7月の釣り


  ■ ウトロ(フンベ)

7月19日 ウトロへ向かう車のナビに写る川の名に少し興奮しながら、オシンコシンの滝を通過するときに駐車場を
見ると10台近くの車が泊まっていて、釣りかキャンプか分からないがなぜかドキッとする感じだった。
フンベに着くと3台しか先客がいなかった。時間は1時半なので準備をするにも早すぎて、妻も寒いといって眠ってしま
った。寝るにも中途半端な時間であり、車内を暗くしてじっとしていたが落ち着かなかった。
2時半を過ぎて何台かの車が駐車場に止まり始めてきたので、リュックを背負い外に出てみた。ガードロープから海を
のぞいて見るが誰もいない様子だったが、丁度良いところに一人話しかけてきたので下へ降りるロープの場所を教え
てもらった。その方と話をしていると、FOSのdchiyanさんの同僚だと言う。しばらくお話をしてから海に下りた。
川を渡って河口の右すぐに大きな岩があり、良さそうなポイントとみて場所を確保した。誰もいない暗い河口で川の音
だけが聞こえ、山の方からは熊でも現れるのではとゾクッとしながら2本分の仕掛けの準備をしている時、左隣を見ると
すぐ近くに人の影があって一瞬驚いたが、先程お話をした方であった。もう一人の方と「最高のポイントに入りましたね」
と話している声が聞こえてきた。
その方がFOSのdchiyanだと聞き初対面だったので少しだけお話をした。暗くて顔までは見えなかったが空が少しだ
け明るくなってきたので、ルミコを付けてキャスティングを始めた。
海面に漂う赤や緑のルミコの灯りが私にとっての今
シーズンのサケ・マス釣りスタートの合図であるかのように見え、すでに眠気は吹っ飛んでいた。少ししてから妻が到着
し、釣り場も全体で20人ほどになった。
釣り方は浮き餌で、寝ウキと立ちウキが半々位か?皆、かなり近くを漂わせていた。
4時少し前に右となりの美幌から来たという方に本日の初ヒットがあり、短時間のうちに足元に引き上げたがマスが跳
ねて逃げそうになり、慌てて足で岸へ払っている姿が羨ましくもあり可笑しくもあった。型は小ぶりで50cm位か?これ
を気に俄然やる気満々で流していると、目の前10m以内の場所で大きくウキが沈んだので、ヤッターと大きく合わせを
入れてしまった。昨年のサケの感覚が残っており、マスのアタリにやってはいけない早合わせをしてしまったのだ・・・。
dchiyanさんの同僚の方に、これが最初で最後かも?なんて話していたが、本当にそういうことになってしまうとは・・・後悔の念だけだった。しかし不運はこれだけでは済まなくて、2本の仕掛けを流してしまうサルカンの留め
ミスがあった。せっかく札幌で買ってきた「マス雄君U」もドンブラコと沖へ旅立っていった。
その後目の前の岩場へ渡っていた3人組の一人が釣り上げたり、周りでも数本のマスが上がりフンベも活気が出てき
ていた。
 そんな時、妻の様子がおかしかった。ウキが沈むが浮いたり沈んだり、左に少し走ったりしているので聞いてみても反応がなかったので、私からはよく分からない状態だった。
竿はしなり巻き上げ始めると魚体が見えてきて「アブラコか?」私が
そういうと、先程の美幌の方が「ホッケだ、OK!OK!」と言った。ホッケは38cmあり、丸々と太った魚体はキャンプをす
る予定の私達にとって外道ではなかった。 
あとから、dichyanさんも「良いホッケですねー」と言ってくれたのが少し慰めになった。
4時半には誰も釣れなくなり、dchiyanさんたちも帰ってしまった。6時半には納竿したが、この日は全体で6本という釣
果であった。
  
       昼食のラーメン                        知床自然村キャンプ場


7月20日 目が覚めたのはオールナイト日本の音楽とあちこちから聞こえるいびきだった。話し声が聞こえないので真
夜中である事は分かったが、気になって時間を確かめてみると1時半だった。
2時にかけた目覚ましだったのでそのま
ま起きる事にした。10分後には妻を起こし準備を済ませ、2時前に車を走らせた。
フンベに着くと駐車場は

キャンプ場からの夕景
満車か?と思うほど多かったが、なぜか一番近い場所が空いていた。すぐに準備を始め一服
してから、妻には3時の目覚ましを渡してリュックを背負った。
昨日と同じ場所に入り竿をセットしていると続々と釣り人がやってき
た。
キャスティングを始めて間もなく餌をつつくアタリがあったが、どうもマスではないようだったが合わせを入れてみると何
か掛かったようなので上げてみるとガヤだっ
た。その後もガヤの攻撃は続き、餌を取られないように逃げていたが釣れてしまうこともあった。周りでもガヤの攻撃に
あっているらしき声が聞こえてきていた。
薄明るくなるとさっきのは何だったんだというほどガヤもぱたっといなくなり、落ち着いてウキを流す事ができた。本日の
釣り人は24人程で隣との間が2m位である。

