5月の釣り


   ■ サロマ湖(卯原内漁港)

5月2日 連休の後半は、カレイ釣りからのスタートとなった。
近場の紋別港でチカ釣りを考えていた私だったが、妻の希望でカレイ釣りをするために夕食後の出発となる。
雨は降っていなかったが、翌日の朝は雨が混じる予報だ。
連休が始まるせいか対向車の数は随分と多く、紋別方面からの車が特に多いようだった。
常呂の町内で買い物を済ませてから、能取湖のパーキングエリアで寝ることにした。

5月3日 4時半に起きたときは曇っていたが、明るかった東の空が次第に暗くなり始めると雨がポツポツ降り出してき
た。
とりあえず卯原内漁港まで移動してみると、堤防の先端に釣り人を一人確認できたものの、本格的に雨は降っていた。
雨の中に出て行くのは気が重かったので朝食を食べることにして、雨が上がるまで待つことにする。
しばらくすると予報どおり
雨は小降りになってきたので、私が先発となって堤防に向かうことにする。この時は反対側の堤防に4人の釣り人と、
私が向かう側には依然一人だけであった。
およそ500歩で堤防の先端に達し、釣果を聞いてみるとクロガレイがほとんどだが、大きいものはまだ釣れていないとのことだった。
さっそく1本目の竿を出してチョイ投げでセットして、2本目を準備しているときに早くもアタリがあった。反応は良いが、釣れたのは15cmほどの手のひらサイズだったのでリリース。
2本の竿をセットして、本格的にアタリを待ってみるが釣れるのは手のひらサイズが多かった。
そのうち空も明るくなり始め雨は完全に上がったので、妻の竿を準備しているところに妻が到着した。
しかし、雨に代わって風が出始め、これが結構寒かった。
後方からの風は、傘を風除けにすると意外と暖かく快適となる。
ここで、私の竿尻が跳ね上がる大きなアタリがあった・・・リールを巻いてみると随分と重いので、大物の予感・・・。  
      

キープサイズのクロガレイ

←重量感たっぷり
しかし、僅かにカレイとは違う動きを感じたので、カレイではないと思っているうちに丸い魚体が見えてきた。
25cmほどのギスカジカ、通称真カジカが上がってきたのである。いつもであれば喜んで汁物でいただくところだが、今回は外道となりリリースとした。
その後、再び大きくはないがリールを巻くと重くて根掛かりかと思ってしまうほどの感触後、身の厚い30cm弱のクロガレイを私の竿で釣り上げた。
この日はブラーももちろん出していたが、ライトロッドでのカレイ釣りも数枚楽しむことができた。
8時半頃には妻も大きなク
ロガレイを釣り上げて満足していたが、その後はアタリも少なくなる潮止まりの時間が近づいていた。
私は車まで必要なものを取りに戻っていたが、その間に釣れたのは僅かな数だったようだ。
連休のせいか出漁する漁船は3艘しか見られず、この日の2艘目の出漁のときに妻にダブルで丁度良い型のクロガレ
イが釣れた。
     
            幅は3mほど                            出漁する漁船とダブル
前回の浜サロマでは、あれほどたくさん釣れたトウガレイの姿は全く見られず、この日は一度だけ隣の人が「このカレイ
の名前わかりますか?」と聞かれたのがトウガレイだった。
ヒレの縞模様から「マツカワガレイ」かと期待していたようだったが、残念ながらそんな美味しいカレイではない。
10時を過ぎると空には青空が広がり風も弱くなってきたので、のんびりと釣りを楽しむには最高の天気となる。
11時少し前に再び私の竿尻が跳ね上がった。隣の人も見ていたらしく「随分大きく跳ね上がりましたね、大物かもし
れませんね・・・」と言っている。
期待してリールを巻くとカレイに間違いなさそう・・・しかも重いのである。最後の余韻を楽しむように目の前の水面にカレイを確かめてから引き上げると、30cmほどのクロガレイが上がってきた。実が厚く、子持ちだろうお腹が膨らんでいた。
思えば、クロガレイのアタリが頻繁にあったのはお昼までだったかもしれない。 
昼食も釣り場で済ませて、食後は眠くなってしまったので交代で昼寝をしていると、寝ている人に限ってアタリがやってく
る。しかし、この頃からウグイが多く釣れ始めてきて、釣れる度にサイズが大きくなってきていた。

