠はまだ起きていた。早速竿立てを置いて場所を確保して、隣で釣りをしていた方を覗いてみると、発
電機で海中を照らし餌付きのごついサビキでマス釣りをしていた。私は釣れたところを見ていなかったが、4本ほど釣
れていたらしい。小降りではあったが雨は時々降っており風も吹いていた。


9月6日 3時20分の目覚ましで起きるが誰も外にいる気配はなかった。ゆっくり準備をしてからわずかに明るくなった
ところで外へ出てみると、隣にウルシさんが来ていたので挨拶を交わす。昨夜のうちに着いていたそうだが全く気付か
なかった。
正面からの風が強くキャスティングがしにくい上に、雨が少しだけ降っていて厳しい釣りであった。
確認できただけで2本程度しか釣れない状況の中、目の前すぐのところに背びれと尾びれを海面に出して泳いでいる
サケが現れるが、見える魚は釣れないという原則どおりに無視していたが、足元に近づくと気になるらしくタモ網で掬お
うとしていた人もいた。その後数回現れたが、ホッチャレらしく
頭に白いカビのようなものが生えていた。
そうこうしているうちにウルシJrにマスがHit!やはり早朝はマスだなと思っていた5時少し前、 私の足元のお遊び竿に小魚が突付いているような動き、海中を見るとキラッと光が見えて中型の魚が銜(くわ)えた様子で竿が大きくしなった。
ウルシさんも見ていて「よしっ、合せて!」妻のウキが近くまで来ていたのですぐに巻き取ってもらい、妻がその足元の竿に合わせを入れた。
しっかりフッキングしていてすぐに私がタモに入れた。58cmのオスで1.8kgと少しやせ気味だったのと、シーライスに
血を吸われ始め出血していたややセッパリがかったマスであるが、予定外(本当は狙っていた)の釣果にうれしかっ
た。
毛鉤にウキを付けないで餌だけで釣るシンプルなものだった。すぐにウルシ家にもマスのメス53cmが釣れるが満杯状態らしいので私がGet!妹一家へのお土産となった。53cmもあったのだが、その場では40cmほどにしか見えなかったのはサケと比べたせいであろう。
5時10分にはサケだけを狙って釣るという師匠、サケを釣って腕の違いを見せた。その後ウルシJrにもサケが釣れて朝マズメは一段落したが、私たちのグループで5本しか上がらなかった。ウルシJrがエラ取り後にバケツで血を洗い流そうとしている時、重いサケの為にうまく持ち上げられず四苦八苦している姿が、まるでサケに水を飲ませているように見えたので、全員から笑われていた姿が印象的だった。
港内目の前を通り過ぎるサケマス漁船は大漁なのか?沈み
そうなくらい船体が下がっていて船首が見えないほどであり、何度も往復していた様子だった。
本来の目的地である帽子岩が気になっていたので、ウルシJr達が先発隊でそちらに向かい流してきた情報ではサケが
程々釣れているそうだ。すぐにウルシさんと師匠夫婦は帽子岩へ向かったが、私たちはもう少し様子を見てから行くこ
とにした。
私の右側には2人しかいなくなったので隣のおじさんとお話しをしながら楽しんでいると、そのおじさんにHit!なかなかパワーがあり簡単には寄ってこなくてドラグが鳴りっ放しだった。ドラグが緩いのかとも思ったがそうでもないらしいし、ラインもナイロンの6号だった。十分に楽しんで?から私がおじさんの柔らかいタモに入れて無事上がった。その時のうれしそうな顔が今でも浮かんでくるほど感激を言葉にならない表情で表してくれた。
7時50分、少し遠めに投げてすぐに軽いアタリがあったので、そーっと巻いていると少しずつ重くなってきたので、周囲の誰にも分からない興奮を感じつつリーリングしていると、急にガクンと重くなった瞬間に2回強い合わせを入れた。
妻に「きたよっ!」と一声かけて巻いてみると半分くらいまで
は寄ってきてくれたが、そこから走り出しドラグが鳴りだした。今シーズンの少し遅かった初ヒットであったが、カラフトマ
スとの違いを分かってはいるものの、その余りあるパワーにはいつも度肝を抜かれる。左側中心に走り回り深いところ
で抵抗するのでウキも見えなかった。
ようやく近くまで寄ってきてくれて見えたのが、オスらしき色づいたアキアジだった。うーん、記念写真はまだ撮れないな
あ・・・、そんなことを思いながら少し余裕の釣りでもあった。おじさんに「大丈夫です、カミさん慣れていますから」と言っ
て妻にタモ入れしてもらい上がったが、結構な重さに妻も「イヤー重いワこれ」と言っていた。78cm・4.7kg、網走のブ
ナという奴で身はしっかりオレンジ色で、食べても銀ピカより美味しい事もあるので侮れない。事実、裁いてみると身は
赤く背中の方にまで脂がのっていた。

     

8時22分、今度は妻だった。今日は釣る気がないと言いつつしっかり狙っていたことは言うまでもなかった。ゴンゴン!