幌別河口
4時頃だったろうか?河口の左方向で2本同時にヒットした。しかし、この後は誰も釣れず、次第に釣り人もだらけてきてしまい釣れそうな気配もなくなってきた。右奥にdchiyanさんがいたのでそこへ行き、じっくりと話し込んでしまった。イメ
ージとは少し違う方だったが、優しくて好感の持てる方だった。ベテランのお話はひとつひとつが為になり、役立つ情報が一杯だっただけではなく、ホームページで紹介されていた手造りのウキまでプレゼントしてくれた。自分で作ったものとは比べ物にならないくらいしっかり作られていて、佐藤さんに教えてもらい自分で作ったウキを持ってこなくて良かったと思った。
再びキャスティングを開始するが、周りの人達がウキルアーに変え始めていたので自分も変えてみた。それでも誰も釣れることなく時間だけが過ぎていった。
6時近くになると半分以上の人が帰ってしまい、自分達も納
竿しようかと思っていた。左となりでキャスティングしていた人が目で話しかけてきたのでこちらから話しかけてみると、
弟子屈から来ていると
いうこの方はなかなかの兵(つわもの)で、色々なお話を聞かせてもらい楽しく過ごす事ができた。モジリのことを「モジ
モジ君」と呼んでいるという話も面白く、熊に取られたサケの話は面白さを通り越し恐ろしい話だった。
7時にはこの方に挨拶をして車に戻った。結局この日はあの2本だけだったのをがっかりしているのは他の皆も同じだ
っただろう。


7月21日 夜中に目が覚め時計を見ると1時だった。そのまま眠らずに1時40分に妻を起こして出発の準備をした。
もやが立ち込める中静かに車を走らせフンベに向かった。
フンベの駐車場はなぜか同じ場所に同じ車が泊まっており、昨日と同じ場所が空いていた。dchiyanさんが昨日言って
いた「明日はあそこだね!」という河口左のポイントにリュックを下ろし準備をしていると、そこにdichyanさんが現れた。
ルミコもなくなっていたので明るくなるのを待たねばキャスティングもできなかったので、dchiyanさんとお話をして過ごし
た。dchiyanさんは余程魚が入ってきている時でない限り、暗いうちに釣れた経験は一度しかないと、夜釣りでマスは狙
わないそうだ。
右側にいた方にきいてみると、昨日釣れた場所を「あそこと、あそこ!」そう言って指を刺して教えてくれた。後で分かっ
たのだが、この方は掲示板でお馴染みのカブトムシさんだった事が分かった。自分よりも年上だと思っていたが、妻は
いーや若いゾと言っていた。
そうこうしているうちに妻が着いて、ルミコを付けないdichyanさんもキャスティングを始めたが、鳥目の私は妻を先に始めさせて様子を見ていた。しばらくしてから始めた私だったが、やはりウキを見失ってしまい妻のウキと絡んでしまった。
そうしているうちに妻が「今、食ったけど早合わせでバレちゃった」という。「ガヤかなんかじゃないの?」そう言って相手
にしなかったが「いーや
あれはマスだ!重さが全然違う」と言い張っていたが、あとからdchiyanさんも「いやー惜しかったね、あれが釣れていれ
ば今日最初のヒットだったのにね!」そう言っていたので、あとから自分も悔しい気持ちになった。   
4時半位だったろうか?右側の河口中央付近でHitした。釣り上げたおじさんは昨日も上げた同じ人である。そしてこれ
が朝マヅメの最初で最後になった。そのおじさんは「いやー今年は釣れんわー」と憎らしい事を言っていたが嫌味では
なかった。これが地元のベテランさんの正直な気持ちであろう。

ミツバ商会のウキ
その後その方の釣りをじっと見ていたが、ウキはダンゴウキで流れに強く同じ位置でじっとしているタイプだった。つま
り、魚が通りそうな位置で確実に待つという効率の良い釣りといえる。誘いもしない、ただじっと待つのである。
自分はといえばすっかりだれてしまい、周りの人に話しかけたり、ウキルアーに交換して離れたところでキャスティング
を楽しんだりと、集中力がなくなっているので釣れるわけがない。
7時近くなって妻が帰ろうと言うので片付けを始めてdchiyanさんには何時までやりますか?と聞くともう帰りますというこ
とで、ほぼ同時に納竿した。   
張り切ってやってきたフンベであったが、惜しい結果にリベンジはしなければならないだろう。
完全ボウズだったなら、来年のその日まで来ようとは思わないかもしれないが、Hitしたなら話は別で自分達にも釣れる
ということだから。





  ■ ウトロ(フンベ)

7月25日 釣りに興味のない方には呆れてしまうかもしれない強行スケジュールを先週に引き続き実行しようとしてい
た。片道ゆっくり走って4時間半、時間だけを考えると無理でもなんでもないかもしれないが、問題は睡眠時間である。
現地に着いてもすぐに眠れたとして2時間以内、ワクワクした興奮状態では寝られるはずがなく完全に徹夜である。
ここまで無理しても釣ってみたい魚がカラフトマスなのであり、時期が早ければ魚体も美しく素晴らしいファイトを見せて
くれるのだ。

