4月の釣り


   ■ サロマ湖(浜サロマ漁港)

4月8日 土曜の早朝から今シーズン初のカレイ釣りだ!と、張り切っていたが・・・体調不良によって今週は諦めざるを
得なかった。ところが、日曜はすっかり元気になり、統一地方選挙投票日だったので随分と出遅れてしまったものの、
無事出発することができた。
天気も前日の晴れから、曇り空、そして雨模様に変わっていた。
この日の楽しみは部分開通したばかりの高規格道路で、建設中に遠目に見ていた道路を初めて走るのは気分が良いものだが、短い区間なのであっという間に丸瀬布町内の国道333に出てしまう。
高規格道路の延長によって、北見と旭川間は紋別自動車道を利用する車両が増えたと聞くが、確かに交通量が多くなったようだ。
佐呂間町内のコンビニで買物をしてから、サロマ湖の漁港に到着したのは正午前だった。
チカが爆釣していると聞いていたが、港内で釣りをしている人は少なく、ほとんどの人が外海に向かってチョイ投げのカレイ狙いだった。

白滝トンネル
さっそく情報収集しながら近くの釣り人に聞いて回ると「クロが3桁?うーん、みんなの釣果を合わせたらそれくらいにな
るかなあ・・・」、また別な人は「うん、まあまあ釣れてるよ、40枚くらいは釣ったかな・・・」場所によってまちまちなので、釣
れている人の横に場所を確保する。
妻がさっそくブラーを試してみたところ、すぐにアタリ・・・ヒット!20cmほどのカジカだった。すぐにリリースして、再度誘っ
てみたところ再びヒット!しかし、やっぱりカジカ・・・。
周囲でもカジカが釣れていたので、お昼近いこの時間はカジカタイムかと思ったら、隣で何本も竿を出している年配の
ご夫婦が型の良いクロガレイを釣った。
        
          少々釣りづらい場所                           快調に釣れる
私達も、ようやく準備のできた投げ竿にカレイ仕掛けを付けてキャストしたところ、程なくして竿先にカレイのアタリ・・・妻
が喜び勇みつつ、グッとアワセを入れる「のった!」そんなことを言ったか言わなかったか忘れたが、23cmくらいのクロ
ガレイを釣り上げた。
二人で2本の投げ竿を出して、横付けした車のサイドドアを開けっ放しにして、そこに座って竿先を眺める。実に楽な釣
り座である。曇り空だがさほど寒くはなく、ポツポツとカレイが釣れるので、この場所に落ち着くことにする。

          

遠くから正午を知らせるサイレンが聞こえたので昼食を車内でとっていると、妻の竿がさかんに反応していたので妻が
様子を見に行くと、クロガレイとカワガレイがダブルで釣りあがる。なんだかいつものサロマ湖とは違うので、妻はもう一
本竿を出してくれと言うほどだった。
後でわかったのだが、この日は正午の干潮から翌日の満潮まで長い時間引き潮状態だったせいもあり、目の前の海
を覗き込んでみると随分と浅そうだった。
事実、リールを早巻きすると、すぐに仕掛けや魚が海面に現れたほどだった。様子を見に来た地元の人からは「ここは
あまり釣れない場所だよ・・・」などと言われてしまった割には結構釣れていたので、釣り場の移動は思いとどまった。

        

釣り人たちの車のナンバーを見ると、旭川・帯広・札幌と遠くから来ている人もいるものだと思いながらぶらぶらしている
と、地元らしきおじさんがやってきて色々と話を聞くことができた。
入れ食いだったというチカは先週までの話で、確かに釣れたが型は小さかったとのこと。2日前にここで釣った時には
手のひら以下の小さなカレイばかりだったそうだ。
最近は道内各地から釣り人が来るので賑わっていますねえと聞くと「いやいや、北見ナンバーだって地元の人間でない
限り、北見や網走から来ようがヨソモンに変わらんべ・・・」つまり、おじさんが言いたかったのは、近場でも遠くから来て
も常識的なルールを守れなかったり、話しかけても気乗りしない人はすべてヨソモンなのだそうだ。