という前アタリが数回あってからウキが沈み急に重さが伝わってきたので、巻きながらこれでもかというくらいに強くアワ
セを何回も入れたそうで、何回入れたか覚えていないと言う。やりすぎダー!
私ほど時間はかからなかったが、見えた魚は輝いていた。妻のバイオマスター2500A-RBが軽やかなドラグ音を響か
せ2号のラインを守ってくれていた。「おーほほほ!」と高笑いをしながら(私の想像)楽しむ妻にはすでに余裕すら見え
ていた。
暴れるサケに少しもたついたが無事ネットインしたのは75cm・4.1kgのオスだった。
ここで前回失敗だったサケを持っての記念写真をもう一度Try、まあ前回よりはましか?というところである。
しばらくして近くに見たことのある少しだけぽっちゃり目(太目ではない)の人影があった。もしかしてと思ったらやっぱり
レガオさんで、手を振って近づいてきた。今朝も美咲へ行ってきたそうで、キッシーさんがいたせいで(本人はそんなこと
は言っていません)バラシで終わってしまったそうだが、キッシーさんは3本も釣ったそうである。
もの足りなそうなレガオさんだったので妻との間に入れて、美咲にまだいるというキッシーさんとTanさんを呼んでから釣
り開始。
天気も回復し、雨は止んでいたが正面やや右からの風は牧場からの香ばしい香りを運んできてくれて、まるで違う場所
のようだった。
    

10時02分、数投しか投げていない、しかもウキが美咲仕様の短さに餌なしで投げていたレガオさんにHit!すかさず
私がタモでネットイン!少し色づいた大き目のオスだったがあっという間の出来事だった。
少ししてからTanさんが到着し、遅れてキッシー親分貫禄の登場。役者が揃ったところで、いつもの和気藹々のお気楽
な、それでいてどこかに緊張感が漂うというその場にいたものにしか分からない理解しがたい?雰囲気である。
キッシーさんに私が釣った時のルアーを見せると、いつものように釣れなくなるおまじないをかけていたが、今日に限ってはそれには負けないような気がしていた。
聞くと、キッシーさんが釣った3本はいわくつきのエピソードがありそのお話も面白かったが、1本は90cmというデカオスだったらしく自分もそんなのを釣ってみたいとうらやましく思った。
松さんはこの間2回ほど現れたが、相棒の方とともに泥酔しており釣りにならず、助手席で運ばれるように途中退場となった。前日3本釣ったという話もチンプンカンプンで話にならず、翌日電話で聞いたにもかかわらずしらふのはずなのに要領を得なかった。松さんの酒が完全に抜けるまで待つことにしよう。
この日の第四埠頭は釣れており全体3桁は上がっただろう。
特に人気の高い左端は釣れていたそうだが、金曜日の夕方でも場所の確保はできないと第四の常連達が教えてくれ
た。レガオさんは帰ってしまったが、周りではポツポツ釣れていた。
11時15分、キッシーさんとその隣のおじさんが同時にHitした。ラインが交差して絡んでしまうかと思ったがそれだけは
回避する事ができた。
どちらもパワーがあるので思い通りには寄せられず4人入り乱れての取込み劇となってしまった。Tanさんが持っていたキッシーさんの買ったばかりのタモ網が付け根から外れかけていたので、私がキッシーさんのサケを掬い上げた。次におじさんのサケを掬おうとしたがその前にバレてしまった。急ぎ外れたタモの救出に行くが時すでに遅し、海の底へ沈んだ後だった。しかもキッシーさんの指はラインで切れてしまい血を流していた。
