9月の釣り vol.3



    ■ 第四埠頭&帽子岩

9月23日 先週末よりも上向いていると聞いていたが、こればかりは現地で釣ってみなければ分からず、それでも先週
よりは良いことが待っているだろうと期待していた。今月二度目の三連休は前回のリベンジであったが、初日の朝マズ
メには行くことができなかった。焦ってガツガツ釣るほどのこともないし、3日間も釣り続けるほどの体力もないので、9
時半に家を出た。
途中から妻が眠ってしまったので、起こさないようにと走るうちに網走到着!まずは腹ごしらえにと「珍満」へ行くと、満
席に近い繁盛に驚いてしまった。食後、そのまま帽子岩に直行しようと思っていたが、埠頭も気になったので覘(のぞ)
いてみることにした。
意外にも第四埠頭は開放中で、隙間なく車がびっしりと停まっていて入る隙間などなさそうだったが、足寄の佐さんの車を発見!車から降りてみると、向かい風が強く海面もバタバタざわついていて釣れそうな気配を感じた。
佐さんとその父さんも釣りをしていて、今日は釣れているし釣り場と駐車スペースを詰めてあげるからと勧めてくれたので、好意に甘えそこで始めることにした。準備をしている間にもどんどん釣れているし、その様子を妻が伝えてくれるので期待に胸が膨らみ始めていた。
キャスティングを開始したのは14時前だったが、左右を見て
も時々ロッドの曲がりが見えてはサケが釣れていた。しかし、この日はマスも時々釣れていて、背っぱったカラフトマス
が意外と元気に暴れていた。
佐さんの父さんは3本とマスを1本、初心者だと言う佐さんの仕事関係の方は、午後から始めて3本も釣れたそうであ
る。しかし、この場所をみんなのために用意した佐さんだけは1バラシのみで、いつもの佐さんらしくないというか、運に
も恵まれていないようだった。
強い向かい風と波のせいでアタリが判りにくかったのか、妻が痛恨の早合わせをしてしまい乗らず・・・隣の人の横にそ
のルアーが飛んできてしまっていた。しかし、その後は風も波も収まり始め、15時8分、妻にヒット!先週は釣果がなか
っただけに久しぶりの感触を楽しんでいる様子で、私の用意したタモに一発でネットイン、型の良い銀ピカのやや顔が
怖いオスだった。

      
             久々の怖い顔したサケ                    当然マスはおっかない顔
そして、15時20分には私にアタリがあり、なかなか食わずにいたずらをしているような感触が続いてからグッと食ってき
てヒットした。元気な魚で、見えた魚体に思わず「銀ピカだー!」と言ってしまい、周囲の人たちも同じようなことを言って
いた。魚体は再び見えなくなってしまったものの、どんどんドラグを鳴らし走ってくれたが、やがて大きな抵抗もなく妻の
用意したタモに入って、地面に置いてから気付いた・・・これマスじゃん!
カラフトマスのセッパリオスだったのでそのままリリースしたが、サケと間違えてしまうほどの強い引きだった。
ルアーを変えてから第一投目の15時半だった。遠投気味の数回リーリングしただけの地点でアタリ・・再びヒット!今度は本物のサケだと確信できるような重さと引きを感じ、遠くからの寄せが楽しかった。
すぐに駆けつけてくれた佐さんがタモ入れをしてくれて、無事ネットイン!きれいな銀ピカの82cmのオスで、今シーズンの私の釣果では最大であった。 
この時、以前フンベで知り合ったQちゃんが現れて一緒に喜んでくれたが、この時に彼から聞いた情報では、この日の
帽子岩は全体50本ほどの釣果だったらしく、埠頭の方がたくさん釣れているようなので、佐さんに感謝しなければならな
いと思った。
その後、佐さんにようやくヒットしたが、痛恨のバラシ・・・「船頭は釣れんってのは本当だよね」そんな一言が印象的だっ
た。この日は目の前すぐ下を泳ぐサケやマスが頻繁に見られ、その回数の多さに私でも確認できるほどだった。
そして16時半を過ぎた頃からは周囲でもほとんど釣れなくなり、この日朝から続けていたが、ようやっとヒットしたという
人がバラシたのが最後の一本となり、17時過ぎには後片付けを始めることにした。



