8月の釣り vol.2



    ■ 鱒浦漁港(朝マズメ)

8月14日 0時起床。2時間半ほど眠ることができたので、爽やかな目覚めであった。準備を済ませてキッシーさんととも
に出発。漁港内は泊まり込みの車が沢山あったが、エンジンを掛けっぱなしで周囲に迷惑をかけているような人たちも
いたようだった。漁港の先端部に向かって歩き、途中で幾つか下がっているロープを伝って2mほどの高さの防波堤に
上るのだが、荷物の重さのせいか、キッシーさんのおしりを押さなければ上れないようで、ジタバタしていたのが実に印
象的で、昨夜の常呂漁港のテトラポットを降りるときの、キッシーさんのへっぴり腰を思いだしてしまった。しかし、上り
終わった後で「奥のほうに階段があるんだよねー」じゃあ、あっちから上ったら良かったんじゃあない!ホントにもう・・。
ということで、私はもう少し先へ進み、大きな玉が付いているロープから楽々と上らせていただいた。
テトラポット上には、すでに場所取りのタモ網や荷物などが置かれていたが、人は誰もいなかった。鱒浦までもこんな状態なのかとガッカリしたが、真夜中からその場で何時間も待つことは確かに厳しすぎる。キッシーさんの薦めてくれた場所に決めて、その場で夜明けを待つこととなった。しかし、キッシーさんは少しでも多くの釣り人が入れるようにと、最低限の場所だけを確保したので、タモ網1本分と少しで済んだ。
テトラポット上での待ち時間は長かったが、昨夜の高いテトラポットとは違い、気分的には随分と楽だったし、平らなコンクリートの通路があったので、荷物もそこへ置く事ができた。しかし、空は曇りがちで、星は昨夜の半分も見られなかった。
どこからか聞こえてくる花火の音で、ずいぶん早くからやって
いるなあと思ったが、普通は寝る時間がこれからだった・・・。
そのうち、私たちの釣り場の横にやってきたのは地元の釣り人で、話しやすいおじさんたちだった。色々な話しをしなが
らの待ち時間となったので、結構な時間つぶしになったかもしれない。
この日は海でも漁港内でもマスが跳ねていて、ボウズはあり得ないだろうと考えてしまうほどであった。しかし、途中か
らやってきた若者たちが、港内で挑戦していたものの釣れた様子はなかった。時々、場所取りのための釣り人たちが
通路を通って行き来していたが、その場所に残る人は誰もいなかった。
妻も暗いうちに到着して待っていると、ようやく明るくなり始めたが、まだ3時半だった。海面はまだ見えず、もう少し時
間が必要だった。少ししてから気が付くと、キッシーさんのロッドが曲がっていた・・・なんと!いつの間に始めたのだろう
か?しかし、それは根掛りだった。

キッシーさんの1本目
そして第2投をした3時40分・・・ヒット!今度は本物のヒットだった。すかさずキッシーさんは「写真とってー!」と言う・・・こんな暗くて写るかなあ?それでも数枚フラッシュをたいて写したが、もちろん人の姿しか写ってはいなかった。
キッシーさんは暗闇の中で、「見えないゾー、どこだ魚はー!」などと叫びながら、キャップライトの明りを頼りにタモ入れをしていた。周囲では、キャストさえしていない人たちばかりだったので、3回ほどのカメラのフラッシュと、釣れたぞー!の声に慌てて準備をしていたようだった。
私も、それでは「浜一」がキッシーさんなら「浜二」を狙おうとキャストしたが、すでに多くの人がキャストしていて、左奥で
先に誰かがヒットしてしまった・・・。が、すぐに私にもアタリがあり、グッと重くなってアワセを入れた。
キッシーさんがヒットしてから5分も経過していない短時間の出来事だった。「浜三」は不本意ではあったが、狙った釣果としては満足だった。
4時を過ぎると周囲でもバタバタと釣れ始め、昨日の常呂と同様に騒然とした空気が流れ、これは絶対に釣れると思えるような状況となった。4時02分、キッシーさんに再びヒット!「写真!写真!撮ってー!」キッシーさんのおねだりだが、仕方ないので早巻きして撮影した。 
すぐに、今度は妻にヒット!タモ入れをしてあげてからキャストすると、数投で私にもヒット!慌てて妻が魚を出して私の横にタモを置い

