11月の釣り



    ■ 第五埠頭

11月11日 週末の上川地方は雪の予報にもかかわらず、網走方面は晴れマークという違いに喜び勇んだのは言うま
でもなく、そろそろ釣れていると聞くチカ釣りに出かける決心をしていた。土曜の昼から出発し日曜日にゆっくり楽しもう
と思っていたところ、土曜の夜は仲間と今シーズンの反省会ということになり予定変更。
ここ数日は第四埠頭も閉鎖中との情報を得たので残る釣り場は第五埠頭だけだが、狭い第五でもこの時期は夜に行
けば場所は確保できると思っていたのでのんびりと出発した。途中、師匠からの電話で、この日帽子岩に入釣したウル
シさんの話では全体13本ほど釣れていたものの、14時頃から第五埠頭に行き2ヒットしたと言う話は、まだアキアジ戦
線が終っていないことを知るには充分であった。
果たして埠頭に着いてみると、オイルフェンスは釣り場所がないのはいつものことだが、他は5台ほどしか車が停まって
いなかった。トロール船が停泊しているので出航まで仮眠をとることにしたが、念のため出航の際に邪魔にならないよう
な場所を確保して近くに車を停めた。


11月12日 夜中に目が覚めるとトロール船が出航の準備を始めていて、次々と船員さんが車でやってきては眠たそう
に乗船していて、爆音とともにメインエンジンが唸りをあげて黒煙を噴出してから10分ほどで出航して行った。すぐに昨
年釣れていた場所を確保して、再度夜明けまで仮眠することにした。
5時過ぎに準備を始め外に出てみると、早くも埠頭は一杯の人で隙間なく埋まっていた。両隣の人たちと朝の挨拶を交
わしてみたところ、左隣の人は地元の漁師さんらしく昨日も同じこの場所に入釣したそうでアキアジを釣っているとの事
を聞き、周りを見たところほとんどの人がサケ釣りタックルなので、自分もチカ竿は並べていたもののアキアジ釣りに変
更!もちろんエサは用意していたので準備もすぐに済んだ。
ほぼ全員がキャスティングを始めた頃には6時の鐘の音が聞こえてきていたが、この時点ではやや左のオイルフェンス近くで1バラシを見ただけだった。その後も左側ばかりで数本釣れただけ・・・妻は早々に諦めて車内で暖を取っていたし、私はチカ釣りに竿を持ち替えていた。
しかし、春に使用したオキアミは腐りかけていて、撒き餌をすると魚が寄ってくるものの食わない状態で、ウヨウヨ見える魚を釣るには誘いが必要だった。隣の漁師さんが置き竿にしているにもかかわらず針数だけチカやワカサギが釣れていたので聞いてみると、サシを付けているとのこと。そのうち、漁師さんの竿に大きなアタリ・・・なんと!30cm近いニシンが釣れたのである。

チカとサケ釣り人で一杯!
この日はサビキに色々な魚が釣れていて、チカやワカサギの他にニシン、小サンマなども見られた。8時頃になって見
たことのある車が私の車の横に止まった。ここでウルシさん登場!正平君という若者を連れていて、彼は今シーズンか
ら始めたばかりだが二桁まであと一本と張り切っている。すでに妻は夢の中だったし、少し余裕を持った場所だったの
で難なく二人分は確保できた。

ガンバレ正平君!
朝マズメが終った頃から周囲でも時々アキアジが釣れ始めていたので、私も2種類の釣りを楽しみつつウルシさんたちとおしゃべりを楽しむことができた。しかし、アキアジ釣りよりもチカ釣りを主にしていたのでアタリは一度も味わっていなかった。
10時を過ぎた頃「さあー真剣にアキアジ釣るかなー!」などと言いながらエサを換えて遠投気味にキャストしたところアタリ・・・長いやり取りの末に我慢しきれずアワセ、しかし乗った!
意外に元気なアキアジで、ウルシさんが「いいモンでしょう!ちょっと待ってね」とタモの準備をしてくれたところ、私のルアーがこちらに向かって飛んできてしまった・・・バラシ。
これに奮起した正平君はやる気満々でキャストし続け、時々日が射すものの風は突き刺さるように冷たく感じられ、辛抱の釣りではあったがチャンスはやってきた。私が最初に確保した場所がこの日は一番多く釣れていて、失敗だった!という思いをその場所で釣れる度に思っていたが、またしてもその場所で釣れた時に正平君のルアーが良いところに流れていた・・・「いいぞそのままー!」ウルシさんやその隣の人が声援を送る中で群れはそこを通過したらしくウキに反応・・・・・ウキが沈み込みいいぞっと思っていたらアワセを入れて乗った!
かにみえたが乗らず・・・痛恨の早合わせだった。数少ない貴重なアタリだっただけに悔やまれる結果となってしまった
が、彼にとっては来期に繋がる良い経験となったであろう。 
ウルシさんも数回のアタリはあったものの浅い食い込みにアワセには至らず厳しい釣りとなったが、楽しい会話と周囲
の雰囲気がいつまでも私達をそこから離れさせなかった。
市場前の魚が溜まっている場所ではワカサギが大漁の様子で、多い人では大きなな箱に一杯になるほどだった。
午後からは私の場所でも魚の食いが立ち、次々とチカやワカサギが釣れたのでウルシさんと正平君の間で一人サビキを楽しんだが、14時過ぎ

