9月の釣り vol.1



    ■ 帽子岩&フンベ

9月2日 釣れていなくても出かけずにはいられない・・・そんな釣行が続いているが、今週末も状況は先週とほとんど変
わっていなかった。しかし、唯一!レガオさんが昨日の帽子岩で、アキアジを釣ったようである。
いつもどおりに出発したものの、網走に着くまで弱い雨が降っていて、風もあり、方向からすると多少の濁りも出ている
かもしれないと思ったが、帽子岩駐車場に着いてみたところ波は穏やかであった。
久しぶりに二人だけで夜を過ごしていると、師匠も網走入りしていたようで、翌朝会えるとのことだった。翌日が休みの
レガオさんからも連絡があったが、なんだか泥酔状態で少し心配・・・。駐車場はロープで駐車場の場所取りをしている
連中もいたが、全然混んでいない。


9月3日 どうせ釣れないのだからと3時半に出発。釣り場の入口まで着いて唖然・・・・・波が高くなっていたのである。そ
のまま奥まで進み、波の心配がないポイントで見たことのある二人連れのシルエットがあった。ここで師匠夫妻と一緒
になり、師匠の隣で始めることにした。
そして、再び問題発生!地元の師匠の知り合いが教えてくれたのだが、この場所は縦網の支えとなる横綱が張ってあ
る場所で、20m程しかキャスティングできないとのことだった。明るくなりかけると、波の間に時々見え隠れするロープが
確認できて、周囲の人たちよりも遅れてキャスティング開始。その後、レガオさんはどうやら二日酔いの様子で、この日
は頭痛のために来られないとのことだった・・・残念。
       

全体40人ほどの釣り人の中、確認できた釣果はウグイ程度であったが、後から聞いた話では1本だけマスが釣れてい
たそうである。ストレスが溜まる中途半端なキャスティングに痺れを切らした私はウキ釣りを始めたものの、一瞬のミス
でロープに引っ掛けてしまい、ラインを切ろうと引いてみるがチタニウムラインは切れる気配がないどころか重いロープ
が寄ってくるほどで、ようやくにして切れたと思ったら針が折れてしまっていたのであった。チタニウムラインは1.5号とは
思えないほど強い!
5時には2隻の漁船がやってきて網起こしをしていたが、随分と遠くてどのくらいの魚が入っているのかは確認できなか
った。およそ15分程度の時間だったと思う。
時間の経過とともに入口付近の釣り人は帰ってしまったので釣り場を移動してみたが、ささ濁りが入っていて期待でき
そうになく、妻は車に戻ってしまった。師匠も移動してきたので、それから30分ほどキャスティングして7時半まで粘って
から、諦めて納竿した。
朝食後、埠頭に行ってみると、大型の客船パシフィック・ビーナスが停泊中で、もちろん閉鎖中だった。客船は外観だけの見学が可能らしく、第五埠頭側に設けられた入口から数台が入っていた。
第五埠頭の状況は、帽子岩よりも更に厳しく1本も釣れていないそうで、カレイ釣りをしている人たちも多く見られた。
このままでは、翌日も期待できないだろうと考えた私たちは知床を目指すことにした。というよりも、9月の知床の釣りというものを体感し、各釣り場も覗いてみたかったのである。 
途中の砂浜にはブッコミの竿が並んでいて、アキアジ釣りも本番だなと思われるいつもの光景がみられ、藻琴河口では河口に一列に並んだ釣り人の姿が、真昼だっただけに異様な光景にも見えて、並ん
だ人たちが海に向かって立ちションでもしているようにも見えたのである。
まずはウナベツ温泉でさっぱりしてから出発したが、オチカバケ河口に近いカーブで車が停められてしまった・・・前方に
は交通事故で前部が大破した乗用車が見られ、なかなか動かなかった。私たちの車はカーブの途中にあったので、後方から来る車のほうが心配だったが、ゆっくり走ってきた観光バスが見えて一安心。しばらくして事故車が動かされ、なんとか走り出したものの、すれ違う車のパッシングに速度を落とした先にはレーダーパトカーがいた。幸いナビに映る川と照らし合わせながらゆっくり走っていたので、難は逃れた。
ウトロまでの各釣り場を眺めながら走ると、どの河口にも数台の車が停められていて、釣り場にも釣り人の姿が確認できた。観光客などに人気の遠音別河口は、観光バスなどの見物客であふれていて、河口には10人ほどの釣り人が見えた。
知床のあらゆる河口が、こんな昼間でも釣り人がいるのは釣れている証拠なのだろうか?それでも私たちは目的のペレケへと向かった。
ウトロ市街に入ったが、どこからペレケに入るのか分からなかったので多少迷ったものの、河口に並ぶ釣り人の姿でそこを見つけることができた。
しかし、河口はヒッカケ、その近くはウキ釣りで、なんとか形だけルアーを振っているような期待感のない釣りとなった。

