3月の釣り



   ■ 朱鞠内湖(カラス島)

2週間前に大爆釣した糠平湖が忘れられず、2匹目のドジョウを・・・ということで、捕らぬ狸の皮算用をしていたが・・・
な、なんと!2月27日で終了していたのだった。それではあきらめて中止・・・・・そんな私ではない!そうなると残された
近場で期待できるワカサギ釣り場といえば、そうだ!朱鞠内湖しかない。
朱鞠内湖は数年前の夏のキャンプでボウズを食らった苦々しい湖ではあるが、ワカサギならばそんな目には会わぬだ
ろうと、再びデータの収集と皮算用をしていたのであった。


3月5日 数日前からも、天気予報では良い天気とのことで安心してはいたものの、寒くて雪深いことで有名な朱鞠内で
あるから楽観は許されない。充分な装備を積み込み、4時40分出発!途中先が思いやられるような大雪に遭ったもの
の、その後はほとんど雪は降らなかった。
比布からは高速道路に乗り、ワカサギ釣りに高速道路を使うというのも贅沢な気がするが、安全と安心が手に入る。道路中央部分にはオレンジ色の分離帯を示す明りと、左端には信号の青色と同じ色のやけに明るい目印がきれいでもあり、雪降る中でもよく見えた。和寒、剣淵、そして士別までが現在までに開通しているが、過去に和寒までは走ったことがあった。士別インターチェンジに近づく頃には空全体が明るくなり始め、日が上る方角が分かるとともに気分も晴れ晴れとしてくる。
高速を降りてから近くのコンビニで買い物を済ませ、朱鞠内を目指す。つもりが、何だか変だ!・・・・・そう感じた私は妻に朱鞠内湖までのナビを設定してもらったところ、やはり道を間違えていたようで、修正されていると思われ

士別インターチェンジ
る近道は農家の庭先を通るようなクネクネ曲がる細い道だった。
何度か走った事があったので油断していたのが大きなミスを冒してしまったようで、予定時間からは大幅に遅れてしま
うことになってしまった。
ようやく覚えのある朱鞠内の小さな集落に入ったが、想像どおりのものすごい積雪で、郵便局や消防署はきれいに排
雪されていたが、民家は建物の形が分からぬくらいに雪に覆われていた。
湖に近い坂道付近では昇り始めた朝日がまぶしく、バックミラーには数台の後続車も映っていてあせる気持ちもあったが、もうすぐそこだということはいつか来た温泉施設があったので判断できた。
入口で駐車料の300円と入漁料1人千円を支払って、眼下に湖が広がっているであろう見晴らしの良い小高くて広い駐車場に車を停めた。すでに20台くらいは停まっており、あちこちの湖上のポイントにもテントや人影が見えていた。まず管理棟へ行き、この日の決めていたポイントの場所を聞いてから、奥にある休憩所兼食堂に入った。
当然、この時間食堂は開店していなかったが、その奥にあるトイレに入ってみると、ログ風の全体の雰囲気に合ったとてもきれいな身障者用も完備した立派なものだった。
食堂の壁には「2005年ワカサギ大物選手権」なるものが貼り出され
 ていて、現在のところ第1位は12.3cmであった。
車を湖の右にあるカラス島駐車場へ移動してみると、その場所も広く除雪してあり、すでに10台以上停まっていた。気
温はマイナス14℃であるから、暖かいという表現は不適切かもしれないが、今までにない高い気温であることは間違い
ない。準備を済ませ目的の「弁天南」へ向かうが、スノーモービルの跡もあまり役に立たないほど雪深く、長靴が半分ほ
ど埋まるアップダウンが多い道を選んでしまったようだった。後で分かったのだが、このコースはカラス島頂上へ登って
から降りるという難儀なコースで、カラス島の右方向にある水道沢へ降りるときに利用されているようであった。
苦労したが、なんとかテントがたくさん建っているポイントへ入り、看板を見ると「カラス島」とあり、目指す弁天南はまだ遠かった・・・しかもここからは雪がひざ上まである雪深さであった。ここで断念して釣り座はカラス島に決定!しかも、丁度良い穴が2つある除雪してあった場所を発見したので、半ばあきらめ気味にこの場所がこの日のポイントとなってしまった。
朱鞠内湖上は今までの湖上とは違い氷の厚さは20cm程度で、その上に厚いシャーベット層があり、さらに雪の層が厚いのだと聞いていた。
しかし、雪とシャーベットの層はそれほどはっきりとしたものではなく、少し雪を掘ると水がにじんでくるとい

