8月の釣り


   ■ 知床カラフトリベンジ(初日

8月6日 私の知床釣行では、キッシーさんと一緒のカラフト釣行時にはボウズが待っているという、呪縛ともジンクスと
もいわれる苦い想いがあった。
しかし、そんなこともいつかは必ず解ける時が来ると信じての出発となった。
天気は晴れていて申し分ないが若干不安定な大気の状態と、何とか釣りたいと思う気持ちの堅さが良くない方向に、運
さえも変えてしまう不安があった。
平日にしては車の流れは良く快調に知床へ向かっていたが、常呂の市街地に近づいたときに前方に霧がかかっていて、国道の高台から港内の様子を見ようと思っていたところが何も見えず、仕方なく港内に入ってみる。
河口側と網走側のどちらも充分釣りができる状態の濁りなし、高いテトラポットがある河口側には数台の釣人の車が停められていたので、一番高いところから様子を伺ってみた。
話を聞いてみたところ、朝は数こそ釣れてはいないが夕方は条件も良いので釣れるのではないかと期待しているようだった。
次の網走市内も同じように霧がかかっていて、開放中だった第四埠頭へ車を進めてみた。
昼食を食べながら釣人の様子を見ていたところ、タモが動くことを確認したのでカラフトマスが釣れたのかと思ったが別
物だった。
地元のベテランの人たちが集まっていたので輪に飛び込み聞いてみたところ、この日はオイルフェンス付近で数本上
がっただけだと言い、釣りたいのなら知床に行きなさいとアドバイスをくれたので、そのつもりだと答えると早く行けと促
されるので仕方なく出発。

         
              第四埠頭                             止別河口付近
小清水を過ぎると青空が広がり気温も上昇しはじめた。
斜里町内のコンビニで食料の調達をして知床方面へ向かうと、気分もカラフトマス釣りモードに切り替わってくる。
釣り場の駐車場に着いてみると、予想外に車は少なくて釣人も6人程度だった。
キッシーさんと何度も確認したポイントは先行者があったので、その人に状況を聞いてみたところ「13時半に一本釣っ
たが、他でも全く釣れていない・・・」とのこと。
         

まあ、真昼なんだし仕方がないと思いながら隣に荷物を置いて始めたが、右の大岩のポイントが気になったのでそちら
へ移動したのはウキルアーをキャストしたかっただけである。
気が済んだところで最初の場所へ戻り、特製の棒ウキに変えて隣の方と話しながらウキを眺めるが、正面からの日差
しが暑かった。
お隣さんはこの道40年という超ベテランで、その後その実力を何度も見せ付けられることになる・・・。
時間の経過とともに雲が空を覆い始め、いつしか太陽は完全に隠れてしまった頃に私と話し続けていたお隣さんが「来
たっ!」そう言って大きくアワセを入れたのには驚かされたが、電光石火の強引ともおもえる早い取り込みであっという
間にマスが河原に引き上げられ、バット代わりの長靴のかかとで一撃!その部分のウロコがきれいに消えてしまって
いた。
「あと5分したらまたマスが来るよ・・」お隣さんがそう言った5分後の16時56分だった。よそ見をしていた手元がいきなり引かれたので、反射的にアワセを入れてのヒットだった。
しかし、2年ぶり
のカラフトマスのせいかウグイか?いやウグイなんかいないだろう。それにしても中途半端な重さだなあと巻いていたところで、暴れだしたのでマスだと確信する。
久しぶりのわりには冷静に河原へ引きずって無事Getとなったが、デジカメを手にしたところで手の震えに自分が興奮
していると気付いた。
マスは随分と小さく見えたのでスケールで測ってみたところ49cmで、しばらく対面していなかったのでアキアジサイズに
慣れきってしまっていたのだろう。
昨年の知床釣行の帰りに寄ったミツバ商会で購入した材料で自作した棒ウキでの釣果だったので、これまたうれしさも
倍増だった。
写真を撮っていると「どれ、撮ってあげるから魚持ちなさい」と、お隣さんが写真を撮ってくれたのでよっぽど私がうれし
そうにしていたのかもしれない。
実はその様子を橋の上からじっと見ていた人物がいた。
その人物は、私のこの一部始終を見た後で徐(おもむろ)に電話を手にして誰かを呼び出す・・・・・と、その時私の電話
から「愛しのレイラ」が鳴った。私はこの着メロは誰なのかよーく知っていたので明るく出ると、やはりキッシーさんだった
のである。
もう釣ったんだからこのままキャンプ場へ行こうという彼を無理に誘い、ようやく釣り場まで降りてきたときに隣の人が再
びヒット!

