7月の釣り Ver.2


   ■ かつや海の日つり大会

7月14日 レガオさんの紹介で、今回初めて漁船に乗ってのカレイ釣りに行くことになったが、最初は即答で「行かない」
と返事をしていた。
しかし、船に弱い私にとって憧れの船釣りは、陸からでは想像もできないほど型の良いカレイが釣れるのは明らかで、この大会は能取湖なので波はほとんどないから船酔いの心配もないとレガオさんに聞いて、もしも今回船酔いした時には、永遠に船釣りは諦めようと考えていた。

ずうっと長い期間好天が続いていたが、能取湖方面は曇りで気温も20℃以下の予報に寒さ対策もしっか
りとしての出発となる。
ところが、現地に近づくにつれて雲が少なくなり、気温もすでに20℃以上になっていたのだった。
女満別の道の駅の横にある「シジミラーメン」は少々気になったが通り過ぎ、観光ポイントとなっている丘を眺めてから
先へ進む。
    
                美しい風景                       勝手に入り込む人も多いようだ
夕食には早かったので、足を伸ばして先週の海アメポイントで夕マズメ狙いを試みることにする。
釣り場には数人の釣人の姿があったが、カレイの投げ釣りやロックフィッシュをしている人ばかりで、向かい風が強すぎ
る上に濁りも入っていたのでワンキャストで休憩。しばらくの間、風を背中に景色を眺めて待っていたのだが止む気配
はなく、諦めて別のポイントに移動しようとしたときにタモの柄の尻キャップが取れていたので、海中に落としてしまった
のだろう。
風の影響が少ない場所でしばらくミノーを試していたが、全く反応も跳ねもない。しかし、天気だけは良かった・・・。
やがて妻がやってきたなあと思っていると、いきなり「帰ろう」の言葉を聞いて納竿する気分になってしまった。

      

帰り道では、偶然来ていたキッシーさんに会い、少し驚いてしまった。せっかくだからとしばらくキャスティングをしていた
が何の反応もなく、今シーズンは諦めることになった。
その帰り道、ライトタックルでマイクロスプーンを使って魚とファイト中の人がいた。
トラウトマスターズのシーバスさんで、対象魚はウグイである。ウグイにルアー?と思われるかもしれないが、これが意
外に面白そうである。
彼は最近この釣りにはまっているらしく、暇さえあればウグイを狙ってこの場所に来ているらしい。もしかすると海アメだ
ってヒットしないとは限らず、私たちのように限りなくゼロに近い釣りよりは効率的で楽しいだろう。
ちなみに、彼は翌日のカレイ釣りに同船する予定である。
気温が予想外に高かったので半袖という軽装だったせいかすっかり体が冷えてしまっていたので、温泉に行くことになりここでキッシーさんとは別れた。
3連休の混雑したホテルに行き、5階にある大浴場に入ると
正面に夕陽が沈みかけていた。
お湯に浸かりながら意外に早く沈む夕陽が完全に消えたので、なかなか良いも
のを見せてもらったなあと思っていたところに、再び夕陽が今度は上から下に顔を出し始めた。
山だと思っていたのは雲で、見えた夕陽は真っ赤に変化して今度こそ山にゆっくりと沈んでいった。
能取湖に向かう途中の開店したばかりのコンビニで買物をして、能取港の近くにある駐車帯に着いた時には20時を過
ぎていた。
ここから港までは1分ほどなので、食事をしながらお酒を飲んでテレビを観ているうちに眠たくなってきたので、22時頃
には眠ってしまった。


7月15日 4時半には目覚めてしまい、それでも睡眠時間は充分だったので爽やかな目覚めだった。
すでに太陽は高く、雲はほとんどないほどに良く晴れていて暑くなりそうな予感がしたが、昨日からの風は全く衰えてい
なかった。
トイレのあるこの駐車帯には、次々に車がやって来ては出て行く。なかにはゴムボートを積んだ車もやってきたが、しば
らくの間考えていた後で、来た道を引き返して行ったのは風のせいだろう。
朝食を済ませてから酔い止めを飲み、私達も港へ向かって出発する。