カラス島の釣り場、右端は弁天南
うやっかいなもので、場所によっては足がぬかるむところもあった。仕方がないので除雪は軽くしてからテントを張った
が、平らな氷上ではないのでテントはゆがんでいた気がする。
穴にドリルを通してみると雪や氷がとめどなく出てくるし、その深さも私のドリルではぎりぎりであった。無料の貸しドリル
もあるというが、それは特製の長いものという意味がようやく理解できた。しかし、この時はそのドリルが何処にあるの
かも知らなかった。
結局、釣り始めたのは7時半近くなってからで、すっかり日が昇りテント内は暖房がいらないほど暖かく感じた。妻は仕
掛けを底まで落とし、私は氷下を探ってみることにした。底までは5m程度と予想していたよりは浅かったが、すぐにア
タリがあったのは私だった。8cmほどのワカサギが釣れ、すぐに妻にもこの日の1匹目が釣れた。それからは、入れ食
いとまではいかないものの、ほどほどに本命のワカサギばかりが釣れた。

弁天南方面からカラス島釣り場を望む
近くからも賑やかな歓声が聞こえ、全体に釣れている様子だった。少し離れていた私たちの周囲にもテントや人の姿が見えて、晴れ渡った天気に暖かくなり始め最高の釣り日和となっていた。
しかし、釣れていたのは始めてから1時間ほどで、次第にワカサギの気配は少なくなってきていたので、朝食の準備をしようと竿を置くと穂先が動き
出す・・・アワセを入れて糸を手繰ると釣れているので、仕掛けを投入して待つがアタリは無い。そして再度竿を置くと穂
先が震える、といったことが何度もあった。
時々スノーモービルのエンジン音が聞こえるので外を見ると、無料送迎サービスの客が乗り、その後方には荷物を載
せたソリが引かれていた。

さびしい釣果だった・・・
このサービスは朝7時から始まり、帰りは各停車場に看板が立てられていて、決まった時間に迎えに来てくれるようだった。8時36分、急にグッと重くなり明らかにワカサギではない重さが伝わってきた。
仕掛けを底に落として釣っていたときだったが、この魚が釣れる予想は何となく感じて

送迎風景
いた・・・20cm弱のウグイである。それでも大きな魚?という感触が楽しめたので満足はしていた。その後、妻にも同じくらいのウグイが釣れて妻も満足!・・?もちろん撮影後、リリース。
リールの竿も用意していたが、糠平湖で手ばね竿のほうが手返しが良くて扱いやすいことがわかっていたので、この日も朝からリールは使わなかった。
慣れていたせいか、この日は一度も糸が絡むこともなかった。
アタリが鈍くなると竿を置いて糸だけを持つ手釣りに変え、魚が居そうなポイントを集中的に狙うと確かに釣れる。
これが面白くて続ける・・・しかし集中しているので長く続けることはできず途中から竿を持つ、そんな釣り方を繰り返し
ていた。テント内が暖まってくると内部の雪も融け始め、そのせいではないと思うがテント内の数箇所に不安定な場所
が現れてきた。ぬかるほどではないが強く踏み込めば長靴の半分は埋まってしまうだろうと思われた。地盤が安定して
いないということは何となく不安なものである。
9時を過ぎてからはワカサギも釣れなくなる時間が多くなり、なんとなくダラダラした雰囲気が私たちに漂ってはいたが、こんなときの手釣りということで、この釣り方をすればそこに魚が居る限り釣れる!と思えるほど魚がしっかり食いついてくれていた。
この日、妻はやや不調で、開けられていた穴にも不信感を抱き始め、とうとうその横に自分で穴を開けてしまった。やはり貫通するまでは大変で、私のドリルでは長さが足りなかったので、穴の周囲をスコップで掘ってから、やっと貫通したほどである。貫通した後もしばらくの間はシャーベットと雪が浮いてくるので、何度となく掬い上げていた。
はじめは新しい穴で続けていたものの、少し釣果が落ち始めると竿をもう一本出して両刀使いで竿を振っていたが、この時間になってからではあまり釣れてはいなかったようだ。お昼ご飯も済ませた午後からは、時速10匹にも満たない釣果となり、やる気が失せ始めていた。エサもいつになく頻繁に取替え、時々手釣りでワカサギのタナを