大箱にビッシリ

釣ったほうが楽しいと思うのだが・・
にはウルシさんたちは納竿して帰ってしまった。    
ようやく長い昼寝から目覚めた妻もアキアジ釣りを始めたところ、隣のおばさんにヒット!「イヤー2ヶ月ぶりに釣れた
ー!」と喜ぶその人の横で少し真剣にキャストしていた時である。
「うん、アタリあったけど・・それで終わり・・・もう食わない・・・・・」そんなことを言ってから次のキャストで、同じアタリのあっ
たポイントを妻のウキが流れていたときだった。
妻のウキに小さな反応があり、そして沈み込んだ・・・ヒット!見ていた私も感心した絶妙のアワセだった。見えた魚体は
お腹も白くきれいに見え、なかなか元気なアキアジだった。
私がタモ入れをして無事70cmほどのまずまずのオスをGet!起きてから何投もしていない妻に釣られてしまったのであった。
先ほど釣った隣のご夫婦にサケを差し上げて余裕の妻だったが、その後はサビキも楽しみ満足したであろう。
その後、ヒデボさんが埠頭の様子見に現れたが、まだ釣れている状況を聞き別の予定を入れてしまっていたことを悔しがりながらも、しばらく私とおしゃべりをしてから帰り、私達もその頃には片付けを終らせていたので納竿となった。
すっかり冷え切った体を温泉で温めたものの、夏には熱く感じていた温泉の湯もぬるく、いつまで浸かっていても汗が
出るほどには温まらなかった。


11月13日 北見地方を出発したのは8時過ぎで素晴らしい天気だったが、石北峠に近づくにつれて雪が舞い始め対向
車のライトが点いている事にイヤーな予感をしていたところ、思ったとおり吹雪の圧雪路面に変わった。まるで別世界
の中を慎重に走って自宅に着いたが、ここも網走とは大違いの銀世界に変わっていた。
この日リベンジで再び第五埠頭に出かけたウルシさんは、午後からの出撃にもかかわらず状態の良いメスザケを釣っ
たそうで、その後はヒットするもライン切れにてウキアジ(ウキの付いた仕掛けを付けたまま泳ぐサケのこと)を作ってし
まったそうだが、リベンジには成功したそうで満足していた。しかも、周囲でもこの時期とは思えぬほど釣れていたという
から驚きである。
私もチカ釣りの不完全燃焼をすっきりさせるためにも、もう一度網走に行きたいと考えてはいるが、これからの時期は
真冬の装備が必要となるだろう。





    ■ 紋別港第二埠頭

11月20日 紋別港でほどほどにチカが釣れているとの情報に、この日になってから紋別市は晴れ時々曇りと知ると、い
ても立ってもいられなくなり10時前に出発!
ちらほらと雪が舞っていたものの、浮島トンネルを抜けると別世界が待っていた。トンネル前では圧雪路面と周囲を覆
い尽くす積雪に真冬のモノトーンの冷たさしか感じなかったが、トンネルを抜けて僅かに走っただけで雪の姿は完全に
消えてしまい、まだ秋だとしか思えぬ穏やかな紅葉が残っていた。
しかも、青空が広がり太陽が時々その姿を見せ始め、運転席に照りつける日差しが暑いほどだったというのは大げさ
になってしまうが、確かにそう感じてしまうほど暖かかった。
市内のコンビニで昼食を買い込み港に向かうと、第一埠頭の巡視船の横にも釣り人の姿が見えたので、この場所でも釣り人が居るなら第二埠頭は釣れているのだと確信できたのである。
小川が流れ込んでいる港内に長いヤスを持った人が見えたので、おそらくは遡上してくる魚狙いだろうと思ったがそのまま通過・・・チカ釣りが気になっていたからだ。そして第二埠頭が見えたところでうれしい光景が目に入った。予想通りの混雑であり、私が知る限りの一番混雑している紋別港の姿だった。
昔の自分であれば人の少ない空いている場所に釣り座を構えたものだが、サケ釣りの影響で貪欲になった私は一番釣れそうな場所を探して更に奥へと進んで行った。隙間なく釣り人が入っていたが二人分ほどのスペースを発見!
さっそく車を入れて、孫二人を連れて楽しんでいたおばさんに聞いて