 

それでも、初めての場所は体験するだけで充分で、ペレケという釣り場の雰囲気は味わうことができた。
夕焼けを見てからフンベ駐車場に移動して、遅めの夕食を楽しみつつ晩酌のようなお酒を飲む。疲れのせいか9時前
には寝ることができた。


9月4日 2時半起床。外に出ると車は少なかったものの、私が好きなポイントにはすでに釣り人の姿があった。こうなる
とあきらめムードというか、場所などどこでもいいや!そんな気持ちで車に戻り、ゆっくりと準備を始めた。
3時に意を決して釣り場に降りると、好きなポイントは5人ほどの人で埋まっていたし、右河口は待つには落ち着かない
ので、5人組の人たちの横に釣り座を決めた。いつもの私であればすぐに話しかけて、情報交換などをして退屈しのぎ
をするのだが、夜明けまでの待ち時間が少なかったので岩に座ってボーっとしていた。
ガメラ岩の方角から明るくなり始めた頃、ウキで始めるか、最初からウキルアーにしようか考えていると、左隣の方が
ルミコを付けたウキを流し始めたので、ウキ釣りから始めることにした。そのうち妻が到着し、周囲が見えるほど明るく
なってきたので準備をしていると、左隣の方が「○○さんじゃないの?」と声を掛けてくれた・・・なんと、コマさんだった。
コマさんは虫除けのためかフードを頭に被っていたので、暗闇では全く分からなかったのである。知り合いはいないだ
ろうと思っていた釣り場にコマさんがいたことで、気分的にも心強くなり、夜明けの早さも倍になったような気がした。
薄っすらと海面が見える頃になって、ほぼ全員がキャストを始めたが、大潮の満潮のせいで沖からの波が足元まで寄せてくる、フンベにしては珍しい状態だった。
コマさんと私は目の前すぐの近場を流していると、私のウキが少しだけ沈んだり浮き上がったりしていた・・・小魚かなと思っていたが、次に沈んだのはグッと深かったのでアワセを入れてみたところ、マスを確信できる確かな手ごたえが伝わってきた。
4時16分だった。見えた魚体にコマさんが「おー、銀ピカだー!いいんじゃあない!」私の目の前は岩がゴロゴロしているので、岩の間をすり抜けるように操りながら魚を導かなければならないが、半ば強引に水のない岩の間まで寄せることができた。
この日の浜一で、今季初の浜一であった。この時期にしては
ウロコがポロポロはがれるほどの銀ピカメスで、体高もあり、何よりも半月ぶりの釣果がうれしかった。

コマさん
その後、4時半にはコマさんにもヒットして、まずまずの状態のメスが釣れた後、私もコマさんもウキルアーに変更した。この日もマスの食いは渋く、妻にもアタリはあるがなかなかフッキングには至らなかった。
エサを交換してから遠投気味にキャストしてみるとアタリ・・・ヒット!コマさんが「今のは、第一投じゃあないのー!」しかし、半分ほど寄せたところでバラシ・・・。
この頃からアタリは沖目に出始め、4時45分には着水して数秒後、いたずらしているようなアタリが続いて辛抱しながらリーリングしていたところでヒット!
今度は慎重に巻いて、目の前の岩場もスルスルとすんなり誘導して