      
               マス網                           オシンコシン河口
19時出発、先週とは違い何の障害もない夜道は車も少なく走りやすかった。佐呂間町の駐車帯でコーヒーを入れ目覚
まし代わりに飲みながら先を急ぎ、網走のコンビニで朝食を購入し走り続けた。
「オシンコシンの滝」駐車場でトイレに寄ると、人馴れしたキタキツネが近づいてきたがすぐに暗闇に消えていった。こ
んなところでも熊が出るんじゃないかと思ってしまうほど夜は不気味であった。ここの駐車場には3台泊まっていて、先
週よりもかなり少なかった。
数分でフンベの駐車場だったが5台しか泊まっていない。時間は22時45分で出発から4時間かからなかった。ベッド
をセットした状態で走ってきたのですぐに床についた。


7月26日 結局一睡もできずに目覚ましをセットした2時になってしまう。それほど期待して胸踊っていた訳ではなかっ
たが、何故か眠れなかった。
一服して準備を済ませ外へ出るタイミングを計っていたが、意を決しウエダーを履いて外へ出ると隣の方も同時に出て
きたところであった。話しかけてみると、なんと「ノダのレガオ」さんだった。彼も今週こそはと網走からやってきたのだ
った。私が先に海岸へ降りて準備をしていたが、なかなか明るくならずキャスティングを始めたのはレガオさんの方が
早かった。キャスティングをしながらしばらくレガオさんと話をして今シーズンの意気込みを語った。暗いうちに数回ガヤ
と思われる襲撃があったが、明るくなるとそれもなくなりまったく魚の気配は感じられなくなった。
15人ほどいた釣り人も少なくなってしまい妻は車に帰ってしまうし、背中からの風が体を冷やし始めていた。そのうちレ
ガオさんも幌別の様子を見てきますと言って行ってしまった。
最後まで残っていた3人も引き上げてしまい、太陽が体を温めてくれて気持ち良かったのでのんびりキャスティングをして
いたが、干潮の時間が近づき水面はかなり下がってしまっていた。ふと見ると左前方に小船でやってきた4人ほどの
乗組員がマス網の引き上げを始めあっという間の出来事だったが、船底で跳ねるマスの音がバタバタと聞こえてき
た。
デジカメは妻が持ち帰ってしまったので撮影は出来なかった。漁船が去ると同時に自分も潮時と納竿した。
駐車場に戻り隣の方が外で話をしていたので尋ねてみると、マス網には40〜50本は入っていたということだった。
確かdchiyanさんの話では本日は良い潮周りだと話していたはず?気になって潮汐表を確認すると最悪の潮周りだっ
た。こんな潮周りだったら来なかったのに・・・きっと次週の聞き間違いだったのだろう、やはり自分できちんと確認しな
ければいけない。
隣の方々は網上げを見て夕方にもう一度挑戦すると話していたが、私たちは帰ることにした。ここフンベのような釣り場
は潮周りで大きく釣果に差が出るというのがはっきりしているので期待できないと読んだ。
「3段の滝」駐車場の日陰で朝食をとっていたが、ここの釣り場はまだ竿を振っている人がいた。
食後オシンコシンの滝へ行き写真を撮ってきた。もちろん釣り場には誰もおらず、観光客だけで賑わっていた。
道の駅「小清水」で仮眠をとって昼前に出発、網走市内で昼食後、網走港に寄ってみると日中も沢山の釣り人で賑わっ
ていたが、投げ竿のカレイ釣り以外では投げサビキのニシン釣りが多く、ルアーでマスを狙っている人は数人しかいな
かった。網走川河口の港側から帽子岩を見ると数人がマス釣りをしているようであり、これから向かう人たちの姿も見
えた。
北見へ向かう途中の網走湖が見える高台の公園で仮眠をとり、目が覚めると17時にもなっていた。
北見市内で夕食のラーメンを食べてから層雲峡へ向かう。
毎年必ず見ていた花火大会も今回は無理かと思ってはいたが、結局見ることができたのは喜んでよいのかどうかわからないところである。
層雲峡の「峡谷火祭り」の花火大会は21時半からだったので丁度良い時間に到着できた。相変わらず歩道に乗り上げ車内でエンジンを掛けっぱなしで待っている迷惑な人たちが多く、マナーは最悪だったが、いつも見る一番近い場所で待っていた。
今年の花火は同時開催の「花祭り」の花に予算が削られたそうでいつもの迫力はなかったが、目の前から上がり真上で広がる迫力はさすがであった。
道内では昭和新山の花火大会が、ここ層雲峡の音に近いくらい迫力があるとのことである。
十分堪能した花火のあとは前にも後ろにも長く続くヘッドライトとテールライトの明りであり、渋滞にはなっていないがいつもより時間はかかったので、自宅に着いたのは22時半近くなっていた。
7月にカラフトマスを釣るという目論みは失敗に終わったが、早い時期から楽しむことができたし、マス釣り感覚が戻ったのは大いなる収穫であった。


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