7月の釣り vol.1



   ■ つりぼり厚和

7月2日 カラフトマスが網に入ったとか、フンベで背びれを確認という情報に沸きかえり、早くも釣り人が殺到しそうな道
東の釣り場を尻目に、今シーズンは焦らず・楽しく・のんびりとシーズンインしようというチーム網走だったので、今シー
ズン楽しんでいる留辺蘂の管理釣り場へと足を向けていた。


9時過ぎに出発したが、39号線は随分車が多くて先が思いやられた。途中の真勲別のカーブでは、パンクの為に車線
まではみ出して停車した車があり驚かされたが、タイヤが焼け焦げたのか異臭が車内まで入ってきた。晴れていたも
のの、どんよりとした靄がかった天気で、暑くなりそうな気配があった。
層雲峡初のコンビニがオープンしたというので寄ってみると、国道から100mほど商店街に入った目立たない場所にあ
るせいか営業時間は6時から0時で、小さな店内が朝の商品陳列作業をしていたせいで、より小さく感じた。ここで釣堀
での昼食を購入した。
完成が待たれる、石北峠前の新しいトンネル工事現場入口の工事標識を見てみようとスピードを落としたが、入口の
警備員と目が合ったので中止、工期終了時期の確認作業は失敗に終わった。上り坂で観光バスを追い抜かしてから
は快適な道となり、前を走る車はいつまでも現れなかった。
        
              入口付近                         入口からすぐに見える
意外と近くていいなあと思いながら釣堀内へ入っていくと、土曜日の割りに車が少なくて2号池に4人の若者が見えただ
けだった。受付のおばさんが、ヤマメ釣りが解禁になったので、その影響かもしれないと話していた。
1号池では、管理人のおじさんがエサをやっているところで、20cmにも満たない小さな魚の波紋が激しく水面をざわつ
かせていた。おじさんに、何日か前に死んだこの池の主の話を聞くと、大きさや重さなど詳しく教えてくれて、無口だが
人の良さが伝わってくるようなそんな人柄を感じた。
天気予報では一日中曇りだったが、よく晴れていて暑くなりはじめていたので、準備段階で早くも汗がでてしまいそうだった。さっそく2号池でキャスティングを開始したが、10投ほどで3号池に移動、一人だけルアーマンがいたが、すぐに4号池に行ってしまい貸し切り状態になった。
流れ込みの浅いところには沢山見えるが、なかなか食ってくれずゴミも多いので、そこから少し離れた場所でリーリングしていると、最初のヒット!・・・だが、すぐにバレた。その後数匹アタリはあるが乗らない。これではいかんと真剣に集中して誘
ってみると一匹目のニジマスが釣れた。
今回はグレート鱒レンジャーに変わってカーボンロッドを使ってみたが、明らかにカーボンロッドのほうがアタリは鮮明、
感触も良かった。このロッドに不具合が生じない限りは、グレートマスレンジャーに出番は来ないかもしれないと思っ
た。
そして、2匹目もさほど時間がかからずに釣ることができたが、妻は少しムッとしている様子だったので、前回も私が2
匹釣ったところで釣れたじゃないかと励ますと、すぐに本当に釣れてしまった。妻も軽いルアーの扱いに慣れてきたの
か、その後はバラシもあったが順調に釣れていた。
     