帰り際の港内
のどかな時間が過ぎているうちに、空からポツポツと冷たい雨が降ってきてしまったが、幸い風は背中からだったので車のサイドオーニングを少し開いてみたところ、これがなかなかいい感じ。
しかし、気温が下がってきているのか指先が冷たくなってきて、手拭きタオルを忘れてしまった私達には少々辛かった。
釣果は変わらず、時々竿先の鈴がチリンチリンとアタリを教えてくれて、クロガレイや時にはカワガレイが釣れてくるの
で、すっかり時間の経つのも忘れて楽しんでしまった。
15時半過ぎにふと気付いて港内を見ると、すでに全体でも見える範囲で10人ほどしか釣り人はいない・・・。
今回は釣れるとは思ってもいなかったので、エサがすでになくなってしまっていたし、アタリも遠のいていたので納竿す
ることにした。
リリースした魚を含めると40枚ほどだろうか、この時期の私達にしては大漁である。





   ■ サロマ湖(浜サロマ漁港)

4月13日 先週は午後からにも関わらず思いのほか釣果が良かったので、今週は早朝から釣りはじめることにした。
出発は19時半、路面は乾き快適に走ることができ、いつもどおりにサロマのコンビニに寄ってから、道の駅サロマ湖に
着くと、今回は一台の車もいなかった。
静かな湖畔から少し高台にある道の駅は、テレビは全く受信できずラジオの受信状態も良くはないが、久しぶりの車中
泊でのんびりするには丁度良い。

4月14日 目覚めたときは少しだけ空が明るくなり始めていたが、風が冷たくて釣りをする気力が少し萎えてしまうほど
だった。
準備を整えて出発する時には完全に明るくなっていたが、厚い雲に覆われた空はどんよりと暗く、気温は0℃だった。
釣り場までは湖畔を通り、アップダウンの丘陵地を行く10分ほどの道で、港に着いた時にはすでにたくさんの釣り人がいた。
入釣したい場所はあったが、当然先客がある。
その横には釣りができる広いスペースはあるが、陸揚げされている漁船がキャスティングの邪魔になりそう・・・だが、あえてここに決めたのは先週の地元釣り師の話を聞いていたからだった。
隣の先端部で釣っている人の釣果を見せてもらった
ところ、昨日からだというが、すでに50枚以上キープしていて、サイズもなかなか良い。
さっそく一人2本ずつ竿を出してみたところ、すぐにカレイ特有の反応があり、クロガレイやクロガシラに混じってトウガ
レイが忙しく釣れる。

型のよいトウガレイ
やっぱり早朝は反応が良いなあと楽しんでいたところに、キッシーさんが到着。私達の釣果を見て「寒い!寒い!」と言いながらも、さっそくキャスト開始・・・すぐに釣れたのはダブルで、カワガレイとトウガレイだった。
トウガレイ好きのキッシーさんは、喜びながら次の竿を巻いている・・・何と!今度はクロガレイとクロガシラのダブルだったので、いきなり4枚すべて違うカレイが釣れてしまったのである。
たくさん釣れるので、余裕を持った私は他の釣り場を見て回ることにした。
聞くと、昨日はニシンが入食いで釣れ
ていたらしく、この日もたくさんの人がニシンを狙っていたようだが、昨日のニシンは何処かへ消えてしまったらしく、カレ
イ釣りに切り替えていた人も多いようだ。

      
                                                  カレイに付いていた虫
サロマ湖は色々な魚が釣れるんだなあと感心していたところ、私の仕掛けに細長くてクネクネした海蛇のような魚が釣
り上がってきた。
そう、ここでムロランギンポのような細長い魚の登場だ。この時はムロランギンポだとばかり思っていたが、後からキッシーさんが調べたところ「ナガガジ」というゲンゲ科の魚らしい。
「そんなの釣っちゃって・・」なんて笑っていたキッシーさんにもナガガジが釣れてしまい、針外しにてこずっているうちに、とぐろを巻いた魚体はエラから尾びれ部分が入り込み、口から出ているという不思議な状態になってしまう・・・うーん、やっぱり気持ち悪い魚だ。
そして、その後は妻にも釣れたので、全員がナガガジを釣ることができた・・・・・。
しばらくすると、陸揚げされていた漁船を海へ降ろすための作業が始まると言って、漁船の持ち主らしき人たちが私達の釣り場に集まり始めた。

