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■ ウトロ(フンベ)
8月5日 お盆前に釣りたいのは、カラフトマス釣り師の性(さが)である。というわけで、午前中に出発。しかし!20分ほ
ど走ったところで、大事な忘れ物に気付きUターン・・・40分遅れとなってしまった。
お昼頃から気温はどんどん上昇して、昼食を食べた音根湯では30℃を超えていた。車を降りるのが怖くなってしまうほ
どの、車の外気温表示は見るたびに上昇しているかのようだった。そんな時、札幌に転勤となったチカさんから、久し ぶりの電話があった。不思議とこの電話の後で、ふっと、今回は釣れそうな予感がしたのは、昨年のお盆過ぎのフンベ 釣行を想いだしたせいかもしれなかった。
北見市内に入ると気温は35℃になっていて、勇気を出して車を降りると・・・意外とそうでもなかったのは、湿度が低かっ
たせかもしれない。とりあえず、目的のゴアテックスシューズ激安特価品を、何故か北見でGet!
北見を離れるにしたがって気温は若干下がり始め、網走では30℃になっていた。斜里町内で食料の買出しをして、よう
やくのことフンベに着いたのが16時半だった。
車に戻り着替えをしたが、シャツもパンツも汗でびしょ濡れになっていた。二人だけでする夕食は久しぶりだったので静
かなものだったが、翌朝のことを考えて21時には床に入った。
8月6日 目覚ましは1時半だったので遅くはないかと少々不安だったが、駐車場には6台くらいしか車が停まっておら
ず、釣り場を見ると誰も降りていないようだったので、準備だけ済ませて、暑い車内から外へ出て誰かが下りるまで待 つことにした。
少しすると隣の人が準備を始め外に出てきたので、少しだけお話をしてから、もう1台向こうに停まっていたキャンピン
グカーの人とお話をしようと近づいてみたところ・・なんと!そこにいたのは、NHK「ふるさとみなさま劇場」でおなじみの 梅沢富美男だった。世界遺産に登録された斜里町で公開放送でもあるのか?意外に釣り好きだったのか?それにし ても、連れの前川清がいない?などと疑問を持ちながらも「いやーおはようございます。ずいぶん早いですねえ、知床で も人気のこの釣り場を知っているなんてお目が高い!」などとおべんちゃらを使い、あわよくばサインでももらってしまお うかと目論んでいたが、暗い中だったのでよくよく見ると、そこにいたのは美幌の清さんだったと気付いた時には、下心 丸出しだった私に気付かれまいととりなしていたので、これは気まずい!
誰のロッドも曲がらない静かな時間が続き、周囲の人たちの姿がはっきりと見えた頃、数本だけ釣れていたのが見え たものの、セッパリの古いマスだったようである。
私たちの最初のマスは妻にきた。しかし、アワセを入れたが乗らなかった。マスには興味がないという妻だったが、意
外にもガッカリしていたようにみえた。
めてしまったのは誤算であった。
そして、この時点で翌日の朝マズメにも期待が持てそうな気分になったが、「釣れたら帰る」の妻との約束を守らねばな
らず、この朝限りの釣りであることが決まってしまった。
それからしばらく静かな時間が流れたものの、私たちのところだけは相変わらず賑やかだった。しかし、再び清さんの
ロッドが曲がっていたのはほんの数秒のことで、あっという間に小さなマスがロッドにぶら下がっていたのだった。そう、 清さんのモンリミ93に軽々とぶら下がるような40cm台のマスで、思わず私が「カツオの一本釣りじゃあないんだか ら・・・」と言ったほどだった。しかし、さすがにフンベの主(ぬし)の清さんだけあって2本目をGetしたのだった。 ![]() ![]()
それから20分後の5時40分だった。今度は妻にヒットした。見ると随分大きなオスのようで、清さんが言うには上あごに
深く針掛りしているのでバレる心配はないらしいので、安心してヒット中の妻の写真を撮っていた。
しかし、抵抗するマスに対処するために前の岩に移動し始めた時、岩の陰に走った次の瞬間ラインが切れてしまっ
た・・・残念!逃がした魚は大きいと言うが、本当にそうだったようだ。
は携帯電話のj電波状態が悪いので、送信できなくて困っていた。しかし、こんな時には何でも持っている、清さんのドラ えもんポケットが役に立つのである。電波増幅アンテナ〜!ってもんで出てきたアンテナをつないでみると、あっという 間に送信できちゃった。そして、その直後には早朝にもかかわらず、キッシーさんからの祝福の電話が入り、お互いの 友情の深さを確かめあうことになったのである。