        妻の初ヒットはきれいなニジマス                銀ザケは驚くほどのファイターだった
レガオさんとキッシーさんが来ることになっていたので待ちかねていたものの、この場所は私の電話では圏外だったの
で、連絡のしようがなかった。それから4号池に移動して、お昼ごろかなあと思っていたところにレガオさんが現れた。
さっそくレガオさんも、得意のミノーで始めると順調に釣れていたので、次にフライを始めてみたところ、レガオさんの記念すべきフライ一匹目であるニジマスがネットに入った。それからは次々と釣れていたので、レガオさんこれは面白いとフライばかりを楽しんでいた。
随分釣ったのでお昼を食べるのも忘れて楽しんでいたが、そろそろお昼にしようと3号池の横に停めた車に向かおうとしたところ、この日は朝のヤマベ釣りが好調だったせいか元気そうなキッシーさん登場!
ようやくのこと4号池までたどり着いたキッシーさんであったが、一投もせずに2号池まで戻ることになった。
テーブルとイスを出して木陰に停めた車の横で、ガソリンストーブでお湯を沸かしてカップ麺やおにぎりを食べながら談笑していたが、フライの釣り味や変わった姿のミノーを試したいレ
ガオさんは、なかなかロッドを置きたがらないので、キッシーさんに「バカになっちゃうよ!」と言われていた。
実は、この車を停めていた場所は停めてはいけない場所だと後からおばさんに言われたが、注意書きも何もなかった
ので仕方がないと思った。荷物を運び入れるために車を入れるのは構わないそうである。
昼食後でも釣り人は少なくて2号池貸切状態だったので、レガオさんのフライロッドを借りて試してみることにした。
10年以上ぶりの(・・とはいっても、その頃はロッドを購入しただけで実釣経験はない)キャスティングは風の影響をもろに受けてしまい、隣のキッシーさんの失笑をもらいながら続けていると、魚がフライに食いついてくるのが見えた。しかし、どういうわけかフッキングしないのだ・・・何度も同じ状態だったのでフライを調べてみると、針が伸びていた。
次は自分の持ってきていたフライでキャスティング開始。黒くて見え
にくく沈みやすい頼りないドライフライだったが、すぐにヒット!これが私のフライ初ヒットとなり、ネットに入った魚は
30cmほどの小さなブラウンだった。その後、立て続けに2匹を釣り上げたので満足して休憩することにした。
キッシーさんとイスに座って休憩していたが、レガオさんはいくらでも釣れるフライがやめられず続けていると、そこへ管理人のおじさんさんが軽トラックに積んだタンクから、何かを放流しようとしていたので見に行くことにした。
おじさんは沼エビをこの3号池で育てたいらしかったが、魚たちのエサになってしまうのを恐れて、魚が入りにくそうな場所を選んで何度もバケツで放流していた。
山間の静かな場所ではあったが、時々国道を走り抜けるトラックの音が聞こえてきたり、山の上に何があるのかわからないが、自動車が昇って行ける道もあり、人の声も聞こえてくることがあったので、意外にこの場所は山奥でもないようである。 
せっかくの環境であったが、丸太のイスの周りには吸殻が投げ捨てられていたり、ラインが束で捨てられているという有様
には情けない気持ちになってしまった。こんなマナーの悪い人はどこでもいるもので、絶滅しないのだろう・・・。
その後、妻は車内で昼寝、私とレガオさんは4号池で楽しんでいると、フライに挑戦していたキッシーさんがヒットしたよ
うで、3号池にその姿が見えた。よくよく見ると、どうもネットを持ってきてくれと合図しているようだった。
それから3号池に戻ってダラダラと続けていたが、すっかりルアーを見切ってしまった魚たちは遊んでくれなくなってしまった。こうなると強いのはフライで、フロータント(この時は名前を知らず浮き薬と呼んでいた)の効き目がなくなって沈みかけていても食ってくるし、終いにはキャスティングなどせずにロッドを上下させて、水上を飛ぶ虫の動きを再現した釣り方でも釣れていた。
こうなるとどんどん悪知恵が働くキッシーさんは、キッシー式と呼ばれた新手の釣法でどんどん釣り始めていた。その方法はあえて記載しないが、他の人がいるときはなかなかできないものの、方法としてはなかなか合理的である。
また、私は釣れなかったが、ルアーロッドのラインにフライを付けて試してみても、釣れてしまっていた。
いつの間にか時間は経過して夕方にもなってしまっていたので、たった一つ私のルアーケースに入っていた、7cmもある大きなミノーをキ

奥に誰かいるゾ?
ャストしてみることにした。
ウルトラライトのロッドでは、はじめのうちはキャスティングしにくかったものの、慣れると全く気にならないもので、軽す
ぎるルアーと違い狙った遠くのポイントに軽々と飛んでいくのが心地よかった。
諦めずにしばらく続けていると、横からスッと追ってきたニジマスが食いついてくれた・・・大きくはなかったが、場違いのミノーで釣れたのがうれしかった。
半日以上楽しんだおかげで、フライにミノーにと色々な釣りを楽しむことができて満足だったし、妻も前回とは比べものにならないほど沢山釣っていたので気分良くしていたが、日焼けの腕が痛々しく見えた。
気付いた時には19時近くなっていて、片付けを終えた駐車場の車の前で立ち話をしているところに、管理人のおばさんが
やってきて一緒にお話をして、その後もさらに長いこと話し続けていた私たちに、再びやってきたおばさんが缶コーヒー
をご馳走してくれた。感謝!
やや暗くなり始めた19時半に解散して厚和を後にしたが、石北峠や大雪湖まで来ても空は明るかった。大雪湖は水量
がまだまだ多いものの、釣りができるレベルまでにはなっていたようであった。


FOSのdchiyanさんが、今シーズン初のカラフトマスを釣った。早くもフンベは2桁の釣り人で賑わっているようだが、私
たちが知床を目指すのは、もう少し先になるだろう・・・・・それにしてもうらやましい!