両刀使いも試みる
探ってはみたもののなかなか釣れなかった。
妻はシートを敷いて靴を脱ぎ、とうとう昼寝を始めてしまうし、私も竿を置いてコーヒーや甘酒を入れて飲んだりと集中し
ていなかった。
天気は時々雪が降り始めて、弁天島のテント群が見えなくなるほど強く降るときもあった。風は時々強くなってきたのでテントのロープ

弁天島
を張って補強し、テントのスカートには雪を大量に載せておいた。
気まぐれな天気だったので、すぐに風が止んで晴れ間が広がるが、またしばらくすると雪が降るという状況だった。しかし、概ね晴れの暖かさにストーブを常時点けていたので、テント内では半袖になるほど暑い時間帯もあった。 
15時近くになると送迎のスノーモービルが何度も走っているのが見えて、私たちの周囲もすっかり人の気配がなくなっ
ていたので外を見て驚いてしまった!・・・ほとんどのテントが姿を消していたのであった。
16時まで釣ろうと決めていたものの、15時にはまったく魚の気配が無くなって
しまい、どんなことをしてもワカサギが居ないことには釣れるはずはなく、撒き餌をしてまで釣る気はないので持参して
いないし、ついにそんな状態に納竿を決めた。バケツの中を見ると寂しい釣果で、カウントするのが怖いような気がした
が、こんな日もあるさと帰り支度をのんびり済ませた。
荷物をソリに積み終わった頃には、見える範囲でテントは1張もなくなっていて、送迎用スノーモービルで駐車場へ向かう人の後から駐車場へ歩き出した。カラス島の看板には無料サービスの長い貸しドリルが括りつけてあった。
少し進むと固く踏み固まった直線の道があり、それは弁天島へと続いていることが分かった。朝このことが分かっていたならば当初の目的地へ行くのは容易だったかもしれない。
意外と楽に駐車場に戻ったが、自分たちの車以外に誰もいなかった。管理棟下の駐車場に車を停めてトイレを利用してから湖上を見ると、他のポイントにはまだテントが見えたし、駐車場にも車がたくさん停まっていた。
朱鞠内湖を出発すると、天気が良かったせいか路面はほとんど出て

帰りは楽な道だった
いて走りやすく、30分ほどで士別市内に入った。市内で夕食を済ませてから、再び高速道路を走っているとずいぶんと
スキー場が多いことに気がついた。剣淵ビバカラス、和寒東山、そしてぴっぷ国際であるが、スキー場の強い照明がオ
レンジ色に光っていていたものの、ぴっぷ以外は客がそれぞれ一人しかいなかった。
自宅に戻りワカサギを数えてみると、かろうじて118匹と3桁には達していた。妻も自分が予想していた数よりは多くて満
足はしていないものの、安心した様子であった。





気付いておられるかもしれないが、前回の朱鞠内湖釣行からテントが替わっている。小川キャンパルのノースガードGF
4は良いテントだったが、無理して3人が限度のスペースではみんなで楽しめない、慣れるにしたがってもっと広いテント
が必要となってきていたのである。
2月も末になると値下げをして在庫の売り尽くしをするお店も出てきたので、あらかじめネットオークションでGF4を売り
に出していたのだが、買い手が見つかったことを機に衝動的に購入を決定!ノースガード7かコールマンのアイスフィッ
シングシェルターMXしかないと考えていたが、後者に付いているオーガナイザーバッグ欲しさにコールマンを選んだ・・・
という訳でもないが、店頭で何度も見て確かめていたその広さに魅力があった為と、更に1割引&最後の1品だったこ
とである。それは、オーガナイザーバックが初回発売限定品だったからでもある。
朱鞠内湖では既存の穴を利用した為にその広さを正確に確かめることができなかったので、今回の釣行でそれを実感しようと思っていた。テント内では釣り座や荷物の配置など、人それぞれ好みがあると思う。
テントの設営は30秒とかからずに建つGF4とは比べものにならないが、ロッジ風形状の割りに簡単である。
建てるときに強風が吹いていてもテントを開く前に支柱にペグ打ちができるので、その点では心強い。一番時間がかかる作業は8箇所のマジックテープを支柱に留める作業であろう。ペグ打ちを省いても設営には3分以上を要するが、これでも私は充分満足している。構造的に全く違うノースガードと比べるのは酷というもの・・・。
広さの他に、このテントにはもう一つの長所がある。私は毎回使用後にテントを室内で乾かすのだが、GF4でも一片が210cmもあるので広げると結構な大きさで大変だ。