私の1本目
ていく・・・3人が丘に上がって魚の処理をしているというスゴイ釣れ方だった。

    
              妻の1本目                        しばし、朝焼けに見とれる・・・
4時10分過ぎには正面の空が赤くなり始め、朝日が昇ろうとしていたので、釣りを中止して写真撮影・・・実際、釣れすぎ
ていたのがイヤになっていたと言えば大げさかもしれないが、何となく釣りをする気力が失せていたのだった。
しかも、密集しているので左側の人とオマツリすることも多く、何故かウキルアーをしている人が私たちの方へ斜め投げ
をしてくるので注意しなければならなかった。妻の隣の人は「真っ直ぐ投げようよ!」と注意するほどであった。結局、こ
の人は最後までウキルアーで、斜め投げも時々していた。
   

私の最後の1本
この日のリリースは2本だけだったが、1本目のリリース時に、妻の隣のまだ釣っていなかった人が、「そんなことするなんて・・ありえないことだ」というような顔をしていたそうだが、この日のキープ数は5本が限度だったので仕方がなかった。変な目で見られたとしても、無駄な殺生をしてはいけない。
私たちの場所は遠めでヒットしていたが、時間の経過とともにさらに沖目に移動していた。4時半にヒットしたマスは随分と遠く、「マスはどこだ!」そう叫びながら巻くほどで、実によく走る元気なオスであった。左側のテトラポットに走ったときは、ラインが切られてしまうのではないかと思うほど勢いがあった。更に、走ったせいか誰かのラインにも絡んでいる様子で、手ごたえが違っていた。そして、フッと軽くなってしまったのでバレてしまったと思ったが、絡んだ人のラインが切れたようだった。絡んだ人も思い切り巻いていたのだろうか?
そして、その後なんとか無事タモに入った。
大きさは58cmだが、丸々と太っていて美味しそうだったので、自宅用にキープすることにした。
しかし、このマスが私のこの日の最後の一本となってしまった。そして、その10分後にはキッシーさんの最後の1本が釣
れて、それはリリースとなった。もちろん、このときも写真撮影をしたのは言うまでもない。
妻も順調に釣っていたが、隣のベテランの方がなかなか釣れず、根掛かりと斜め投げに苦しんでいたために、すっかり
妻も気疲れしたそうで、マズメが終わった時間になってからようやく1本目を釣って、本当に良かったと二人で喜んでい
た。
この日、浜一に喜ぶキッシーさんではあったが、彼の目の前には根掛かりポイントがあり、何度もそこに引っ掛かってしまう場面みられ、横にいた私は「また釣れたー?」と聞くと「根掛かりダー・・・」そんなことが何度もあり、ルアーのロストは3個にもなっていた。
しかも、これまで信頼していた新しいファイヤーラインがトラブル続きで、アワセ切れ、キャスト切れにより、合計で5個ものルアーを消費していたのであった。さすがのキッシーさんからも表情には見せないが、やり場のない怒りを感じ取れたが、すっかり寂しくなってしまったルアーケースには哀愁すら感じてしまったのは、長い付き合いの中でも初めてのことだった。
というのは、彼はミスが少ない慎重な男として誰しもがそう思っていたからであり、途中からは話しかけるにも気を使ってしまうほどだった。私たちの周囲では4時半を過ぎた辺りからすっかり魚がいなくなってしまったが、この釣り場の好ポイントと思われる場所では頻繁に釣れていて、そこに入釣していた2年前に帽子岩でお話をした事のある北見から来たという人が、二桁釣りを

これはヒット中・・・
していたようだった。
途中、レガオさんから入った電話ではオシンコシンが沸いているらしく、この時点ですでに8本釣っていて、他の仲間も
数釣りをしているようだった。しかし、帽子岩に入っている師匠からは、全体120人以上という混雑した中で僅か10本に
も満たない釣果らしく、今シーズンの帽子岩は厳しかったようであった。


この後、メガ弟さんが普段着でやってきて、結局早起きができなかったらしいが、僅かの時間見ていただけで帰ってし
まった。
魚の気配がなくなってしまった後は、だらだらフィッシングになってしまい、キャスティング回数も少なくなり、二日間の疲れが出たのかキャスティングミスが連発・・・最後には、絶対の信頼を置いていたスイベルのロックが外れてルアーだけをロストしてしまったところで納竿。
傷心のキッシーさんは続けていたが、お腹も空いてきたし、やる気はすっかりなくしてしまっていた。

