8月の釣り Vol.2



   ■ 知床(ウトローフンベ)

8月21日 強い雨と雷が入り乱れ、台風通過後とはとても思えない天気だった。この日の朝、フンベに入っていたチカさ
んに電話をすると、2時間弱の朝マズメに小爆釣状態があったそうで、チカさんとJr二人で6本と満足のいく釣果を得て
帰宅途中だった。FOSのdchiyanさんも、小一時間のうちに3本釣って、5時には颯爽(さっそうと)と帰っていったところ
がカッコよかったと、後でチカさんがしみじみ教えてくれた。
私がイメージする私のマス初Get!というのは、長いスランプによって「華麗な初物Get!」からは少々ねじ曲げられた
ものへと変ってきていた。それは・・・念願の初マスは釣れた・・・しかし、それは触るのも怖いくらいのセッパリ黒オス様
だった。あまりにも恐ろしいので、写真だけ撮ってリリース・・・だよね!というようなイメージをしてしまっていたのは、釣
れなくて苦しみ続けたせいだった。

14時10分に雨の中出発した。同行のレガオさんは先にフンべ入りして、夕マズメの様子を自分のロッドで確かめるとい
う。チカさんの話では50人を超える釣り人だったらしいし、前々日からのFOS情報でもフンベ小爆釣情報が報じられた
ことも重なり、相当な混雑を予想していた。
それでも自分自身が釣れそうだなどとは、どうしても思えないほど自信がなかった。ただ、みんなが言うところの「キッシーさんと私が一緒だと釣れない」伝説からすると、今回実家の墓参りの為に参戦しないながらも、私を応援してくれるという彼のなにより(?)の激励が、もしかすると・・・そんな予感があった。
常呂まで来ると雨はすっかり上がっており、燃料補給を済ませて丘の上から漁港を見るまでもなく、沖目まで褐色の川水が広がっており、マス釣り場は壊滅状態に見えた。夕マズメに僅かな期待をしていた常呂漁港を通り過ぎ、網走市内を抜けて第四埠頭のフェンスが閉じている状態を見ようと港内に向かった。

道の駅小清水
なるほど「閉鎖中」の表示はあったが、ゲートは開いており作業用の車などが出入りしているようだった。ここでもほん
の僅かな期待を胸に第四・五埠頭のオイルフェンスを見ることにした。近づいてみると見たことのある車が数台停まっ
ていて「あれ、清さんの車だ!」妻が言った。フンベにいるとばかり思っていた清さんがいるらしかった。
その前に私は順一君と目が合って、お互い頭を下げていた。順一君はこれから始めるようで、彼もまた私同様に初物
を狙い続けている努力家だった。
雨が上がったばかりという様子で、オイルフェンスの先端近くからキャスティングしている3人に近づくと、前回のフンベ
で隣だったジミー大西をカッコ良くした顔のジミーちゃんが笑顔で迎えてくれた。一番奥で合羽を着て帽子も被らずに、
やや怠惰な雰囲気でいた清さんに「なんでここにいるの?」聞いてみると「高校野球見てた・・ここ釣れネー」そんな返事
だった。どうも判断を誤ったようで、私のフンベ情報に少しだけがっかりしていたようだった。ここで夕マズメを考えてい
た私も、ここは期待薄とみて翌朝のフンベだけに集中することにした。

日の出漁港に日が沈む
しばらく話をした後「オレの車泊める場所とっといてー」に答え、順一君にも激励の言葉をかけてから出発した。この頃レガオさんがフンベに着いており、釣り場へ向かうところだった。
いつものように道の駅「小清水」でトイレタイムしたときは、強い夕陽がサングラスなしでは運転しにくいほどだった。メガ
弟さんは明日どうなのかな?などと考えつつ斜里の町内で食糧調達。日の出漁港が見える高台にさしかかった時、太
陽が水平線にかかっていた。迷わず駐車場に車を止めて、シャッターを押し続けていた。家族連れの一家が目ざとく入
ってきて、それぞれカメラを手にしていたが、一人携帯電話で写しているのを見て、電話でこんな素晴らしい夕陽を撮る
のは失礼だ・・・なんてことを少しだけ思ったりした。
フンベまでの小さな釣り場や、9月まで河口規制のある川までも車や人の姿が見られ、7月とは全く違った様子だった。
オシンコシンの駐車場にも10台弱の釣り人と思われる車が端のほうに固まっていた。
暗くなりかけていたので、フンベに着いた時は駐車場の車も少なかった。レガオさんが釣り場から戻ったばかりで「1本
バラしたけれど、全体4本ほど上がったので明日は期待できるよ!」これが期待感の高まるような第一声だった。
車内3人で夕食を食べながらビールを飲んでいると、辺りが完全に暗くなったところで清さんが着いた。清さんも加わっ
て、いつもの釣り談義に花が咲き、更に遅れてやってきたコマさんがスナック釣りバカ2には初来訪となった。話の中心
は、どのロッドがアキアジに最適であるか?そんな、この時期ならではの話題で大盛り上がりであった。さすがにベテラ
ンの人達なので、あらゆるロッドの使用経験談が飛び出してくるのがたまらなく面白い。この興奮はビールだけでは眠
られそうにないので、1杯だけ日本酒の力を借りて、22時過ぎには眠ることができた・・・と思う。


