2月の釣り



   ■ 網走湖(呼人)

2月10日 前回のワカサギ釣りから2週間、正直にいうと、待つことは実に長い長〜い13日間だった。それほどにワカサ
ギ釣りというよりも、冬の遊びの楽しさの印象は強かったのである。
キッシーさんからの情報では、網走湖・呼人が再び活気を取り戻したということで、今回は賑やかな釣り場となるだろ
う。


先週よりは少し早い19時過ぎに出発。少しだけ雪混じりだが、急に襲ってきた寒波のせいで路面は凍りついていたもの
の、雪は少なく走りやすかった。途中のコンビニで休憩しているときにキッシーさんから連絡があり、待ち合わせ時間な
どの打ち合わせをしたので、自ずと気分も高まってきた。佐呂間町に入ると雪の量が少なくなり、海沿いの道はどうして
いつもこんなに雪が少ないのだろう、と思うほど快適に走ることができた。
コンビニで買い物を済ませて網走湖畔沿いを走り、呼人付近では速度を落として「ワカサギ釣り会場」の幟(のぼり)を探した。
幟はあったが、細い入口だったので通り過ぎてしまい、バックするも大型トラックの後続車が迫ってきていて緊張したが、なんとか無事到着した。
思っていたよりも広い駐車場の中には、すでに5台ほどの車があり、湖上にもテントの灯りがいくつか見えていた。車内で待機している人もいるようで、室内灯の灯りが時々見えた。気温はマイナス12℃ほどで、先週に比べるとまだ暖かかった。
テレビを観ながら軽くお酒を飲み、0時前には寝ることにした。   


2月11日 夜中に何度か、近くの車のドアを閉める音で目覚めることはあったが、5時の目覚ましにはさわやかに目覚
めることができた。時間は充分にあったが、荷物が多いので忘れものがあっては大変だと再チェックした。5時半には
妻も自分の目覚ましで起きて準備を始め、約束の時間10分前には完了した。
6時にはメガ弟さんが車窓をノック、外へ出てみると星がいくつも見えていたが、すでに明るくなり始めていた。気温はマ
イナス17℃だが、もっと寒く感じるほど頭がキーンとした。ソリに荷物を積んでいるところに、スマートになったキッシーさ
んもソリを引いて現れたので、すぐに出発した。
    
          中央がスキー場の照明                   先を行くメガ弟さんとキッシーさん        
駐車場のすぐ近くの湖上にもたくさんのテントが見られたが、この日の目的地は少し遠いとのこと。しかし、湖面の雪は
少なく、スノーモービルの走った跡を歩くと、ぬかることもなく歩くのは容易であった。
ある程度歩いて振り返ると、ホテルの明かりやスキー場のライトがきれいで、わずかに舞っているダイヤモンドダストが
キラキラと映えて、まるで別世界にいるようだった。河畔を走る札幌からの特急オホーツクの、車窓からもれる明かりも
見え、時々立ち止まっては周囲の風景を見て楽しんだ。
ベテランのキッシーさんは湖上に立ち止まり、少し考えた末に決めた場所がこの日の釣り場となった。スコップで除雪を始めると雪と氷の間が水浸しで、その色が黄色みを帯びていた。誰か大量に立ち小便したのか?などと冗談を言っていたが、どこでもそんな状態だったので、そのまま除雪してテントを張った。ソリを引いて歩き、荷物を降ろし、アイスドリルを使ったせいか汗が出るほど熱くなってしまった。妻も自分で穴を開けてみたが、前回よりも穴が深かったせいか、最後にアイスドリルを抜くことが出来なかった。
とにかく早く釣りたい!そんな気持ちで準備を急いだが、苦手のエサ付けに時間がかかってしまったのは、どこかで親指の爪を欠いてしまったせいもあり、針をうまくつかめなかったせいだった。
今回は前回使えなかったコールマンのストーブに、遠赤外線ヒーターアタッチメントを付けたので、すぐにテント内は暖かくなり、手袋など必要のないプラスの温度になった。ランタンも用意していたが、すでに明るくなっていて必要なかったようだ。
早速仕掛けを落としてみると、変だ!と思ったのは、底が浅かったからだ。1m50cm程度深さなので、アタリは敏感だ
し、取り込みも楽で、すぐに入れ食いモードとなってしまった。女満別湖畔よりも型は少し小さい10〜13cmほどの魚体だ
ったが、このくらいのサイズがちょうど良いのだ。底に仕掛けが付く前に反応があり、穴の円の中心にある糸が斜めに
なって氷の底の壁にぶつかりそうになるので注意が必要だった。ワカサギにとっては氷の円柱部分に入ってしまった場
合、死を覚悟しなければならない瀬戸際なので、氷の底の円柱へと続く壁は、うまくやれば針外しになるのだ。
ここで逃したとき私は「リリース」と言っていたが、キッシーさんは冷たく「バラシでしょう!」
太陽が昇りテントに日が射してくるころには、テント内は上着をを着ていられないほど暑くなり、真冬の釣りとは考えられない快適さだった。そして、二度目なので判断は出来かねるが、爆釣!なのだからたまらない。休みなくアタリがあるのだった。
しばらくすると、スノーモービルのエンジン音が近くに聞こえてきたので、遊魚料金の徴収だとわかり、二人分の1600円を用意して待っていたものの、なかなか来ないのでテントの隙間からのぞくと、いつの間にかすぐに真横にスノーモービルを横付けして係の人が降りてきた。陽が射していたものの外はマイナス10℃以下なので、ちょっと顔を出しただけでも寒かった。
朝食はキッシーさんの大型テントに集まって、それぞれ持参してきたものと、
今回私たちの用意してきた豚汁を食べることになったが、なんと!お玉がいくら探しても見つからなかった。仕方がない
ので、どんぶりの一つをお玉代わりに使って入れた。後で分かったのだが、お玉は予想もしない別の袋の中に入ってい
た・・・。
楽しいお話と暖かいテントの中で食べる食事はとてもおいしくて、これも楽しみのひとつだった。
遅い朝食となったのもワカサギがたくさん釣れていたせいで、皆が釣りに集中していたからである。キッシーさんは荷物
入れを逆さにした上に座布団を敷いたスタイル、メガ弟さんは地面に直接マットを敷いて、靴を脱いで座ったり横になっ
たりという、これまた独特のリラックススタイルである。
    
