6月の釣り Ver.2


   ■ 天塩港(防砂堤)

6月16日 今回の釣行はキャンプがメインの早朝だけだが、マガレイの魚影が濃いといわれる天塩港だけに期待は大
きかった。釣りというものは大きな期待をすればするほど裏切られるもので、今回の釣行もあながちそれを証明するよ
うなものだったかもしれない。
塩町に着いて、はじめに向かった場所は漁港だった。
釣り人としては当然のことかもしれないが、15時前の暑い昼下がりにもかかわらず数人の釣り人の姿を港内で確認。
さっそく双眼鏡で確認してみたところ、港内の釣り人はホタテ釣りをしているようなので他の場所を見に行くことにする。
しかし、河口側は歩かなければならないのでパス、車で港内を見て回るが釣り人はいない。
翌朝の釣り場となる漁港から少し離れた防砂提まで足を伸ばしてみると、入口付近の駐車スペースに10台以上の車が停められていた。ここでも車からは降りることなく、釣り場の確認をしただけだった。

防砂提


6月17日 目覚めたときは薄暗く、静かにキャンプ場から釣り場へと向かった。
自転車で私一人釣り場へ向かう予定だったが、その自転車は錆だらけで現在修理中なので妻も一緒に行くことになっ
ていた。
駐車場に着いてみると、停まっている車が昨日見たものとほとんど変わっておらず、昨日に引き続きこの場にいると考
えられる。
砂の上を歩いているうちに堤防のコンクリートの道になり、両脇にはテトラポットが配されているので前しか見えなかっ
た。堤防は400mほどだろうか、ようやくテトラポットが左右から消えたところから釣り人の姿があった。そしてその釣り人
たちは先端までびっしりと竿を並べていたのである。
    
                                               奥は釣り人で一杯
一応釣果を聞いてみたところ、昨日の午後から来ているがあまり芳しくないそうで、地元らしき釣り人に聞くとマガレイ
の時期は終ったとまで言っていた・・・。
私達は気落ちしながらも、ここまで来たのだからと末端に釣り座を構えることにしたのだが、そこにはクーラーボックス
やバーベキューの道具などがたくさん並んでいることが気になっていた。結局、この持ち主は最後まで現れなかったの
で、私達の前にいる誰かのものだったのだろう。
私たちの釣り座はテトラポットに囲まれているので、キャスティングには全く影響はないが、取り込みのときはテトラポッ
トに登らなければならないことだけが面倒だった。それでも釣れると確信して2本ずつ竿を出してみる。

    
            妻の一枚目
山側から登る朝焼けなどを撮影して、少々暇になった時に見ていた妻の竿先にカレイらしきアタリを発見したので、妻
に伝えて妻が更にアタリを取ってヒット!
27cmほどのマガレイを釣った妻は、ニンマリしながらキープしていた。
その後、太陽が顔を出してからは気温も上がり始めたが、まだまだ寒く感じられて私にはアタリは全くなかった。
そして妻に再びアタリがあった。今度は自分の目で最初の魚信を確認してのアワセだったが、妙に重たそうに巻いてい
た。
それもそのはずで、釣りあがったマガレイは30cmほどの良型だったのである。
それにしても私には全く魚からの便りがないなあと他の釣り人とお話しをしに出かけたりしていたので、当然のことなが
らアタリも見逃してしまうことになる。
札幌から来ているという釣り会のメンバーがほとんどで、ライフジャ
ケットの背中に会の名前がプリントされていた。
この釣り場で一番良いポイントと言う先端に入釣した人は昨日から70枚ほど釣っていて、重量勝負の大会の優勝候補らしい。

この日一番
夜釣りではソイがたくさん釣れたらしく、見せてくれたスカリの中には30cmを超えるソイの姿もあった。がしかし、カワガレイやウグイもスカリのなかに入っていた。
私はブラーを使ってテトラポット周りを攻めてみたのだが、何の音沙汰もなく根魚の姿を見ることはできなかった。

私のカレイ
そしてようやく私にもアタリがありマガレイの姿を見ることができると、続けて私にマガレイが釣れることになった。
砂浜を見ると、テントを張って釣りをしている人など均等な間隔で10人以上の人が投げ釣りをしているのが見えた。
港内からは小さなゴムボートに3人も乗ったグループが出て行ったが、気が付いた時にはその姿は点になっていて、そ
んなに遠くまで行かなければ釣れないのか?そんなことを思ってしまう。
6時過ぎにはカワガレイやウグイが釣れはじめ、タイムアップとなり納竿をしたが、25cm以上のマガレイは結局3枚だけ
だった。