ウニができていた
しかし、このテントは場所をとらずに干すことができるので、フルサイズの230cmは必要とせずに、右図のように縮めて
乾かすことが出来るのである。これは購入後に分かったことだった。
収納したときの長さは差ほどではないものの、重量は13kgと重い。しかし、ソリに乗せて運ぶ場合に重さは気にならな
いので、快適な氷上生活には欠かせないものになるであろう。
重いといえばペグである。スノーピークのソリッドステーク30×8本+40×4本を用意しているが、これにハンマーを合
わせると3.5kgを超えてしまうのだ。確かに使いやすく曲がりにくいが、鋼鉄故の重量はいたし方ないのかもしれない。


3月11日 いつものように19時出発!・・・・・できなかった。明日土曜日の天気予報では「網走〜吹雪・強風」・・・これじゃ
ダメだ。まあ、日曜日は晴れそうなので、翌日の明るい時間帯に出かけることにした。


3月12日 情報では呼人よりも女満別のほうが釣れているようであったが、たくさん釣ろうと思っていないし、のんびり楽
しむことができるならそれが一番ってことで網走に向けて14時、今度こそ出発!
出発時の天気は曇り気味だが雪は降っていないし気温は高く、路面はほとんど出ている状態だった。それでも高規格道路は雪があったものの、何の問題もなく快適に走ることができた。眠くてたまらない妻は辛そうだったが、途中のコンビニでソフトクリームを食べて復活!どこまでも路面が出た良い道が続けばと願っていた。
佐呂間の町内からは雪が多く降りはじめ、町内の多くの人が除雪をしており、この町にしては珍しい光景だと思っていたが、この先どんどん雪が多くなっていった。
17時少し前に網走湖が見える交差点に達したが、その先もやはり雪はたくさん降ってくるし、積雪も多いようだった。
友人たちと相談の結果、翌日の早朝のワカサギ釣りは中止とする・・ほどに積雪は多かったし、明日の天気予報では雪がまだ降りそうだ

網走入り時
ったので、釣りが出来るかどうかわからなかった。


3月13日 天気予報の「雪のち曇り」と違って朝から日が射す良い天気だったので、流氷でも見物してから帰ろうと思い
立ち、まずは港を見に行った。第四埠頭は開放中で、中に入ってみると大型トラックが1台通れる位の道しかなく、海に
近い場所へは行けそうになかったので、引き返して第五埠頭へ向かった。

 
            第五埠頭
こちらは船着場のすぐ近くまで道がついていたが、誰もいない雪に覆われた海面が広がっているだけだった。海面とい
っても平らではなく、薄い氷が幾つかに折り重なったようなもので、その上に積もった雪がどこまでも続いている状態で
ある。それから鱒浦方面へ走り、流氷が見える場所に車を停車した。風向きのせいか岸寄りした氷が見えるものの、
流氷なるものを久しぶりに見ることも出来たのでしばらく眺めてから市内へ向かった。
折角網走に来て、こんな良い天気なのだから・・・と呼人会場へ行ってみることにした。日曜日の割には車も少なかった
が、時間も時間だったのでスノーモービルや人の足跡が、昨日まで降った大雪を少し歩きやすそうな道へと変えていて
くれた。この時間からでは釣果は期待できないが、当初の目的のワカサギ釣りを楽しむことは出来そうだと思われた。

 
       ワカサギ会場の様子を見に来ていた老夫婦                  管理所と駐車場
とうに11時は過ぎており、釣れる場所もあったもんじゃないが、管理棟の人に近場のポイントを聞いてから、自分が決
めた場所を納得させて出発。曲がったスノーモービルの跡を丁寧に辿りながら決めておいた場所にやっと着き、息を切
らせながら除雪開始!しかし、50cm以上は掘らなければ氷は見えてこないだろうし、そんな体力も気力もなかった。不
本意ではあるが、24時間以内に積った雪だけを軽く除雪することにしたものの、それでも随分大変な作業となったの
で、妻と交代しながら何とかテントが張れる広さを除雪した。
テントを建ててみると支柱が雪に刺さりこんでしまうが、これ以上の除雪作業は無理と判断して設営は完了!
太陽が顔を出していたせいもあったが、テント内は暖かくて暖房は必要なかった。重労働にすっかり疲れ果ててイスに
座って休んでいたが、妻はさっそく穴開けを開始し竿のセットを始めたので、私もゆっくり準備に取り掛かった。