    
              朝の能取湖                           奥に漁船と駐車場
5時25分に能取港に着くと風が港内の海面まで波立たせていて、大会の案内係の女性に説明を聞いてから船の近くの
駐車できる場所に車を止めた。
レガオさんから聞いた私達の船が見つからなかったので再び案内係の人に聞いてみたところ、「ああ、きんちゃんの船
ね、あそこです」と教えてくれた。
私は「金」だとばかり思いこんでいたのだが「欽」の方で、それで「欽ちゃん」とみんなに呼ばれているらしかった。
釣り大会だけあって乗船名簿を渡され説明を受けると、釣ったカレイの5枚の総重量で入賞や飛び賞、ブービー賞など
もあり、計量用のカレイを入れるビニール袋もここで渡された。
乗船すると隣になったおじいちゃんが色々と親切に教えてくれて、私達は船酔いしやすいと言うと中央を勧めてくれる。

       

船の中央には発泡スチロールの箱にたっぷりホタテの耳が入っていて、これも今回の参加費用に含まれているので各
自が自分のエサ箱などに必要な分だけ取り入れていた。
しばらくするとシーバスさんとそのお友達も到着して私達の隣に座り、その後船頭さんがやってきて6時丁度に出航とな
った。
この船の釣り客は10人だったので釣り座には余裕があり、トイレも完備しているので何かと安心できる。
ほとんどの船が一斉に出港する様子はまるでレースのようにも見えて、各船の船頭さんがそれぞれのポイント目指して出力を上げる。
釣り場に着くと船体は大きな横揺れがすぐには収まらず、船頭さんが「じきに収まるから大丈夫」と言っていた。
船頭さんの合図とともに一斉に仕掛けを下ろすと、3〜5mと船頭さんが言っていた水深では止まらずどんどん糸が出て行ってしまい、15mも出てしまった。
随分と糸が流されていることに気付きオモリを変えてみたところ、すぐに着底して4.5m程度だとわかった。

