
9月の釣り Ver. 3
■ 網走の港、今回も散ったが・・
9月28日 週末にかけての天気予報は今回も良くないが、風波ともに荒れる様子なので埠頭に避難するアキアジ狙い
には最適の出撃だと考えた。
体調を回復したキッシーさんが先着してすでに一本、その後師匠夫妻も待っていてくれた第五埠頭に着いてみると、い
つもの人の少ない埠頭に戻っていた。
ただ、いつも夜通しエンジンがかかったままであるはずのトロール船が静かなのが気がかりだったのは、翌日にかけて
風が強くなり波も高くなる予報を聞いていたからであった。
出航することを祈願してキッシーさんと軽く一杯やってから就寝するが、翌朝釣りができなかった場合の場所のことを考
えているうちにいつしか眠ってしまっていたようだった。
9月29日 3時過ぎにトロール船のエンジンが、ドドドドーンとかかって目が覚めた。
布団の中でウトウトとしながらも船の様子に耳を傾けていると、3時半にはエンジン音が遠ざかったので外に出てみたと
ころ遠くにその船が見えていた。
安心したところで一眠りしようとするが、眠れずそのまま横になっていると師匠が準備を始めているだろう物音が聞こえ、しばらくしてから私も歯を磨いたり顔を洗ったりして少しづつ準備を始めた。
防寒対策はしっかりしてきたつもりだが、それでも外は寒く風は強かった。
まだ暗いうちからキャストしていた師匠に「トロール船がかき回して行ったから、まだ釣れないでしょう」そう言っていたキッシーさんに反して、不意に師匠のアワセ!
しかし、痛恨のアワセ切れに悔しがる師匠をよそに海面にそのウキが浮いたり沈んだりしながら、口の中の異物であるルアーを外そうと
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するアキアジが暴れて大きなモジリができていた。
すぐにウキアジの回収をしようとロッドを持ったが、暗闇でロッドの先に絡まったラインが見えずもたついている間にウ
キアジは何処かへ行ってしまった。
朝からついていないと言う師匠だったが、私達も周囲の多くの人たちもキャスト開始。
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全体3本ほど釣れただろうか、この日は前日の予想に反して全く釣れないしウグイのアタリさえない状態のままに、市内から聞こえてきた6時の鐘の音を聞く。
それから間もなく右となりの人たちが一斉に納竿し始めたので、いったいどうしたのかと嫌な予感をしていたところ、予想通りトロール船団が帰ってきてしまった。
釣り始めて僅か1時間で終了。
それでも船と船の間の隙間なら釣りになるだろうとねばっていたところ、Qちゃんが良さそうな場所を譲ってくれたのでその場で待つことにする。
トロール船の船員さんに聞いてみたところ「すんごいうねりだった」と、
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とんぼ返りになった沖の様子を聞かせてくれた。
しかし、出漁するときとは違ってたくさんのロープを使った係留に、これでは釣りは不可能と判断して次の釣り場を検討
する。
隣町には、海が荒れたときに港にアキアジが溜まる漁港がある。
早速、師匠夫妻とキッシーさんと一緒に港に着いて聞くと、場所によっては爆釣だったらしく、釣人の姿もいつになく多
かった。
離れ離れにはなるが各自釣り場をみつけて場所を確保して釣り始めたときに、メガ弟さんから電話があった。
夜勤明けのメガ弟さんではあったが、ぜひ一緒に遊ぼうと誘ってみたところ、40分後にはリラックスした彼の姿が漁港にあった。
しかし、やっぱり釣り道具は持たず私達とおしゃべりを楽しみつつも、寒風に吹かれながら朝食タイムのマイペースな姿。
もちろんアキアジはほとんど釣れておらず、こんな時のためにと用意してきたチカ釣り道具も、何の魚も全く見られない港内では無用の長物となる。
後方からの風が強く時折雨も混じっていたので、キッシーさんとメガ
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弟さんで陸揚げしてある船の陰でおしゃべりをしていたところ、一本足のカモメが降り立ってきて「今日もはずしたね、そ
のカツオ使わないならくれよ!」と言いたげに私達を見ていた時だった。
キッシーさんの釣り座の横で、2本立て続けにヒットしたのは銀ピカのアキアジだったので、慌てて釣りを再開するも時