網の犠牲を払ってでも釣れた事はうれしいことであるが、キッシーさん今年はタモ網の運が悪すぎて気の毒であった。
原因は付け根の接着不良であるが、こればかりは確かめようがないので心配な方はネジ止めしておくと良いだろう。私も過去に同じような商品を購入し、魚が入った後に外れたのでドジョウ掬いのように取込んだことがあった。
お昼を過ぎたので車内で簡単な昼食をとったが、キッシーさん達は移動ラーメンを待っているようだった。帽子岩に行っ
た師匠たちから師匠の奥さんも久しぶりに釣ったということを聞きうれしかったが、師匠もウルシさんも近くにいないとき
に釣れたそうで、痛めているひじの状態が気になった。
食事も済んで、先に私がキャスティングを開始していたところに、ゆっくり休んだ妻が「さあー釣るかー」と言って第一投した13時22分だった。
なんと一投目でHit!のっている状態とはこんな感じなのだろう。今回は前アタリのあとにガクンと重くなり2回ほどアワセを入れて大丈夫だったそうだ。再びドラグの鳴きを聞くことができて楽しそうであり、見えた魚はまたしても銀ピカのサケだった。メスかと思ったが69cm・3.5kgのオスだった。私も新しいタモ入れの練習をすることができ、この日は7本掬ったので良い練習になった。
取り込める位置に魚が来るまで我慢して、海中に突き刺すよ
うな速さで一気に入れてしまうタモ入れを目指しているが、今回は少しだけ実践できた気がした。
隣のおじさんの3本目をタモ入れしてあげた後、おじさんはニコニコ顔で美幌に帰った。
少しだけ風が弱まったので自作のアワビ貼りルアーを試していた14時05分、半分ほど巻いたあたりからアタリを感じ
始めていた。
銜(くわ)えたり離したりするような感触が続き、残り10mほどのところでやや重くなりウキが沈むのが見えた。ワンテン
ポ我慢してしっかり重くなった時、思わず「よーし来た!」そう言ってしまい、強く2回合わせを入れた。
アタリはあるがなかなか食ってくれないことが何回かあったので、ようやっとといった感じであった。近い場所でのヒットだったのですぐに見えたサケの返った腹の色が黄色かったのには少々「ムムム・・・」と思ったが釣れたのには違いはないし、ドラグもちゃんと鳴らしてくれていた。妻が取り込んでくれて2本目Get!うれしいメスだった。70cm・3.4kgで1本目よりは良い状態であるし、何よりも喜んだのは自作ルアーに自信が持てたことだった。妻が使っているのも同じものだったので、安心して使い続けることができるようになった。
まだまだ釣れる気がしたので、こうなったら一日中楽しもうということになり竿を振り続けていると、tanさんの竿が先抜けしてしまったので巻き取ろうとしているところに何と!サケが追ってきていたのだった。時すでに遅し・・・。
悲運のtanさん、他にもアタリは数回あったのだがヒットには至らなかった。キッシーさんのホームページには「悔しさを
にじませ・・・」と書いてあったが、私にはうれしそうに帰って行ったように見えていた。どこか釣れない事を楽しんでいる
かのように・・・。苦しんで悩んで、そして釣れた時の喜びは最高のものだろう。ねっtanさん!
