7月の釣り


   ■ 湧別川支流

7月1日 道東の河川にヤマメ釣りの季節がやってきた。
1時半起きは辛かったが、すぐに釣りモードに切り替わり準備しておいた道具類を車に積み込み出発。コンビニに寄っ
て朝食や飲物を調達し、高規格道路に乗った。
空を見ると満月が雲の切れ間に見えて、薄ぼんやりと明るくなり始めた空に夜明けが近いことを知る。
釣り場の天気予報は曇り、午後には晴れるそうなので気にしていなかったのだが、前方に雨雲のようなどんよりした雲
が広がっていて、丸瀬布の市街地が近い高規格道路の出口付近から雨が降り出してしまった。


         
道の駅まるせっぷ
すでに明るくなり始めていて、雲に覆われていなければもっと明るいのだろう。道の駅まるせっぷのトイレに寄ってみる
と、車中泊をしている車が10台近くもありその数に驚かされた。
目的の川が近くなると、各ポイントに釣人のものであろう車が停められているのを見ると、解禁日が来たなあと実感す
る。
車のライトが必要なくなった頃に、キッシーさんとの約束の場所に若干遅れて到着。ウエダーを履くなどの準備をしてから、昨年入ったポイントへと向かった。
最初のポイントはすでに数台の入釣者の車があったので、次のポイントへ向かう。
次のポイントも先行者があったがこれ以上場所探しはしておられず、キッシーさんの車はもう少し先まで進み、私達は広くて停めやすい場所から入釣することにした。
車から10mほどの近い場所に流れは見えていて、川の流れを見ると随分と増水しているようだったが、濁りは少なく釣りには影響はなかった。
さあ釣りはじめよう!と思ったときにキッシーさんが私達のところへ

川はすぐそこ
やってきて、一緒に竿を振りはじめた。
ところが、いくつかのポイントを試すまでもなく、いつもならすぐにヤマメの姿を見られるこの場所が何の反応もなかった
のである・・・。
       

ヤマメの最も居そうな場所でもアタリすらないので、先行者が釣り残していそうな場所も探ってみたが反応はない。
反応の良いエサを使っていたベテランキッシーさんでも4匹という貧果に、一体今年の解禁日はどうなっているんだ?
初心者の私達には訳がわからずお手上げだった。
ここで一旦納竿することにして、草地を越えて車に戻り場所移動となった。

全てをキッシーさん任せにしていた私達は彼の後について行くしかなく、初めて走る道を山の奥へ奥へと進むうちに二
車線から一車線へと細くなり、さらに砂利道を走っているうちに目的地らしき場所に着いた。
この川は上流部だけあって水は清く川幅も3分の1程度しかなかったが、大きな増水による氾濫があったのか大木があちらこちらに倒され、さらに流され、釣りのポイントをたくさんつくってくれていた。
丁度、先行者が入った後だったが私達を先へ行かせてくれたキッシーさんは、後からじっくりと丹念にポイントを釣って来るようだった。
さっそく仕掛けを流れに乗せてみるとすぐに小気味よい反応があり、今季初のヤマメの姿を見ることができた。
妻を一番先に行かせようとしたが、一つのポイントで釣れるとそのままじっくり攻めているので、妻を置いて私が先に行
くパターンとなり、私は小さなポイントは捨て置き先へ先へと進んだのは、後から来る人の分も残しておく為でもある。
何匹かヤマメを釣った後で、手ごたえの良い魚がヒットした。
子供の頃にイワナと呼んでいたオショロコマで、下腹部全体にオレンジ色がかっていて体全体には同じくオレンジ色の斑点が美しい渓流魚である。

ヤマメ釣り2度目の妻
かつてこの魚は、層雲峡の山中に入ると一つのポイントで30匹も釣れる初心者向けの魚だったが、いま
では熊が怖くて一人では行けなくなってしまった。
その後は10cmから大きくても15cm弱のヤマメをキープして、小さいものはリリースしていたので数は増えずに苦戦して
いたところに、大物がヒットした。
渓流竿なので大物といってもさほどの大きさではないが、この時は抵抗する魚に糸が耐えきれるのかと感じてしまうほどだった。
なんとか川岸に寄せて押さえつけて、親指の先から薬指の先までの長さで測定してみると、22cmは私のこれまでの最大サイズのヤマメとなった。
うれしさのあまり二人に見せて喜んでいた時には、もうこれで私のこの日のヤマメ釣りは終っていたのかもしれない。
その後は3人が入れ替わりながら釣り進み、デジカメによる動画撮影なども楽しんだ。

      