日没後のフンベ左海岸



8月22日 携帯電話にセットしていた1時の目覚ましが鳴り、まだ早いなあと思いつつもすぐに目が覚めた。辺りは静ま
り返っていたが、今着いたと思われる車の音に少しだけ焦りを感じて準備を始めた。外へ出てから運転席のレガオさん
にライトを当ててみると、爆睡中で可哀想な気もしたが窓をたたいて起こした。すぐに、気付いたのかエンジンをかけ
て、何故かライトまで点けた?これで安心と思い先に出発したが、まだ真っ暗だったし一人で河口に向かうのは気味が
悪いので、わざわざ音をたてながらキャップライトで周囲を、特に上流の方に注意しながら目的のポイントへ向かった。
早起きのかいあってチカポイントが両手を広げ私を待っていてくれた。ホッとして一服していたが、左側の網横にはすで
に人が入っていた様子だった。さすがにこの寒さ、蚊も少なく快適に準備を進めることができた。少しするとポツポツと
キャップライトの灯りも見え始め、私の左横にも数人の釣り人が入って、ルミコでキャスティングを始めていた。あまり早
くからバシャバシャと仕掛けを投げ込むと魚が離れてしまうなあ、と心配しながら見ていたが、私の右側近くは誰も始め
ておらず静かであった。
後方に人の気配を感じたので振り返ると「ここいいですか?」聞いたことのある声はチカさんだった。この日はJrは同行していなかった。チカさんもすぐ右横に入って、しばらくするとコマさんが一人でやってきてチカさんの右隣に入った。コマさんもタモを持ってきていたので、私やチカさんと合わせ3本のタモがあり、万全の状態であった。
レガオさんがあまりに遅いのでチカさんが電話をすると、まだ寝ていたようであった。レガオさんの場所は私が準備していたので心配はいらないが、それにしてもよく寝る子である。
そして、いつも一番遅い清さんまでが到着してしまい、もう一度チカさんが「起きろー!」電話で怒鳴っていた。そしてしばらくしてからふらふらと、やっとレガオさんが現れたのだった。
空には小さな星までがよく見え、この日の好天が予想された。周囲はすでに30人以上の人がキャスティングを始めてお
り、蛍の光のようにポツポツと怪しげな光が蠢(うごめ)いていた。国道の橋の上をボートを担いで歩く人も居て、中島へ
渡ると思われた。この日中島へ渡った人たちは6人ほどであり、結果から言うと魚道の先で1本釣れただけだったと思
う。
その後私たちは揃って話に夢中になり夜明けを待っていたが、次第に山際に僅かな明るさが見え始める3時半には、
待ちきれなかったのか「エサ取りの様子をみる」と言ったチカさんが数投のキャスティングをしていた。
そして、急に「雨だぞー!」と誰かが言った瞬間に雨が降ってきてしまった。まさかの雨に雨具の準備をしていなかった
私とレガオさんは、あっという間にずぶ濡れになった。そんな中での釣り開始だったが、暗くてはっきりと見えないが、し
ばらくの間釣り場全体が静かな状態であった。
そして、均衡が破れ数本の竿が曲っていたが、私達からは離れたポイントであった。しかし、この朝はバラシが多いよう
だったので、僅かしか釣れていないようだった。そして、珍しく明るくなる前に妻がやってきた直後だったが、チカさんに
ヒットしてしまった。決していけないことではないが、今シーズンのパターンだった。キャスティングしたばかりだったし、
チカさんの場所ならばタモも必要ないだろうと、みんな見ているだけだった。目の前まで寄せたので、今日も初Getはチ
カさんかと思って見ていた瞬間に、バレてしまった。どうも口切れしてしまったようだった。「みんな冷たいよね、誰もタモ
入れしてくれないんだもん・・・。」、確かにあの状況はそうだったかもしれなかったが、どうせチカさんのことだからすぐ
に釣れると、みんなはあまり気にしていなかった。
やっと明るくなり、釣り場全体が見えるようになると、その釣り人の多さに驚いてしまうほど釣り人は多く、50人以上はい
たかもしれない。周囲では数本釣れているものの、依然としてバラシている人のほうが多かった。