15時過ぎ二人も帰ってしまったが、再びレガオさん登場。第四の中央部付近でやっていてバラシたそうだが、キッシーさんが1本釣っていったのを聞いて「今日は4本も・・・」そう言って驚いていた。
レガオさんは明日の釣り場を何処にしようか悩みながら帰って行った。だが、その明日もレガオさんには辛い一日となってしまうのだった。
後から師匠に聞いた話だが、夕方の帽子岩は群れが入ってきて師匠は4本追加し、ウルシさんもサケ・マス1本づつ釣ったそうだ。
17時過ぎには次第に釣り人も減ってきて釣れている様子はなかった。それでもまったりと二人で楽しんでいると、隣で釣り始めた初心者の若い女性が2投目くらいでHit!目の前で当たり、楽しむ間もなくタモに入ってしまった。
18時10分前、ゆっくりと片付けをしていた私に「ゴメン、来ちゃったみたい」そう言って合わせを入れた妻だったが、抜
けてしまった。竿がかなり曲がっていただけに残念な最後の興奮だったであろう。
17時過ぎからやっと太陽が顔を出して、正面の知床の山々と空に美しい色を付けていた。月も暗くなるにつれ白く輝き
だしていたが、最後まで頑張った私たちにはそれを見せてくれたのかもしれないと思った。結局この日、自宅に着いた
のは22時少し前となってしまった。





  ■ 帽子岩

9月12日 今週は敬老の日が月曜日の3連休なので混雑するのは間違いなかった。19時前に出発する直前、師匠
の奥さんから数十分後には帽子岩到着との連絡が入って気分も盛り上がった。さらに15分位走ってレガオさんからも
電話があって、明日釣行予定の常呂の情報を聞いてきたが充分な情報はあげられなかった。
久しぶりに乾いた路面を走って網走に向かうことができて快適だった。帽子岩の駐車場はすでに満杯状態だったが、
なんと最先端近くに1ヶ所空きがあったので何とか入ることができた。すぐに釣り場へ向かうと目的の場所隣に人影が
あって少々驚いたが、声をかけて少しだけお話をした。
帰り道は途中からその方と明日に期待する話をしながら帰ってきた。事実ここ数日釣れているそうだし、キッシーさんの
掲示板に98cm・9.5kgのサケが釣れたと書き込みがあったので期待も大きかった。


9月13日 3時起床、前回のタモ網を投げ捨てられた場所だったので不安はあったが、釣り場に着いてみるとタモは無
事だった。しかし、こんなに早い時間からすでに満杯状態とは?準備を済ませ休んでいると、いるはずのないレガオさ
んが現れ驚いた。奥のカーブの所に入っているそうで、その手前には師匠の姿もあったそうだ。
5時近くなってやっと明るくなってくるほど夜明けは遅くなっていたが、何だか張り切ってキャスティングをしていると例によってソイが釣れてしまった。ソイが釣れるといい事無いんだよなあなどと思いながら続けていると、ほぼ全体が見えるようになった頃妻が到着した。
周囲では少しだけ釣れている状態であったが、奥の方では頻繁に竿が曲がっているという。
またしても場所選びがうまくいかなかったか?と思っているうちにしびれを切らした人たちが反対側にキャスティングを始めてしまう。今日はおそらく釣り場に入れなかった人たちも多かっただろうから余計に密猟者が出てしまうのだ。
釣り人の数の割りに密猟者が少ないのは、海側でも釣れている証拠だが場所の差も大きい感じがした。川では魚が跳ねるのが頻繁に見られており、黒いサケやマスが入れ食いのよ
うに釣れていたが、こちら海側で釣れているサケとは明らかにモノが違っており、川で釣る価値もないし、これは釣り人
のモラルの問題であり、そこまでして釣った魚では喜びは無いと考えている。つまり、釣れないときもあるから(なかなか
釣れない)釣ったときの喜びが大きいのである。