   ■ 紋別港

6月22日 オホーツクの海サクラ・・・行ってみたいものだなあと考えながらも、少し期待しながら妻に「どこ行こうかあ・・」
「紋別に決まってるしょ!」即答だった。

2週間前に確認した第三埠頭を目指しての出発だったが、浮島トンネルを抜けると同じような靄が立ち込めていて、夏
至の長い日照時間は全く感じられなかった。

      
        浮島インターチェンジ付近
紋別市内で2週間前と同じように大型スーパーに入ると、前回は運動会セールのために混んでいたらしく、この日の店
内は静かなものだった。ただ、ロシア船が入港しているのか、ロシア人らしき人たちの姿を数人見かける。
食材の調達を済ませて、目指すは第三埠頭と意気込んでみたのだが・・・何と!すでに入る場所がないではないか・・。
結局、その近くに車を停めて思案することにした。
強い光の照明が海面まで照らしているその場所は、海面を見るとなにやら泳いでいたり魚が跳ねているし、中にはアナ
ゴのような細長い魚も泳いでいるのが見えた。
隣にいた釣り人とお話をしているうちに夜釣りをしてみようと意見が一致して、その人は投竿を、私は岸際を狙うロックフィッシングである。
浮いている魚を特定するためのサビキ釣りにも興味はあったのだが、面倒なのでロック一本に絞る。

鋭い歯のキュウリ
底まで落とし込んだ直後に大きなアタリ・・・ヒット!なんだかすごい引きと重さに期待しな
がらも、頭の中ではこの魚の正体がわかっていた。
上がってきたのは30cm弱の大きなキュウリウオである。うーん、やっぱりきゅうり臭いなあとすぐにリリース。
その後もキュウリウオばかりたくさん釣っているうちに「干して食べると美味しいらしいので、家族分キープしよう」と妻が
言うとおり大きいのを3本キープした。
お隣の投竿はどうかといえば、全く音沙汰がないようだったのでその場で寝ることにした。


6月23日 3時過ぎに起きた時には霧に包まれていて暗かったので布団の中でボーっと過ごして、空が明るくなってから
外に出た。
周りの人たちも準備を始めたので早朝の釣り前の緊張感が漂うが、このひと時がなんともいえず好きでもある私。
海面では昨夜ほどではないが魚の跳ねる姿もあり、これはおそらくウグイだろうと話していたところにアタリ・・・。
カレイではない丸もの、それも一番釣りたくなかった「泣き魚」ことウグイだった。リリースしながら、幸先の悪さに不安が頭をよぎる。
すぐには反応がなかったので、昨夜のロックのロッドを足元に落とす・・・ヒット!まだいたキュウリウオだった。
お隣の第三埠頭はどうだろうと様子を見に行ってビックリ!何と、投竿が1m間隔でずらりと隙間なく並んでいたのである。

第二埠頭
アキアジ釣りのウキルアーだってこんなに狭い間隔ではしないのに、オマツリは避けられないだろう大変な釣り場となっ
ていた。ということは、昨夜のあの状況下では釣り場所はいくらでもあったということになるのだろうが、私達はあんな
に余裕のない場所では遠慮したいと思った。
ただ、マガレイは釣れている様子で、時々釣り上げられる姿を見ることができた。
その後も全く反応がないので移動を決意して、前回の防砂提に空きはあったが今回は「焼肉中心のたまに釣り」の目的があったので別の場所を探す。
第二埠頭フェンス内は釣り人も多く混雑していたので、ロシア船2艘の間の広い場所で試してみることにする。
ここではほとんどアタリが来ないので、ロックで数匹の根魚だけを釣って移動。
第一埠頭の様子を聞くと、ポツポツ程度に釣れていると言うがよくわ
からない。
少し前に第二埠頭に現れた、昨夜隣でお話をした人が北側の港内に行ってみると話していたので私達もそこへ行って
みようと考えたのは、その場所であれば風向きが後方からになるので焼肉には都合が良いと考えてのことだった。
着いたときに丁度、その人がマガレイを釣ったところだったので、私達もその場に落ち着くことにした。
しかし、近場はウグイ、遠投をすれば根掛かりという私のポイントに、妻はヒトデばかりの素晴らしい場所だった。
早々に釣りを諦めて、昨夜キープしたキュウリウオを背開きにして天日干にしたのは、時々太陽が顔をのぞかせるポカポカ陽気になっていたからで、私達もそのまま昼寝の時間になってしまうのだった。