ナガガジ
釣船のオーナーや漁師の人たちなので、釣った魚に関してもうるさいくらいにあちこちから口を出してくれて「そりゃあブ
タガレイだ。煮付けで食ったらうまい・・・」などと教えてくれたが、カワガレイまでも美味しいと話していたので、トウガレイ
は本当に美味しいのだろうか、やはり疑問を持ってしまう。
それでも、賑やかだった釣り場も8時半にクレーン車が到着すると、海の男たちは本来の姿に戻り真剣な作業が始まっ
た。
25トンの中型クレーン車が位置を固定すると、漁船の底から巻かれた2本のベルトをクレーンのフックに引っ掛けて持
ち上げる。このベルトは幅15cmほどの分厚いもので、40万円もするんだと船頭さんが教えてくれた。
持ち上がった漁船の前後につけてある4本のロープで方向を決めながら、ゆっくりと漁港内に降ろすのである。
この作業は、5〜6艘ほどの漁船をすべて降ろすのに、僅か1時間半ほどしかかからなかったが、私達は一部始終を
見入ってしまい釣りどころではなかったほどである。
       
                                          船に人が乗ったままのときもある
作業が完了すると、釣り場はすっかり広くなって釣り人も増えたが、気温の低下とともに雪が舞い始めてしまった。
まあ、天気予報どおりなのだが、こうなってしまうと車内でおしゃべりを楽しむ時間が多くなり、あまりにも長い時間車内
に留まっていると、隣の釣り人が「竿、引いてますよ」と親切に教えに来てくれるほどだった。
重い腰を上げて2本の竿を上げてみると両方ともダブルで釣れていた、ということも多くあったのだが、やっぱり外は寒かったのでついつい車内に戻ってしまう。
先日購入した投げ竿の遠投をしてみたくて、遠くにキャストしていたロッドにアタリ・・・巻き上げてみたところが、誰かのラインが絡み付いていた。周囲を見ても誰の竿にも反応はなく、切れていると思われるPEラインを手で巻き上げてみたところ、その仕掛けには2枚のカレイが付いていたので、私の仕掛けもダブルだったから一度に4枚Get!なんてこともあった。
そして、お昼が近くなると釣果は落ち始めてきたので、正午には納竿することにした。
キープした魚は少なかったものの、3人で100枚くらいは釣っただろう。満足して港を出発し、常呂のレストハウスで昼食
を食べてからキッシーさんと別れた。

食後眠くなったと言っていた妻だったが、時間も早かったので「どこか、チカが釣れるところはないかなあ」と言う私に、
「チカ釣りするならカレイ釣りの方がいい・・・」まんざらでもなかった私は、浜サロマのコンビニで塩イソメを購入してしま
う。午後から再び動き出す潮に期待して、午前中の同じ漁港に向かってしまったのである。
みぞれ雪が降る寒いなかで、はじめのうちはほとんど反応がなくて車内から見ていたが、次第にアタリが出始めて外に
いる時間が多くなってきた。
           
              左がサロマ湖                         カワガレイとトウガレイ
周囲でもほどほどに釣れている様子で、時々大きな歓声が上がったときは型の良いクロガレイのようである。
夢中になって楽しんでいるうちに、気付いた時には16時半を過ぎていたので少しづつ片付けを始めたものの、結局港を
出発したのは17時になっていた。
実釣2時間ほどだったろうか、それでも二人で30枚弱のカレイを釣っていたので満足して納竿することができた。まあ、
一日中釣りをしていたのだから、釣りキチとしてはこれ以上の充実感はないだろう。
すっかり日が長くなり、もうすぐ春はそこまで来ているはずなのに雪は降り続いていたが、浮島インターチェンジを下り
たところで雪はすっかり消えてしまった。