一本目
4時20分過ぎ、スッと引かれるような微かなアタリがあってからすぐに軽くなって、もしかするとマスが追っているかもしれないと思い、一度止めてからゆっくり巻いてみると、もう一度フワーとしたアタリを感じたので、ウキを見ると少し沈んでいて、レガオさんもそれに気付いていた。その瞬間目より手のほうにアタリが感じられ、頭ではなく体が勝手にアワセを入れていた。軽かったが久しぶりのマスの引きを味わいながらも、スルスルと軽く魚は寄ってきていた。
チカさんが自分の大きなタモを持って来てくれたので、初ヒットながらも気持ちに余裕があったと思う。
あまり抵抗することなく右隣にいた妻の目の前で、スッとタモに入ってくれた。タモを手渡してくれたチカさんと喜びの握
手をしてから魚を見た。56cm・1.8kgのスマートなオホーツクサーモンのオスだった。
「よかったね!」と言う妻や、清さんたちが笑顔で祝福してくれたが、しかし、喜びに浸っている暇もなく、レガオさんにヒ
ットしていたのだった。
大きな魚体らしくドラグを鳴らして走っていて、ロッドが大きく曲っていた。チカさんのタモには私のマスが入ったままだったので、私のタモを持って行くが「大丈夫!大丈夫!」と岩の間を強引に抜き通して無事釣り上げた。61cmの私のよりもきれいな、少しだけ背が上がり始めたオスであった。
こうして二人は喜びを2倍にして分かち合うことができたのだった。
レガオさんのマスはその最後も立派なもので、血抜き用ナイフの手を止め、「何か願いがあるなら最後に叶えてあげよう」というレガオさんに、「君が今吸っている至福の一服を最後に私にもくれないか?」マスの意外な声だった。
優しいレガオさんは何も言わず目を潤ませながら、彼の口元にセブンスターメンソールを銜えさせた。
男同士の男らしい最後に立ち会った私も同様に涙したことは言うまでもないだろう。
レガオさんに
新しいロッドの感触はどう?そう聞かれたが、正直覚えていなかった、寒さと興奮で体が震えていたのだ。
私のこの時のタコベイトはチカベイト・プロトタイプで、8号のフカセ針が巻かれてあった。ネットに入って暴れているうち
に外れたが、針は片方だけフッキングしていた。試験はまずまずの結果となったし、1本釣れたのですぐに違うルアー
に交換した。
この私たちの2本には清さんから見た話もあり、清さんが遠投気味にキャスティングしようとリールに触れていた指が離
れた瞬間に、目の前を行く小さな群れに気付いたが、時すでに遅く、自分のルアーは遥か沖を目指して飛行中だっ
た・・・。清さんは、これはきっとすぐに誰かにヒットするぞと行方を追っていると、やっぱり誰かの竿が曲っていたそう
だ。「おおっと!とっちさんじゃないかー!」と、後で語ってくれた。
この日も清さんには他の人には全く見えないマスの群れがよく見えており、信じられないような目が私たちを驚かせて
いた。「ほらほら、あそこにいる。おー!けっこう大きな群れだー。あれれ、沖の方へ行くぞー、あーあ、出て行っちゃっ