5時20分頃、川の方を見ながら巻いているとふっと重くなったので、ウキを見ると10mほどの近いところで沈みかけていた。そしてすぐにキラキラした魚体がクネクネとしているのが見えた時グッと重さが伝わってきたので、大きなアワセを2回入れたその瞬間、ドラグが悲鳴をあげてやや左方向に走っていく。このサケはすごいパワーがあり、いくら巻いてもすぐにドラグを鳴らし走ってしまう。
妻がタモを持って待っていたが「楽しんでいないで真面目にやりなよ!」と言うが真面目にやっていた、というよりは必死であった。これ以上ドラグを締めるとラインが切れてしまう恐れがあるし限界は試して分かっていた。
常に竿を立てた状態にテンションをかけて、右手はリールかその少し上を持っていたが両手ともにだるくなってくるほど
サケの力は力は強いのでスレ掛りかと思ったくらいである。目の前まで寄せるがすぐに離れていくという状態が何度も
続き、周囲の人たちには迷惑をかけてしまったが「おーいいもんだ。
銀ピカだわ!」そう言ってくれたので何としてもバラすのだけは避けたかった。
左側に走りテトラポットにラインが擦れてしまうと心配したが、やや沖目に向かってくれて、再び近くまで寄せることができた。そしてやっと目の前のテトラポットまで寄せた時にはサケも疲れてきていたようだった。そのままプール状態になった所で暴れながらも、少し難しい場所だったが妻が構えていたタモに一発で入った。なかなかの大きさ81cm・4.7kgのオスだった。
今期3本目にしてやっと釣れた銀ピカのサケだったがテトラポットにぶつかって傷が付いてしまっていた。手に持って写
真を撮るときも何度か暴れてくれるほどの力がまだ残っていた。処理を済ませ全体の写真を撮っていると師匠の奥さん
が現れ、釣れたことを一緒に喜んでくれた。
ルアーのテスターではないが、すぐにルアーを変えて試すのも楽しみのひとつなので大漁とはいかないのかもしれな
い。本日のヒットルアーは上から2番目の赤ベースのアワビ貼りレーザーアイ付きだった。最近のダイワのルアーは、
はがれやすく1回の釣行でダメになってしまったのでこれをベースに製作してみた。

ウキアジ回収
私たちの周囲は3人に1本釣れるか?という感じだったが、師匠の周囲は少ない人でも2本は釣っており、師匠はサケ4本・マス1本を釣っていて、大きいのは7kg近くもありそうだった。
ウルシさんも相変わらずJrには負けていたが3本釣ったそうだ。
更にウルシさんはウキを付けて泳いでいたサケのウキを狙って釣り、ルアーとウキの回収に成功するという技を見せてくれたあと、ブナだったサケはリリースしていたのを見た時はさすがだなあと思った。
駐車場に戻り帰ってきた時、妻にアタリがあったそうでウキが沈んで手応えはあったそうだが乗らなかったと残念がっていた。
私が車に戻っている間の出来事だが、隣の札幌から来ている方の一人はなんと、海水で顔を洗っていたというのには驚いてしまった。その方達は札幌から来ているそうで、私たちに近くて良いねえと言っていたのは確かに札幌からみると近いかもしれないと納得した。
突然私のすぐ後ろにキッシーさんが現れたが普段着であった。授業の教材の貝殻を集めに来たそうであるが、私たちの車を見たのでここまで来てくれたそうだ。しかし、レガオさんが昨日1本釣ったという話には「11本かー」と感慨深げにつぶやいていたのは、体は疲れているがやっぱり釣りたいという釣師としての性(さが)だったのか。
初めての網走釣行でサケを釣りたいと話していた、妻の同じ職場の若さんからは電話が入って、結局今回は台風接近の為に断念するということだった。
3連休だったので次々と釣り人が入れ替わって混雑していることに変りはなかった。
9時頃から近くに入ったカップルがなんと、いきなり数投目でいきなりGet!女性の方だった。サケは黒かったがうれし
そうだった。
そして数十分後にまたしても彼女がGet!今度はきれいなマスだった。時間を置いて男性もGet!楽しそうに話している
姿に数年前の自分達を見ているようだった。 