    
          初ヒットはカレイだった                   
そんな寂しい釣果のなか、突然にバタバタ音がして私たちのテントに巨大な明るい色の鳥がぶつかった!・・・・・と思っ
たら風上にある誰かのテントが飛んできたようだった。窓からのぞいてみると、そのテントは30mほど飛んで行き雪面に
突き刺さって止まった。すぐにスノーモービルに乗った監視員の人が回収していたが、私たちよりも以前にあったテント
だったので、たぶんペグを打たずに釣りをしていたのだろうと思われた。この日の私たちは四隅と風上2箇所にペグを
打ち、念のためスカートには雪を載せていた。これも朱鞠内の教訓である。
そしてようやく妻にも釣れたが、何と!ワカサギではなく、カレイでもなく、もちろんトンギョでもなかった・・・。とりあえず魚
種は不明だが写真だけ撮ってリリースした(左写真)。全く納得いかない妻だったが、その後やっとワカサギが釣れ始め
たのであった。それでも、朝来ればよかったと後悔するような貧果が続き、先週の朱鞠内湖の午後に似たような状況だ
った。
しかし、仕掛けを投入してすぐにアタリということはなく、ようやくあったアタリはずっしりと重いものだった・・・これはカレ
イか?それでもその日の初ヒットはうれしいもので、糸を手繰り寄せて穴から出てきたカワガレイをすぐにリリースした。
その後はワカサギが釣れたが、妻には全く何も釣れないという不思議な状態になっていた。あまりにも釣れないので、
とうとう妻は私の近くに新しい穴を開け始めてしまうほどだった。   
そんなチープな釣り場にメガ弟さん登場!これまたのんびりと準備を始め、今シーズンのラストワカサギ釣りを楽しもうと考えていたようだ。しかし、さんざん迷った末に選んだ5本針仕掛けのエサ付け時にズボンに引っ掛けて1本ロスト・・・少ない針数がさらに少なくなってしまったようだ。
だが、こんなことでヤケを起こしたりグレたりしないのがこの人の大人たる所以で、明るく仕掛けを投入!賑やかな釣り場となった。
メガ弟さんの穴は妻が見捨てた穴ではあったが、しばらくするとワカサギではない大きな引きがあった。第一号は私と同じカワガレイが釣れたのであった。
そして、再びメガ弟さんの竿に大きなアタリ!しかし、またもやカワガ

竿が曲がっていた
レイらしく、それは随分と大きなワカサギ釣りでは型物の20cm以上あるGoodなサイズ、ステンレスの手ばね竿の根元
が曲がってしまったビッグフィッシュとなった。
だが、カワガレイのメガ攻撃はこれに終わらず、立て続けに4枚という結果となったのであった。さすがに5匹目には、
待望のワカサギ君が釣れていたが、私としてはこのままカワガレイを釣り続けて欲しかったのだが・・・。
妻が釣るワカサギは型が良く、お腹にはたっぷり卵を持っているようで美味しそうであった。それでも、大きさは10pを
少し超えるほどである。
天気も良いせいかテントなしの人たちも多くにぎやかであったが、さすがにこの日は遠くのポイントには人の姿はほとん
どなかったようだ。半袖のTシャツで過ごしていた私だったが、少し寒くなってきたのでストーブに火を入れて、まったりと