2本目
、きれいなメスをGet!5時には再びヒットするも、食い渋りのせいか目前で外れてしまい、飛んでくる自分のルアーをひょいと避けてバラシ・・・。
この日はこの後も同じような自分のルアーに襲われる場面がもう一度あった。
5時10分、コマさんが釣り上げたマスを見ながらおしゃべりをしていると、いつの間にか妻にヒットしていたようで、すで
に目の前の岩場までマスを寄せていた。セッパリまではいっていないオスで、これが妻の知床初Get!となった。記念
の1本だったので、キープすることにした。

      
                                                 妻の1本
5時半にヒットしたコマさんのマスを最後に魚はいなくなってしまったようで、全くアタリもなくなってしまいキャスティングを
中止して、コマさんとその知り合いの方でおしゃべりを楽しむことにした。早朝は20人程度だった釣り人も30人以上にな
ってはいたが、この日は全体で30本弱という釣果だった。バラす人も多く見られ、食いの渋いマスに手を焼いている様
子が伺えた。そんな状況の中でもこの日4本釣った(目の前で逃げられた1本もあったが、数に入れず)コマさんはさす
がフンベのベテランだけあるなあと感心した。私などは、6ヒットもしたのに4本もバラしてしまうヘタクソぶりだった。
気が付くと潮が引いたせいか波もなくなっていて、マス網が消えていることにも気付いた。しかし、その後も釣れる気配
がないので数投しただけで納竿とした。
すぐにフンベを出発してゆっくり休めるような場所を探しながら走っていたが、遠音別河口で遡上でも見てみようと駐車
場に入り、カメラ片手に河口を覗いてみた。河口には釣り人もいたが、目もくれず川を覗くと・・・いるわいるわ、マスが黒
くなって上流に向かって動かずにじっとしていた。この川には観光客のための近くで遡上を観察できるポイントも用意さ
れていて、階段を下りていくと目の前で魚を見ることができた。

      

観察場所と河口の中間地点に深みがあり、そこにはウキを付けたマスも泳いでいて、川辺ではじっと動かない人がウ
キ付きのマスを救おうとしていたのか分からないが、いつまでも動く気配がなかった。しばらく魚を見てから、出発しよう
としたところで妻が気付いた・・・・・フンベにウエダーを忘れてきたのだ!
再びフンベまで車を走らせ戻ってみると、コマさんたちが戻っていて「戻ってこなかったら電話しようと思っていた・・」との
ことで、大事には至らなかったのである。
三段の滝駐車場で朝食を食べながら師匠に電話をすると、帽子岩が活気付いているようで、師匠からはマスとアキア
ジを釣ったという喜びの声が聞かれた。昨日見せていただいた、あの南無阿弥陀仏と彫られた師匠手造りのサケバッ
トにも魂が入ったのであろう。
途中の斜里町ではミツバ商会に寄ってみたが、会計を済ませて帰ろうとしたところ、休憩スペースから聞いたことのあ
る声がかかった・・・FOSのdchiyanさんであった。dchiyanさんが腰痛をおして出かけた、この朝のオチカバケの様子や
最近の船釣りなどの楽しい話を伺ってから斜里を出発した。
網走では帽子岩釣り場を後方から見ることができる港に停めて師匠に電話すると、さらにもう一本アキアジを追加して
いた。ウルシさんに電話すると、ウルシさんもアキアジを釣ったようで、今から一緒にやらないかと誘われたが、楽しみ
は来週に持ち越すことにして出発した。
国道淵の網走湖横の駐車帯で仮眠をとってから、昼食を栄浦のサロマ湖が見渡せる景色の良い場所で楽しみ、自宅
には16時過ぎに着くことができた。
今シーズンの知床もほぼ終了らしく、河口付近にも熊が出没するので充分な注意が必要となる。どうしても釣りたい人
は、熊撃退スプレーなどの護身用品を持参されたい。





    ■ 第四埠頭 (初日)