キッシーさん撮影
さらにその数分後には、その人の弟という人にもヒット!そしてもう一度隣の人にヒットするという、この場所だけミニ爆釣状態になった。
そして17時37分、私のウキが微かな前アタリ
の後で海中に引き込まれたので大きく合わせると、確かな手ごたえとともに大型魚の引きが伝わってきた。
一本目よりは明らかに強い引きだったのでオスだとばかり思っていたが、引きずり上げた魚体はメスだった。
まだまだ釣れそうな気配は充分にあったのだが、キャンプ場にチェックインしてテントを張らなければ暗くなってしまうの
で納竿とした。
事実、帰り際にお隣さんがもう一本上げていたので、最高の場所・状態だったのだろう。

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8月7日 これから寝る人がいるような時間に起床して、慌しく出発する。
駐車場にはすでにたくさんの車が停まっていたのは、ここ最近調子が上がってきていたせいだろうか。
道路から釣り場を覘いてみたところ、すでに釣人の姿があったのでそのまま釣り場へ下りることにした。
私達の目的の場所にはすでに釣人がいたので、その横に入釣することにして挨拶をしようとしたところ、夕マズメにご
一緒したあのベテランのご兄弟だった。
話を聞くとあれから2本追加していたそうで、さすがは40年のベテランマス釣り師である。それにしても、私達はいつも
一番に釣り場へ下りることが多いのだが、この人たちは何時に下りたのだろう?
まだ暗いうちからキャストを繰り返す人たちが多い中で夜明けを待っていたが、隣の人が話し好きだったので気が付いた時には明るくなり始めていた。
キャストを始めたのは、隣の人が3時45分頃から釣れ始めるよと言った10分ほど前だった。
近場にウキを流していたというよりも、ほとんど流れずに同じ場所を漂っていたのだが、その私のウキが沈み込んだのは3時47分の事だった。
すかさずアワセを入れて巻き上げる・・・差ほど大きな抵抗もなく近くまで寄せて、ドラグを出されたのは2〜3回程度だったろう、岩の間をするするとすり抜けて河原まで引き上げて、お
そらくこの日の浜一だろうメスをGetした。
まだ薄暗い時間帯だったので、ストロボなしには撮影できないほどだった。
近くにいた釣人のなかに見たことのあるシルエットがあったのだが、どうもそれはシーバス氏らしいいとキッシーさんとも
話していたところ、完全に明るくなったところで確信することなった。

         

そしてその隣にはウメちゃんも発見。後から聞いた話だが、シーバス氏は私よりも先にヒットさせていたが、残念ながら
バラシていたらしい。
この日も隣のベテランさんは釣りまくっていて、的確な判断の元にマスの回遊先を予想してはその先にウキを打ち込み
確実にヒットさせていた。
そのベテランの確かな腕には驚かされるとともに、とうてい太刀打ちできるものではないと実感する。
岸際に寄っていたマスはあっという間に沖へ移動してしまい、仕掛けが届かない場所でモジッているのが私の目にも見
えていたが、隣のベテランさんは遠投用棒ウキを使ってそこまでキャストしてはヒットさせていた。
その後、ねばってキャストしていたウメちゃんが貴重な一本を釣り上げてうれしそうな顔をしていた姿は実に印象的だった。
群が遠くに行ってしまってからは私のロッドや技術では群の中心にキャストしてしまい、群を散らせてしまうのが落ちなのですでに戦意喪失・・・。
ほとんど休憩して釣り場の様子を伺っていたが、キッシーさんも諦めて納竿することになったものの、道路から見下ろしてみるとあちこちにマスの群が見えるので再び釣り場へ降りて行き、網際の届きそうな場所でキッシーさんがキャストを始めたので、私はその後ろで見ていることにする。
丁度その時網起こしにやってきた漁船を見ていると、大きなクレーン
を使って何度も網から上がるマスの姿を見ることができたが、その作業とともに群も見えなくなってしまったので、すぐに
諦めてキャンプ場に戻ることにした。
結局、朝一の一本だけでその後は全くダメダメ状態だ。