た・・・。」私たちには全く見えていなかった。
こんな名人にも釣るとなると話しは別で、ヒットしてもバレてしまっていたのだった。しかし、隣にいたコマさんは相変わら
ずの厳しい「ビュッ!」と音のするアワセでしっかりフッキングさせ、最後は強引にズリズリと砂の上を引きずってランデ
ィングしていた。そして、私が見ていないときに、もう1本釣っていたそうである。
そして横にいた妻の竿が曲っていることに気付き「おっ!ヒットしたか?」そう言ったすぐ後にはロッドが真っ直ぐになってしまった。後で聞くと、すぐに重くなったので合わせずに強く巻いているうちにバレたそうだ。やっぱり妻はマスをなめきっており、サケ釣りへの想いが強すぎて、マスには縁がなかったようである。そして、さほど口惜しがりもしないのである。
突然現れたのはメガ弟さんで、3時に着いたが駐車場は満車で、少し離れた場所に車を止めてきたそうだ。彼は独自
のスタイルで自由にする釣りが好きなので、左奥で楽しんでいたそうだ。しばらくお話をしてから、再び左奥へ向かって
行った。
この後も左右両河口では時々、連続・同時ヒットが起こること
も何回かあるほどだったが、バラシの数は半分以上だったようにみえた。しばらく小康状態が続いた頃、レガオさんが
重大な用で釣り場を離れていた時だった。
沖目にキャスティングしたルアーをゆっくり引いていると、フッと軽くなってからクンとアタリがあった。すぐに反応が消え
たので、更にゆっくりと巻きながらジッと少し我慢していると、先程よりは大きなアタリがあったので軽めのアワセを入れ
てみるとフッキングしたようなので、強いアワセを2回入れた。
1本目よりは遠くでヒットしたが、初めの感覚の大物のような手応えにしては目の前まで簡単に寄ってきてしまった。私
がヒットしたことを知り、慌ててやってきてくれたチカさんは、岩の間でコケてしまい、ガクンと体制を崩した弾みでタモを
持つ手が岩とタモに挟まれた形で強打してしまったそうだが、なんとしてもタモ入れをしなくてはという友情が痛みに勝っ
たそうだ。
だが、ここから元気なマスの本領発揮で、いきなり右沖目に走り出し、何回か巻いてからドラグを締めなおして巻いてみ
るも、今度は左へ水平に走ってしまった。1年ぶりのどんどん走るパワーはサケのそれを思い出すようであったが、マ
スにもこんな力があったのか?少し動揺しながらも一本釣った余裕があり、新しいロッドの曲り具合など確かめながら、
更にドラグレバーを右に倒した。チカさんのタモ入れは全面的に信頼していたので、目の前まで寄せたマスは阿吽の呼
吸でネットに吸い込まれた。再び握手をしながらタモを受け取り魚を確認すると、丸々と太ったオスで60cm・2.6kgあ
った。すぐに血抜きをしてからスカリに入れ、何食わぬ顔をしてレガオさんの帰りを待った。しばらくして戻ったレガオさ
んは少し驚いた顔をしながらも、素直に喜んでくれたようだった。