9月9日 この時期になっても、まだサケを釣っていないことは初めてであった。台風が去り、私の予想では金曜日が狙
い目だと思っていたが、予想通りこの日は釣れていたらしく、8時までで全体80本とか、8時頃から釣れ始めて80本と
か、当然のことながら人によって違った情報を聞きながらも、翌日の爆釣を期待していた。
いつもどおりに19時少し前に出発、星空の下を快調に走って網走入りし、波が高い帽子岩を横目に開放中の第四埠頭
に21時20分に到着した。ここで驚かされたのが車の数で、隙間なくびっしりと早くも満車状態だったのである。
埠頭ではキッシーさんと清さんたちが出迎えてくれて、外に用意されたテーブル代わりのクーラーボックスとイス、それ
にランタンがアウトドアの雰囲気を盛り上げていた。コマさんもすでに到着していて、その仲間の人たちと賑やかな釣り
前夜を過ごしていたようだった。
まずはビールで再会(一週間しか経っていないが・・)の乾杯をして、いつもの楽しいおしゃべりが始まった。そこに現れ
たのがお笑い会から華麗なる転身をしたジミー大西で、おそらく網走港のスケッチにでも来ていたのだろうが、早くも清
さんやキッシーさんと親しげに話しをしているばかりか、私にも気安く話しかけてくるので・・・これは変だ!きっといつも
の人違いだろうと、暗がりの中でジッと見てみると・・・なんと!ジミー大西ではなくてミュウさんだったと気付いた時には
気まずい!しかし、本人には気付かれなかったので問題はなかったようである。
レガオさんは職場の飲み会で市内へ出かけており、残された車がこの埠頭にあるのも妙な気がしたが、飲み会からこ
の埠頭に直接帰ってくるとのことである。
中には夜釣りを楽しむ人たちもいるようで、コマイやキュウリが釣れているのは秋らしい気分になった。
みなさんと楽しく過ごしていたが、それでも翌朝は4時起きということでコマさんは早くも寝る準備を始めていたが、聞くとこの準備がとっても長くかかるらしく、こんな釣り場にあってもきちんとたれパンダのパジャマにお揃いの帽子を被って寝るそうで、これには几帳面そうなコマさんの性格をうかがい知ることができた。
その後、睡眠は大切だという清さんが車に戻り、代わって現れたの

コマさんの釣ったマス
は知床で今シーズン初めてお会いしたマリゴケさんで、この夜の混雑に驚きながらも私たちの近くに釣り座を確保し、
その後は私たちと釣りの話をして楽しんだ。
12時近くなってもレガオさんが帰ってこないし、倶知安から1年ぶりに網走に出撃すると聞いていたケンさんもその姿は
なかった。


9月10日 どういう訳か眠れず30分も寝ていない状態の中で、清さんやコマさんの声が聞こえてきたのが3時半だった。
寝るのは諦めて起きたものの、4時までは時間があったので釣りの準備や荷物の整理などをして時間をつぶしてから
外に出た。
薄明るくなっていたので、早くもたくさんの人たちがキャスティングを始めていたが、私たちはこの時期この時間に釣れるのはマスや小魚だと思っていたので周囲の様子を見ていた。
レガオさんは私たちが車に戻ってすぐに帰ってきていたそうだし、ケンさんは3時過ぎに8時間という信じられないような長旅を終えて着いていたのでメンバーは揃っていた。
私も準備を済ませてからロッドは竿立てに置いてのんびりしていると、正面の知床方面から赤く染まる朝焼けが僅かに見えてきていた。周囲でマスかサケが釣れ始めたので私たちもキャスティングを始めると、この日の仲間内の初ヒットはコマさんにやってきた。
4時18分だったが、強い引きにマスかサケか分からず、ネットに入ってからオスのマスだと分かり、コマさんは少々ガッ
カリしていたが釣れたことにはかわりはない。しかし、この後は全体に釣れず、聞いていた昨日のようなラッシュなどは
全くなかったのであった。本当にたまにポツンと釣れる程度なので、アタリすら感じられなかったのである。

    
        釣り人の数は200人以上だろう                    今期の初サケもメス
5時50分、ようやく私にアタリがあった。ウキを見ずに合わせるようにしていたので、微かなアタリから合わせるまでは僅
かな時間とはいえ長く感じられるもので、ようやく合わせると無事に乗ってくれた。今季初のサケの重さはマスのそれと
は大違いではあるが、激しく走ることはないままに清さんが巨大な自分のタモで掬ってくれた。まずまずの状態のメス
で、これは問題なくキープ!この頃から周囲でも釣れ始め、ポツポツとサケが釣れていた。