   ■ 丸瀬布武利川

7月9日 いこいの森キャンプ場横には、武利川という渓流がある。しかし、キャンプ場内ということもあって護岸工事が
施され、子供でも危険は少ない安全な釣り場であった。
テントの設営を終えて一休みした後だったので15時過ぎとなったが、前回のつりぼりで感覚をつかんだつもりだったの
で、フライのロッドを片手に意気揚々と出かけたのである。
実はこのロッド、10年以上前にフライをやってみようと思い、旭川のフライの専門店の店主が薦めてくれたものだった
が、ほとんど使用せずに眠っていたのである。前回使用したレガオさんのロッドは、やや長い上に柔らかいので、初心
者の私には振りにくかったが、このロッドは初心者向けにセットしてくれたせいか振りやすかった。
妻はエサ釣りでイクラを使い、初めての渓流に挑戦である。水面には時々ライズも確認できたので、フライでも充分釣
れると思われた。
       

さっそく目立つパラシュート付のドライフライを流してみると、うれしいことに反応があった。
しかし、のらない・・・どうも魚が小さすぎてヒットには至らないようなのだ。何度か飛びついた瞬間を狙ってアワセを入れ
ているうちに、ようやく1匹目が釣れてきた。
チビニジマスである。その後はコツをつかむと、次々と大きくても15cm程度のニジマスばかりが釣れてきた。アワセのタイミングや加減がわからないので必至に合わせているうちに、力が入りすぎて釣れたチビニジマスが後方へふっ飛んでしまう場面もあった。
近くでは親子4人で釣りをしていた内の二人の小さな女の子が、釣れる度に走ってきて「なにが釣れたんですかー?」と聞かれたが、聞きに来るのはリリースした後ばかりであった。 
妻は場所を変えずに一点集中のポイント攻めだが、それでも数匹釣っていたようだった。少し上流(場内)に移動した
私も、同じポイントで5匹以上も釣れるところもあり、さすがに放流されているだけあったが、もう少し大きなニジマスか、
小さくてもヤマメが釣れるとよかったのだが・・・。
これでは、蒸気機関車に乗るために釣りを諦め、今夜はヤマメの塩焼きとなる釣果を期待されていたキッシーさんに顔向けができないと思っていたところに、やはり気になったのかキッシーさんがエサ釣りの竿を持って現れた。
エサ釣りは負けんぞ!と豪語しているだけあって、入れ食いで釣れたと言いながらやってきたものの、やは
り彼もチビニジマスばかりだと言うので、私のフライロッドを貸してあげることにして、キッシーさんもフライを楽しんでか
ら、夕食の時間が近づいていたので納竿となった。
いつの間にか姿を消していたレガオさんは、少し下流の武利ダムまで足を伸ばしていたようだったが、釣果は今ひとつ
だった様である。


7月10日 レガオさんに起こしてもらって目が覚めたが、外はまだ暗かった。3時には起きていたという、レガオさんの釣
りへの情熱は相当なものだなあ!と感心しながら準備をしているうちに、靄がかかっていた林の中も明るくなり始めて
いた。レガオさんの車に同乗させてもらい、下流へ向かうことにした。
最初のポイントは町内の市街地下を流れる武利川が湧別川に合流するところで、水量も多めであった。レガオさんはミノーで、私はフライで攻めることにした。
数回キャストしたところでフライにライズがあっ
たが、小さそうな魚でその後は全く反応がなくなった。
周囲でもライズは全く見られず、釣れそうな気がしなくなったところにレガオさんの声が聞こえてきた。
アメマスがヒットしたようで、見に行くと昨日のキャンプ場のサイズよりは
随分大きい魚であった。
その後も大きな岩が多くて、いかにも魚がいそうなポイントばかりだったが、ライズは全くなかった。
このポイントに見切りをつけて引き返しながらミノーイングをしていたレガオさんに、再びアメマスが釣れてから車に戻っ
た。私は途中から上着を脱いで半袖になって暑がり、レガオさんも同様に暑いと言っていたほどだったが、虫はあまり
いなかった。

       

