
9月の釣り Ver. 2
9月16日 目覚めた時の雨の音にうんざりしながらも準備を進めて、イノケンさんとともに釣り場へと向かった。
昨日の場所に着いてみると強い雨脚と若干高くなった波に向かって、暗闇の中でルミコを付けたウキルアーをキャスト
している人たちが目に入った。
その数およそ20人以上で、河口や反対側を入れると相当な数の釣人だろう。
これではアキアジが怯えて岸よりしなくなるのでは、と嫌な予感を感じながらしばらく様子を見ていた。
キッシーさんを探すが見つからないし、釣り場の確保をしなければならないので空いている場所に入ることになり、ここでイノケンさんとも別々の場所になってしまう。
場所が決まったのでその後方3mの場所で夜明けを待っていたところ、ふと現れた釣人が私の目の前に入ってしまった・・・私に気付かないはずはないのだが、その無礼に対抗するべくその人の真後ろで私の存在をアピールしたところでようやく横に移動してくれた。
夜明けが近づいてくると釣人はどんどん隙間を埋め始め、ありえな
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いような割り込み方で平然と入ってくるために肩を摺り寄せるような釣り場となってしまった。
私が用意していた竿立てには平気で勝手に自分のロッドを立てる人はいるし、この釣り場は弱肉強食なのか非道徳地
帯なのか、とにかく無茶苦茶である。
みなさん鬼のような顔をしている人たちばかりかなと明るくなってみると、普通の人間だし、話をしても優しい人が多いよ
うだった??
そしてウキが何とか見える頃になって一斉にキャストし始めると、予想通りのオマツリ・ラッシュとなる。
左四人隣で一本釣れ、しばらくして左二人隣で釣れたのでその釣人の様子を見ていると、異常に早いリーリングに時々
ヒッカケのようなアワセを繰り返している。

その人ほどではないが、周囲の人たちはみなリーリングが早いので自分のペースでリーリングするとオマツリしてしまう
ので、すっかり調子を狂わされてしまった。
そして、雨脚は弱まらず全体的にも釣れていない・・・。
結局、6時半頃には随分と早い納竿となってしまった。
前日の疲れと雨、そして釣り場の雰囲気があまりにも殺伐としていることに嫌気がさしてしまったのは、キッシーさんもイ
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ノケンさんも同じだろう。
網走市内に戻り埠頭を覗くと、トロール船が停泊したままの狭い釣り場に釣りにならないような場所まで釣人がひしめいていて、聞くと全体でマスが一本しか釣れていないと言い、帰り始める人も見られた。
私達はすでに釣りをする気はなかったので、名物の「感動朝市」で朝食を食べることにする。
観光客などで賑わいをみせていた会場に入って鮮魚売場を覘くと、初めて目にする珍しいカレイがあった。
「サメガレイ」は名前のとおり肌がざらざらしていて、50cmほどもある大きなカレイだった。そのカレイの刺身用の柵が並べられていたが、
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脂が乗って美味しいとのこと。
そのまま私達は一番奥の食堂へと進み、海鮮丼やホタテ丼などを注文した。
価格は安いが量はそれなりで、必ず付いてくるカニ汁はダシが出ていてなかなか旨い。
かつてキッシーさんが埠頭で釣れなかったときに朝食を食べに来ていたという感動朝市での朝食を食べて、すっかり観光客気分で網走を後にした。
市内で燃料の補給を済ませて国道に出ようとしたときに、後方から来る黄色い見慣れたバスを発見。
ここでDMVを再び見ることになったが、今回は線路上ではなくて同じ道を走っていたので、追い越したり先に行かせたりしてじっくり見ることができた。
そして、DMVが網走湖方面に曲がったところで楽しみは終ってしまった。
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■ 週末に釣果の落ちるオホーツク
9月21日 出発時にも雨は止まないどころか本降りになっていたが、翌日からの三連休は晴の予報だった。
この日人間ドックを終えて夕方から第五埠頭入りしていたキッシーさんからの情報では、ほどほどに釣れているとのこと
で少々期待しながら車を走らせていた。
雨が上がったのは卯原内を過ぎた辺りで、空には半月も見え始めていた頃に第五埠頭到着。
イノケンさんも夕方にはオホーツク入りしていて、早くも一本釣ったと連絡が入っていたが、早々に寝てしまっていたの