           メガ弟さんの沼ガレイ
私たちも、今回から座布団を導入し、この日途中からではあったが竿を持つ位置を中央にしたことによって、前回のよ
うな腰痛はなくなった。ただ、妻は穴の位置が悪かったようで、翌日腰が痛いと言っていた。っていうか、一日中真剣に
釣っていたら痛くもなるだろう!
自分のテントに戻ってからもまだまだ釣れていて、妻も私もそれぞれのバケツに入れていたが、何匹釣っているのか全
く分からなくなっていた。穴を開けたときに出る氷をきれいに取り除いていたので、テント内の温度の上昇によって融け
た氷と、わずかにしみてくる穴からの水が気になったので、外から雪を運び入れて土手を作ったほどだった。
10時半近くには、メガ弟さんに沼ガレイが釣れたと聞いたのですぐに見に行ったが、サイズは手のひら以下であった。しかし、ワカサギ竿で釣ったことのない私たちにとってはうらやましい1枚だった。
外は最高の天気だが、そんな日ほど冷え込むもので、とてもテントなしでは釣りは出来ないと感じた。それでも、私たちのすぐ近くに、たった一人テントなしで黙々と釣りを続けている人もいた。キッシーさんとメガ弟さんは何度も私を自分たちのテントに誘いこむので、私も楽しい雑談は嫌いではないのでついついテントにお邪魔していたが、そんな時でも妻は黙々と釣りを楽しんでいた。
この日のキッシーさんは火を使う道具の調子が悪く、なかでも愛用のコールマンのストーブの燃料漏れは悲惨なもので、ス
トーブ全体が燃えてしまうという危険な状態だった。
前回私が沸かしていただいた、ヤカンのお湯があふれたせいかと幾分気がかりではあったが、バルブを開いたときに
燃料が漏れたときには笑ってしまった自分を、今は罰したい思いである。コールマンの部品は高いので、キッシーさん
は結局、新品を購入したようだった・・・。
正午近くになって、メガ弟さんが昼食のカレーの準備をするというので、私のレトルトのカレーとご飯も温めていただいた。まだお腹は空かないという妻を残し、再びキッシーさんのテントへ入り、熱々のカレーを食べ雑談・・・。
しばらくして妻にもカレーを食べさせようとテントに戻ると、なんだかテントの中で一人で大騒ぎしていた・・・・・私の竿と自分の竿を持ってギャーギャー言っていたので、とりあえず自分の竿を受け取ると、すごい引きが伝わってきたのだった。 
この状況から推測するに、どちらかの竿に大きな沼ガレイがヒットして、さらに隣の仕掛に絡んだと思われた。そしてグイグイと引かれながらも慎重に引き上げようとしたが、魚の姿を見ることなく軽くなってしまった。
気を取り直して午後の部を再開したが、大抵の場合は食いも悪くな
りあまり釣れなくなるものだが、この日はいつまでも釣れた。
ほとんど切れ間なくアタリがあったのである。
遠くの管理小屋のスピーカーから音楽や呼び出しの声が聞こえてきており、冬場のイベントとして開かれている釣り場
に隣接するスノーモービルなどのコースやミニ冬祭り会場の喧騒も聞こえてきていた。
13時20分過ぎ、待望のカレイらしきアタリとともに竿が大きくのされて、氷の穴に糸が引き込まれた。糸を手繰ってみる
と、思ったほどの強い引きではなかったがカレイを確信できるものだった。