釣り方の指導もしていた
した釣りを楽しんでいた。
外に雪を踏みしめる音がしたので入口を開けてみると、何と!今話題のライブドアの堀江社長(ホリエモン)が我々のテントをゆすっていた。耐久性を試していたというが、休日だからってこんなところに現れて、それにしても世間を騒がせやがって・・・だいたいにして金さえあれば何でも出来る!って考え方が幼稚すぎるんだ・・・だから金持ちは嫌いだ!とにかく、テレビなんかに出るな!目障りだ!・・・・などと文句を言いながらも、よくよく見ると・・・そこにいたのは我々を励ましに来たキッシーさんだったと気付いたときには少々気まずかったものの、ホリエモン本人に言いたいことを言えた気がして満足!
という訳でテントの中は4人になり、さらに賑やかになってき
た。
しかも、キッシーさんはワカサギ釣りの出で立ちではなく、もちろん竿も仕掛けも持たず、大きな袋の中身はキャンプ用
の大イスだった。こんなテントの中に大きなイスなんか持ってきて・・と、みんなに非難されたものの、本人は全く気にす
ることなくココアなんか飲みながらくつろいでいた。
それでもまだ余裕がある広さのこのテントには、伸ばしたままのアイスドリルやソリまで入れていたのである。 
しかし、みんなの釣果を見て名人の言うことは決まっていた。実際のところ釣れていないのだから何を言われても仕方
ないが、キッシーさんは見学に来ただけなのである。キッシーさんの差し入れをご馳走になりながら、宴会のような雰囲
気をテント内で味わいつつも、これで釣れていれば最高だったが、世の中そんなに甘くない。だいたいして昼から釣りに
来て釣れる訳がないのだ。
その後行われたキッシー審判員立会いの10分1本勝負も、恐ろしく厳しい戦いとなったのは当然のことで、時間が来て
も誰も1匹も釣れなかった。仕方なくサドンデス方式を続け、メガ弟さんが勝者となった。次に妻が釣り、私にはトンギョ
しか釣れないという屈辱的なビリ・・・・・。


網走のワカサギよ、また来シーズンに会おう!
15時過ぎになると全くワカサギは釣れず、退屈したキッシーさんの様々な妨害工作に負けず頑張ってはみたが、16時
前には納竿した。テントの撤収時に気付いたが、ソリッドステーク30が曲がっていた。これはおそらく打ち込み時に曲
がってしまったと考えられるので、次回からはもう少し注意しなければならないと思った。あくまでも曲がりにくいペグと
考えなければならない。
外はいつの間にか雪が降り始め冷え込んできていたが、深雪の中ソリを引いて駐車場に戻り、次回の釣行を約束して
から二人と別れた。帰り道は想像していた吹雪にも遭わず、快適に走ることが出来た。遠軽で夕食を食べ、自宅には
20時過ぎに到着した。
今回は、メガ弟さんからもワカサギを頂き、3人分のワカサギを現地で一つの袋に詰め込んだので釣果は不明である。





前回はラスト網走が惨敗に終わってしまったが、一つだけ収穫もあった。それは、ワカサギの美味しい食べ方をキッシ
ーさんに聞いたことである。簡単で手軽な寒干しが一番旨いかもしれない!そう思ったからだ。過去に見たホームペー
ジや掲示板などで知ってはいたものの、作ったことはなかったのだ。
ワカサギを濃い目の塩水でよく洗いザルに移して水切りした後、干し網などで一日程度干すだけである。これを焼いて
食べると、キッシーさんの言うとおり「シシャモより旨い」ほど香ばしくてクセになりそうな味だった。
カラ揚げはカロリーが高すぎるし、甘露煮は更に手間がかかるので、この食べ方が一番美味しくて健康的だと思われ
る。酒の肴には最適な一品が追加されたことは確かで、今回釣れたワカサギは肴用として寒干し保存する考えだ。


   ■ 朱鞠内湖(弁天南)

3月19日 3連休だが我が家は土曜日しか休みはない・・・という訳でラストワカサギ最終戦である。泣いても笑ってもこ
の日でワカサギ納竿を決めていた。
2時50分の目覚ましに飛び起き、3時半過ぎには出発していた。国道は舗装路面が完全に出ていて快適この上ない状
態ではあったが、やはり比布からは高速道路を利用して士別インターチェンジで降りた。前回と同じコンビニでおにぎり
とサンドイッチを購入、その他の食料はすべて揃っていた。
朱鞠内湖に近づく頃には空も明るくなり始めていたものの、朱鞠内集落付近では雪が少し舞い始めていた。ナビの画
面に朱鞠内湖が見えて、ロータリー車に削られた高い雪の壁に囲まれた道を進むと、湖へ続く下り坂の途中に駐車場
の入口が見えた。受付小屋前には進入を阻止する柵が置いてあり、すでに3台並んでいたので最後尾に付けて待つこ
とにした。いつでも入場できる訳ではなかったのである。時間は5時10分だった。
5分ほどすると後ろにもう1台車がやってきて、運転席から人が出てきたので聞いてみると、5時半には受付が始まるという。安心して車内に戻ると最前列の車から降りた人に動きがあり、柵を横に移動させている様子・・・後方から更にもう1台青い回転灯を付けた車が入ってきて、降りてきた人は手提げ金庫を持っていた。
金庫を持った男性は受付小屋へ、もう一人降りてきたのは女性で管理棟へ向かった。ようやく受付が始まり受付小屋の前で窓を開けると「おはようございます、お待たせしました・・・」の元気な声だった。管理棟でトイレを済ませ、カラス島方面の駐車場へ進むと、すでに3台が準備を始めていた。