次は市街地とキャンプ場の中間地点で、先にロッドを振った私にライントラブル・・・その隙にミノーをキャストしたレガオ
さんがいきなりヒット!30cmほどのアメマスだった。しばらく時間をかけて直してから、再度キャスティングを始めるも周
囲にはライズがない・・・。レガオさんも、追ってくるのだが食いつかないと言い場所を変えていた。
優しいレガオさんが、ルアーロッドを貸してくれると言ってくれたが、どうしてもフライで釣りたかった私は耳を貸さなかっ
たのである。結局私は、このポイントは諦めて車の横で一服していると、しばらくしてからレガオさんも帰ってきた。

道路脇にこんな川がある
次のポイントは本命のキャンプ場よりも上流域で、大きな岩が小さな滝をいくつもつくっているという、見事な、見るだけでも景観のすばらしい場所だった。
私もここまで来てボウズを決め込んでいたほど希望は持っていなかったが、数回流したところでヒット!した。
チビニジマスではない確かな手ごたえがロッドから伝わってきていたので、慎重に取り込んでみると、20cmを超える私にしては大きく感じるニジマス
であった。
ようやく釣れたうれしさに写真を撮っていると、元気な魚が細いテーパーをグチャグチャに絡ませてしまっていた・・・リリ
ースしてから直す努力はしてみたがダメだった。
予備のティペットはなく、仕方がないので結び目と幾つかの輪がついたままで続けることにしたが、こんなフライに騙される魚はおらず、2匹目はなかった。
レガオさんは岩の上を軽々と渡り、深みや流れのあるところも何のそので越えて行き、ポイントを攻め、数匹のアメマスやニジマスを釣っていたようだったが、私は先へ進むことなく岩をよじ登り、橋の上からレガオさんを見ていた。
まだまだポイントは沢山あったようだが、橋の上で恨めしげに待っている私に気を使ってのことか、レガオさんも納竿し、キャンプ場に戻ったのは8時であった。 
レガオさんが言うには、私は半分以上の時間をトラブルのために使って座り込んでいたと話していたのは、我ながら本
当にその通りだっただけに笑えた。しかし、子供の頃に、毎日のように通ったイワナの沢山いた渓流を、懐かしく想い
出す釣行となった。ここにはまた来よう!と思った。





   ■ ガリンコ号

7月16日 屈辱の超・船酔い男のレッテルを貼られて1年にもなっていた。紋別市の流氷砕氷船の夏の姿である「釣り
船ガリンコ号は、今シーズンより2時間・4時間コースが、それぞれ2千円・4千円に値上げされていたので、足が遠の
いていたのであった。幸いという言い訳でもないが、この時期から始まる知床のカラフトマス釣りに行けない代わりに、
一年ぶりのガリンコ号となった。

旭川市内での用事を済ませてから紋別市に向かい、15時半の乗船時間だったので、結構な強硬スケジュールだった。
しかも、前夜は親戚の来訪を受けて、いつもよりは沢山お酒を飲んでいたからたいへんだ!

      
           左回りに横付けする                         出航10分前
15時前にガリンコステーションに着くと、海の上にはおびただしい数の白いヨットが浮かんでいて、いつもの海とは全く
違ったものに見え、ステーションの向かい側の駐車場は、ヨットマンたちの100台以上はあろうかと思われる車で埋まっ
ていた。ステーションにはガリンコ号が戻ってきたところで、定員一杯だという割りに少なく見える乗客が、表情を変えず
に降りて来たところだった。
表情を変えずにというのは、沢山釣れたのであれば笑顔で下船するはずであったからで、今回の場合はあまり釣れな
かったのであろうと推測された。
受付を済ませて待っていると、同じ待合室に同乗すると思われる人たちが待っていて、その数は随分少なく感じた。20
分前には、早くもタラップの下で待つ人が現れて、15分前には大方並んでいたようだった。乗船前の最後の一服をしな
がら待っていると、10分前には乗船アナウンスが流れたので、タラップへ向かった。
タラップの横にある記念撮影用のプレートには「北海道遺産・ガリンコ号」とあり、以前とは違った雰囲気となっていた。しかし、その横には、昨年キッシーさんが顔を出しておどけていた記念撮影用の板が健在だった。
最後尾に並んだので、どんな場所が取れるか不安であったが、通路をうまくすり抜けて操舵室の横の最前列に釣り座を構えることになった。
竿をセットして、エサも付け終えて待っているうちに船は動き出したが、丁度その時にヨット大会のヨットが一斉に寄港して