朝マズメにキープしたマス
釣果は、私4本、妻とキッシーさん各3本で、バラシは各自2〜3本程度だった。
車に戻って涼んでいると、しばらくしてガックリ肩を落としてキッシーさんも帰ってきて、一緒に車内で朝食を食べていたところ、またしてもメガ弟さんが現れた。
しかも、今度はロッドを持ってサングラスをして、釣りバックまで持っている・・・だが、タモは持っていない・・・。釣り場へ
行くことは何とか引き止めて、車内で談笑となった。
その後、昨年何度かフンベでお会いしたコマさんがフンベの帰りに現れて、知床の帰りに鱒浦で釣るという元気のよさ
には驚かされてしまった。
オシンコシン帰りのレガオさんを待っていたが、あれから更に釣れたようで12本釣ったというレガオさんはとうとう現れな
かった。10時過ぎには解散することとなったが、ウグイの大群を見ようと港内を見に行くと、そこにはマスの群れがい
た。キッシーさんもメガ弟さんもすぐにタックルを持って走ったが、私たちはそのままそこを後にした。
この日の網走は29℃で、前日よりは幾分涼しく感じられたものの、やはり暑かった。昼食に常呂レストハウスに寄り、途
中で仮眠をとってから走ったので、16時過ぎの帰宅となった。


翌日、このままでは終れないキッシーさんが、再び鱒浦に出撃したそうだが、見事返り討ちにされたことは言うまでもな
い・・・・・。連日の出撃だったので、休憩が必要なのであろう。





    ■ フンベ&第四埠頭

8月19日 最後のカラフトマス釣りになるだろうと思い慎重に釣り場を考えてみると、網走は依然不調らしいし、常呂は
濁りが入っていて釣りにならない・・・となると、知床しか釣り場は残っていなかった。
今回はレガオさんが同行するが、私たちの到着時間が遅いので先に寝ているはずであった。出発時の厚い雲は次第
に薄くなり、サロマを過ぎると満月に近い丸い月が進行方向に現れ、いつになく明るい道を快適に進むことができた。こ
んな夜には動物たちも月見をするのか、歩道に出てきていた鹿が、急に車道に歩き出し始めた。とっさのことに驚かさ
れ、急ブレーキとなってしまったものの、衝突することなく無事に通過。
能取湖では、湖面に映る月の明りがキラキラと輝くように映えて美しく、まるで違う世界を走っている気がした。しかし、
知床はまだまだ遠かった。
オシンコシン駐車場には5台ほどの車が停まっていて、トイレから出てくると釣り人なのかそのような話し声が聞こえて
きた。三段の滝駐車場にも3台ほど、各釣り場にはお盆の後でも釣り人が、こんな時間からやってきているのだ。
フンベ駐車場には22時45分到着、レガオさんは起きていた。釣り場からやや右に離れた川原から上がった打ち上げ花
火が見えたが、キャンプでもしているのだろうか?それとも、ただ集まっているだけなのだろうか分からないが・・・。
到着したばかりで寝られるはずもなかったので、レガオさんと近況報告をしながら軽くビールを飲む・・・・・


8月20日 ・・・・・気が付いて時計を見ると1時近い時間だったので、車の中で寝るには面倒なので、準備だけ済ませて釣り場で寝ようということになった。駐車場の車は10台程度と少な目なのが気になったが、月明かりの下で川原に降りて手頃な岩場を探し、キャンプマットを敷いて横になった。しかし、横になってはみたものの、眠ることはできずに起きていた。
風が少しだけあったせいか蚊に悩まされることもなく、一時的に雨が降ってくることもあったが、涼しくて快適な夜だった。
明るくなる前に妻も到着して、4時過ぎにはキャスト開始。しかし、誰も釣れない・・・ようやく近くで釣れた魚は少し古い感じがするマスだった。
マズメも終わりかなという時間になってから、鈍いアタリに我慢しなが