結局この二人は雨が降り始めるとさっさと帰ってしまう釣り逃げだった。台風が接近しているせいか風が強くなり雨が時々降ってきていたので、帽子岩は諦める事にして駐車場に戻ったが、依然車の数は大変なものだった。ミスタードーナツで昼食をとったあと車内で休憩していると、北見幌別で釣りをしている司さんから電話があって、2日間ボウズだったのでどうしても釣りたいのでこちらへ向かっているとのこと。第四埠頭へ行ってみると、強い雨風の中で沢山の人たちが釣りをしていたが朝から全体30本程度らしい。
左付近に空いている場所を見つけたので準備を済ませ海を見ると、ひどい濁りで釣りにならなかった。隣の方が「釣れないとホームページのネタがないかい?」と言いニッコリ笑った。私たちをこのホームページで見て知っている方だった。少しだけ照れくさい気分で、再び場所を探し始め右よりの場所

激混みの釣り場
に移動した。ウエダーにレインジャケットを着て雨に耐える釣りであったが、明日の為の状況調査と場所の確保が目的
であった。
右となりは感じの良い方で、自分は網走在住だがまだサケは釣っていないと言い一心にキャスティングしていた。
17時半近くなってその方が帰ると、代わって入ってきたのが旭川から来たという60歳くらいの二夫婦で、その中の一
人の女性が1投目でヒット!しかしすぐにバレてしまった。私にもアタリがありウキが沈んだが乗らなかった。
暗くなりかけていたのでこの日は終了して、隣の方に挨拶をしてから釣り場を離れた。簡保の宿網走はお風呂が小さい
ので、日によっては洗い場が一杯になってしまうのが難点であるが、400円は格安である。子供で一杯になっていた
が、あっという間に数人足らずになってしまって、寂しいいつもの温泉になった。
コンビニで夕食の買物を済ませ第四埠頭に戻ると、隣の二夫婦はすでに寝てしまったのか灯りは消えていた。この時
間から早くも隙間無く釣り場は埋まってしまっており、それでも釣り場を探して走る車の灯りが動き回っていた。
司さんから電話があり、帽子岩はほどほど釣れていたが自分達はボウズだったので、このままでは帰れないと第四埠
頭中央部付近に泊り込んでいると気合が入っていた。


9月14日 4時の目覚ましが鳴った時は台風の接近で、というよりも台風真っ只中だったのでかなり強い風が正面から
吹いており、港内も波が高く岸壁の上まで波しぶきが上がってきていた。この状況では釣りにならないと判断して車内
でコーヒーを飲みながら待機していると、明るくなるにつれて風も弱くなり波も納まってきた。
5時には足元に置く垂らし餌の竿のセットを済ませ、キャスティングを開始した。隣の方も昨日帽子岩で折ってしまったので、代わりの竿だという投げ釣り用の固い竿でキャスティングを始めた。
時々ポツポツと上がり始めていたが、私たちの周囲ではまだ上がっていなかった。右10mほどの魚が溜まる場所でも釣れ始めてきたので、そろそろここにも魚が来るかと待つが、なかなかアタリはなかった。
二夫婦の一番右端にいた魚が溜まる場所に近い方が1本釣って気分も盛り上がってきた。
6時15分、目の前すぐの場所で妻と私の隣のおじさんが同時にヒットした!すぐに自分の竿を上げてから垂らし竿も上げてタモの準備をするが、サケの抵抗はほとんど無くいつでも
網に入れることができる状態だったので少し慌ててしまい、網を止めていたクリップを外さずに伸ばしてやり直し、更に
伸ばしたタモ網の接続部がきちんと伸びきっておらず、ラケットが回ってしまいネットに入らず、もう一度締めてから無事
にネットインすることができた。
焦っていた私ではあったが、妻はそうでもなく余裕で待っていたそうだ。銀ピカのメスサケは68cm・3.6kgとグラマラスな体型と可愛らしい顔で、妻の今年初のメスサケとなった。