駐車場からの坂道
今回は何が何でも、深雪を踏み越えても弁天島南釣り場へ行こうと張り切っていたが、それほど張り切る必要はないこ
とがすぐに分かった。スノーモービルや人の足跡が2mほどの広さで一直線にカラス島へ、そして弁天南方面へ付いて
おり、表面は固く歩きやすい道となっていたのである。駐車場からは緩やかな坂道で、坂道の為に用意してあったソリ
の後部に付けたロープが初めて役にたった。

中央が弁天島
弁天南も水位の低下に従って所々氷が割れて奇怪な姿を見せていることに気付いたのは、2回目となる今回だったのは意外な気がして、何故前回気がつかなかったのか不思議なほどあちらこちらに見られた。岸よりの貸しドリル置場に近い場所に釣座を決めてテントの準備を始めた。一旦テントを張ると移動は不可能なほど荷物があるので、慎重に決めたつもりだったが、経験不足の私たちにはどうしようもないハードルがあることが後から判った。
表面は固雪だが強く踏むと30cmも埋もれるような積雪状態だったので、テントを張ってから釣座を掘って作ったせいで、テントの高さは2m以上もある充分すぎる高さを得ることが出来た。荷物置き場は小高くなっているので、まるで小さな家の中のようにも感じられ実に快適だったが、除雪と穴開け作業の
ために汗をかき、しばらく暖房は必要なかった。30cm掘ると水がじわりと沁みてくる状態に、それ以上は掘り下げられ
なかったが、私のドリルでは底の氷にも達せず、貸しドリルを借りてきて試みるが、これまた切れない刃のせいで簡単
には開けることができなかった。朱鞠内湖用ロングドリルでもギリギリという深さであったが、何とか穴は開けることが
出来た。
やっとのことで仕掛けを投入してみると、底に着いた感覚が氷上のように固く感じられ、もしかすると貫通していないのでは?そんな不安のような疑問を持ちながらアタリを待った。妻が自分の穴でワカサギを釣って証明してくれたが、それでも自分にアタリがあるまでは信じられない。
雪と氷の厚さは1m50cmほどで、底までは2m足らず・・・近くの人に聞くと4m以上あるというので、駆け上がりとはいえ尚の事その差に疑問を感じたのだった。
朝早く気合を入れてやってきて、一

氷の裂け目
番大事な時間帯に全く釣れずに過ごすのは大変辛かったが、やっと1匹釣れて仕掛けがあるのは水中だと証明された
ものの、その後はやはり全く釣れなかったので、依然水中だとは信じてはいなかった。

8時半頃までの釣果
それほど釣れなかったのである。
とうとう痺れを切らして外へ進出し、少し沖目に穴を開けてみると3m以上はあり、仕掛けを下ろすとすぐにワカサギが釣れたので、妻用にもう一つ穴を開けた。これならばと移動を考えたときに妻の声がした。
釣れ始めたから戻って来いというもので、迷ったが外は寒くて指がかじかんでいたし、移動の大変さを考えてやむなくテントへ戻った。
それでも釣れたのは初めのうちだけで、次第に釣れなくなっていた。折角苦労して開けた外の穴だったのでマスの仕掛けを投入してから、近くの釣り人にワカサギの釣果を聞いてみると、意外なことに私よりも少なかった。後で分かったことだが、その人たちもマスを狙った仕掛けを並べていたようで、私よりも更に沖目に5本並んでいたこ
とが、自宅で見たデジカメの写真で判明した。
少し安心してテントに戻り釣り始めるが、アタリも少なく貧果となっていたので、妻はとうとう横になってしまった。釣り座よりも30cm以上高い荷物置場にマットを敷いて、真横にはストーブを抱き、更に日が射しているのだから暖かくて良い心地で眠っていたようだった。
10時過ぎには風が強く吹き始めたので、四隅のロープにペグを打ち補強したものの、それでも不安になるくらいテントが揺れた。
お昼近くになってからは更に釣れない時間が多くなり、やがて全く釣れなくなってしまったので、外にある穴で釣り始めると