仕事帰りのレガオさんが現れて、Qちゃんの帽子岩情報どおりりだったことが確認できて、ダラダラフィッシングと体調
維持の両立のためにこのまま埠頭に泊る事にした。レガオさんは仲間の釣り座も用意しなければならなかったので、埠
頭は諦めて帽子岩入りするとのことだった。
買い物を済ませて埠頭に戻るが、いつもの賑やかなメンバーもいなければ、佐さんも翌日が仕事のために帰宅してし
まい、残っていたのは年配の方々だけだったせいか、静まりかえったようないつもとは全く違う夜となり、そして20時半
には布団に入っていた。


9月24日 目覚ましは4時だったが、1時間も前の3時過ぎには目が覚めてしまったのは、極端な早寝をしてしまったこ
とに他ならない。しかし、4時半になっても周囲では誰もキャスティングをしておらず、前方の知床連山と黒い雲の間か
ら見えた赤い空が不気味でもあり美しくもあった。
海面が充分に見える頃になってようやくキャスティングが始まり、通常どこかでロッドが曲がるはずの時間になっても、静かな時間が流れていた。
そして、湖のような海面に力のない魚の暴れる姿が見えたのは30分以上経過してからだったと記憶している。しかし、その1本だけで後が続かず、結局のところ6時過ぎまでで全体3本しか釣れた様子は見られなかった。
7時を過ぎてから少しだけ釣れ始め、右7人隣にいたQちゃんにサケがヒット!
その後、2本目がQちゃんにヒットしていたが、他には仲間内10人ほどの誰のロッドも曲がることはなかった。
のんびりと朝食を済ませ、快晴の空の下でリーリングを時々(ぶらぶらしていることも多かった)していると、20分に1本
程度が釣れるようなダラダラ状態ではあったが、全く期待できないわけではなかったので、周囲の人たちとおしゃべりを
しながらも辛抱強くリーリングしていたものの、隣のおじさんは座ったままで寝てしまうなど、ポカポカ陽気の秋晴れの釣
れない一日になりそうな予感だけはしていた。
途中から諦めた妻は、車に戻りパソコンに向かっていた。
およそ半数の人がキャスティングを続け、どこかで釣れると一時だけ再開するもののすぐにロッドを置いてしまう、そんな釣り場となっていた。
しかし、釣り場に後から入釣できるようなスペースはなく、後から後から埠頭に入ってくる車は、釣り場の様子を見るだけで帰っていくようだった。
帽子岩は釣れているのかなあと考えていた9時32分、沖のほうでサケの跳ねがあったので遠投を試みたときだった。サケの跳ねた方向とは違ったが、群れがいたのだろうアタリが続き・・・ようやくヒットした!
 遠くから伝わる引きが楽しく心地良く、周囲の人が私のヒット
に気付いたのは半分ほど巻いたところでサケが暴れたからだった。
そして、隣の方がタモ入れをしてくれて、大きめのやや縦じまの入った銀ピカオスが釣れた。この時点で全体30本程度
だったので、実に幸運な一本だった。 
その後、レガオさんとチカJrが現れこの朝の帽子岩状況を聞いたが、昨日とは打って変わって全体100本以上の釣果だったと聞いた。レガオさん4本、チカさん2本、他の仲間も複数本釣り、ミノルさんは満足できる釣果を上げることが出来て、名古屋にこの日帰るとのことであった。
11時過ぎてもポツポツと時々釣れる様子はあったが、昼前に納竿しようと片付けをしているときにヒデボさんが現れ、少しだけお話をして
から釣り場を探すために去っていった。
市内で昼食を済ませてから温泉に入り、食料の買出しを済ませて帽子岩駐車場に向かった。帽子岩は駐車場どころか
道路脇も車が停められていて、加工場近くまで引き返してようやく駐車スペースを見つけたほど混雑していた。
16時近くだったにもかかわらず釣り人は多かったので、釣れているのかといえばそうでもなく、のんびりと釣りをしたり、
周囲の様子を見ながら過ごした。17時過ぎには後片付けを始め、キッシーさんの待つ駐車場へ戻った。
この夜はキッシーさんと3人で夕食を食べながら過ごし、早めの21時には床に入った。


