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● プロローグ
今年の夏休みは、2年続いた海外旅行はひとまず休止して、国内の暖かいところへ行こうかと考えていた。
となると、沖縄か九州辺りとなるのだが、以前石垣島へ旅行した時に立ち寄っただけの沖縄に行ってみたくなったので
ある。
旅行会社のパンフレットを集め始めて日数や滞在先などを検討していた時に、新聞広告の添乗員&ガイド付きツアー
が目に留まり、一般的なツアーと比較してみたところ、これが断然安い!お得!
レンタカーなどで自由気ままに好きなところへ時間を気にせず見て回るのも悪くはないが、添乗員&ガイドの案内で小
旗に連れられて観光地を巡る経験も悪くはないなあと二人で話し合った結果、申し込むに至った。
万一合流できない場合でも問題はなさそうである。
天気予報では2日目と3日目は雨の予報なので雨具の準備も必要となり、個人旅行であれば違ったプランへの変更も
可能だろうが、そうは行かない。
● 出発
エスカレーターで2階へ移動して、売店でのど飴を購入し、次に3階まで上って見ると羽田からのJAL1100便が目の前
にあり、その右に小さなチャイナ・エアライン機の整備をしている様子が見えた。
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私は1階の出口にある喫煙所へ移動して一服し、再び2階の搭乗口へ向かうと妻が待っていて、すぐに手荷物検査を
受けて待合室に入った。
待合室は予想以上に人が多かったが充分に座る場所はあったので、マイレージの登録を済ませてから座って待ってい
ると、9時55分に機内への案内が放送された。
一通り目の前にある雑誌などを読み終えた頃に飲物のサービスが始まったので、スープとりんごジュースを頼みホッと
一息ついて、これからの予定表を確認した。
前方に密集した建物が見えてから数分で着陸、何度聞いても逆噴射のジェットエンジン音は不安な音である。11時55
分、長いタキシングだが速度は意外と速く、JAL機ばかりが並んでいるゲートに近づき速度を落とした。
沖縄への便は13時10分発なので時間には余裕があったが、搭乗口は北海道と沖縄では全く反対側となるので、とりあ
えず近くまで移動しておくことにする。
那覇行きの搭乗口10番に近い場所に喫煙室があったので最後の一服をしているうちに、時間が迫ってきたので妻に
せかされ10番の待合所付近に行くと、今回のツアーの添乗員さんらしき人が小旗を持って立っていた。
挨拶を済ませて説明を聞いてから歯磨きをして、やや高ぶる気持ちを抑えながら待合所のイスに座ると、目前にはこ
れから搭乗する2階席のあるジャンボジェットが出発の準備をしていた。 ![]() ![]()
中央部付近 横の席は誰もいない
ほとんどの人が機内へと進んでから私達も機内へ移動し始めたのが13時少し前で、機内は広いがやや暗く感じるシー
トの色だった。座席は39-A・Bだったので翼の後方かと思っていたところ、またしても翼の上だった。
この便は半分以上が空席で、3席を二人で使うことになった。
13時10分発、那覇行きの機体が動き出し、やがて雲の上で安定飛行に入ると飲物サービスが始まったので、今回はコ
ーヒーとスープを飲んだ。
2時間25分ほど要するので3席を使って寝ていると、CAさんが枕を持ってきてくれたので楽だったが、前席の人のイビ
キのせいではないが眠ることができないままに着陸案内が聞こえてきた。 ![]() ![]()
那覇空港内 「めんそーれ」は「いらっしゃい」
翼の真上だったので見にくかったが、青と言うよりは緑がかった海の色が近くに見え始め、やがて陸地が見えたと思う
間もなく着陸した。天候は曇りだが気温は26℃で、機体から空港施設に移動する際にその暖かさを感じることができ た。
添乗員さんの小旗を先頭に誘導されるのは少しだけ気恥ずかしかったが、2度目の那覇空港内を記憶を辿りながら懐
かしく出口へ向かう。
預けた荷物の受け取りを妻に任せて売店へ行き、非常食用に沖縄名物「塩せんべい」などのお菓子類と「さんぴん茶
(ジャスミン茶)」などを購入してから、添乗員さんの横で妻を待つ。
全員が揃ったところで「めんそーれ おきなわ」の歓迎文字をくぐって外へ出ると、ここは南の楽園沖縄である。
沖縄といえば「第二次世界大戦唯一の本土決戦の地」の印象が強く、私にはこれから見ること聞くこと感じること、その
多くがこの沖縄の地で実際にあった悲惨な戦争体験に触れずに過ぎることは不可能だと考えていたので、これまでの 観光旅行気分とは違った感慨のようなものがあった。
狭い横道を何度か曲がりながら上り進み、小高い丘の中腹の公園のような場所にバスが停まった頃には、空港から1
時間10分ほど走っていて、すでに日が落ちて暗くなり始めていた。
世界遺産「座喜味城跡(ざきみじょうせき)」は「ざきみぐすくあと」とも言われ、沖縄の言葉で「城」は「ぐすく」である。
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読谷村立歴史民俗資料館 古民家
入場は無料で、公園のような中に入ると右奥に読谷村立歴史民俗資料館、左には沖縄の古民家が2棟再現されてい
た。ガイドさんの解説を聞きながら緩い上り坂を歩き進むと、近所の人なのか散歩をしている人も見られ、日暮れ間近 ののんびりとした雰囲気も感じることができた。
2000年12月2日には村民待望の「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の資産のひとつとして世界遺産に登録された。
「中央に残っている平らな石の土台が世界遺産なんですよ・・」との説明に驚いたが、どこにでもありそうな古いのか新し
いのかもわからないような建物の跡が世界遺産なのである。 ![]() ![]()
世界遺産の土台 最上部
城壁は本土のものと違いすべて曲線を描いているが、曲線的な造形が城を大きく見せるのだそうだ。
一番高い城郭に上りあたりを見回すと、美しい色をした海の向こうに伊江島などの島影も望め、素晴らしい風景が広が
っているはずなのだが、生憎の曇り空と夕暮れが近かったことで残念ながらよく見えなかった。
バスに戻った頃には街の明かりも目立つほどに暗くなっていて、バスが動き出してからしばらくして、添乗員さんからこ
の日の宿泊先のホテルに関する案内書を手渡され、詳しい説明がなされた。
20分ほど走った頃に、大きなホテルが建っている賑やかな観光地らしき場所が近づいたが「このホテルではありませ
ん・・」少しガッカリしたがすぐに宿泊先となる、これまた大きなホテルに到着。
に迷うことになり苦労してしまった。
場所が決まったところで1階まで降りて、少々入り組んだ通路を歩きチャイニーズダイニング「マンダリンコート」に着い
た。案内されたのは、中庭にある電飾がきれいに見える窓際の席だった。
い波の音を聞きながら電飾に飾られた周囲の写真を撮っていた。
ホテル中央部には青い電飾で造られた大きなクリスマスツリーが美しく、他にも何組かここを訪れて夜の海辺を楽しん
でいた。 ![]() ![]()
20時半から始まる「芸能の夕べ」という沖縄舞踊の公演がメインホール横で始まるというので、そちらへ移動する。
歌や踊りを様々な楽器を使って表現し、最後に会場の宿泊客も参加する30分のショーだったが、僅か二人で演出して
いることを途中で気付き驚かされた。最後に、自分たちの唄や踊りが収録されたDVDやCDの宣伝をして終了となっ
した私が愚かだったと諦め、それでも長く楽しかった一日の疲れからか23時半には眠ってしまった。
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