マス狙いの竿が5本並んでいた
意外に釣れるので真剣になったが、運の悪いときにはよくあることで急に吹雪きはじめてきてしまい、強風でアタリも分
からなくなってきた。更に、ストーブの燃料切れによる寒さから目覚めた妻が呼んでいる・・・。結局5匹釣ってテントに戻
った。
強まる風にテントの心配もしたが、構造の割には丈夫そうだと感心しながら昼食の準備をする。最近の昼食はレトルト
の炊き立てご飯が気に入っているので、この日もビビンパ(ビビンバではない)とカレーである。それに、以前メガ弟さん
から差し入れていただいた豚めんがなかなか美味しかった。

テント内はなかなか広くて快適
午後からは更に風が強まりテントがバタバタ騒ぐので、スカート部に重い雪を載せて補強した。あまりに釣れないので納竿しようかとも思ったが、今シーズン最後であるからテント生活を楽しもうと思い、今度は私が横になった。マットの幅が狭いので不自由ではあったが横になるのは気持ち良く、長靴を脱いで体を休めることができた。
しばらくして外を見るとテントの数は他に一張しかなくなっていて、一番賑やかだった子供2人連れの家族らしき3人も帰りのスノーモービルを待っていた。
あまり釣れていなかったのか、子供たちは弁天島の坂から尻滑りして遊んでいた声も聞こえなくなり寂しくなりそうであ
った。
   
        釣り場では焼肉のにおいもしていた
強風と貧果にみんな止めてしまったのか?それでも太陽が顔を出す時間は多く、寒くはなかったので続けていると、14
時過ぎからポツポツと釣れ始めてきた。見える範囲でテントが一つあるだけの寂しい感じがする釣り場だが、釣れ始め
ると集中力も出てくるというもの・・・食い渋ってなかなかヒットしないが、そこにワカサギがいると分かれば糸の動きをみ
て合わせたり、手釣りという方法もあるので希望が持てた。
風のせいでテントに立てかけておいたアイスドリルが倒れてきて私の腕に当ったり、氷の底が深すぎたので仕掛けが氷
の壁に掛かると腕まで水につけて外したりと大変なことはあったが、15時半頃まで続けて少しは納得することが出来
た。あと一匹と決めた最後の1匹が釣れるまで少し時間がかかってしまったが、ようやくテント内で片付け始めていると
ころにスノーモービルがやってきて「4時で終了ですので・・・」と教えてくれた。

      
         中央部がアイスシェルター                         管理棟
強い風は吹いていたが無事テントを収納してソリを引き始め周囲を見渡すと、誰もおらず雪も降ってきた。帰り道も固
い雪道が楽で、唯一最後の坂道に若干の労力を要しただけであった。駐車場にはもう1台車があり、片付けの途中で
その車が突然エンジン始動したのには驚いたが、車内に誰もいないようなのでリモコンスターターのようだった。
管理棟のトイレに寄ってから湖を見渡すと、最近出来たというアイスシェルターが2棟見えた。まだ試験運用中らしい
が、中は広くて生簀(いけす)まであるらしい。ただし、中では火気厳禁なので暖房はなく、すこし薄暗いそうである。
帰りは再び日が射してきて、どんどん青空が広まってきているようだった。
士別市内で夕食を食べてから買い物をして、その後ホームセンターで干し網を購入した。帰り道は国道を利用したが、
道路に雪はなくて走りやすく、途中から雪が降っていたが難なく帰ってくることが出来た。
ワカサギ釣り最後の釣果は、私が98匹、妻が71匹であり、苦戦した割には思っていたよりも釣れたものの、最後を飾る
ような目標数は釣れなかった。場所選びの難しさを最後に教えられたような一日であった。今から、早くも今年の12月
が待ち遠しい気分で、サケ釣りにのめりこんだ時以来のような気がする。

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