本日の釣果
右側の河口付近のカウボーイみたいな帽子を被った、いかにもという姿の長髪の男性のロッドが曲っていたが、その先にはなんとカモメがヒットしていた。年に何回かは見られる光景ではあるが、ここフンベでもることになるとは驚いてしまった。海面上をバタバタさせながらも少しずつ寄せて、その男性の足元まで寄せたのはよかったが、どんな対処をしてよいものか分らないらしく、おそらくその周囲の人も分らなかったのであろう、なかなか外せずにいた。
チカさんの知っている同じようなケースで、手の甲に穴を開けられた人もいる位だから注意が必要で、通常頭を抑え目隠し状態にすると鳥はおとなしくなるのだ。時間はかかったが、何とかカモメは飛び立った・・・と思ったらカモメにはウキが付いていて、変な飛び方でふらふらしながら沖の方へ消えた。可哀想に、完全に外す前に耐えられなかったカモメはそのまま逃げてしまったようだ。
その後、この男性はこともあろうに混雑した釣り場でフライを振りはじめ、周囲の人から冷たい目で見られていた。混雑
した釣り場では、状況を考えた釣りをしてほしいものである。
5時半過ぎにはまたしても雨が降り始め、気まぐれな天気に翻弄されていたが、不運に翻弄されていたのは清さんも同
様で、ほとんど完璧な釣りをしている彼が、キャスティングミスでルアーをウキごと飛ばしてしまっていた。随分と遠くに
飛んだせいで回収はできなかった。
5時50分、沖目に飛ばそうと思いゲーターという今年発売された下駄の形をした変なルアーを付けてみた。チカさんに
見せると「そんな変なルアーじゃあ絶対に釣れないョ!」というので、論より証拠で第一投!少しゆっくり巻いているとク
ンというアタリがあったので、さらにデッドスローで巻いていると、数回アタリがあった後にグーッと大きく食ってくれた。こ
の時は瞬間的に思いっ切りアワセを入れて、もう一度念のため合わせておいた。
しっかり乗っていて、引きも充分あって幸福な時間がやってきたと思った。今日一番の幸せものは自分だとも思った。
チカさんに目で「掛かったみたい・・・」と合図すると、すぐさまタモを持参してやってきてくれた。2本目ほどではなかった
が、ドラグを鳴らし2回ほど走ってくれた後、息の合ったほぼ完璧なチカさんのタモ入れにマスがネットインした。
これまたオスで、58cm・2、5kgとやや太めであった。2本のフックがきれいに並んで上あごに掛かっており、これなら
少々ラインが弛んでも外れなかっただろう。
少ししてからメガ弟さんが現れ、レガオさんの左の人が丁度帰ったのでそこで釣り始めた。
帽子岩の情報はチカさんの元に届き、釣り人は多いが4〜5本しか釣れていないらしく、相変わらず不調の網走であっ
た。しかしサケが1本釣れていたそうである。ポンモイ情報は順一君から聞いたが、全体1本しか釣れていなかったよう
だ。フンベの釣り場の上を走る国道には、ひっきりなしに釣り人らしき人たちが釣り場の様子を見ていたが、この頃にな
るとほとんど釣れていなかった。
6時過ぎには再び雨が降ってきたので、それから少しして納竿準備を始めていると、釣るまで帰らんぞー!と言っていたチカさんも、つられたのか寂しがり屋なのか分らないが、帰り支度を始めていた。清さんとコマさんはもう少し頑張
るようだった。雨が降っていたので、記念写真も撮らずに魚をチカさんから頂いたゴミ袋に入れ、タモのネットカバーにしていたセーラームーンの大きな袋に入れて持ってみたが、マスの3本は7kg程度なので軽いものであった。
タモ網はメガ弟さんが持ってくれたので急な梯子も楽に登ることができたし、上ではレガオさんが魚を受け取ってくれてありがたかった。着替えをしていると、レガオさんの車の方から袋に入ったマスを持って逃げるように走る男がいた。どうもチカさんがレガオさんの魚を盗んで自分の車に積み込んだようである。
自分の車に戻ってきたレガオさんは、すぐにそれに気付いてしまい、知らんふりをしていたチカさんから奪い返していた
が、その時袋からマスが飛び出してしまい、ついでにとレガオさんは魚の写真をタバコを銜えさせて写していた。
それから二人は国道を渡り、わざわざ釣り場をバックに記念撮影をしていたが、何故かチカさんがその魚を持っていた
のだった。
携帯電話の電波状態が悪いフンベではあったが、キッシーさんには7時過ぎに釣果報告をして「おめでとうございます」
が、私の約束どおりの第一声であった。相変わらずの毒舌ではあったが、おそらくキッシーさんが私とともに苦しんだ期
間が長い分だけ、心の中では喜んでくれたと思った。
毎回恒例のミーティング兼朝食タイムも、やっと晴れ晴れした気分で参加することができた。少ししてから清さんとコマさ
んもやってきて賑やかな釣り談義となったが、全員があることに気付いたのである。それは、この場にこの話に参加し
ていなければ何を言われているか心配になるほど、いない人の話題も多かったからであった。今後注意が必要であ
る。
雨は上がり青空が広がったフンベを出発する頃でも、釣り場には10人近い釣り人がいたが、釣れている気配はなかっ
た。オシンコシンまでの各ポイントも車が停まっており、三重の滝付近は釣り場にも10人近い人がいた。そこからのポ
イントもやはり同様に数台ずつの車が見え、この時期の知床の人気の高さを知った。
斜里のミツバ商会に針などを買いに行き、店を出たところで意外な人に会うことができた。覚えのある車から出てきて
こちらに気付いた大竹まこと・・・ではなくて、知床の釣りのdchiyanさんであった。私も、やっと釣れたことを誰かに話し
たかったので、それにはうってつけの私のこれまでの苦労を知ってくれているであろうdchiyanさんが祝福してくれて、
また来る事を約束してから斜里を出発した。
道の駅小清水では睡魔に襲われ眠ってしまい、網走で買物を済ませてから昼食をとった。途中の常呂漁港は川の濁り
がきつくなっており、橋の上から見た川は黄土色であった。結局、この日自宅に着いたのは夕方になってしまった。


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