か連絡はなかった。
車内泊の準備が整った頃にキッシーさんも目覚め、いつものように軽く一杯やってから0時には寝ることにした。
9月22日 深夜に出航するトロール船のエンジン音に目覚めたがすぐに眠ってしまい、4時の目覚しまではぐっすりと寝ることができた。
この時期ともなると気温は低くなりはじめていて、ようやくアキアジシーズンらしい朝の雰囲気を味わった。
トロール船が出航した港内は湖のように静かで、早くもキャストしている人たちのウキが微かに見えるなか準備を始める。
そして私達もキャストを始めたがウグイのアタリが始まり、見える範囲ではアキアジはヒットしていないようで、ようやくロッドが曲がったと思うとウグイを釣り上げている人の姿があった。
水揚げ場には次々と帰港するアキアジ漁の漁船が大量にアキアジを積載しているのだろう、沈みそうなほど海面を低く走
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っている姿もいつものとおりだ。
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自転車に乗って水揚げの様子を見に行くと、クレーンで引き上げられた大きな網が選別作業台の上で開き、一気にアキアジが流れ出る。
除雪用のスコップを使って手早く分けられたアキアジは樋に乗って流されながら次の選別をされて、最後に巨大な氷の入ったコンテナに流れ落ちる。
見入ってしまうほど素早く豪快な作業で、100以上もあるコンテナが次々に一杯になっていった。
釣り場に戻ってみると、私が離れた瞬間から立て続けに3本ほど周囲で釣れていたらしく、その最初に釣ったのが2年ぶりにお会いしたQちゃんだった。
少々気落ちしながらも、キャスティングを再開した僅か10分後の6時
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18分だった。
半分ほどリーリングしてきた頃、他のウキを見ていたときにアタリ・・・そして自分のウキを探している間に合わせのタイミングが来てしまったので、力一杯合わせると・・乗ったようだった。
この時私のウキを見ていたキッシーさんは、私にアキアジが来ていることをその目で確認していたらしい。
さほど抵抗することなく、Kさんが待つタモに誘導して一発でネットイン!まずまずのオスをGetした。
魚の処理を済ませてキャストしてから10分後、キッシーさんのウキを見ていたところ、怪しいウキの動きにアキアジを確信するかしないかしているうちに大きく沈み込んだのである。
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もちろんアワセを入れていたキッシーさんにヒット!
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写真を一枚撮ってからタモ入れをしようかと思ったが、その前に自分でタモを持ったので撮影を続けようとしたところ、Kさんが「そこでバラす!」と言った瞬間にルアーが私に向かって飛んできたのである。
Kさんの言葉にタイミングよく反応したキッシーさんのルアーだった。
うなだれるキッシーさんに向かってKさんが励ますように「きれいだったねー!」。
合わせが早かったと言うキッシーさん、痛恨のバラシだった。
その後、第四埠頭が開放されそうだと噂され、開放を待つために20台も並んでいると聞いていたころに早くも第四埠頭が開放されてしまったが、一部開放のために場所はすぐに埋まってしまった。
気をとりなおして、さあー!ここで頑張ろうとキャストを再開したところに、隣の釣り場の人たちが片付けを始めている。聞くと、ホタテ漁船が9隻入港するので釣人は移動を余儀なくされたようだ。
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しかし、私達の場所には漁港の関係者は来なかったので、一応邪魔になる釣り道具は片付けて様子を見ることにす
る。
しばらくすると小型のホタテ船団が入港して、その横には大型トラックが横付けされ水揚げが始まった。
ホタテの水揚げは常呂漁港で何度も見たことがあったが、今回の水揚げ量は非常に少なかったので簡単に終ってしま
い、釣りが再開できることを知る。

ホタテの水揚げも見学していた私が戻ると、またしてもQちゃんがヒットしていたらしいが、残念ながらライン切れにてバ
ラシていたらしい。
そこへ現れたのがイノケンさんで、別の場所で釣り続けていたが波と風に疲れ果てて撤退してきたと言う。