凄い竿の数!
みると「いやー全然釣れていないよー!」との事だったが、周囲を見るとポツポツ釣れていて釣れそうだったのでその場
に釣り座を構えることにした。
混雑しているとはいっても網走に比べると広く感じるほど場所があったので二人で3本の竿をセットし、一本はウキを付
けた置き竿仕様である。今回は新しいオキアミを持っていたのですぐに釣れ始めた。
ただ、時間も時間だったので一度に釣れる数は多くても2〜3尾ほどで、それでも休む暇がないほどに適度に釣れてい
た。気温は5℃程度と寒かったが、始めのうちは寒さも感じられず手持ちの竿と置き竿を操りながら次々と釣れるチカ
の引きを楽しんでいた。
       
          晴れてはいるものの寒そう!                        途中経過
チカの大きさは12cmほどの小さなものが多かったが、食べるには最高のサイズだったし引きも悪くない。それでも時々
は18cmほどの良型も釣れるので、そのときは大きなアタリに胸がときめく楽しみがあったが、一度だけ20cmを大きく超
えたキュウリが釣れた。
チカ釣り用に購入していたバケツはなかなか便利なもので、蓋となる上部にファスナー固定式のネットが付いているの
で入れた魚が飛び出さず、ネットをファスナーで固定すれば水の入れ替えも簡単に済ますことができるので、これはお
すすめの一品かもしれない。
この日は子サバが釣れたのは僅か1匹だけで、効率の良い外道の少ない釣りだった。置き竿には充分なオモリを付
け、何年か前に網走のベテランチカ釣り師に頂いた浮力の大きいウキを付けたまま放置していたので、多い時には5
匹付いていたこともあった。チカ釣りは手竿でアタリから釣り上げるまでの感覚が一番楽しいのだが、このウキ釣りも私
は好きで、見ているとウキに反応が出てから数が増えるに従い沈み方が深くなり、沈んだまま浮き上がらないときには
どれほどたくさん釣れているのだろうかとか、どんな大物が釣れたのだろうかと期待が大きくなるのが楽しみである。

この老夫婦はチカも大漁
14時過ぎには左隣のほうから「タモタモ!」という声が聞こえてきたので、見るとチカ竿が大きくしなっていた。アキアジでも引っかかったのかと思い妻が見に行く・・・私も見に行った時にはタモ網に掬われてその魚が上がっていた。何と!それは50cm近いボラだった。
聞くと、この時期のボラは泥臭さがなくて、刺身で食べると鯛よりも美味いと隣の方が話していた。
自分もタモ網は積んであったので、しばらくの間は「ボラ釣れないかなあ!」などと思っていたものの、忙しく釣れるチカにボラのことはすっかり忘れてしまったのだった。
釣りを始めてからほとんどの時間陽が射していたので暖かくは感じられたが、太陽が山に隠れたら納竿しなくてはならないと考えていたので、15時半には少し早いが終了となった。
およそ200匹ほどだろうか、中型の買い物袋に一杯のチカは私達にとって大漁であった。
第二埠頭はまだまだたくさんの人たちが釣りを楽しんでいたが、すっかり冷え切った指先をヒーターで温めながら紋別
を後にした。帰りは多くの対向車のナンバープレートが雪で覆われ見えなくなっていたので、どこから雪になるのだろう
と思っていたところ、滝上を抜けたあたりから雪が舞い始め、トンネルの手前では積雪路面となっていた。更に、トンネ
ルを抜けると圧雪路面に変わり、前を走る車が平均時速50km程度のノロノロ運転だったが、全く気にならないほど雪
道を慎重に走って自宅に着いた。

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