   ■ つりぼり厚和

4月21日 サロマ湖ではカレイばかりではなくニシンも釣れているとか、チカもまだまだいける、などと気になる情報は多
かったが、今週は管理釣り場と決めていたので迷うことなく午前中に留辺蕊に出発。朝から気温は高く、曇り空も層雲
峡に近づいた頃には太陽が顔を出し始めていた。
絶好のドライブ日和となり、妻は新芽をついばむシカを探すがその姿はあまり見られず、大雪湖の氷も完全結氷のままだった。
石北峠の売店は、ゴールデンウィーク一週間前だが開店の準備はされておらず、揚げ芋は次回のお楽しみとなった。
イトムカの水銀工場は、木々の葉のないこの時期だけその姿をみる事ができ、山中に建つ大きな工場の姿は異様な要塞に似た不気味ささえ感じる。
キタキツネ牧場のドライブインは開店していたが、観光バスが停車していなかったせ

メルティスカッド
いか静かで、店の前の自販機でコーヒーを買いひと休みして外の空気を吸った。
つりぼり厚和に着いたのは11時だったが先客は5人ほどで、4号池まで全て周囲の雪が消えていた。
相変わらず愛想の良いおばちゃんが出迎えてくれて話を聞くと、数日前に20cmもの積雪があったこともあり、暖冬の割
には雪解けは遅くて魚たちの活性は低く、休憩していた客の話からもルアーでは反応が悪くてフライの方が有利とのこ
とだった。
しかし、ドライフライ中心の私が巻いてきているのは「メルティスカッド」のレッドとオリーブ系と「ウーリーバガー」のブラックとグレー、他にはウエットフライが少々である。
管理小屋から見ていたがなかなか釣れず、よ
うやくヒットした人のフラ
イを確認した結果、ハックルの少ない聞いたことのない名前のウエットフライだった。似たようなものも巻いてきてある
が、ウェット仕様ではないので使い物にはならないかもしれない・・・。
とりあえず肩ならしにルアーから始めてみると、時々強い風が水面を叩くので魚の反応が見えにくく、風の方向も定まっ
ていない。
ようやく反応があったにもかかわらず、ロッドの柔らかさに合わせきれずバラシ・・・・・。
三度目のバイトに、ようやくニジマスのファイトを楽しみ、もう一匹釣ったところでフライにチェンジする。
ダメで元々と、ドライフライを試してみる・・・実ははじめから結んであったのがドライフライで、結び直すのが面倒なだけ
だった。
       

ふわっと水面に下ろした直後にライズ・・・波紋だけがフライの周囲に残っていて、油断していた自分を責めつつも仕方
ない・・・。その後は当然のことながら、あっという間に見切られてしまったので昼食とする。
プレハブの管理小屋で食事をしていると、おばさんがゆで卵をサービスしてくれたりお茶を入れてくれたりと、相変わら
ず親切だった。色々とお話をしている間にも次々と釣り客がやって来ていたが、この日は熟年カップルやルアーとフライ
の両刀使いの人が多く見られた。
車に戻り準備をしているところに、予定通りキッシーさんが到着した。
妻は少しだけ一緒にルアーをキャストしていたが、すぐに飽きてしまったのか寒さのせいか車に戻ってしまった。
その後、キッシーさんと二人で3号池に移動してみるが、こちらでも魚の反応は良くない。
新調したフライロッドで、こんな変なフライが釣れるのか?疑問を持ちながら巻いたウーリーバガーを沈めてみたとこ
ろ・・・食った!
           
            ウーリーバガー                         キッシーさん撮影
元気なニジマスだったので、これまた新調したラージアーバーのリールのドラグが軽快に利いていてななかなに良い感
じである。
しかしその後は、やっぱり見切られるのが早いのか動かし方が下手なのか、どちらもそうだろうがさっぱりである。
近くの山から吹き下りてくるような風が不気味に時々竜巻をも発生させ、釣りやすい場所などどこにもなかったほどであ
る。
再び2号池に戻り続けたが、寒さが厳しくなってきたので一旦管理小屋で温まり、その後18時を過ぎた頃に納竿した。
18時過ぎだというのにまだまだ明るくて、まだ続けている人もいたが私達は車を発進させると、管理小屋の前で手を振
って見送りしてくれていたおばさんに挨拶して、釣り堀を後にした。

ウエットフライはほとんど経験がなかったために、アワセが遅れて逃した魚が多かった。ルアーには反応を示さない魚
たちが、ヘンテコなフライには確かに反応するのは実に面白く興味深い。しかし、やはりドライフライがいい。


5月の釣り へ  


戻る
戻る