駐車場から続くスノモの直線
ゆっくり上げてみると、小さかったが沼ガレイを初めて釣ることができた!写真を撮ってすぐにリリースしたが、妻は「逃がすの?」・・・「食べても美味しくないじゃん!」。
この頃には足元の浸水が数センチまで達し、時々釣れたワカサギをバケツに入れそこなうと、溜まった足元の小さな池で逃げ回る場面もあった。トゲウオもよく釣れたが、この魚はなかなか面白い!すぐにエサを飲み込むことが多いので針外しにも手間がかかってしまうが、せっかく外して穴に戻しても、水上に浮かんだままで死んだふりをしていることが多いのだ。しかし、数秒後には思い出したようにすばやく氷の下に消えていくのである。
妻が昼食をとると言うので、ストーブの上にヤカンをのせてお湯を沸かしていると、キッシーさんとメガ弟さんの賑やかな声
が聞こえてきた。
どうやら30分間に多く釣ったほうが勝ちという一本勝負を始めたようだった。しかし、この時間帯は何故か今までの入
れ食いがウソのように止まった状態で、お互い苦戦している様子。私たちはラーメンを食べながら、それでもポツポツ
釣れる感触を楽しみつつ、どっちが勝つだろうかと話していた。
14時半過ぎには、再び私に沼ガレイが釣れたが、足元の溜まりで泳いでいたのでしばらく飼ってみることにした。靴の底に入りこんだり、顔の真下に移動して動かなくなったりと、なかなかかわいい奴であった。
そうしているうちに、外ではキッシーさんたちがワカサギを雪の上に撒いて数を数え始めていた。晴れているとはいえマイナス10℃の世界である・・・指が千切れそうに凍るような辛い作業になったようであった。メガ弟さんは途中で断念したようだが、数えきったキッシーさんは、この時点で早くも300匹を軽く超えており、自分の最高記録を更新するなあと話していた。
メガ弟さんは発砲スチロールのミニクーラーを持参していて、そのサ
 イズはワカサギ釣りには理想的な大きさだったので、なかなか良いかもしれないと思った。
その後も、キッシーさんのテントにお邪魔しての談笑など楽しい時間を過ごしたものの、二人とも15時を過ぎた頃には
片付けを始めている様子だった。そして「とっちさーん!こっちで遊ぼー!」・・・そんな事言って、いま釣れているのに
ー・・・。キッシーさんのテントに行くと、中はすっかり片付いていた。しばらく話しているうちに、キッシーさんが氷の上に
あった途中で切れたオモリのない仕掛けを発見!これを持って手釣りを始めたが、こんな短い仕掛けでもワカサギは
釣れる様で、すぐに釣れた!・・がすぐにバレた!そして、私が「これで釣れなかったら今日はボウズみたいなもんだ
ね!」、メガ弟さんは「ボウズ!ボウズ!」コールを始めたものだから、キッシーさんも名人としての面目躍如で真剣に
なった。それから長い沈黙の後、1匹釣れてからは続けざまに釣ってしまっていた。うーん、残念!
そんなことをしているときに、妻の悲鳴が聞こえたので行ってみると、2本の仕掛けが絡んでいたのだった。なんでも、入れ食い状態が始まり、置いておいた私の竿にも掛かったワカサギが暴れた結果のようだった。
こんなに釣れているんだし、せっかく持ってきたランタンもあるし、ということでこのまま暗くなっても釣り続けることに決定!最後の後片付けを済ませたキッシーさんが、私たちのテントにやってきてワカサギ釣りの極意を伝授してくれることになった。やはりマンツーマン指導は解りやすく、氷の下の魚の動きが伝わってくるような気がしたほどだった。
いつの間にか妻が、変わった魚を釣っていて「これ何?」と言うので見るとウグイであった。こんなところで釣れるとウグイも美しく見えて、氷すくいに載せて写真を撮ってからリリースした。
日が沈むと急に寒くなり、ストーブのガソリンも少なくなっていたが、メ
ガ弟さんが4L缶の残り全部を置いていってくれることになり、暖の心配はなくなった。実にありがたい配給となったが、
メガ弟さんは暗くなる前に、釣ったワカサギの引受け先を心配しながら帰った。
キッシーさんはその後も私の前に座り、ランタンを点けてくれたり、竿を置いて手釣りをしたり、様々なテクニックをうるさ
いくらいに教えてくれたのであった。
夏のキャンプでは感じなかったランタンの灯りは、狭いテントの中では強力で、ワンマントルながらも充分な明るさであった。辺りは真っ暗だったが空はまだ青く、魚はまだまだ釣れるという、何ともいわれぬ雰囲気の夜釣りと、コーヒーや甘酒を飲む味わいもまた乙なものだった。コーヒー豆をばら撒いてしまうという失敗もあったが・・・。
時々底の氷の壁に針が引っかかることもあったが、氷すくいの長い柄の改良をまだしていなかったために、何度も肘まで水の中に入れることだけは、心臓が止まるかと思うほど冷たく、耐え難い作業であった。
  朝から休みなく釣り続けていた妻も、疲れ果てて納竿した頃にはアタリも少なくなり、釣れなくなり始めていた。18時には私も最後の1匹を釣り、無事に納竿することができた。
片付けを始めると、暗い中での作業はなかなか大変なもので、テント内で腰を折って続けるうちにひどく痛くなってきてしまった。しかも、正統派アウトドアマンのキッシーさんは、自己流の私のやり方に「あーでもない、こーでもない!」と難癖をつけるので、余計に疲労してしまったのかもしれない。ウソウソ・・。
付き合ってくれているキッシーさんに悪いので急いではみたものの、たっぷりと時間がかかってしまったうえに、大事な手袋が水に濡れて凍りついているではないか!それでもなんとかソリに積み込み、周りを見ると誰もいな
い・・・。
予備の薄手のゴム手袋からは冷たさが凍みてきて指が痛いが、こんなところで凍傷なんて笑い話にもならないので、我
慢して指を動かしながらソリを引いた。駐車場の近くでは、まだまだ釣りをしているテントや、その中から漂う焼肉のに
おいがしていた。 
車に戻りヒーターで指を暖めて、やっと生きた心地になった。ここでキッシーさんとは次回の釣行の約束をして別れ、し
ばらく手を暖めてから出発した。隣の冬祭り会場のミニ雪像付近には観光客と思われる人たちが見えて、カラフルな明
かりがまぶしかった。
サケ釣りのときによく寄っていた常呂レストハウスで夕食をとったが、カキづくし定食のカキが秋とは比べものにならな
いほど大きくなっていて、それに伴い冬のカキは味が良くなることを改めて確認した晩餐となった。
心置きなく楽しんだせいで、この日自宅に着いたのは22時過ぎとなってしまったが、滅多にない入れ食いや、氷上釣り
の奥深さを味わった一日であった。449匹というキッシーさんにははるかに及ばないものの、私は232匹、妻216匹で、重
さを量ってみたところ、それぞれ1,4kgずつあった。
最後に、キッシーさんとメガ弟さんには、すっかりお世話になり感謝感激雨霰です・・・また近いうちに行きますね!