これでいつでも帰ることができる状態となり、余裕を持って釣りを楽しめた。隣のおじさんのサケはオスだったので、私たちより時間がかかりはしたが無事上がってきた。昨夜から仲良くしていた二夫婦と同時に上がったサケだったので喜びも2倍であったが、4人のうち1人だけ釣っていない奥さんがいて「私だけ蚊帳の外なんだよねー」そう言って嘆いていた。
7時を過ぎた頃レガオさんが現れたので帽子岩の状況を聞くが、朝のうちは意外に波が無く40本程度釣れていたそうだ。この日は台風が上陸しているというのにほとんど雨は降らな
かったが風は強かった。
朝食に市場へ出かけた隣の方がタラバガニ足とトウキビをお土産に買ってきてくれてすっかりご馳走になってしまった。
4人はワゴン車1台でほとんどの季節を釣りと温泉巡りで楽しんでいるそうで、釣った魚はすぐに宅急便で地方発送す
るので、何本釣っても大丈夫だと話していた。
8時近くには司さんが現れたので、車内で釣りの話を楽しんだ。彼も同行の方もマスではあったが無事1本ずつ釣って目的は達したということで帰った。網走まで誘った私としても釣果があったので一安心というところだった。
時間が経つにつれて正面から太陽が顔を出して暑くなり、天気予報でも網走は晴れで気温も上昇するということだった。事実半袖でも充分ではあったが、背中から吹きつける強い風に荷物を飛ばされる人たちも多かった。
左側にいた横柄な話し方をする白髪の方は釣れたサケに横に走られ、二夫婦の方に迷惑をかけたにもかかわらず謝りの言葉も無かったと怒っていたが、マスが釣れた時に強風でイスを海中に落とされてしまい「罰が当たったんだ」と言われていたが、少し気の毒な気もした。コミュニケーションは大事だなあと痛感した一幕だった。
暖かくなってからキッシーさんが普段着で現れて「今日は子供の守です」と少しだけ残念そうだったが、明日は釣りをす
ると話していた。
お昼近くなると右側のグループの付近に魚が溜まり始め、時々釣れて歓声が上がっていた。この日は日中もマスが回
遊しており、私たちの前にもマスが通り、ルアーに1回振り向いて銜えたが離してしまった。更に垂らし餌には食いつい
ていたが、早く合わせてしまい乗らず。もう一度垂らし餌に食いついた時は、魚体がクネクネとしているのが見えたがフ
ッキングはしなかった。
その後サケ・マスの群れが何度も目の前を通るのが見えるが、見える魚を釣った人は数人しかいなかった。
やはり魚が見えてしまうのは楽しさが半減してしまう。見えない魚からの、いつくるかどうか分からないアタリを待っているのが私は好きである。ただ、この日は沢山の群れの、泳ぎ方の特徴や食いつき方などを再確認し、この目で見ることができたことは楽しく興奮させていただいたと言える。
ヒットした人か隣の人かはわからなかったが、竿ごと海に落として別の竿で上げていた人もいたり、タモ網のラケットが外れる人がいて色々と楽しむこともできた。
午後からは帰る途中のジャッキーさんも寄ってくれてお話をすることができた。彼は左側で1本釣ったそうだが銀ピカではなかったそうで、今回も彼の写真撮影をすることができなかった。
お昼までと考えていたが、暖かさと目の前を通る魚に翻弄され夕方になってしまった頃、師匠夫婦が奥さんの妹夫婦と
現れたので師匠に場所を空けてあげた。師匠の奥さん姉妹はなかなかユニークで、奥さんが私たちの車のサイドオー
ニングを見て「これ竿入れ?」と聞いてきたのに対して、妹さんは師匠に「サケ釣りの餌は何使うの?ミミズ?」と聞いて
いて、師匠は真面目に答えていたが、横で聞いていた私は思わずコケそうになってしまった。なかなかどうしてユニーク
な二人だった。
その後17時には納竿して師匠や隣の2夫婦に別れを告げた。遠軽の登代里で夕食を食べてから丸瀬布で燃料の補
給をして、自宅には21時過ぎに着いた。
すぐにサケを裁いてみると、2本ともオレンジというよりは赤い身で実においしそうだった。


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