釣り場での過ごし方
らもアワセを入れたが、乗らず、キラキラ・クネクネと見えただけのマスが唯一の私の手ごたえだった。レガオさんもアタ
リだけはあったようだが、妻にはアタリさえなかったということである。
釣り人35人ほど、全体10本少しという期待外れの寂しい釣果だったが、6時5分前にレガオさんにヒット!しかし、ヒットしたが飛んでいる・・・・・カモメだ!レガオさんのロッドは鳥とはいえなかなか良いしなりを見せていて、飛ぶのでマスのように簡単には寄せられず苦労していたが、うまく岩の上に乗せたところで私がレガオさんのジャンバーで覆っておとなしくなった。以前誰かに聞いたとおり頭を覆うとおとなしくなり、羽に絡まっていただけなのですぐに外してあげると、カモメは元気に飛び立っていった。
その後は雨も降ってきたので納竿。車内で朝食後にフンベを後にした。もちろん、ウナベツ温泉で汗を流してから知床を出発したことは言うまでもない。
小清水の道の駅で仮眠をとった後、昼食は北浜の駅跡をそのまま利用した、食事ができるお店「停車場」に入った。入口のおすすめメニューのオムライス、それとカニラーメンを注文して待っていると、網走
方面からの列車が到着した。 
僅か1両の列車には意外に乗客が多く、立っている人もいるくらいで、観光客の写しているビデオに照れているように、
数分の停車をしていたが、警笛の音とともに斜里方面へ走っていった。
食事を待つ間に注文したバナナジュースは、フィリピンバナナの生の味が新鮮でなかなかいける。ラーメンは少し物足りない味だったが、オムライスは美味しかった。これはなかなかおすすめである。
網走に入って、鱒浦は数人の釣り人しかいなかったので、第四埠頭を覗いてみると、開放中だった。
釣り場の様子を見ようと中へ入ってみると40台以上はいるが、雨が降っていたので車の中で休憩中の人も多く見られた。近くの人に聞いてみると、釣れていないらしく、その人の横にいるおじいさんが少し前に1本釣ったそうであ

停車場
る・・・しかし、このおじいさんはイヤホンで高校野球の決勝戦を聞いているらしく、何を聞いても答えてくれないそうであ
った。
実績のある場所が空いていたし、時間も早かったので少しだけ遊んでいこうと決めたのが15時頃だった。マスは近くを
回遊しているらしいのでタラシ竿もセットして、キャスティングしていると・・・なんと!誰かがカモメを釣っていた。今朝の
レガオさんに引き続き2羽目だった。その後、取り込みをする前にバラシていたので、カモメとしては幸運だったろう。
釣り人の中には投げ釣りをしている人もおり、鈴の音が聞こえる方向を見ると手のひらサイズのカレイと、これまた手
のひらサイズのヒトデがダブルで釣れていた。
それから少しして、もう少しで巻き取るほど近くになってから軽いアタリがあり、次の瞬間に重くなったが、食いも浅くてフ
ッキングせず、今朝のフンベと同じキラキラ・クネクネが見えてマスは海中へ・・・。その後は全く気配もなくなり、タラシ竿
に小さなガヤが釣れただけで納竿した。
帰り道は霧雨が舞っているなあと思ったら、すぐに止み、再び霧雨・・・そんなめまぐるしく変わる天候の中を走っていた
が、白滝付近では前が見えなくなるほどの大雨が降り、その後は晴れていたという実に忙しい天気だった。
カラフトマス釣りは今回で終了となり、次週からはアキアジ釣りに変わる。マス不調の網走に、アキアジはいつも通りや
ってくるのだろうか?網に入っているアキアジの数は増えてきているのだが・・・。





    ■ 帽子岩&第四埠頭

8月26日 台風が接近していたものの、はるか道東沖に進路をとりそうな天気図を確認したので安心して出発したが、
網走近郊の釣り場には良い話は聞こえておらず、海も荒れないとなると期待は更に小さなものとなっていた。帽子岩駐
車場には5台ほどしか泊っておらず、予想されていた波の高さ2mは、いつものことながらまたまた大ハズレのベタ凪で
あった。
23時過ぎには、仮眠をとる予定がアキアジの針を結んでいるうちに、興奮して眠れなかったと言うレガオさんが現れて、
軽くお酒を飲んでから寝ることにしたが、気付いた時には27日になっていた。



