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● 首里城公園
11月24日 8時半の出発が続いていたが、この日は9時だったので6時40分に起きた。まだ薄暗いラナイに出て、一服
してからコーヒーを入れる。コーヒーの香りに誘われて妻も目覚め、私はシャワーを浴びる。
は見た目どおり不味かった。それにしてもソーキソバってこんなものなのか?
食事が済んでエレベーターを待っていると、やっぱりなかなか来ない・・・。出発時間まで10分しかないという女性たちが
騒いでいたが、これはエレベーターのせいではないだろう。
出発時間が30分遅いだけで余裕があり、それでも8時45分には部屋を出て、清算を済ませてバスを探すと、たくさんの
ホテルの人たちがバスの前に並んで見送りをしていた。
9時にホテルを出発して、御菓子御殿本店の前を通るときにもまだホテルの人たちは手を振っていた。
守礼の門は想像していたよりは小さく、公園内は広くてじっくり見ている暇はないと思っていたので、撮影に忙しくてガイ
ドさんの説明もそこそこに簡単に見てしまった。
「守礼(しゅれい)」は「礼節を守る」という意味で、門に掲げられている扁額には「しゅれいのくに」と書かれている。「琉
球は礼節を重んずる国である」という意味とのこと。
首里城は石垣と城門の多い城であるが、中でもデザイン上バランスがとれていてエレガントな雰囲気のある代表的な
門がこの「守礼門」である。中国風の牌楼(ぱいろう)という形式で建立されているそうだ。 ![]() ![]()
守礼の門 園比屋武御嶽石門
この先、道路を横断してから城郭に入っていくが、その前に世界遺産の「園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしも
ん)」がある。
琉球石灰岩で造られた建造物で、国王が外出するときに安全祈願をした礼拝所である。形は門になっているが人が通
る門ではなく、いわば神への礼拝の門ともいうべき場所である。
門の上部に掛けられている扁額の内容から1519年、尚真王(しょうしんおう)代に建てられたことが判明していて、八重
山の竹富島出身の西塘(にしとう)という役人が築造したものと伝えられる。
琉球の石造建造物の代表的なものであり、1933年に国宝に指定されたが、沖縄戦で一部破壊され、1957年に復元さ
れ、現在は国指定重要文化財となっている。また2000年には世界遺産へ登録された。
ここは帰りにゆっくり見ることにして先へと進む。
石段が傾斜になっているので上りにくく、足元に気を取られているうちに歓会門(かんかいもん)を見上げる位置にい
た。 ![]() ![]()
歓会門 瑞泉門
首里城の城郭内へ入る第一の正門で、「歓会」とは歓迎するという意味で、往時、首里城へは中国皇帝の使者「冊封
使(さっぽうし)」が招かれたが、こうした人々を歓迎するという意味でこの名が付けられた。
首里城は外郭(外側城郭)と内郭(内側城郭)により二重に囲まれているが、ここは外郭の最初の門で、別名「あまえ御
門(あまえうじょう)」ともいうそうである。「あまえ」とは琉球の古語で、「喜ばしいこと」を意味する。
創建は1477〜1500年頃で、沖縄戦で焼失したが、1974年に復元された。門は石のアーチ状の城門の上に木造の櫓
(やぐら)が載せてある。
ここからしばらく登りが少々きつくなるが、息が切れるほどではない。
こうした表現を合わせた言葉で、フィージャーガーとも発音する・・・うーん難しい。
創建は1470年頃、沖縄戦で焼失したが、1992年に復元された。
門の手前にある湧水は帰りにもう一度通ったときに知ったが、龍樋(りゅうひ)といわれ、龍の口から湧水が湧き出して
いることからそのように名付けられた。