   ■ 糠平湖(5の沢)

2月19日 日曜日の天気予報は雪で、特に帯広地方は吹雪の悪天候だった。ネット情報によると(2週間ほど前の・・)
糠平湖が好調のようで、今年は特に良い!なんてことが書かれてあったものだからたまらない・・・これはもう土曜日に
出撃するしかない!糠平湖は、何度か通りすがら釣り場を見たことがあったので、ポイントは何となく分かっていた。
3時半に目覚めたのは自分の体内時計で、最近は目覚ましを必要としなくなっていた。まあそんなことはどうでもよい
が、当然のことながら外は真っ暗で冷え込みも厳しそうだった。4時過ぎには、妻も私が入れたコーヒーを飲んで目を覚
ます。
出発は予定時間を大きく過ぎた5時過ぎだった。車の温度計には外気温がマイナス19℃と表示されていて、やっと寒
さを感じたのは、やはり半分寝ていたのだろうか?町内のコンビニで食料などを調達して、今度こそ糠平目指し出発!
途中の層雲峡では、温泉の湯気がブリザードのように見えて一瞬不安になったうえに、路面状態は滑りそうで気が抜け
なかった。開発局の除雪車がたくさん集結していて、氷爆祭りの会場
周辺をきれいにしていた。
大雪湖から少し先へ行った高原温泉の入口付近では、なんと!マイナス29℃まで気温が下がっていることを知って驚いたが、心配だったのは糠平湖の寒さがどのくらいなものなのかということだった。空が少しずつ明るくなり始めてはいたものの、地上ではまだまだライトが必要で、三国峠のトンネルを抜けたところではマイナス17℃まで上昇し、これならと安心した。
糠平湖まであと5分というところに、開発局の「除雪ステーション」という施設があるが、ここは開発局の役割と活躍を映像や模型で紹介するコーナーと、きれいなトイレが24時間開放されている。
ここで休憩した頃には、ライトが必要ないほど明るくなっていた。

除雪ステーション
糠平湖の5の沢というポイントがこの日の目的地だが、国道沿いの長い直線上のパーキングスペースが釣り人の駐車
場となるので、かなり長い区間がきれいに除雪されていて、駐車スペースがなくなることはないほどである。すでに20台
ほどの先客がおり、たった今準備中という人たちもいた。
外はマイナス25℃で、久しぶりに体感する厳しい寒さだったが、ワカサギ釣りの興奮からかそれほど寒くは感じなかっ
た。ソリに荷物を積み込み、ゴムバンドで固定してすぐに出発。湖上への入口は立札があり、踏み固まった少し広めの
道が林の中へと続いていたので、すぐに判った。
     
         早くもたくさんの釣り人が来ていた                   長い釣り場への道
イメージでは、林を抜けるとすぐに湖上だと思っていたのだが、以前見た誰かのホームページに「釣り場まで1km!」
が気になっていたものの、初めての釣り場にルンルン気分で足取りも軽やかだった。林は平地から下りの曲がりくねっ
た道へ入り、そこを抜けると広い雪原の先にテント群らしきものが見えてきた。
ここからさらに木など全くない緩やかな下り坂があり、少し下には小さな川の流れも見えた。流れが見えるということ
は??湖面はまだまだ下だ。先ほど見えたテント群はテントではなく、倒木の株だったことがすぐに分かってガッカリ!
糠平湖はダム湖なので、冬場は水位が下がる一方だから、周囲を見ると30cmほどの氷の板が地震の後のように亀
裂が入って傾きながら広がっていた。奇妙ともいえる周囲の景色と、その先にやっと見えたテント群を目指して、少し疲
れ始めてはいたが湖面はすぐそこだった。
   
             朝日に輝く高い山々                     遥か先に見えたテント群
ポイントは湖岸近くの沢の流れ込み付近と、湖の中央部付近だった。情報ではどちらも同じくらいの釣果だったが、中
央部付近はアメマスやサクラマスも釣れるという。流れ込みの近くはテントを持って移動中の人たちがいたので、釣れ
ていないのか?少し不安がよぎった。そこで今回の釣り場は妻の判断に任せて、中央よりのテント群から少し離れた静
かな場所を選んだ。長い時間歩いたので、二人の顔の周りは自分の吐いた息が凍り付いて白くなっていて、この日の
気温の低さを実感できるものだった。
日はまだ昇っていなかったが、真っ白い山の頂上部が赤みを帯びるという、冬山に登ったときに見るような朝焼けが美
しく、この日の晴天を象徴するような、厳寒の中とはいえ実に雄大で爽快な景色だった。