        

14時近くなるとエサが底を付いていたので、そろそろ納竿かと話していたところに隣の人が「これ、よかったらどうぞ」と
イソメを提供してくれたので、再びやる気を出して釣り始めることとなった。
だが、ウグイ・ウグイ・ウグイ、たまにクロガレイ、ホントにたまにカワガレイといった釣れ方となり、初めの頃は30cm程
度だったウグイが40cmほどにもサイズアップしてきていたのである。
まあ、ウグイでも大物が釣れる感触は気分の良いもので、目の前まで寄せてウグイを確認すると、しばらく泳がせてフ
ァイトを楽しんでみたりする。
15時には、頂いたエサもなくなってしまったので納竿したが、最後は私達二人だけになってしまっていた。



この日はキープサイズを20cm以上としていたので僅か22枚だけだったが、前回に比べると型が良くなってきているので
バケツも重く感じられた。
能取湖のパーキングエリアで手を洗ってから景色を見ていると、渡り鳥のような集団が何度か飛んでいる姿を見ることができた。
時間も早かったので、数日前にチカが釣れていたと聞いた常呂漁港に行ってみると、意外にたくさんの釣り人が港内で釣りを楽しんでいた。
漁港はほとんどがチカ釣りで、家族連れが中心の和やかな釣り場となっていたが、肝心の魚が少ないらしくて滅多に釣れない状態だった。
10分ほど見学していたが全体でも5匹ほど、小さなチカの姿を見ただけだった。
常呂漁港を出発した頃でも日は高く、自宅に着いたときもまだ日は沈んでいなかった。





   ■ つりぼり厚和

5月12日 釣った魚よりも作ったフライの方が圧倒的に多いのは普通かもしれないが、作ったフライ全てで釣ってみたい
と思うのは私だけだろうか。
寒いうえにドライフライに対する魚の反応が悪かった前回から3週間、もういいだろうと判断して厚和への釣行が決まっ
た。
のんびりと10時過ぎに出発して春を感じる暖かさの中、大雪湖の氷もダム近く以外はほとんど融けている様子。
前回はあまり見かけなかったエゾシカたちも、道路近くまで降りてきて草を食む姿が頻繁に見られる。
厚和方面の「常元」方向へは曲がらずそのまま通り過ぎて、道の駅温根湯温泉の近くにあるそば屋へ入った。
そばで軽い昼食をと考えていたのだが、妻が注文した「納豆そば」の量にビックリ!なんと、2人前くらいのそばの量だったのである。
やや太い麺は嫌いではなかったのでほぼ完食して、動きが鈍くなった体で厚和へと向かった。
管理小屋に受付に向かう途中、アキアジタモ網の中に白い子犬が入っていた。意外におとなしくて、写真を写していてもキョトンとこちらを見ているだけだった。
料金をおばさんに支払って聞くと「今日はドライフライにもすごく反応してますよ」のこと。天気が良い割りに釣り人は少
なく、3号池は2人しかいなかったので始めから3号池に行ってみた。
いつものようにルアーから始めたのだが、僅か数投でライントラブル発生・・・・・簡単には直せそうもなかったのでフライ
に変えることにしたところ、妻もフライをしてみたいとのこと。
妻のロッドには前回のフライがそのまま結んであったので、すぐにキャスティング開始したところ、一投目からライズがあった。
しかし、手の感覚ではなくて目で合わせるドライフライに苦戦して、合わせが早かったり遅かったり、のったと思ってもフックアウト・・・。
そうこうしているうちに私の準備が済み、第一投・・・ヒット!魚が姿を現すのだから、見えてさえいればこんなに易しい釣りはないかもしれない。40cmくらいだろうか、元気なニジマスがネットイン。
しかし、時々強い風が水面に小波を立たせるので、偏光サングラス
を付けていない妻にとっては、なおさら簡単ではなくなってしまう。
それでも、ついに妻にヒット!ディスクドラグが付いているわけではないので少々手間取ったが、無事ネットに入った。
この後は面白いくらいに魚が水面に現れフライにアタックしてくる。ようやくドライフライの季節がやってきた感じで、それでも食いの良いものと全く見切られてしまうフライがあるので面白い。
周りの釣り人を見ると意外にドライフライの人は少なく、ルースニングをしている人が多く見られ、ルアーの人も数人いたが釣果は定かではない。
風が少々強めだったせいか、充分楽しんだ妻は車に戻ってしまい、私はあれこれとこれまでに作り溜めたフライを試してから車に戻ったが、すっかり寒さに震えるほど体が冷え切っていた。
2号池ではほとんどがフライマンで、その様子を見ているうちに釣りたくなって妻と向かったが、私は3分でダウン・・・車に戻り後片付けを始める始末だった。
片付けが終る頃に、妻が戻り「いや〜一匹釣ってきた!」明るい笑顔だった。フライでは、これまで妻は手のひらサイズ
のニジマスしか釣ったことはなかったので、大きなニジマスを釣り上げる感覚を掴んでしまったからには、今後フライフィ
ッシングに関心を持つこともあるかもしれない。
17時前に出発する時には、管理小屋の前から手を振るおばさんの姿が見えた。