この水は王宮の飲料水として使われていたそうである。また、中国皇帝からの使者・冊封使が琉球を訪れたとき、那覇
港近くにあった「天使館」という宿舎まで、毎日ここから水をはこんだといわれている。しかし今は「飲用はできません」と 書いてあった。
わりない」と記されているそうである。
最後の階段を上ると、大きな朱色の広福門(こうふくもん)がある。「広福」とは、「福を行き渡らせる」という意味であり、
広福門は別名「長御門(ながうじょう)」といい、第四の門である。
いう記録があることから創建はそれ以前で、その後1754年に中国の制に倣い改修した。
建物は明治末期頃に撤去されたが、1992年に外観が復元され、現在は公園管理のための施設として利用されてい
る。別名「君誇御門(きみほこりうじょう)」ともいい、向かって左側(北側)は「納殿(なでん)」で薬類・茶・煙草等の出納を 取り扱う部屋、右側(南側)は「君誇(きみほこり)」で城内の儀式のとき等に使われたそうである。
3つの門のうち中央は国王や中国からの冊封使等限られた身分の高い人だけが通れる門であり、それ以外の役人は
両側の門から入城したそうだ。もちろん今は中央から入ることができる。
部屋である。
なお、番所の展示室中央に飾られている中国的な傘は、琉球では「御涼傘(うりゃんさん)」といい、もとは日傘から発生
したものだが、実際は国王や高貴な人が行幸するときの装飾用として使われたそうである。
順路はそのまま正殿へと続き、ここからは撮影が可能となる。
国王の象徴であり、たくさんの龍が首里城には棲んでいる。
床にはガラス張りの床下が見える場所があり、ここを覘くとこの建物の土台となる古い積石が見え「これが世界遺産で
す・・・」と係員が説明してくれた。
正殿内部をゆっくりじっくり見たい気分だったが、修学旅行生のマナーが悪くて落ち着いて見られる状態ではなかった
ので、一通り見るとすぐに外に出た。
次は南殿の向かい側にある北殿で、基本的には王府の中央行政庁であった。南殿で日本風の儀式が行われたのに
対し、ここでは中国的な儀式が行われた。
また、日本の江戸時代末期、アメリカ海軍のペリー提督ひきいる黒船が4隻、現在の神奈川県浦賀(うらが)へやって
きたが、艦隊はその前後数回にわたり琉球を訪れている。そのとき、ここで歓迎の式典が行われたことが知られてい る。
球王国の行政に関する展示や冊封使関係の展示をしていて、出口近くには売店もあった。
北殿と正殿の間に出口があり、ここから階段を下りると右掖(うえき)門があり、門を出ると城郭の下づたいに長い石段
が続いていた。
首里杜館は首里城公園のインフォメーション・センター、また情報展示と休憩のための施設である。ここには、ロビー、
情報展示室、総合案内、レストラン、売店、駐車場等があり、首里城を訪れる人々のための見学する前に必要な予備 知識を提供することを目的としているそうだ。
売店などを見ているうちに集合時間も近づき、地下1階の駐車場へ降りてみると添乗員さんが迎えてくれて、バスへと
案内された。
バスは11時40分に予定通り動き出し、次の目的地へ。DFSギャラリア沖縄は、国内旅行にもかかわらず免税品の買
物ができる国内唯一の大型免税店である。
ただ、ブランド品に興味のない人には全く無駄な時間となる。昼食時間帯だったので、ここで昼食休憩をとるのもよいの
だが、多くの人は次に行く牧志公設市場内での昼食を楽しみにしていたようだ。 ![]() ![]()
DFSギャラリア沖縄 フードコロシアム
店内をゆっくりと歩いて一回りしてから、3階のフードコロシアムという大げさな名前の場所に行ってみた。
ここは様々な飲食店が10店舗ほど集まり、食後エスカレーター前の出口で会計をするシステムとなっていて、いろいろ
な味を楽しめるようだが価格が随分と高い!