カーソルを移動すると画像が変わります
そして6時40分、なんと!キッシーさんとケンさんに同時ヒット!見ると、その左でも何本かのロッドか曲がっていたので、大きな群れが通過したようだった。
しかし、そのすぐ後にはケンさんのラインが切れてしまっていた・・・。
キッシーさんは無事にレガオさんの差し出すタモにサケを誘導してオスをGet!そのサケは私のスカリにネットインしたのだった。
7時には清さんも、すんごく近い場所でヒットしながらも「誕生日なのにこんな近くでかいー?」と文句を言いながらサケを釣り上げ、場所によっては早くも4本釣っている人もみられたが、最高のポイント付近ではもっと頻繁に釣れていたようだった。まだまだ釣れそうな状態だったが、レガオさん、コマさんら数人が後ろ髪を引かれながら仕事場へ向かった頃、あのラーメン屋さん「飛龍」が開店していたようだった。
その後ケンさんに再びヒットして、なかなか元気なオスの走りを楽し
んでいたが、なんと!再びラインが切れてしまうという事故発生・・・本人にとっては最悪の事故も、申し訳ないが私たち
には最高の事件だったので楽しませていただくことになってしまった。実はケンさん、この時期の網走のサケは初めて
で、道南のサケにはこんなパワーはないので、ラインシステムに誤りがあったと話していたが・・・・・しかし、この後もケン
さんの受難は長く厳しく続くのであった。
7時15分にはキッシーさんに再ヒット!
魚とのやり取り中にサケではないことが判明、みんなに冷やかされながらも無事ネットインして、やや背中が出たオスをリリースすることとなった。
キッシーさんは、ここまでの釣果が1.5本と話していたが、マスでも1本に数えてあげなければ可哀想である、せっかくこれまで楽しませてくれた魚なのだから。
しかも、レガオさんにとっては、のどから手が出るほど欲しい1本でもあるのだ。
7時22分、私に何やらモゾモゾとアタリがあったのは随分近い場所だった。合わせると乗ったが、先程とは違う元気なオスだったので走る走る・・・再び清さんの巨大タモにネットインしたサケは、やや縦じまが出始めていたが、食べるには最適と思いスカリに入れた。
この日はなんだかついていた7時45分、中ほ

2本目の元気なオス

3本目もオスだった
どまでリーリングしたところでヒット!やや大きめのきれいなオスが何度か走った後でネットイン。今シーズンはこの時
期にしては例年よりも小さく、釣れているどのサケも大きなものは滅多に釣れてはいなかったようだった。平均的なサイ
ズは例年80cm近いが、今年は75cm弱であろうと思われる。
わずか5分後のことだった。この日は早合わせで失敗していた妻にヒット!何度かドラグを鳴らしながらも、大きな抵抗は見せずに清さんから借りたタモでネットインすることができた。きれいなメスで、これまたスカリに入れたので5本も入れたスカリは引き上げが大変だなと考えてしまった。
まだまだ釣れていたが、この朝もラーメン屋さんで朝食を食べることにして、キッシーさんとケンさんの4人でラーメン屋さんに向かった。程なくして清さんも現れ、賑やかな朝食を楽しんでいる時も、すぐ近くに曲がるロッドが見えていたので気にして落ち着かないのはケンさんだけであったし、気になるようにそれを教えていたのは私たちであった。
釣り場に戻り再開したが、丁度この頃から釣れる魚も少なく