   ■ 大雪つりぼり

5月20日 午後からも天気が良くて、気温は低かったが釣りがしたくてウズウズしていたので、釣り堀へ行くことにする。
大雪つりぼりは、正面に大雪山が見える坂を下りたところにあるので、坂の上から見下ろすと釣り堀や生簀全体がよく見える。一番奥にあるルアー・フライ専用池は誰もいない。
入口近くにあるエサ釣り池の横の管理棟に受付をしに行くと、日曜日のせいかたくさんの家族連れやカップルが釣りを楽しんでいて、10cmくらいだろうかヤマメを釣っているようだった。
ここから200mほど先に進むと専用池があり、坂の上から見たように釣り人
の姿はなくて静まり返っていたが、時々ライズが見えたので迷わずフライをしようと思った。
妻もフライから始めると言うので、フライボックスは持たずに自由にフライを選べるようにしておいた。
グリフィス・ナットによく似た虫が飛んでいたので、初めは手堅くこれを結び第一投・・・食った!一投目から元気なニジマ
スがヒットした。
妻もフライをセットしてキャストしてみると、すぐにライズがあったがスカ・・・しかし、何度目かには慣れてきたのかヒットさ
せていた。
キャストするたびに面白いくらいに魚が飛びついてくるので、ついつい緩慢な取り込みをしているとティペットを切られてしまったり、フライを壊してしまったりしてフライの消耗も激しい。
今回からは秘密兵器を用意していたので、フライの結び変えは前回までとは比べものにならないくらいに早くなり、少々小さなフライでも細いティペットでも苦にならなくなった。
しばらくすると3人組のルアーマンが現れて、大きくはないこ
の池が少しだけ賑やかになった。
私達は相変わらず好釣で次々にニジマスをヒットさせ、フライボックスの作りためたフライをどんどん試すのも楽しかっ
た。
アントパラシュートに交換して間もなくヒットした魚は、これまでのものとは明らかに違っていた。魚が全く寄せられず、寄
せてもすぐにドラグを出されてしまう。7Xのティペットでも、これまでのサイズであれば強引に取り込むことはできたが、
さすがにこの魚は引きが違っていた。
見えた魚体は幅が広くてニジマスのようで、私としては5分も費やしたのではと感じてしまったほどで、ネットインするとき
も入らないかもしれないと思ったが、ネットの深さがあったのでなんとか取り込みは成功。
50cmを軽く超えたニジマスはゴツイ顔つきだが、尾びれはピンとしていてなかなか美しい魚だった。口先に点のように
フライが刺さっていて、こんな大きな魚を小さなフライで釣る楽しさも改めて知ってしまった感もある。
とにかくこの日は釣れまくりとでも表現するのがよいか、食いが悪くなった時にはフライを交換するとたちまちヒットする
のだから堪らない。



制限時間は17時までだったが、日が山に隠れて寒くなり始めると「帰ろう・・」いつもの妻の言葉に、この日はたくさん釣
り充分満足していたので納竿。

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