昼食前なのでモカアイスとケーキを食べて時間をつぶしてから、バスの待つ地階に降りて行くと、すでに他のみなさんは
乗車していたようだった。
場に到着し、そこの2階にエスカレーターで上って解散し、各自昼食タイムとなった。
10軒以上はあっただろうか、一通りぐるっと見て回ってから「沖縄料理と海鮮料理の次郎坊」で食べることにした。
注文したのは海鮮セットメニューから「かに汁とグルクンのから揚げ」と「五目チャーハン」だった。かに汁はワタリガニ
のようなカニが一パイ丸ごと入っていてダシがでて美味しかったが、沖縄の家庭料理というグルクンのから揚げは「うま い!」と言えるものではなかった。 ![]() ![]() ![]()
2階食堂街 豊富なメニュー 今回の食事
ほぼ満腹になって1階に降りてみると、新鮮でカラフルな色の魚、肉は特に有名なのが「ミミガー」という豚の耳を干した
もので、ほとんどが顔の皮丸ごと真空パックされていた。他にも様々な食べ物が狭い通路に迫ってくるほど満載され、 ここに来れば何でも揃う那覇市の台所といったところか。 ![]() ![]() ![]()
再び国際通りへ出て「海人」の店を探すことにする。海人は登録商標された商品名のメーカーだが、いわゆる偽物が多
いらしく、海人SUPERとか海人の国などの似通った商品もいたるところで販売されているので実に紛らわしい。
さきほどバスの車内から目をつけていた店があったので中へ入ってみると、店の一番奥に登録商標が額に入れて貼っ
てあったので、この店に間違いないと思った。 ![]() ![]() ![]()
お目当ての店 沖縄屋前 文化屋雑貨店の姉妹店?
3日目にしてようやくお目当てのシャツを購入して満足し、「もう国際通りに用はない」くらいの気持ちになり、県庁に向
かってぶらぶらと見て歩いて、10分前にはバスに戻った。
15時20分に出発したバスは那覇市内を離れて宜野湾市から北中城村へ入り、モーテル街を通り抜けた小高い丘の上
にこの夜宿泊するホテルがあった。
2005年9月開業の「EMホテルコスタビスタ沖縄」は、築30年以上というホテルをEMの力で再生させたという、見た目に
は新築のホテルである。
この「EM」というのは有機微生物群のことらしいが、(Effective Microorganisms)の略で、人間にとってよい働きをする
乳酸菌や酵母、光合成細菌など自然界に存在する微生物を複合培養したものという、さっぱりわからないが何か体に 良さそう・・・。 ![]() ![]()
真新しくきれいなロビーから部屋に入ってみると、こちらも実に清潔で、部屋からの眺望も良い。
さあ一服・・・灰皿がない・・・・・どうやら禁煙ルームらしく、後から添乗員さんに聞いてみると、全館禁煙だった。
気を取り直して館内の探索をしてみることに・・・ここは付帯施設としてEMスパ・コラゾン沖縄があり、大浴場・サウナ・岩
盤浴・リラックスルームなどのほかにトリートメントルームや健康相談コーナーまである。
売店は健康志向の商品ばかりだったので、ゴーヤチップス・オリオンビールなどを買い、もう一つの売店に行ってみる
と、こちらはさらに高価な食品やワインが売られていた。 ![]() ![]()
部屋に戻ると外には美しい夕景が広がっていて、街の明かりもきらめきはじめていっそう美しい。
夕食は洋食と和食のどちらかを選ぶのだが、懐石料理と聞いたので和食を食べてみることにする。18時15分、1階の
「花風(はなふ)」へ入ると椅子席へ案内された。飲物はもちろん生ビールを注文する。
生ビールが出てくるまでに時間がかかったが、料理はもっと遅くて、一品目が運ばれるまでに部屋を出てから30分近く
も経過していたほどだった。しかし、料理はどれも美味しくて量もちょうど良かった。
一品一品運ばれてくる時間が遅いので、食事を終えたのは20時を過ぎていた。
部屋に戻り、再びラナイに出てみると、すっかり暗くなった空に変わって街の明かりが主役となっていて、所々に電照菊
の明かりが規則正しく煌々と光っているのが見えていた。
このホテルは石鹸やシャンプーなども自然な体に良いものを使っていて、シャンプーは香料など一切使っていないので
香りは悪く、目に入ると痛い。手洗い石鹸も妙な匂いがするほどだったので、なかなか馴染めなかった。
23時半には横になり、歩き疲れたせいかすぐに眠ることができた。
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