すぐ後方にも漁船が
その間に他の釣り客が型の良いクロガシラを釣り上げて、他の釣り客の「おー!」という声が聞こえてきた。
浅いのでPEラインを通してアタリは明確で、ブルブルッとするアタリは多少船が揺れても見逃すことはないほどだ。
強いアタリにアワセを入れてリールを巻くと、クロガシラ特有の引きと身の厚さがわかるような重量感が伝わってくる
が、浅場なのでたちまち魚の姿が見えてきて海面ギリギリのところをひらひらと泳ぐ姿を確認できる。
しばらくして船体が安定して揺れが少なくなくなった頃には、入食い状態に入った。
エサのホタテは針から外れにくくカレイの反応も良いようで、仕掛けを下ろすとすぐにアタリが来る。
平均すると25cmほどだろうか、食べるにはちょうど良い大きさのカレイが次々に釣れるのは5年前のガリンコ号での釣り三味コース以来のことで、あの時は途中で船酔いになり途中中断したが、今回は全く酔いそうな気がしなかった。
釣れたカレイはイス代わりにしているクーラーボックスに投げ込むと、お尻の下でバタバタ暴れている音と振動がしばらく続き、すぐに次のカレイを投げ入れることになる。
周りを見ると数艘の釣り船が見えていて、そのなかにはゴムボートも浮かんでいたが、朝に見たボートかどうかは確認できる距離ではなかった。
しばらくすると魚の反応が少なくなってきた頃、船頭さんが「釣れなくなったか
い、移動するかい?」と聞いてきたので、全員がうなづいて次のポイントに移動する。
船頭さんが言うには、卯原内方面はあまり釣れなかったようなので、こちら能取港側に卯原内の船も来ているそうだ。
新たなポイントで釣り続けていた7時55分のことだった。
アタリは他のカレイと変わりはなく、むしろ小さめだったかもしれないが、リールを巻き始めるとずいぶんと重い!
これは良型ダブルか?そう思いながらも大物を期待してゆっくりと巻く・・・見えた魚体に周りからも「おーデカイ!」との声が飛び、海面で魚体を確認してから軽く引き上げたが、実際は軽くはなかった。
身の厚さ、重量感ともにこの日の最大魚となったので、5枚選ぶ中の一番大きいカレイを釣って入賞への希望がみえてきた。
船内で釣れているのはほとんどがクロガシラで、マガレイは時々、スナガレイは私が一枚釣ったが他の人の釣果は定かではない。
釣り場は帆立貝の稚貝を放流する場所
らしく時々ホタテ貝も時々釣れていて、20cmほどの大きなカキ貝を釣った人もいた。コマイやウグイは全く釣れず、船頭
さんはここはウグイはいないと言っていた。
シーバスさん同行の方は入賞を狙っていたので大物以外はすべてリリースしていて、釣ったほとんどをリリースする姿が印象的だった。
シーバスさんも快調に釣果を伸ばし、良型のグロガシラをライトロッド&リールで釣るのは楽しそうだった。
長時間の船釣りは体力も必要なので置き竿にして休憩してみたり、船酔いしない自分に安心してタバコを吸ってみたところ全く異常なく、釣果も体調も最高だった。
船尾側で参加していた人たちの中には2本の竿を出して両手で誘いをかけているベテランの人たちもいて、その中でも投げ竿を使ってキャストしている人は釣れない時間でも釣れていたが、投げ竿は反則だろう。
その後、もう一度場所を移動してみたが意外に釣れなくて釣果は伸びず、代わりに良型のカレイが多かった。
隣にいたおじいちゃんが「今年は釣れんな、去年の半分しか釣れん・・・」などと言っていたが、この倍も釣れるとなると
たくさんリリースしなければ持ち帰れないなあとも思った。
終了1時間前になるとさらに釣れなくなり、船頭さんが「もうこの時間からはほとんど釣れなくなるんだ」と話していた。
ポツポツとしか釣れなくなって終了時間が近いと思っていた頃に操舵室の無線が終了時間を知らせてきて、船頭さんが「時間きたから帰るかい、じゃあ仕掛け上げてー」で納竿となった。
体調が良かったので、もっと続けていたい気持ちはあったが充分満足だった。
「左側の人、水かぶるよー!」と船頭さんが言ってエンジン音が高くなり右に旋回してスピードを上げると、大量の海水が私達を襲ってきた。
堪らず中央に移動して上着のフードをかぶるが、その後も時々海水がほとんどの場所に降ってきた。
あっという間に漁港に到着して、出航時よりも高くなった船着場にクーラーを持ち上げるとずっしりと重く、いつの間に 
かたくさんのカレイを釣っていたことに気付く。
車の横で5枚のカレイを選び、卯原内の大会本会場に行ってみた。
漁港内の広い施設の中に炭焼きバーベキューの用意がしてあり、中央付近で参加費用の支払いをして計量する。
これまでの最高が2.3kgらしく少しだけ自信を持って計量器に載せてみたところ「2.2kg」だったので、この時点では2位だったが、その後次々と計量が進むうちに2.8kg、2.5kgとあっという間に5位まで転落・・・。
結局、最後まで確かめることなく会場を後にした。
今大会は参加者が153人で、これでも昨年の半分だと聞き驚いた。
来年も参加するぞ!と誓って、次なるお楽しみのキャンプ場目指して出発した。





   ■ つりぼり厚和

7月21日 休日にいつもより早く目が覚めてしまうのは、あの魚の季節がやってきたせいかもしれなかった。
何気なく見た携帯電話にメールの着信があったことを知る。それは清さんからのもので「知床で、夕マズメにカラフトマ
スを釣った」という昨夜届いたものだった。
さっそくメールしてみると「今朝は4本の釣果!」と返信があり、その後朝食から戻って見た電話には着信があったの
で、さっそく清さんに電話をしてみたところ「その後2本追加したので、この場所では7本の釣果だった!」とのことだっ
た。
このまま知床目指して出発したい気分だったが、はやる気持ちを抑えて今はまだ我慢することにした。