8月27日 3時起床、数組の釣り人の歩く音が聞こえてきていたが、駐車スペースにはまだまだ余裕があった。準備を
済ませて外へ出て、レガオさんの支度を待っているところに、大きなクーラーボックスを引いてやってきたのは師匠夫妻
だった。
4人で歩きながら釣り場を目指し、10分ほどでポイントに着いたが、場所はどこでも好きなところが取れる状態で、それ
でも一番人気の十数メートルの範囲は場所取りがしてあった。
生憎(あいにく)の曇り空に時々雨が混じってはいたものの、弱い雨だったので何の問題もなく、楽しくお話しをしながら
夜明けを待つことができた。少ない釣り人の中にも暗いうちからルミコを付けてキャストしている人たちがいて、少なか
らず釣り場の雰囲気は感じることができた。
3時半過ぎにはウメちゃんと妻が到着したが、まだまだ暗かったので妻だとはすぐに気付かなかった。
厚い雲に覆われた雲の切れ間などどこにもない空のために、夜明けが遅く、キャストを始めたのは随分と遅くなってしまった。釣り人は僅か20人足らず・・・もちろん誰のロッドも曲がらず・・・というわけでもなくて、師匠はさっそくウグイをGet!続いて師匠の奥さんもウグイをGet!アキアジやマスのアタリは全くないが、小魚の小気味よいアタリは長く続いた。
そんな中で4時半には、本日初のマスが左3人隣で釣れた。マスかあ・・・アキアジタックルで挑んでいた私たちの期待感はしぼんでしまい、いくらか戦意は喪失したものの、マスでも釣れた人は幸運だった。

釣り人が少なすぎる
昨日はマスが2本釣れただけで、それも7時過ぎだと言う話で、地元のベテランさんたちは6時を過ぎた頃からポツポツ
とのんびり歩いてやってきていた。
そして、問題の7時を過ぎた頃に近くの人にマスがヒットしていた・・・しかし、バラシ!簡単に諦めた私たちは、7時半前
に納竿していた。
駐車場に戻り、レガオさんや師匠夫婦と別れてから朝食を済ませて休んでいると、師匠から電話があり、第四埠頭が
朝から開放中になっていると連絡が入った。しばらく休んでいると、次々と帽子岩に向かって歩いて行く釣り人の姿がみ
られた。何の未練もなく帽子岩を後にして第四埠頭に行ってみると、9時近かったせいもあり混雑はしていなかった。
何度かお話をした事のある顔見知りの方とお話をした後、この朝サケとマスが1本ずつ釣れたというこの方の近くで始めることにした。もちろん、第四埠頭も全体3本という貧果だったので期待などせずに、開放中という予想外のうれしさだけで釣り始めたようなもので、天気も青空が全体に広がり始めていた。
お昼近くになると気温も27℃を超えて暑くなり、師匠も納竿してしまい、釣り人は竿を置く時間が長くなり始めていた。
しかし、この釣り場ののんびりした楽チンな釣りに、フンベに行こうと話していたレガオさんとの約束も忘れかけていた。
マスが釣れるフンベと歓楽街が近いこの港を秤にかけた時、どちらを選ぶのか難しい判断となったのである。
その後、気温は29℃まで上昇、第四埠頭を離れて網走観光ホテル
の温泉に入ってから、再び埠頭に戻って昼食を食べた。その後レガオさんが現れたが、釣りはせずにビールを飲んだ
り昼寝をして過ごしていた。
16時頃にはキッシーさんも現れ、師匠夫妻も現れたが釣りはせずに、みんなでのんびりとおしゃべりを楽しみ、もちろん
他の釣り人の誰のロッドも曲がることなく夕マズメが終った。