9月25日 前回の三連休ほどではないにしても、未明の駐車場は多くの釣り人で賑わいをみせていた。外に出てみる
と、隣の方に声をかけられた・・・暗いのでわかりにくかったが、今シーズン初めてお会いするカブトムシさんだったことに
は驚いてしまった。聞くと昨日は止別で爆釣、そして昨夜からここ帽子岩に遠征して来たそうだった。
準備を済ませ、キッシーさんと一緒に釣り場へ向かう途中、ネオン街のアーケードのような光を発見!なんと!たくさん
のブッコミ竿が道路横に並んでおり、その先に付けてあるルミコが整然と光っていたのだった。キッシーさんに聞くと、
昔はこのような竿が随分立ち並んでいたそうである。
ポイントは昨日釣れていたという場所の近くを確保し、準備も済ませて休んでいると、マリゴケさんが登場。この日で5日連続の釣行だと言うから驚きであるが、レガオさんの連続8日間にはまだまだ及ばないだろう。しかし、二人とも私には想像もできない体力で、若さ故のものなのだろうと思った。
薄っすらと夜が明け始めると、多くの人たちがキャスティングを始めたが、釣れている様子は見えないので釣り場には下りなかった。
右斜めからの風が強くなり始め、海面もざわついていたのが

奥まで釣り人で一杯!
釣れそうな予感をさせてくれたが、海上に跳ねは見られないばかりか空を黒い雲が覆い始め、いつ雨が振ってきてもお
かしくない空模様となり始めてきていた。
少し経ってからにわかに釣れ始め、私達もキャスティング開始。しかし、周囲で釣れているにもかかわらず私達にはア
タリすらない・・・後から分かったことだが、私達の前には根のようなものがあり、この日は魚があまり通らないポイントだ
ったようなのであった。
キッシーさんの右となりに入っていたマリゴケさんは快調で次々とヒットしていたし、私の二人左となりでもヒットが連続と
いう小爆発状態となっていた。しかし、ようやくやってきたアタリに合わせるも、何か軽い??アタリはウグイとは少し違
っていたので期待しつつ巻いてみると軽い・・・小さな魚が付いていたので「ウグイだー!」叫んでしまったが、隣の人が
「キュウリですねー」見ると20cmほどのキュウリがしっかりと口に針掛かりしていた。周囲の人たちがサケをガンガン釣
っているときに、私にはキュウリかよー!叫びたかった・・・。実際のところ、最初に入ろうとしたポイントでは爆釣状態
で、欲を出して入ったこのポイントではこの有様だったから、実に皮肉なものである。
そして、とうとう雨が降ってきてしまったので、寒さと雨に耐えられなくなった妻は車に戻ってしまった。
     
           ようやく釣れた一本目                  釣れているときは密猟者もいない
その後、キッシーさんと私の左隣の人にも釣れてしまったので私一人が蚊帳の外状態となり、このままでは先週の悪夢
の再来かと思っていた。しかし、しばらくすると雨は止み風が弱くなってきて、一部青い空も覘くようになった頃には、再
び周囲で連続してロッドが曲がり始めた。
キッシーさんは遠くにサケの跳ねをみつけ、狙ったポイントから銀ピカをGetして喜んでいたので、私も遠目から中間地
点までを重点的にリーリングしていた6時40分だった。半分ほどリーリングしたところで独特のゴツゴツしたアタリが続
き、食わずに離してしまうのかと思っていたところでウキを見ると沈みかけていた。もう少し待ってみると手ごたえが変
わりウキは深く、しかもサケが動かしているような不自然な動きで沈み込んだ。さほど抵抗はしなかったが、見えた魚体
は銀ピカだったのでバレないでくれとそればかり願っていた。
この一本だけで充分と思えるほど初ヒットまでは長かった気がしたが、ちょうど近くにあったキッシーさんの木槌で一撃して写真撮影のために体を返してみると、5cmほどのトッカリキズがあった・・・先に気付いていればリリースできたのが残念だったが、メスなので美味しくいただくことにした。そして、キッシーさんのタオルで魚を持って、キッシーさんの切れ味の悪いナイフで鮮度処理をした。キッシーさんの道具がきれいに並んで置いてあったので、たぶん私のために用意してあったものと思われる。親切なキッシーさんには感謝の気持ちで一杯だった。
そして7時半には再びキッシーさんにヒット!モンリミ110PMの美しい弧を写真撮影してから自分のキャスティングを続けた。以前から考えながらも実行できずにいたことだが、私はキッシーさんとレガオさんのキャスティングをお手本にしている。キッシーさんの動作には無駄がないので、この力学的にも理に適(かな)ったキャスティングに、レガオさんのパワーキャストを組み合わせると最強のキャスティングになるはずなのであるが・・・なかなか簡単にはできないのである。
釣り座を離れて休憩しているとウルシさんが現れ、入口付近で連れの全員に釣果があったので、余裕で私達を訪ねてきてくれたようだった。しかし、本当のところは私の携帯電話が電池切れになっていて通じなかったために、心配して様子を見に来てくれたのかもしれなかった。 
次の私のヒットは8時15分にやってきた。いくつかの目的のために重いルアーに交換して遠投した一投目でアタリ・・・・・
そしてヒット!随分と遠くだったことと、予想外のファイトのための筋肉疲労でタモ入れを失敗してしまい、説明の難しい
困った状態に・・・それに気付いた隣の人がタモ入れをしてくれて無事取り込むことができた。2本目も銀ピカのメスで、
この日多くの人が銀ピカである確率が高かった。例年そうであるように、朝マズメは釣れるがブナも多く、対して日中は
マズメのように釣れないにしても銀ピカで元気なサケが釣れるので、むしろ楽しみは朝マズメ後にやってくるのである。