この集まりには飛び入り参加の人たちも多く、佐おじさんが「今朝バラしたマスはでかかったー!あんな奴は初めてだ
ー」などと何度も悔しがっていたり、この朝、三段の滝で2本釣ったという太平洋側から頻繁に来ている人、佐さんなど が話に参加していた。また、気温がドンドン上昇しているこの時間から釣り場へ向かう人たちもいるようで、この時期ら しい雰囲気が流れてはいたものの、魚の姿はほとんど見えず、マス網の誘導網に頭を突っ込んで引っ掛った哀れなマ スがキラキラと光って見えていただけだった。そのマスを目指してダイビングを繰り返していたカモメだったが、結局、深 すぎて諦めていたようだった。
9時半には散会し、夕マズメまでには戻るという清さんが出発し、私たちもレガオさんとともにフンベを後にした。峰浜で
レガオさんと別れてからウナベツ温泉で汗を流し、網走市内に入った時にはチカさんからも祝福の電話があり、友人の 皆様方には感謝の言葉もない。しかし、気温はこの日も30℃になっていて、木陰を探して寝ようにも太陽は真上にあっ たので、そのまま走り続けたお陰で自宅には夕方前に到着することができた。
■ 常呂漁港
8月12日 今シーズンは、土日だけのカラフトマスフィーバーとなった。網走近辺はマスの姿が少ないようで、良い話は
どこにも聞かれず、網走を見切ったキッシーさんは、フンベやオシンコシンへと足を伸ばして順調に釣果も伸ばしている ようだった。
ということで、ネット情報を集め、さらに現地へ入釣した人たちの話などで、ほぼ行くべき釣り場が数箇所決まっていた
が、知床まで走る元気もないので網走近辺の釣れている場所が候補地となり、最終的な釣り場の決定には好調なキッ シーさんの「読み」に賭けてみることにした。常呂漁港は、キッシーさんもここ数日の爆釣を知っているだけに行きたい 気持ちは山々なのだが、何といってもあの恐怖の絶壁テトラポット群の釣り場である。
鱒浦漁港に半分は決めていた私も、絶対釣りたいなら常呂漁港しかないという気持ちもあったので、キッシーさんと長
ーい検討の結果常呂漁港に決定したのである。
19時過ぎに出発したが、行き先が近いので気分的にも楽だった。同じ町内の猟師といわれているらしいベテラン釣師
のボートを積んだ車の後方を偶然にも眺めながら、やや混雑した国道を走った。佐呂間町で食料の買出しを済ませて から常呂漁港に到着すると、20台以上の車が泊っていてガヤガヤとした、釣れている釣り場独特の雰囲気が伝わって きていた。
電話では先に寝ていると言っていたキッシーさんが出迎えてくれて、少しだけ車内で作戦会議をしたが、気がつくと22時
を過ぎていたので、寝ることにした。しかし、横にはなったものの、なかなか寝付かれないうえに車内の気温が暑くなり 始め、とても寝ていられずに起きてしまったのが23時だった。
8月13日 準備を済ませて外へ出たのが0時少し・・・キッシーさんと連れ立ち、ビルの3階ほどの高さがある防波堤の梯
子を登った。若干風が強く、そのお陰で涼しくて蚊にも悩まされることは無かったが、久しぶりのテトラポットは高層ビル の工事現場のように恐ろしいものであった。少し先に釣り場に降りていたグループのリーダーらしき人と挨拶を交わして からお話をし、キッシーさんと充分に検討してから、この日の釣り座を決定した。
しかし、釣り開始時間までは3時間以上もあるので、釣り座の真上のテトラポットで休憩することにした。最高のポイント
といえる場所は、タモ網などで場所取りされていて誰もいなかった。後で聞いたのだが、どんなに頑張ってもその場所 の確保は不可能だという。しかし、自分が確保した釣り場で待っている人は数人しかいなかった。
テトラポット上で寝るということは不可能ではないが、私たちには絶対に不可能なことで、テトラポットの隙間が十数メー
トル下の海中まで続いていて、それが見えてしまうのだから恐ろしい。時々場所を探して近くを通る人たちを見ながら、 キッシーさんとの会話を楽しんだ。この夜キッシーさんに教えていただいた、遠く北の空に見えるというしし座流星群の 光の美しさは、これまでに見た流れ星などとは比較にならない巨大な花火のようなもので、太いが長くはない、しかしき らめきが長く続く不思議な天空ショーを見たような気がした。