左のテント群は中央部付近
20cmほどの積雪をスコップで除雪すると、群青色に見える氷が現れ、まっ平らな湖面はそのまま極上のスケートリンクになりそうだった。大げさに思われるかもしれないが、氷の透明度は高く、氷の底が見えるのではないかと思うほどだった。すぐにテントを張り、前回の強風の教訓を生かし、無風状態だったがテントの四隅にはペグを打ち込んだ。しかし、氷が硬くて途中からそれ以上突き刺さらない。これ以上ハンマーで打ち込もうとするとペグが曲がりそうだったし、余程の強風でも吹かない限りは大丈夫そうだったので打ち込み中止。アスファルトに打ち込んでも曲がらないというスノー ピークのソリッドステークは、この日に間に合わず、帰宅してから届いていたのであった。
道具をテントの中に納め、エリクソン・エキスパートアイスドリルの登場!こんな硬い氷にこそ、その真価が発揮されると
いうもので、ドリルを回すと巻き上がってくる氷がまさしくカキ氷そのもののようであった。サラサラとしていて、それを上
に向かってバラ撒くとダイヤモンドダストのようにキラキラと輝きながら落ちてくるのである。
氷の厚さは60cmほどあり、心地よい手応えで削れているものの、一気には貫通できないほど硬くて深い!
妻も自分の穴に挑戦したが途中で動かなくなり、私が手伝うことになった。この時点ですでに7時過ぎだった・・・。やっと準備が完了して、先に仕掛けを投入したのは妻だった。深さは5mほどだろうか?リールも持ってきてはいたが、手返しが悪くなるので使わなかった。早速妻にアタリがあり、すぐに小さなワカサギが上がった。私もエサ付けの最終兵器を持ってきていたので、これを使っていつもよりは早めに仕掛けを投入することができ、すぐにワカサギを釣った。心配していたリールを使わない釣りも問題なく、軽い竿で手早く仕掛けを下ろすことができるので、リールよりはずっと早いと思われた。
次々とアタリがあり、キッシーさんに教えていただいた絶妙のタイミングでアワセを入れて、糸を手繰りながら釣り上げるが、手繰る糸が長いので絡んでしまうこともあったものの、それも午前中の2回ほどで済んだ。

所々に見られた割れた氷と雪
仕掛けを投入するとすぐにアタリがあるという状態は切れ目なく続き、ワカサギのサイズは平均で7〜8cm程度と小さ
いものの、引きは充分に楽しめた。時には3cmほどの白魚のような透けたミニワカサギも釣れたが、こんなに小さくて
もしっかり引いてくれる。外道はウグイで、10cm程度のウグイを妻が最初に釣り上げた。

妻には一度にたくさん!
あまりにも釣れすぎるので、朝食を取るタイミングがなかなかつかめずにいたが、カップ焼そばとおにぎり、それに焼そばに付いているスープで簡単に済ませた。
この寒さの中でもテントなしで楽しんでいる人もいて、初体験時からテントに馴染んでいる私たちには想像しただけでリタイヤしそうだった。そばには大きな炭火のコンロもあるようだったが指先が辛そうで、この日見た人は手袋をつけたままだったので、釣れたワカサギを外すときや、エサ付けのときはどうするのだろうかと少し気になった。
「こんなに釣れたら休む暇がない!」と贅沢なことを話しながらも、たくさん釣れるだけに手返しは上達したことと思われた。テントにも日が照って、コールマンのストーブだけで充分すぎる暖かさのテント内で、楽しすぎる時間を過ごすことができた。外へ出てみると、遠くに東大雪の山々が見え、反対側には冬の間だけ現れるという旧・国鉄士幌線のメガネ橋が見えた。テントの数も朝よりもずっと増えていて、時々歓声が聞こえてきていた。
テント内の氷は表面が滑らかなので少し解けると滑りやすくなり、油断すると転びそうになるほどだったので、移動には注意が必要だった。テントのオレンジ色のせいもあって、テント内の氷は濃い青色が水の中まで見えるような透明感を感じさせてくれていた。
今回は釣りを邪魔をする人がいないので、自分から休憩する理由を見つけ出
さねばならない。
ガソリンの入れ替えをしたり、お湯を沸かしたりするのだが用はすぐに済んでしまい、また釣り始める・・入れ食いなの
ですぐに釣れて、いつまでもその繰り返しだった。
深さがあったので、オモリは仕掛けに付いていたままの2.5号を使っていたが、妻は腕がだるくなってきたと言ってハヤブサの3.5号に変えてはみたものの、軽すぎて仕掛けが落ちるのに時間がかかりすぎるようだった。少し続けてはいたが、たまらずに普通の1号に交換して、それからは最後までその重さで続けたようだった。
いつの間にかお昼になったので、前回美味しかったカレーを準備する。
鍋が小さくてレトルトのご飯がはみ出してしまうが、そのまま返しながら温めて出来上がったものの、サトウのご飯ではないこのメーカーのご飯は炊飯ジャーに長く入れて置いたようなにおいが少し気になっ

タウシュベツ(通称メガネ)橋
た。テント生活にカレーもなかなか良い!2週続いたが、これは癖になりそうだと思った。
食べ終わってからも、お昼時だというのに入れ食いモードは続いた。しかし、私に釣れる数は1匹ばかりのなかで、何
故か妻は複数匹ばかりだった。私に挑戦状をたたきつけていた妻は、高笑いをしながら複数匹釣れたワカサギの針外
しに手を焼きつつも、少しずつ針外しも上達して満足している様子だった。