8月28日 3時過ぎに目が覚めたが、外に出るとメガ弟さんと師匠が起きていて、その後レガオさんも起きてきたが、す
ぐに車に戻って寝てしまった。キッシーさんは少し遅れて起きたが、道具の準備だけ済ませてあしゃべりをしているだ
け・・・釣り場全体が霧に包まれて、どこにいるのだろうかと思うほど不思議な空間に感じてしまった。
私たちはほとんどキャスティングをせずにイスに座ったり、コットを出して寝ていたりしたので、ダラダラフィッシングとい
うよりは、ただ単に埠頭で何の目的もなしにくつろいでいるだけの集団だった。しかも、レガオさんは何度か時々起きて
くるものの、1分もしないうちに車に戻り寝てしまっていた。
私たちの中では、ただ一人釣りを楽しんでいたのがメガ弟さんであった。エサやワームを使い、ハゴトコ・ガヤなどを次々と釣ってみんなの目を楽しませてくれたが、仕事のために6時半には埠頭を去ってしまった。
霧も晴れて、昨日に続き青空が広がると釣り場全体が見えてきたが誰も釣れておらず、100人以上はいると思われる釣り人たちも少しずつ帰り始めているようだった。
そこに現れたのが移動ラーメン屋さんで、私は一度も利用したことはなかったので興味はなかったが、キッシーさんは大喜びだった。
しかもこのラーメン屋さんは、今までに見たことがない「飛龍」というお店だったせいか、キッシーさんの期待は大きくな
るばかり・・・何度も開店準備を偵察したり、まだかまだか?と、うるさくなるばかりで、最終的にはレガオさんも私たちも
巻き込まれ、一緒に食べてしまうことになるのであった。
ようやく開店したのは7時過ぎで、寝ていたレガオさんを起こして4人で出かけてみると、トラックを改造したお店はビニールで3方を囲みサイドオーニングのように日除けが施され、テーブルが2つとイスが用意されていて、箸やコショウな
どは衛生面を配慮してタッパに入れられていた。もちろん、冷たい水も紙コップで自由に飲むことができた。
つこと数分、出てきた醤油ラーメンは意外に普通のお店で食べるラ
待ーメンと変わりなかった。私の記憶にある、過去に埠頭入りしていた移動ラーメン屋さんに「すっぱいぞ、オヤジ、こ
のラーメン?」などと言っていた清さんの言葉が想い出され、そのせいもあってなかなか移動ラーメン屋さんには足が
向かなかった。しかし、これからの季節は寒くなるので、時には体を温めるための移動ラーメン屋さんは活用したいと
思った。
朝から大盛りを注文していたレガオさんに対抗して、キッシーさんも大盛りの、しかも味噌味だったが、結局は食べ切れ
ずに残り全てがレガオさんのお腹に入ってしまった。それにしても、朝から、寝起きなのに旺盛な食欲である。
釣り場に戻ってからもダラダラムードはそのままで、キッシーさんはこの時点でまだ10回もキャストしていない状態だっ
た。もちろんレガオさんは一度もキャストしていないどころか、ロッドさえ出していなかった。そのうち、師匠夫妻が納竿し
て、釣り場も僅かの人たちが頑張ってキャストし続けているような状態だった。
昨年何度かお会いしているヒデさんがやってきたが、20分ほどキャストしたかと思ったら、あっという間に撤収してしまったのは正解だったと思う。私たちのように、埠頭でのおしゃべりが中心であるならば何時間でも過ごせるが、釣りたければ場所を即座に変えるか、狙いを変えるべき釣り場であった。
9時過ぎには、この日の初マスが近くで釣れたが、これに奮起して始めた私たちのキャスティングは、僅か数投で中止されてしまったことは言うまでもない。しかし、この日この時間までの唯一の釣果があった方は、朝から休みなく粘り続けたおばさんだった。やはり、辛抱強い女性に釣りの神様は微笑んでくれるのだろう。
その後、またまたフンベ帰りのコマさんが現れて、この朝は全
 体30本ほど釣れていたらしいが、河口に集まり始めた食わないマスがほとんどだったようで、状態が落ちてきているカ
ラフトマスも終焉(しゅうえん)に向かっているようだった。
暑く感じるほどの好天の中でおしゃべりを楽しみ、11時にはようやく埠頭を後にすることとなったが、釣れていない情報
を知ってか知らずか、埠頭には次々と釣り人がやってきていた。
北見市内でキッシーさんおすすめのラーメン店での昼食を、と考えていたものの、朝から埠頭でラーメンを食べてしまっ
たので何を食べようか迷ったが、国道沿いにある妙な雰囲気の中華料理店に入ってみることにした。店名は「笑安記」
といい、店内には中華料理独特の香りが漂っていて、厨房が丸見えになっていた。客席は少しだけ薄暗い感じの庶民
風の雰囲気で、個室のようなやや狭いテーブルではあったが、味はまあまあ。今回は酢豚と焼ソバの定食だったが、
他にも色々食べてみたいような期待感を持って店を出た。
食後は温根湯の道の駅で仮眠をとり、前を走る遅い観光バスに悩まされながらも、夕方には自宅に着くことができた。


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