天気は曇りから晴れ間も見え始め暖かくなり、その頃には8時半を過ぎていたのでお腹も空いてきていた。
少し進むと先行者数人の姿が見えたので、ここで納竿して藪を抜けて道路に出た。
道路を歩いて車まで戻るのだが、早朝の寒さはどこへ行ってしまったのか暑くて半袖姿になるほどだった。
車に戻り朝食を済ませてのんびりしていたが、目の前の護岸工事の流れに居る小魚と遊びたくて再び竿を出すことにする。
私は先ほど持参するのを忘れた、自作の極小エッグフライを試したかったので丁度よいチャンスとなった。
こんな偽エッグに食いつくのかと半信半疑で流していたのだが、10cmにも満たない小さなヤマメが釣れてしまったのは私にとって大きな収穫だった。
他の釣り場に入っていた釣人たちも数人やってきて情報交換をしたり、近くのポイントで遊んでいるうちにお昼も近くなったので出発する

最後にキッシーさんが釣った魚
ことにした。
昼食は昨年二度目のヤマメ釣りの時に食べた牛乳豆腐&エリンギステーキが食べたくて、温泉付きの施設に行ってみ
たのだが、メニューを見ても昨年とは内容がガラリと変わっていた。
レストランだけが変わってしまったのかは定かではないが、とにかく中華中心の大衆食堂的なメニューしかなかったので、この町の特産品であるキノコが入った食事を食べる。
食後は、しばらく雑談を楽しんでからキッシーさんと別れ、帰り道を走っていたときに妻が「ここに行こう!」と指差した場所が、昨年妻が初めてヤマメを釣ったポイントだった。
先行者が誰も居ないことに多少の不安もあったが、水はさほど濁っておらず釣りはできるようだったので、とりあえず川に下りてみる。
しかし、全くアタリもないままに、良い天気の中を数十メートル下っただけで諦めることにした。
妻の気も済んだところで国道333号を走り、丸瀬布町からいこいの森公園方面へと進路を変えた。
途中にあるアメマスが確実に釣れそうなポイントが目的で、昨年も同じ場所で大きくはなかったが結果を残していたの
で自信はあった。
しかし、大きな岩の下に溜りがいくつかあったポイントはすっかり消えていて、重機によって平らで穏やかな川に変身し
てしまっていたのである。
意気消沈したまま上流にあるいこいの森へ着くも、釣りへの意欲はすっかりなくなってしまいその場で寝ることにした。
しばらく横になっていたが、寝ると足がつってしまいそうな感覚に眠れず、SL雨宮号を見たり周囲の散歩をして過ごしていると、下流から釣りあがってくるルアーマンを発見。
しばらく見ているうちに釣りへの意欲が蘇り、車からタックルを持ち出してニジマスと遊ぶべく川へと向かうことにした。
ところが、昨年までニジマスの数釣りが楽しめた護岸のポイントがすっかり消えて立入禁止になっていて、水量も随分と多かった。
それでも気落ちせずにドライフライを流してみたところ、元気なニジマスがヒットする。
久しぶりのフライロッドだったので、その感じから少しは大きなニジマスが釣れたのかと思ったが、やはり小さい20cmに
も満たないチビだった。
予想通りチビニジマスしか釣れなかったので早々に納竿して、それでも気分良く車に戻ることができたのは自作フライ
に対する信頼度がまた一つ上がったせいかもしれない。
来年はヤマメ釣りにフライフィッシングとまではいかないが、テンカラのような釣り方も悪くないなあと想いを馳せながら
皮算用をしている私だった。





   ■ 道東の海サクラ・海アメ初挑戦

7月7日 午後から出発したときは気温が26℃以上になっていたが、道東地方の気温は15℃程度の予想に「本当か?」
疑ってしまうほどの差があった。
土曜の日中の国道は混雑しているほどではないが、工事車両や休日ドライバーの車も多くて目的地は遠く感じた。
旭川市内では、どこのガソリンスタンドでも一律143円の高いガソリン価格になっているにもかかわらず、ここではまだ133円と目を疑うような価格だったので、給油してからスーパーマーケットで買物をして釣り場へ向かった。
車が停められる場所には先行者の車が数台停められていて、その中のどれくらいの人が私と同じ釣りをするのかはわからない。
この日釣りをする気はなかったのだが、予定よりも早く到着したこととキッシーさんがまだ着いていなかったので、散歩がてら軽く一振り