大自然の中で満喫したテント生活
妻は何度かボンバー(仕掛けが絡んでしまうことを私たちはこう呼んでいた)していたが、この日は30秒とかからずに直してすぐに投入するという速さで、調子の良い日にはやることなすこと全てうまくいくと思われた。
この日は車内にいくつかの忘れ物をしていて、妻が取りに行くことになった。往復30分弱を要すると思われ、その間に一気にばん回するというたくらみもあり、明るく妻を送り出したのだった。
しかし、ライバルがいない釣りはむなしいもので、あまり集中できなかった。
妻の竿にも反応があり、それを引き上げて外し、再び投入する。今度は自分の竿に反応があり、今入れたばかりの妻
の竿も細かくお辞儀をしているが、少し様子を見ようと自分の竿に集中する・・・そんなことをしているうちに妻は戻って
きてしまい、大差をつけることはできなかった。
外道のウグイは大きくても15cmほどだったが、その重さは明らかにワカサギとは違うもので、ドキドキしたが「ウグイかー!」という言葉で終わってしまう。しかも、リリースしたウグイはすぐに泳がず、穴の入口に浮かんでいるので始末が悪かった。妻が最初に釣った一番小さかったウグイは、何故かバケツに入っていたので、自宅に戻ってから熱帯魚の水槽に入れて飼うことにしたが、入れた後しばらく元気そうに泳いでいたので安心していると、その後も見ていた妻が「あー!食べられた!」と叫んだ・・古代魚のポリプテルス・オルナティピンニスがウグイを食べてしまったのだ。そういえば、以前アジアアロワナと一緒にこの魚を飼っていた頃は、エサの金魚をアロワナと一緒に食べていたことを思い出したのだった。
天気予報では午後から風が強くなり雪も降ってくると報じていたが、14時頃から少し雲が多くなってきていた。
 ワカサギはまだ釣れ続けているし、猛吹雪がやってくる訳でもなかったので釣りを止める理由は何もなく、悔いを残さ
ないように爆釣という貴重な経験を楽しむことにした。バケツの中は満員電車のようで、底まで一杯になりそうだった。
魚体が小さかったので重さは差ほどではないものの、数は随分釣っていると思っていた。
午後からは厳しい寒波も去ったようで、気温は上昇していたもののマイナス10℃以下と思われた。風が急に強くなり始め少し心配になったので、梁を押さえるロープのペグを打ち込んだものの、私が座っていた側に吹きつける横風で場所が狭くなってしまうほどの強い風だった。それでも、ガスヒーターだけでも寒くはなく、もちろんテント内では上着を脱ぎフリースだけだった。
寒い日に一番合うのは甘酒だな!なんてことを話しながら、かすかに動く糸の動きでアワセを入れると、急にぐっと重くなる・・その重さが差ほどでもない場合はもう少し待ってみる・・待って、重くなってから引き上げると複数匹か大き目、或いはスレのいずれかである。
15時を過ぎた頃には雪が降り始め、納竿して帰る人も見られたが、テント内の快適さに変わりはないのでもう少しと粘る。
そして、入れ食いだったワカサギ釣りも予定していた16時近くになると、ようやく反応が鈍くなってきた。複数匹はなかな
か釣れなくなり、いつの間にか入れ食いモードは終了していたのだった。釣れるタナも底に限られてきていたし、そろそ
ろ潮時と「16時で終了しよう」と宣言した。
ラジオの時報が16時を告げてから釣れた、たった1匹を最後に私は納竿した。コーヒーを入れてくつろぎながら少しず
つ片付けを始めていたが、消火したストーブが冷える時間までは時間を要するので妻はまだ続けていた。そして少しす
ると、ガスヒーターもガスがなくなって火が消えてしまったので妻も納竿した。
外へ出てみると、30張ほどあったテントも3分の1くらいになっていて、片付けをしている人たちの姿が見えた。明るかっ
たので、手早く荷物はソリに積み込みその場を後にした。
          
          雪がちらほらと降っていた                       自然の芸術品
帰り道は想像以上に辛い道程で、上り坂ばかりが続いた。息切れをしながら15分以上かかって駐車場に戻ったが、ま
だ見えない駐車場まで近づいたときには、聞こえてきた国道を走るトラックの音がやけにうれしかった。
降る雪の量は少なくて走行に影響はなく、三国峠からは雪も降っていなかった。層雲峡の氷爆祭り会場は、朝の静けさ
がうそのように混雑していて、交通整理の指導員が信号を操作して一時停止させられた。自宅に戻ったのは18時半だ
ったが、網走と比べれば半分の距離で近かったものの、釣りのせいか長かった釣り場までの道程のせいか分からなか
ったが、ひどく腰が痛んでいた。
今回は超入れ食いだったので数はずいぶん釣れたが、なにぶん型が小さかったので、二人で3.75kg・1.034匹、とい
う結果だった。これで群れがもっと濃かったらと考えてはみるが、その場合はボンバー多発によって釣果は落ちたので
は・・・などと考えたりする。いずれにせよ、素晴らしい体験をした一日だった。





   ■ 網走湖(呼人)