予想していたよりも天気は崩れなかったので、近場でフライでもしようということになり午前中に出発。
大雪湖は通り過ぎ、峠を越えてやってきたのが「つりぼり厚和」だった。
こんな時期につりぼりは空いているだろうと予想したとおり3人しか客はおらず、天気は晴れていて暑いくらいだったが風が強かったので汗をかくほど
ではない。
相性の良い3号池から始めると、さっそくドライフライに反応するニジマスたち・・・なかなかサイズもよろしいようで、立て続けに5匹釣り上げたところで妻が「お昼にしよう」と言う。
しかし、妻はまだ釣っていなかったので続けていたところ、妻にヒッ
ト!型が良い上に元気も良くてなかなか寄せられない・・・この池には他の客がいなかったので、のんびりと楽しんでか
らランディングして、妻もその後数匹釣ってから管理小屋に入って昼食を食べた。
山中の管理小屋ではテレビの地上波放送は受信できず、衛星放送だけしか観ていないというおばちゃんは「おかげで
アメリカのニュースなんかは詳しいし、映画もたまに面白いのをやっている・・・」と言っている意外性が実に面白い。 
午後からは他の釣り客が二人だけとなり3号→4号池と楽しんだが、不思議と妻の方が圧倒的にヒットしており釣果も良かった。  
妻にヒットしているときに撮影をしてから自分のフライを探してみると消えていて、それがフッキングしていたことも二度ほどあ
って、こんなヒットは深く飲み込んでいることが多い。
自分で巻いたフライが、スレている管理釣り場のニジマスを惑わすほどのものかどうかは定かではないが、フライ初心
者の私達でも簡単に釣れてしまうのだから楽しくなってしまう。
たくさん釣り過ぎてしまったという妻はロッドを持っている手が悲鳴を上げてしまい、休んでいる間に私も色々なフライを試してみると、同じフライでも僅かな違いで食いが全く違うことがわかった。
最後に2号池で大物を釣ってから帰ろうということになり行ってみると、釣人は僅か一人だけだった。
私達が近づいただけで魚たちが給餌と勘違いして水面がざわついたので、そこへフライを落としてみるとすぐにヒット!
なかなか大物のようで、よく走る元気なニジマスだった。
その後はすぐに反応がなくなってしまったので、岸際のライズの多い場所に変えてみるとすぐにフライに飛びついてくる
ほど反応が良い。
しかし、次第に厚くなってきた雲が太陽を遮り寒くなってきたので、納竿することにした。
初老のキャスティングが上手なフライマンがまだまだ続けていて、いつものようにおばちゃんが手を振り続けてくれるな
か、たぶん来シーズンまでは来ることはないだろうと少々寂しい気持ちを抑えながら手を振った。





   ■ 知床(ウトロ)

7月30日 31日は常呂か紋別の近場で、今シーズンのカラフト釣りを始めようと決めていたが、前日キッシーさんから入
った情報が「フンベ小爆発!」という、いかにも私が釣られてしまうようなものだった。
途中の常呂漁港を偵察すると、予想していたとおり常呂川の濁流が海まで流れ込み、港内まで濁っていた。
さあ、紋別に行くか知床まで走るか・・・考えることもなく一路知床へ!

  

この日の釣果はすでに知れ渡っているのか、泊り込んでいる釣人もたくさんいた。


7月31日 未明の早朝というよりは深夜、釣り場にはすでに釣人の姿があったので、私も準備して釣り場へ降りた。
キッシーさんに聞いた前日の小爆釣・大爆釣ポイントだったが、結局少々ずれていたらしく私の左右近い場所で数本釣
れて、私にはアタリすらなく時間切れとなってしまった。 
ただ、今シーズンの釣り場の状況やポイント選びなどたくさんの情報を得られたことは大きな収穫としてよしとすること
に・・。
     

この日はFOSのdchiyanさん親子とお会いして、少しだけお話をすることができた。本当はいつものように色々と聞きた
かったことがあったのにと、後から残念がっていた私であった。
この朝は全体35人くらいで僅か7本程度と、昨日に比べるとマスも少ないようで跳ねは一度も確認できず。
まあ、この時期こんなものだろう。いつもどおりの知床だった。

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