サロマ付近
してみたくなりポイントへ向かってみた。
先行者に話を聞いてみたところ、今のところアタリはないが今朝は2本上がったらしいと言う。
大型のミノーに慣れるべくキャスティングを始めたところに、妻が投げ竿を持って到着。カレイ狙いの仕掛けを海中に投
げ込んでいた。
程なくしてタモ網を持ったキッシーさんが到着したので、万一釣れても大丈夫だなと安心たのはタモ網を車に忘れてきていたためであった。
水面には無数の小魚が泳いでいて、時々魚の跳ねも見られたので期待しながらのキャスティングとなり、これが海サクラ・海アメ釣りだと実感する。
しかし、立続けにキャストを繰り返す過酷な釣りに飽きてしまった私は、こんなこともあろうかと持ってきていたブラーロッドで遊び始めると、小さなソイが釣れてようやく魚の姿を見ることができた。
そこへ現れたのがメガ弟さんで、アングラーであるはずの彼はいつものように何のタックルも持ってきていない・・・。
その後、強いアタリがキッシーさんと私に数回あったので、再び夢中になって海アメらしき大物を狙っていたところに、キ
ッシーさんが妻の投げ竿の異変に気付く。竿尻が二度ほど持ち上げられるほどの大きなアタリがあったのである。
しかし、妻はブラーロッドに夢中になっていたのでメガ弟さんが巻き上げることになり、随分と大物の手ごたえらしい。
全員が注目する中、これまた全員があの魚だろうと予想していたとおりウグイが顔を出した。しかし、魚体は40cmを超
える太いウグイだったので感心しながらのリリースとなる。 
その後、もう一度投げ竿が暴れたので、今度は私がと妻が巻上げを開始。これまた大きいのか随分と重かったそうで、ようやく上がってきた魚がウグイのダブルだった。
結局、投げ竿にはカレイが釣れず早々に納竿していた妻だった。
釣り場の奥から見たことのある釣り人がやってきた。奥にいたキッシーさんと話した後、私のところにもやってきたの
が、ウメちゃんとその仲間である。
彼はこの釣りに関してはレガオさんと並ぶこの地方の先駆者で、今シーズンも海サクラや海アメを数本釣った実績があ
る。その彼のお話を直接聞いてからの実釣は、これに勝るものがないほど役に立つこととなる。
その後、まだまだ期待の持てる時間帯になる前に、予定した焼肉を楽しむべく納竿とした。
駐車場に戻り、4人で七輪を囲みながらビールと焼肉などで会話も弾んでいたが、予想外の寒さに耐え切れずFFヒータ
ーの車内へ避難してから、熱燗を飲むほどこの夜は風が冷たかった。


7月8日 何度目かに目覚めたときは空が薄明るくなり始めていて、時計を見ると3時近かった。
そのうちに数台の釣人がやって来ては釣り場へと向かって行ったようだが、どんな魚を釣りに行ったのかは定かではな
い。
私とキッシーさんは4時前に出発して、昨日決めていたポイントへ立つ。
しかし、曇りだった天気予報とは違って、霧雨が時折降ってくる生憎の天気に風も少し吹いていた。
水面に跳ねはほとんど見られず昨日とは全く違った表情をみせていたが、昨日のようなアタリを待ってキャスティングを繰り返す。
しばらくするとレガオさんが現れ、久しぶりに彼らしい豪快なキャスティング音を真横で聞きながら、この釣りに関するノウハウを教えていただく。
5時を過ぎた頃には想像以上のアングラーが、この日まだ見ぬ大物を狙って来ていることに驚きつつ、この釣りもメジャーになりつつあるのかと考える。
この日はこれだと自信を持ってキャストしていたルアーだったが、最もこの釣りにメジャーなルアーに交換してキャストしてみたところ、大きさの割りに飛びが良
くて泳ぎも良いことに驚かされた。
しかも、昨日ほどではないがアタリらしき感覚が一度あったあとで、レガオさんに海アメらしきアタリがあったと聞いた。
そしてそのすぐ後に遠投気味にキャストした直後にアタリ・・・ズン!と、重いアタリだったがすぐに軽くなったので再び同
じスピードで巻き続けると、今度はドン!と先程よりもさらに大きなアタリ!
ここでアワセを入れてみると、例えるならマスではなくてアキアジだろう、そんな重量級の重さが決してやわではない私