25日 早くも4回目のワカサギ釣行となった。小物釣りと半分馬鹿にしていた釣りも、実に奥深く楽しい釣りだとわかと、
持病の釣りキチ魂が燃え上がり、消沈させるのは春まで不可能となってしまった。
しかし、このワカサギ釣りの世界は、私たちにとって幸運な巡り合わせがあった。おそらく、自分たちだけで釣っていた
ならば、今の技量に達するまでに3年以上を必要としていたかもしれない。キッシーさんが長年培ってきた技術を、惜し
げもなく私たちに伝授してくれたおかげで、初心者にありがちな繊細な前アタリを見逃すことなく、少しは見極められる
ようになってきたからである。
「竿が動いてからではもう遅い」そんな言葉も理解できるようになり、好調な釣り場のせいもあるが、手返しなどの数釣
りのための技術を磨くことができたのであった。


19時の出発はいつもと同じで、車を走らせて町を出たときに気付いたのだが、周りがやけに明るいのである・・・空を見
ると昨夜が満月だった丸い月が、雲の少ない空にぽっかり浮かんで見えていた。道路は舗装面が出ていてアイスバー
ンがほとんどないうえに、月が照らす明りは雪の白さも手伝って、普段は見えない風景までもが楽しめる快適な道が続
くことになった。
佐呂間町のコンビニで買い物をしてからキッシーさんに電話すると、今回は彼一人で参加とのことだった。海岸線に出
ると気温はマイナス13℃程度の暖かさに上がり、能取湖上一面の雪が湖面の凍結を教えてくれているようだった。残り
もう少しで網走湖というところから急にガスが漂い始め、所々視界を妨げる運転のしにくい状況になった。
網走市内のコンビニで夜食のおでんを買ってから呼人のワカサギ釣り会場へ向かったが、急に濃いガスが発生!視
界は10m無いという危険な道路になってしまった。前方の網走監獄博物館の交差点付近に、赤色灯が見えたので事故
か?そう思いさらにスピードダウン・・・しかしそこにはパトカーが1台停まっていただけだった。そのパトカーの横を通り
過ぎ、濃いガスにスピードは時速10km程度まで落として走行していたが、程なくしてウソのように晴れてきた時には、
後方に先ほどのパトカーが近づいてきていた。
やましいことは無いものの、何だか追われているようで気になったが、ナビには前回登録しておいた釣り会場の旗印が
立っていて、入口近くの幟が見えてきた。ここでパトカーとお別れして、なんとか無事に駐車場に着くことができた。
先客はわずか1台しかいなかったので「最近は釣れていないのか?」そんな不安を感じつつも、車内泊の準備を始め
た。気温はマイナス14℃で、前回に比べれば寒くなかったが、妻は専用の断熱マットで窓に目張りを施す慎重さであっ
た。2週間前にはこんな時間でもたくさん見えていたテントの灯りが、この日は一つも無いことに寂しさも感じていたが、
車内泊の楽しいひと時を静かに過ごしてから眠った。


2月26日 夜中に2回ほど目を覚ましたが、4時には外の物音に再び目覚めてしまい、それからは眠れなかった。しば
らくしてから時計を見ると4時44分・・ビンゴだ!ということで起きることにした。
氷上を見るとテントの灯りが二つ見えて、駐車場にも車は数台止まっているようだった。しかし、その台数は2週間前とは比べものにならぬほど少なかった。
次第に明るくなってきた5時半近くに妻が起きてから、本格的に準備を始めた。約束の6時少し前にキッシーさんが到着して、小雪が降る中での出発となったが、初めてここに来たという人たちから色々聞かれ、正直な方々で「8時半にならなければ釣りをしてはいけないのか?」などの問いに丁寧に答えてからソリを引き始めた。
前回と違って雪が多いうえにスノーモービルの道が真っ直ぐに走っていなかったので、キッシーさんの踏みしめた後からと
はいえ、出発早々大変だった。何度も妻と交代したり、休憩しながらという雪中行軍となった。
キッシーさんは体力があるようで、私たちはどんどん引き離されてしまっていた。今回も場所選びはベテランのキッシー
さんに任せて、後方からからひたすらついて行くと、前回入釣した場所にはすでに先客がいたので、そこから少し離れ
た場所に決定。
今回は3人だけだったので、キッシーさんの7人用テントをベーステントに、私たちのテントを荷物置き場とした。長い雪
中行軍の後で息も絶えだえだったが、早く釣りたい一心で少し重い雪を除雪して、何とか落ち着いたときは汗が出るほ
ど熱く感じていた。実際、すぐにはストーブを使用しなかったほどである。
最初にエサを付け終わったキッシーさんが仕掛けを沈めたが、すぐに入れ食い状態になった。次に妻も投入し、やはり
釣れている様だったが、これを見て安心した私は穴あけもエサ付けも一番最後になり、第一投の前に一服するほど気
持ちに余裕ができていた。今日も行けるぞ!そんな余裕だった。
やがて私も仕掛けを投入し、すぐに元気なワカサギが上がってきたが、やはり網走のワカサギは型が大きいので引き
が全然違う!平均すると10cm弱のワカサギが入れ食い状態になってしまった。
6時40分頃には寒さを感じてきたので、ストーブを点けようとキッシーさんが準備していると、外に人の気配を感じた。管理人が遊漁料の徴収をしに来たようなので、いつもニコニコ現金払いの私はすぐに財布からお金を出したが、この管理人はこともあろうかボッタ売りを試みていて「お一人五千円になります・・・」・・・?どこかで聞いたことのある声だった。そして中へ入ってきたのはメガ弟さんで、仕事前に差し入れと激励にやってきてくれたのであった。
丁度キッシーさんの新しいストーブの着火式が始まるところだったので、みんなでワイワイと楽しく進めることができた。 最近多い「振込め詐欺」ならぬ新種の「ワカサギ詐欺」は、せこくて面白いね!などとメガ弟さんの乱入で盛り上がったものの、少しすると仕事へ出かけてしまったので、静かに釣りに集中し始めたが、やはり調子は良くて相変
わらずの入れ食いモードが続いていた。氷のすぐ下でも、底でも、どこでもワカサギが釣れるのであった。
時には15cm近くもある3年魚も釣れて、さすが網走だと実感させられた。
キッシーさんと私は手返し良く上げていたが、妻は複数匹を狙う方法だったので、うまくやれば効率の良い釣りとなるが、失敗するとボンバーが待っているというばくちのような釣り方でもあったので、仕掛けを一