    
           銀ピカばかり釣れた                      マリゴケさんのサケたち
その後キッシーさんは3本目を釣り上げ遅い朝食をとっているときに、すでに6本目を釣ったマリゴケさんが通路に出し
っぱなしの魚が気になっていたので、キッシーさんとともに見に行くことにした。このままではサケが痛んでしまうと気付
いたマリゴケさんは、ロープでエラから口に通す昔ながらの方法で海中に沈めたが、海中を見るとサケが泳いでいるよ
うにもみえたのは面白かった。
納竿して帰る人と入れ替わるようにどんどん釣り人がやってきていつまでも賑やかな釣り場だったが、次第に釣れる数
は少なくなっていた。キャスティングもタモ入れもしにくい場所にいた親子連れの娘さんに、親切のつもりで場所を譲って
から続けていると、遠くに跳ねが見られ近くにはサケがいないのではと思えるほどだったので、見えた跳ねの先に向か
って遠投した10時35分だった。
遠いのでアタリは鈍く感じられるが、ウグイのようにも感じるアタリだった。しかし、さほど時間もかからずにヒット!
周囲にウキも見えなかったのでゆっくりと巻いていると、先ほどの女性が気付いたのか「うわーすごい!釣れてるー」そんな声が聞こえてきたなかで、これが最後の一本だと思いながら楽しみ取り込んだ。これまた銀ピカだったがオスであった。
妻が駐車場からなかなか戻ってこなかったので、これ以上は一人では運びきれないと思い11時には納竿しようとキッシ
ーさんと話していると、5分前に妻が現れた。しかし、11時の納竿は予定通りだった。
そして、最後と思ったキャスティングで、中ほどまでリーリングしていた私のウキの5mほど後方にキッシーさんのウキがあり、キッシーさんにアタリがきていた。長く続くアタリで、合わせるまでには至らない微妙なものだったようで「うーん、来てる来てる・・・」と何度も繰り返していたが、なかなか合わせるまでには至らないようだった。
前方にあった根が近くなってきたので巻き取ろうと早巻きをしかけた時に、私のルアーに食ってきた! 
すかさず合わせ、乗ってしまった・・・なんと幸運な!まるで7
月末のフンベのキッシーさんのようだった。難なく寄せて、自分でタモ入れをして銀ピカオスをGet!
大きかったので測定してみたところ85cmもあり、今シーズンの私にとってのビッグ・ワンとなった。そして納竿!
8本釣っていたマリゴケさんに「あと10本釣ってねー」と挨拶して、入口付近にいたウルシさんともおしゃべりをしてから、
重いリュックを背負って駐車場に戻った。着替えと後始末を終えたところで、タイミング良く到着した師匠が現れた。
三連休の最終日の午後からでも釣りを楽しみに来るという師匠の釣り好きには敬意を表して、キッシーさんとともに見
送った。
あれからすぐに納竿したのかマリゴケさんも帰ってきて、すぐに残りの釣り上げたサケを運ぶためなのであろう、歩いて
釣り場へ向かって行った。しばらくキッシーさんとおしゃべりを楽しんでから、次回10月の再会を楽しみに網走を後にし
た。昼食を食べてから軽く仮眠をとり、自宅には17時に到着した。

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