さらにウルシさんも登場したので釣りはそっちのけで話に花が咲いてしまい、元々熱中していなかった釣りが全くロッド
が置きっぱなしの釣り談義の会になってしまう。
もちろんほとんど誰も釣れていない状況だったし、海を覘くと型の良いチカが泳ぎ回っていて、小さなタモ網でチカすくいをしている人やチカ釣りを始める人の姿も見られた。
しかし、今日は絶好調のQちゃんがまたまたヒット!10時半過ぎのことで、やや遠投の遠目でのヒットだっただけにファイトが楽しそうでうらやましい。
彼のロッドを見るとキッシーさんがマス釣りに使っていたディスタンスマスターだったので、Qちゃんとキッシーさんはモンリミと2本の同じロッドを持っていることになる。
ただ、アキアジにはディスタンスマスターは軟弱なロッドにみえてしまい、随分とのされてしまっていたようにもみえたので、10月に入ってからの渋いアキアジには有効かな?と勝手に思ってしまった。
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その後イノケンさんは帰ってしまい、私達も昼食の買物に行ったついでにサビキ仕掛けを購入してチカを狙うことにし
た。
午後からは見えるチカを狙って仕掛けを落としてみたが、撒き餌がないと魚は釣れず苦戦・・・午前中たくさん見えてい
たチカも午後からはさっぱり見られず、結局一匹釣っただけでリリースすることになってしまった。
そしてウルシさんから「第四の残りが開放されたからおいでよ!」と電話が入り移動することになった。
ウルシさんの好意で移動してみると、風が強くてアキアジはほとんど釣れておらず厳しい状況は変わらなかったが、夕
マズメに期待してキャスティング開始。
その後、チカさんと名古屋支部のミノルさんが遠路到着し、久しぶりの再会を果たして賑やかな釣りが始まり、これまた
毎回会っているシーバスさんとも会って情報交換。能取湖の船釣りのときのシーバスさんのお友達とも再会することが
できた。

夕方にはレガオさんとギャン君が仕事を終えて到着し、さらに賑やかで楽しい釣り場となったが、アキアジは全体的に
数本釣れただけでこの日は終了。
夜の街へ繰り出すこととなる。
恒例の飲み会は昨年に比べると名古屋支部からの参加者がミノルさん一人だったために少なかったが、いつものよう
に賑やかに楽しく過ごすことができた。
タクシーで埠頭に帰る?と、ウルシさん夫婦、ウルシJr夫妻とその友人カップルとお友達が炭焼きをしながらの宴会中
で参加させていただいたが、すでに定量状態の私はキッシーさんたちが夜食のラーメンを食べて戻る前にダウン・・。
9月23日 飲み過ぎで目覚しをかけ忘れていたが、周囲の騒音と薄明るくなっていたことで目覚めると、慌てて準備を始
めた。
聞くと宴会は先ほどまで続いていたらしく、みなさん二日酔いの寝ぼけ眼(まなこ)でキャスト開始。
そのうちレガオさんとギャン君もやってきたが、朝のみの釣行で職場のソフトボール大会へ向かう。
あまり期待していなかったとおりに、ほとんど釣れていない状態が続く・・・・・。
長いウキ下のルアーが見えるほど澄んだ海中にはチカの群が泳いでいるが、アキアジのアタリどころかウグイのアタリさえない。
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しばらくするとメガ弟さんが出勤前に、いつものように釣りのタックルを持たずに登場!
前日に購入したチカサビキを彼の遊び道具にと手渡し食料の調達を依頼すると、隣の地元ベテランさんが撒き餌を作
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ってくれるというありがたい親切もあった。
メガ弟さんは、夕食のおかずに充分な数のチカを釣ってくれてから仕事に出かけて行った。
地元の人が「網走最悪の日」と口々に言うように正(まさ)しくそのとおりの釣果だったが、私達の最初のヒットはウルシJrがやってくれた。
見事に銀ピカのアキアジをGetしたと思っていたら、その後はその奥様が釣り
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上げて好調をアピール。 |
そこへ突如現れたのが、あの個性派俳優の矢崎 滋だった。
何故こんなところに来ているのか定かではなかったが、私達の仲間と親しげに話しこんでいたかと思えば今度は私に
話しかけてきた・・・「とっちさん、フライやるんでしょ。今度屈斜路行こうよ!」・・・???