妻の1本目はきれいなメス
なり始め、私たちもダラダラフィッシングへと変わっていくの
だが、これがケンさんの第二の試練(ケンさんは網走の洗礼と言っていた)の始まりとなったのである。というのは、魚
が釣れなければ退屈・・退屈になれば楽しいことを求めて何かをしなければならない。そこでキッシーさんや清さんの標
的となってしまったのがケンさんである。
言葉の暴力とはよくいったもので、朝のボウズをネタにされるのはまだ良い(良くない!)が、真剣にリーリングしているケンさんのラインやロッドにアタリと勘違いしてしまうようないたずらを、何度も何度もキッシーさんから受けては耐えていたのである。
私も悪いとは思ったが、丁度良いタイミングで流れてきた板をキッシーさんと協力してケンさんに釣ってもらおうと試みるも、板まであと少しのところで気付かれてしまったという残念な場面もあった。
日中は2年ぶりで再会したBANANAさんとお話をしたが、今期49本もマスを釣ったと聞いて驚かされたものの、あと一本が釣れないと言う話はどこかで聞いたなあと考えてみると、レガオさんの29本がそれだと気付くのにいくらの時間もかからなかった。レガオさんはあと一本を必ず今週中に釣ってやると
 燃えていたので、早く釣り上げてサケに集中してほしいと思う。
この日の予想最高気温は26℃であったが、もっと高いのではと思われるほど暑くなり、たまらずキャンプ用の大きなイ
スを出し、日傘までささなければならないほどだった。
帽子岩に入っていた師匠に聞いてみると波は収まっておらず、全体でも15本という厳しい状況の中でも3本釣っていたから驚きである。しかし、何度か波を被ってしまう状況に、午前中には納竿していたそうである。
お昼過ぎには仕事を終えて戻ってきたレガオさんと入れ替わりで埠頭を離れ、昼食後にサケの発送を済ませてからレガオさんおすすめのホテル網走湖荘の温泉に向かった。静かな雰囲気の日帰り入浴専用入口から入館、その大浴場は随分大きく感じられた。
すっかりのんびりさっぱりしたところで埠頭に戻ったのは15時半過ぎで、もしや釣れ始めているのでは・・・そんな嫌な予感は的中していた。
しかし、私たちが留守の間にも事件は現場で発生していたようで、ケ

ホテル網走湖荘正面
ンさんは二度ヒットするチャンスはあったのだがラインブレイクに、またしてもサケの姿は見られなかったらしく、その足
で釣具店に走ったそうである。
更に暑くなっていた港では、ただ一人上半身裸で釣りをしている人を見つけてしまった・・・それにしても9月なんだからと

状態の良い銀ピカだった
顔を覗いてみると、なんと!寒がりで暑がりのミュウさんだった。
さっそくキャスティングを始めると遠投をした僅か数投目で、しかも沖目でヒット!15時45分だった。何だか悪いなあと思いながらも楽しみ、無事ネットイン。これまたメスをスカリに入れた。
しかし、自分だけ温泉でさっぱりして帰ってきただけでも顰蹙(ひんしゅく)ものなのに、僅か数投でヒットした私に釣りを続けることは許されず、しばらく釣り禁止令が全員によって出されてしまったことは言うまでもない。
その後ようやく帰ってきたケンさんは、念入りにラインを交換して慎重にラインシステムを組むことに時間をかけていたが、ガイドを1本通し忘れるなどまだまだ見せ場を作ってくれてい
たようだった。
夕方になり周囲でも時々釣れていたが、左右20mポイントばかりが釣れていて、なかなか私たちにはチャンスが来なかったが、16時45分妻にヒット!随分と元気なオスで、妻もこのサケには久しぶりのアキアジパワーを味わったようで満足していた。北見へ外出していた清さんのタモを借りてネットインし、リリースしたのは大きなオスだった。そしてこの時、観光バスの運転手とガイドさんが後ろで拍手をしてくれていた。
この時期になると天気が良くても18時にはウキが見えなくなるので「残り30分」と話していた頃、ふと後方を見ると、山際が赤くきれいに染まっていたのは美しかった。まだ居たラーメン屋さんも、何となく場違いな埠頭の中で点してある赤提灯がしみじみと良い雰囲気であった。しかし、期待していた夕マズメは全くダメダメで、17時以降は誰のロッドにもアタリすらないばかりか、周囲でも一本も釣れないし跳ねもなくなってしまっていたことで、明日は本当にこの埠頭で大丈夫なのか心配になっていたのである。
夕方、通りすがりに見た帽子岩は依然として波があるようで、埠頭から見え

レガオさん撮影
る砂浜も白波が立っていたのでそのまま埠頭に泊り込むことになった。キッシーさんと夕食を食べながらお酒を飲んで
いると、清さん・レガオさん・ケンさんが次々と現れて盛り上がり、昨年の釣りビデオ観て、翌日はウルシさんも参加する
との電話が入ったところで、各自が車に戻ったのは21時過ぎであった。
            


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