沖には50艇以上のヨットが見えた
いるところだった。
天気は曇り時々晴れ、風は僅かにあったが、この時だけ風が止んでしまっていて、ガリンコ号の進行方向に女性が操
る1艇がポツンと取り残され必至に帆を操るも、風がないときはただのボートであった。5分ほどの時間をかけてから安
全な位置まで流されて、ようやくガリンコ号のエンジン音は大きくなっていった。
港を出ると速度を上げたので、正面からの風に混じって時々海水が飛んでくる。操舵室の扉は開いたままなので、船長さんが「中へどうぞ」と薦めてくれるままに入り込みお話をしていると、次々と覗きに来る客にも中へ入るように薦める船長さんは、昨年のあの人である。そのうちに、船員さんが一人の男性を連れて入ってきた。
横浜から来たという50歳中すぎくらいのこの方は、冬に家族を連れて流氷を見に来るための下見がてら、趣味のハンティングとフライ・ルアー釣りの為に白滝のホテルに泊まっていると言う。
それから、船長さんとその方と3人で、ポイントに着くまで色々なお話をして盛り上がった。
このとき、船長さんから名刺を頂き、2枚重なっていたことに後で気
付いたのだが、こんな大雑把なところも船長さんらしい性格が出ていると思った。しかし、英語で書かれた名刺の裏の
名前の下に小さく「Captain」とあったのは、なかなかしぶい!どれくらいの時間が過ぎたのかわからなかったが「ハイ
着きました、ここで釣りますよ」と船長さんが言ったので、すぐに釣り場に戻ると、スピーカーから釣り開始の案内がされ
た。
午後の便は実際あまり釣れなかったそうで、このポイントは当れば沢山釣れるとの船長さんのお話であったが、実際に
仕掛けを下ろすとすぐに反応があった。

       
              気さくな船長さん                        ほぼ満員状態
水深は14.5m、30号の錘を使用していたが、リールのメンテナンスが不十分だったのか軽やかに沈んでくれなかった。
妻には大き目の真ガレイがよく釣れ、わたしは20cm以上はあったが小さめの真ガレイだった。妻の横のおじさんも、
型の良いサイズが多く釣れていて、その奥の人たちは初めての様子で、開始30分以上も釣れていない人もいたことが
わかったのは「うわーやっとカレイ釣れたー」という喜びの声が聞こえてきたからだった。外道はギスカジカ・コマイ・カワ
ガレイだが、見たところカワガレイは私だけだったものの、型と引きは良かった。
ここで、一部の皆さんが相当に気にしているところの私の船酔い状況だが、天気は曇ったままで暑くも寒くもなく、うねり
も少ないせいか気分も良かった。そう、船酔いなどする気配はないのである!
真ガレイは体をそらせて釣れてくるので、小型でも重くて、ダブルで釣れたときなどは随分と大物が釣れたような重さとなった。
そんな訳で、気分が良いとエンジンの排気臭も気にな
らず、エサ付けをしていても全然OKなのだ。2つ用意していたバケツも2つ目に突入して、飛び出したカレイが数枚周囲で跳ねていたので、見回りをしている船員さんも「オー!もうこんなに釣ったのかい・・・」と言うほど順調に釣れ、立ったままでの釣りにそろそろ疲れ始
めた頃、「残り5分です。」の放送が流れた。エサは充分に用意していたので、最後の5分間に新しいエサで全力集中、
すぐにアタリがあり釣れて、それからもう一回釣れたところで、残り時間を船長さんに聞くと30秒と言った。すぐに仕掛け
を投入していると「イヤー、あと1分だねー・・・」。
最後にビク・ビクッという大きな魚の動きを感じ、合わせてから合図があるまでもう一匹を合わせてリールを巻いた。真ガレイはダブルで、大きいのと小さいのが上がってきて終了となった。妻も、隣のおじさんも釣れていて、みんながニコニコして終了となった。
いつもはシートに横になった状態で寄港となる私のガリンコ釣りだが、今回は後片付けもきちんと済ませて、ようやく顔を出した太陽を浴びながらの快適な船旅となった。船旅とは大げさに聞こえるかもしれないが、私にとって久しぶりに、自分でも信じられないほど体調良く釣りに集中することができたからであった。
全員が下船して、ステーション内で手を洗ってから車に向かう途中、船上にいた船長さんが「また来てくださいよ!」と手を振ってくれた。
どこからか焼肉の匂いがするなと思っていると、私たちの車の近くにワカサギテントがあり、その横で焼肉をしている人がいた。翌朝、船にでも乗るのだろうか?
夕食は久しぶりにスキー場の麓にある望洋(のぞみ)で済ませ、自宅に着く頃には暗くなり始めていた。小さなカレイは全てリリースしたが、それでも二人で50枚ほどあった。良いイメージで終了したいので、来年まで船には乗らないでおこう・・・と思った。

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