なんと!矢崎滋だとばかり思っていたその人は、私達の仲間のエーちゃんだったといまさら気付いた時には少々気ま
ずい・・・。
まあとにかく、エーちゃんも少し離れたな所でこの日の一本を釣り上げているらしい。
さらに釣れない時間が過ぎた10時半少し前、今度はキムさんがやってくれた。
キムさんにはポリシーがある。
キムさんには、早朝二度も驚かされていた。
一つはタモ網で、新調したアルミ製の持ち運びにも便利そうな大口径のものだったが、問題は柄の長さである。約2.5mほどしかないので、この埠頭ではどんなに手を伸ばしてみても海面までは1m以上は足りなかったのである。
そして、もう一つはエサだった。
幅1cmほどの輪ゴムをイカの短冊状にカットした、何の変哲もないどう見ても輪ゴムなのである。赤く染めたわけでもエビやニンニク臭を
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キムさんバラシ直後
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染みこませているわけでもない、ただの天然ゴム。
その輪ゴムを頑なに使い続けてのヒットだっただけに、私達全員を驚愕させたことは言うまでもないだろう。
遠目のヒットだったのでファイトも素晴らしかったのだが、寄せに入るところでバラシ・・・残念。
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後で聞いた話だが、翌日も同じ場所で同じ輪ゴムを使い続けて、ついにキムさんはアキアジを釣り上げてしまったというから驚きである。
キムさんのポリシーは貫かれたわけである。
そんな出来事で賑わっていた釣り場だが、11時過ぎにはウルシさんにヒット!
強烈なアワセを近くで見てしまったキッシーさんは、改めてその剛アワセに驚いていたようだったが、難なくアキアジGet!
その後、ウルシ奥さんもキアジGet!この日はウルシファミリーのためにあるような一日だった。
さらに、ウルシJrの友人彼女にも一本、さらにウルシさん2本目をGetして、釣れていない状況の中で燦然と輝いていた。
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キッシーさんと私達は予定通りお昼には納竿しようと話していたので、
少しだけ上向いてきていたかにみえる釣り場は去りがたいなあと思っていたときだった。
11時27分、キッシーさんにヒット!目の前すぐの巻き上げる直前に食ってきたらしく、目の良いキッシーさんでも姿は見えなかったという。
目の前のヒットでも、この時期まだまだ元気なアキアジは走り回り、私がタモ入れをして今釣行の一本を釣り上げた。
少々ブナではあったが、2週間ぶりのアキアジに喜びは隠せないし、私としてはうらやましい限りであった。
キッシーさんも釣ったことだし、今日は諦めて帰ろうかと最後の1投を決めた11時40分過ぎだった。
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Kさんが目の前でヒット!最後の一投とは随分とドラマチックだが、これも巻き上げ寸前に食ってきたらしくアワセを入
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れずにファイトが始まってしまった。
ドラグを締めてからも走り回り、周りを気にするKさんは必死の形相でひたすら巻き上げて、ようやく力尽きたアキアジを寄せたところですっとタモ網に入った。
状態の良い銀ピカオスで、動画撮影を終えたキッシーさんが一言「バレろ!言うの忘れたー!」と悔しがっていた。
そう、昨日の事件後「Kさんにヒットしたら絶対にバレろってい言ってやるんだ」と言っていたキッシーさんだったが,うっかり忘れていたようで、今後の展開が楽しみである。
そんなこんなで楽しかったが期待に反する釣行となり、みなさんとはまだまだ釣っていたかったが埠頭を後にした。
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市内のコンビニに昼食を買いに行くと再びキッシーさんに出会い、一緒に食事をしながら次週の計画を練り上げた。
帰る途中に常呂漁港をのぞいて見ると、濁りが入っていて外海は釣りにならない状態だったが、港内ではアキアジ釣り
をしている人が見られたものの、そのまま通り過ぎる。
最後の楽しみは温泉で、先週初めて寄ってみて気に入っていた。
国道から山の中へ10分弱走ると、行止まりが瀬戸瀬温泉である。
泉質が柔らかくてぬる目の温度が私には丁度良いが、洗い場のお湯は水が出ないので非常に熱くて、これがなければ文句なしである。
外に出ると深い山中の涼しさに、近くを流れるせせらぎの音が気持ち良く、温泉客も混雑するほどではないが入れ替わり立ち替わりやってきていた。
22日の第五埠頭は全体でも二桁に達していないほどの貧果、その後第四埠頭へ移動したものの釣果は変わらず、翌日の第四埠頭は全体およそ30
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本程度だろう。
前期群と後期群の境目にも当っているのかもしれないが、今シーズンは週末にハズレが多く釣れる気がしない・・・・・。
今回釣行の仲間たちはその後全員アキアジを釣り上げて、厳しい中にも結果を残して帰ったことを聞きうれしく思うが、
こんなに釣れないことは過去にあっただろうか?

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