3時半近くなったので妻を迎えに車に戻ったが、いくら呼んでも返事が無い・・・妻は準備を整え、すでに出発していたの
であった。
妻は私たちがどこにいるのかわからずにあちこち探し回ったようで、携帯電話の使い方を知っていれば問題はなかっ
たのだが・・・必至でボタンを押しているうちに、ようやくキッシーさんにつながったということだった。テトラポットの上に妻 の姿を見つけ、連れ立って釣り座まで降りてみると、早くも相当な数の釣り人で隙間なく埋まっていた。
海面が見えはじめた3時40分頃にはほぼ全員がキャスティングを始め、周囲でもポツポツ釣れ始めていた。そして、異
常なほどの海中の様子が、ラインを伝わってきたのであった。マスの数の多さのせいでラインに触れるマスであろう、ブ ルブルと伝わってくる・・・もしもここでアワセを入れたら、スレ掛かりしてしまうだろうと思えるほどだった。
んだ!おっと、私にも来たー!これぞ正(まさ)しくカラフトマスフィーバーと言える状態になった。ひとつ難点をいえば、 狭いテトラポット上での釣れた魚の処理が大変であった。もちろん、いつものような魚の計測もできなかった。
オスが釣れたらリリースし、この日の持ち帰り本数は7本と決めていたので、キッシーさんから頂いたメスを含め、すで
にキープ本数に達しそうになってしまっていた。
しかし、キッシーさんの釣ったマスがメスだと分かり、これを私が「いるのか・いらないのか?」私に聞いていたらしいが、
釣果が落ちるようだった。帽子岩の師匠の話では、釣り場全体を埋め尽くす人出の中で、全体20本程度らしい良くない なかでも、師匠の奥さんが1本釣ったということだった。
に散会することにした。翌日の釣りもキッシーさんと同行予定なので、この後の予定は夕方までに決めることにして、こ の場で別れた。
■ 鱒浦漁港(夕マズメ)
8月13日 網走市内に移動してから、網走湖岸にある国道の駐車帯の木陰で仮眠していた。目覚めたのは13時近い時
間だったので、3時間近く寝ていたことになる。車の温度計は33℃・・・本当にそんなにあるのだろうか?疑いたくなるよ うな高温だったが、網走刑務所近くの車道上の温度計は34℃を表示していた。
昼食は久しぶりに「日曜島」へ行ってみた。駐車場に降り立ってみて初めて、外の気温を体感・・・焼け付くような暑さで
あった。冷房が効いた店内だったので、食後もすぐには車に戻る気がしなかった。食後は市内のスーパーに入りうろつ いていると、ウルシさんの奥さんに遭遇!いつもの釣り着姿ではなかったために「誰ですか?」状態だったが、ようやく
ていたが、ロッドとタモ網を持って釣り場へ向かう人を見ているうちに、ムラムラと釣りたい気持ちが起こってきてしま い、第四埠頭でのんびり釣りをしたいという妻を残して釣り場へ歩き始めていた。
以前、下見に来たことがあったので様子はわかったいたし、釣れるポイントはキッシーさんに聞いていたが、夕マズメと
いうのにたくさんの人で一杯だった。疲れと睡魔のせいか奥までは歩く気力もなく、近い場所でキャスティングしている と、メガ弟さんの声がしてキッシーさんの姿も見えた。
何投かキャストしてみたものの、周囲では1バラシのみで釣れていない・・・奥を見るとロッドが曲がっているのが見えた
ので歩いていくと、キッシーさんの一つ隣に入れそうな場所を発見!そこに入れていただくことにした。キッシーさんはす でに1本釣っているそうで、彼が最も理想としていた「遠くの届きそうにない群れを発見し、モンリミ11PMを使ってルアー を送り込み、ヒットさせる」という、彼にとって完璧な釣りができたとご満悦の表情だった。
行った。この一件で、キッシーさんとメガ弟さんの手厳しいバッシングを受けながらも、予定になかった夕マズメの釣果 には大満足だった。
しかし、車に戻ると一人残してきた妻の機嫌を損ねていたようで、なだめるのには多少の時間が必要となった。
その後、キッシーさんと3人で夕食を食べながら翌日の打ち合わせをして、今回もまたまた用意していたワインを最後
に飲んで爆釣祈願をしたが、今回のワインは、小樽のナイヤガラ(ぶどう)そのものの香りが良かったものの、味わい は今ひとつかな・・?翌日も早起きなので、21時過ぎには寝ることにした。実に長ーーい一日であった。
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