近場はにぎわっていた

9時までの釣果→
つダメにしてしまっていた。
朝の好調時は私よりも妻のほうがたくさん釣っていたようだったが、キッシーさんはバケツを見ただけで明らかに私たち
の1.5倍釣っていた。入れ食い状態が長く続き朝食をとれずにいたが、合間をぬってカップめんとパンで簡単に済ませ
るといういつもの朝食となってしまった。
しばらくするとスノーモービルのエンジン音が聞こえ、本物の管理人が遊漁料の徴収にやってきた。その人は私たちの
荷物だけのテントにも声をかけていたので、人がいないことを教えてあげたが、先に知らせておくべきだったと反
省・・・。
9時を過ぎるとトンギョが混じり始め、次第にワカサギの数が減ってきているなあと思っていたが、9時40分にはトンギョ爆釣状態に突入してしまった。時々しかワカサギが釣れなくなり、それならばと休憩していると誰かがワカサギを釣る・・・そうすると慌てて自分も竿に集中するというというような、間延びした釣りになっていた。
釣れたトンギョは自分の穴には戻さないという暗黙のルールを守っていたが、次第にエスカレートし始めて、釣れたトンギョを貯めておいてから一気に他の穴に投入するなど、トンギョにはずいぶん盛り上げていただいた。
しかしトンギョは丈夫な魚で、長い時間氷の上に置きっぱなしにしておいても、水に戻すと勢い良く水中に消えてしまうので、肺呼吸して
いるのか?と思えてしまうほどであった。そのトンギョは、この日だけで一人100匹以上釣っていると思われた。
外に出てみると雪は止んで晴れ間も出てきていて、管理棟付近ではたくさんのテントや人の姿が見えた。日差しが強く
てテントの中にいても顔が暑くなるほどであった。
氷すくいの改良型として塩ビ管を使った自信作ではあったが、氷の底に引っかかった針を外すにはまだまだ不十分で、氷すくいの網にも針がかかってしまい、糸が切れてしまう失敗もあった。
使い物にならないのでキッシーさんの道具を借りていたが、この日の妻は糠平のワカサギに慣れてしまっていたせ
いか、大きく横に走るワカサギのせいで、頻繁に針を底の氷にかけてしまい何度もお世話になっていた。キッシーさん
直伝の手釣りは釣れにくくなった時には実に有効な釣法だった。

レトルトが簡単便利
キッシーさんは魚と時々目を合わせるという照れるような釣りをしていたようだが、私には魚は見えなかった。妻も手釣りの楽しさが分かったようで、新しい釣り方と微妙な感覚を楽しんでいた。
お昼を過ぎて昼食にはレトルトのご飯に牛丼と中華丼を用意していた。鍋で温めるだけの簡単なものなのでワカサギ釣りには最適な、最近お気に入りの食事だった。
釣りをしながらもキャンプをしているような、アウトドアを凝縮したよう
な楽しさは、春から夏への新たなるフィールドの話へと進み、今シーズンがさらに楽しいものになると期待できる話が盛
りだくさんだった。
せっかく持ってきたビデオカメラだったので、色々なアタリも撮影しようと思っていたものの、キッシーさんにカメラを預け
た私が悪いのだが、エサのサシにバナナを与えたアップの映像や、それを付けて食っているトンギョのアタリの映像と
いう、目的とはおおよそ違ったものとなってしまった。
そんなこんなで楽しく過ごした釣りも午後からはパッとせず、予定していた14時が間近かに迫ってしまっていた。キッシ
ーさんは片付けを始めていて、その後妻も納竿し、私も最後の1匹を釣ったので無事終了となった。
天気は雪になっていたが片付けはすぐに終わりソリを引き出すと、あっという間に待ち構えていたカラスが私たちの釣
り場の跡に群がっていた。しかし、ゴミはきれいに持ち帰ったので、あさるものはなかったであろう。うらめしくこちらを見
ているカラスもいたようだ。
             

帰り道はさらに厳しく長く感じられ、何度も妻と交代しながらソリを引き息切れを起こした。管理棟近くには寒さも緩んだ
せいかテントなしで楽しむ人も多く、まだまだ賑わっていた。
車に戻り片づけを済ませてからすぐに出発、舗装路面は出ていて走りやすかったが、北見市内で釣具店に寄り、温根
湯を過ぎると路面も雪になっていた。自宅には18時半に着いて、夕食後にお楽しみのワカサギを数えてみると、私の釣
ったワカサギは201匹、妻は204匹と今回は近差で負けてしまっていたのだった。さすがキッシーさんは255匹で、50匹
以上も差をつけられていた・・・まだまだ修行が必要だ。

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