キッシーさん撮影
のロッドに確かに伝わってきた。
ヒットした!と確信した次の瞬間に、フッと軽くなってしまったのである。巻いてみると明らかにルアーはなくなっているだろう、ラインだけの感覚しか感じなかった。
ショックリーダーは8号、切れた部分はルアーから近い場所だったことが後で調べてみた結果判明したので、フッキングしたフック以外のフックに擦れてしまったのか、或いはショックリーダーに傷があったのかはわからないが、私の想像を超えた大きな魚がヒットしたことは事実であった。
まあ、初めからそんなに簡単に釣れてしまうほどお気楽な釣りではないだろうし釣れるとは思ってもいなかったので、その後はショックリーダーなしでキャスティングを再開したが、これが後で反省することになる。
私の使用していたラインは、以前サケマス釣りの際に何度も
ライン切れを起こしていたので封印していたことをすっかり忘れていたラインだったのだが、この時点でもまだ甘くみて
いたのかもしれない。
寒さの中で半袖姿だったレガオさんは、ついに耐え切れなくなって納竿したので二人だけとなってしまったが、他の釣人
が数人キャストを続けていたので釣り場はまだまだ熱かった。
予想通り妻は車内で寝ているのだろう姿を現す気配はなく、後で携帯電話を見て知ったことだが、メガ弟さんが出勤前
に近くで応援してくれていたようだった。
7時には納竿して車に戻り、暖かい車内で朝食を食べてくつろいでいると、睡魔に襲われたのかキッシーさんの寝息が
聞こえてきて間もなく妻も眠ってしまった。
しばらくしてから、別のポイントを試してみることになり出発した。
マズメは過ぎていたが「サーフなのでカレイが釣れるよ」と妻を誘って、一度だけ来たことのある砂浜のはまってしまいそうな危険な道をゆっくりと走って到着。
波が高かったので立ち込んでのキャストは危険だったし、魚がいそうなポイントまでキャストするのは難しそうにみえたが、とりあえずキャストを開始する。
釣れそうな気がしなかったことと、何だか嫌な予感がしたのでお気に              波が高い
入りのルアーは使わずに他のルアーを使ってキャストを繰り返していたが、短時間の間に2個のルアーをキャスト時の
ライン切れにより海中投棄・・・ではなくてロスト。
2個目のロストで気持ちの整理がついたので、妻の投げ釣りを手伝うことにして納竿するが、キッシーさんはアタリだけ
でも味わってみたいとロッドを降り続けていた。
妻の投げ釣りはと言えば、波の高さに竿先の動きが読み取れず苦労していて、それでも巻き上げてみたロッドに生命
反応・・・平物の姿が見えてきて喜んだのもつかの間で、その正体はカワガレイだった。

    
                カワガレイ
次は動きのある魚がヒットしているようだと少し期待したが、ウグイ・・。こんな魚しか釣れなかったので周囲の砂浜を散
歩していると、早くもアキアジ釣りの場所取りがしてあったことに驚いた。
しかも、4畳半ほどの広さがあるプレハブのアキアジ小屋まで建てられていた。何故アキアジ小屋と断定したかといえ
ば、中にはアキアジの仕掛けなどが置かれていたからである。

新港
ブッコミ釣りもしてみたいと思っていたが、このような現状を見てしまうとなかなか足が遠のいてしまう・・・。
キッシーさんも諦めたのでこの日のルアー釣りは納竿とし、次に網走港まで足を伸ばして新しく完成しつつある漁港を覘いて見ることにした。

ほぼ完成しているこの漁港は、サケマス釣りに活躍するだろうと期待しているのだが、こればかりは釣りをしてみなければなんともいえない。
投げ釣りをしていた先客にお話を伺うと「魚はいるが根掛かりがひどくて釣りにならない・・・」とのことだった。
しばらく港内を探検してから、ここでキッシーさんとは別れてコンビニへ昼食を買いに行く。
第四埠頭が開放中になっていたので中へ入ってみたところ、車の数の割りに釣り場所は少なくて、ずらりと並べられて
いる一本の三脚に竿一本という、場所取りをしているような人たちが多く見られた。後で聞いてみたところ、カジカ狙い
の夜釣りのための竿らしい。
空いていた場所の前に車を停めてから昼食タイム・・・この時の私は睡魔に襲われていていつでも寝られそうな状態だ
ったのだが、不思議とお腹が満たされると睡魔はどこかにいってしまった。
隣の人は投げ竿とニシン狙いのサビキ投げ、さらにカラフトマス狙いだろうか?ルアーをメインに釣りをしている地元のベテ

ずらりと竿が並ぶ
ランらしく、釣果を聞いてみるとさっぱり釣れないと言っている。
妻が投げ竿を出して、私はロックフィッシュを狙って足元で遊
ぶことにした。
足元ではガヤなどの魚が姿を見せてくれたが、投げ竿は静かなもので全く反応がなくヒトデすら釣れない。その後ブラ
ーに転向した妻は、私よりも快調に根魚を釣り上げていて、手のひらサイズだがクロガシラまで釣っていた。
元々寝るためにやってきた私だったので、ロックフィッシングができただけでも満足して、1時間半ほどで終了となった。
この日は最高でも気温は20℃もなかっただろう、帰り道は内陸に入るにしたがって気温が上昇し、自宅では26℃ほど
だったと聞いた。

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