ところで、この天日干にしたキュウリウオだが、焼いて食べてみたところ思いのほか旨かった。コマイやチカよりも旨みが
強くて味付けなしでも充分いけるが、マヨネーズに一味唐辛子を混ぜると更に美味しかった。

目覚めたときは昼過ぎで随分と眠ってしまったらしく、ボーっとしながら炭起こしをはじめる。火箸を忘れたが無事念願
の釣り場での焼肉は楽しめ、満足したところで次の展開へ。
次なる釣り場は昼間でも確実にカレイが釣れるだろう、とっておきのポイントだった。普段は行く気がしない場所だが、背に腹は変えられずやむなく出撃。
時間帯のせいか先客は三人だけで、私達が準備中に納竿した人に聞いてみたところ70枚くらい釣ったと重そうに帰って行った。
いつものように一人2本づつ竿をセットしてキャストしてみたところ、海は随分と深そうだった。
すると、妻の竿に早くもアタリが来ていたので、頃合を見計らって妻得意の大アワセを入れる・・・随分と重たそうに巻い
ていたので釣れている様子だった。
ようやく姿を現したのは良型のマガレイで、喜び合っている間にもう一本の妻の竿先が動いていた。
針外しは私が担当して、妻はもう一本の竿を巻き上げる。
次は先程よりも更に型の良いマガレイで、来て早々に幸先の良い釣
果に恵まれた。
いいなあとうらやましがっていたところ、私の竿にも魚信が見えたので竿先に集中してアワセを入れる。
妻ほどの良型ではないが、23cmほどのマガレイだった。
そして再び私にやってきた魚信では、巻き上げてみた
ところなかなかの大物を予感させる重さだったので期待は大きかったが、スレ掛かりによる重さだったので期待した良
型ではなかった。
その後も順調に釣れていたが妻の方が圧倒的によく釣れていて、私はロックフィッシュを狙ってみることにした。
すぐ足元のテトラポットに仕掛けを落とし込み、糸ふけを取る間もなく心地良い根魚の反応があり釣れるのだが、どの場所でもほぼ確実に釣れるほどの入食いだった。
クロソイ、ハゴトコ、カジカなどが次々に釣れるので、ついつい投げ竿のアタリは見逃してしまっていた。
一方妻のほうはといえば、マガレイ以外にはスナガレイ、ソウハチ、イシモチの他にカワガレイまでも釣っていた。
気温は過ごしやすく快適で、気が付いた時には17時近くなっていたので片付けを始めたが、私達の奥にいる人はまだまだ続ける様子だった。
紋別港の色々な釣り場をさまよい歩くような一日になってしまったが、最後にようやく釣果を残すことができた。
この日の夕食は、前回味は良かったが料理時間がかかりすぎたGA:RYUに再挑戦することにした。
大山スキー場は雪が消えるとパークゴルフ場になっていたが誰もおらず、霧が山から中腹まで下りてきていた。
店内に入ってみると客は二人だけで、すでに食事中だったので待たされることはないだろう思った。
私は麻婆豆腐丼、妻は広東風オムライスにマンゴジュースを注文して待つ。

       
             次回は来年か?
マンゴージュースは生ではないが甘さが砂糖臭くなくて良い。すぐに麻婆豆腐丼が白くて深いカレー皿のような器に入っ
て運ばれてきた。豆腐以外の具は少なくてあっさりした味で、粒コショウがやけに辛くてピリッとしていた。
そして広東風オムライスが運ばれてきて、こちらも白くて四角い深皿に入っている。円形のオムライスの中央にエビチリ
が入っていて、辛さはあるが麻婆豆腐丼のコショウほどではない。
どちらの料理もはじめのうちはよいが次第に飽きてくるので、次は別の料理を試してみたいと思う。
帰りは時間のわりにうす暗い靄が立ち込めた中を走り、浮島トンネルを抜けると西の空に僅かではあったが夕焼けが
見えて明るくなった。
その先はどんどん明るくなってきて、まるで夜が明けてきているような錯覚をしているような気分だった。


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