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8月8日 知床最終日の朝も前日に同じく早かった。
レガオさんは車を停めてある道の駅に昨夜のうちに帰ったらしいが、釣り場の駐車場には姿はなかったので先に下り
て待つことにする。
あの場所には誰もおらず、二日間一緒だったベテラン兄弟は帰ったようだったが、後で聞いたレガオさんの話では昨
日の夕マズメでもバンバン釣っていたというからさすがである。
レガオさんに電話をしてもつながらなかったのでてっきり寝ていると思っていたが、彼は私達よりも早く駐車場に来てい
たそうで、無事合流となる。

         

昨日にも増してルミコをつけたウキやウキルアーが暗いうちから海面に浮かんでいて、それはまるで海に浮かぶ蛍の
ようだったが、そんなに大勢でプレッシャーをかけてどうしようというのか?私はこの時期暗闇で釣れたのは見たことが
ない。たぶんこの日もマスの群は早々に沖目へ移動してしまうと思われた。
明るくなってから棒ウキを流していたが、マスが岸よりしていたのは僅かな時間しかなくて、すぐに遠くに移動してしまっ
ていた。


   

最初はレガオさん
私達の最初のヒットはレガオさんで、4時50分過ぎのことだった。
ウキルアーで攻め続けていた彼は、遠めでヒットさせ軽快に寄せていたのだが残り7mほどのところでフックアウト・・・。
しかし、5時半過ぎには再びヒット!
私は思わずデジカメの撮影モードを動画にして、その一部始終を撮影することができた。もちろん、その前のバラシ映像も撮影していたことは言うまでもない。
次は私だった。
5時55分、ウキルアーで遠投していたと

← 私のマス
きに、運良くキャストしようとした寸前に私の前に泳ぐ群があったので、その奥をめがけてキャスト。
台本通りのヒットなので少々面白みに欠けるが、軽快にアワセを入れてのヒットとなる。
いつものように少し強引な寄せをして河原に引き上げ、安全な場所に引きずり終わったときに口切れをしてフックが外れたのだが・・・セーフ。マスの口は切れやすい事実をその場で見てしまったのであった。
確認するとこのマスもメスで、今回の釣行の全てがメスとなってしまう。
この後レガオさんは納竿して、まだまだ続けていたキッシーさんは一人取り残されたプレッシャーと戦っていたようだが、6時23分にウキを流していたキッシーさんにヒット!
もちろん動画撮影をしながら応援をしていた私で、難なく河原に引き上げてマスを釣り上げたキッシーさんの喜びの顔を見たときは、私も自分が釣ったときのようにうれしかった。
私はすでに納竿していたので、のんびりとタバコなど吸いながら見ていたところ、30分ほどすると再びキッシーさんにヒ  
ットしていた。
今回もウキで、すっかりウキ釣りが好きになったキッシーさんだった。
陽が背中を焼き付けるのに耐え切れず私はキャンプ場に戻ることにしたが、キッシーさんはウキ釣りの面白さの虜になってしまい熱中していたようだった。
道の駅に車を停めて、エアコンの効いた車内で体を冷やしてからキャンプ場に帰りキッシーさんを待つも、なかなか戻ってこなかった。
朝食を済ませてからすることもないので読書にふけっているところに、ようやくキッシーさんが戻ってきたが残念ながらその後は釣果に恵まれなかったらしい。
日が高くなるにつれて暑くなって来ていたが、木陰のキャンプサイトは意外と涼しくて心地良い。
ゆっくりと荷物を片付けてチェックアウトしたが、帰る途中の道の駅小清水で仮眠をとって目覚めた時には15時を過ぎ
てしまっていた。
これは寝すぎてしまった!と、急ぎ出発するときに踏切付近の人だかりが目にはいったので何だろうと見ていたところ、あのDMVが目の前を通過した。
黄色いクラシックバスのような車体は愛嬌たっぷりで、それが線路の上を走っているのだから不自然この上ない面白さがあった。
その後、小清水原生花園付近で追いついたので写真を撮ってみた。近い将来にどこでも見られるようになるのだろうか・・。


今シーズンのカラフトマス知床釣行では、悲願だったキッシーさんと
の釣行では釣れないとうジンクスを、ようやく消し去ることができたことが一番の収穫だった。
しかも、3回の釣行全てに少ないながらも釣果に恵まれた幸運に感謝したい。

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