すでに遅かった。
ところが、港内にはまだアキアジが釣れている場所があり、キッシーさんはそこへ行くとのこと。
私達は移動するのも面倒だったので、そのまま回遊してくるアキアジの群を待つことにした。
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11時過ぎには、キッシーさんが向かった釣れているという場所からきたという地元のベテランのおじさんのお話を聞く。
港内のポイントや回遊ルート、さらに稚魚の放流から回帰まで詳しいお話はとても興味深くて面白かった。
その方は自作の棒ウキ2本を回遊ルートに乗せてアキアジが通るのを待っていたのだが、一方のロッドの仕掛けを投げ直そうとしていたときにもう一方のウキが海中に引き込まれた。
アワセを入れたというよりもただ引き上げた程度のも
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ので、見えた魚体はクネクネとしてから暴れだしたので、すぐに私がタモの準備をした。
しかし、その直後にはフックアウトしてしまった。
ウキルアーに反応しないアキアジにはウキが有効で、とうとう私もしびれを切らして太平洋用にと買っておいた磯竿を出
すことにした。
リールは以前使用していたウキルアー用だったのでドラグを少し強めにしておき、もちろんタナはおじさんに聞いてバッ
チリ、竿置きにセットして完了。
セットして間もなく私のウキに怪しい動きがあり、海中に引き込まれたのを見計らってアワセを入れるとフッキングしたようで、白いお腹がクネクネ動いていた。
長尺の磯竿でのアキアジとのファイトは予想以上に面白いものだったが、おじさんがタモの準備をしてくれている最中にバラシ・・・。
ウキに掛けてあったサルカンが留まっていなかったものと見られる初歩的なミスで、ようやく巡ってきたチャンスがふいになってしまう。
このヒットで自信を持った私だったが、丁度お昼になったので
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車内で食事をしながら釣り場の様子を見ていたところ、おじさんが私の竿に向かって駆け寄って行った。
私もすぐに飛び出してみると、磯竿が美しい弧を描いてアキアジがヒットしているではないか!
おじさんから竿を受け取ろうとすると「いや、大丈夫!」??そう言ってから、すぐに気付いたのか私に竿を渡してくれて
ファイトを開始すると、強めに締めていたドラグが簡単に出てしまうほど元気なアキアジだった。
竿先が海中に刺さりこむほど柔らかい磯竿の制御は大変なだけに、その面白さは未体験ゾーン突入と言えばおおげさ
に聞こえるかもしれないが、とにかくその竿を持った人しかわからない楽しさかもしれない。
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この漁港は海面まで近いので、特に魚との距離が近く感じて面白さも倍増するような気がする。
おじさんがタモ入れをしてくれてようやくネットインして、4kgを軽く超えた銀ピカオスをGet!
「イヤー、俺のエサに悪戯しただけでそっちのエサに食いつくんだもんなー」と言っていたおじさんだったが、結構楽しんでいた様子。
ヒットゾーンが見えると自信を持ってポイントを攻めることができ、12時18分には再びヒット!
このアキアジは何度かドラグを出されただけだったが、磯竿での3回目のファイトを充分に堪能してからKさんがタモ入れをしてくれた。
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一本目よりはサイズダウンしたものの、まずまずの状態のオスだった。
この時は私達の近くにばかりアキアジが寄り付いていたのかもしれない、と思ってしまうほど魚の気配を感じていたとき
にKさんがアワセを入れた。
12時48分だったので、僅か30分後のことだった。
「やっときたー!」そう言いながらファイトを楽しむKさんの写真を撮ってからタモの準備をすると、結構ドラグを出され続けるほどファイトをしていたので、これもオスかなと私は思った。
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ようやくタモに入ったのはきれいなメスの銀ピカで、最近はこのルアーがお気に入りのようだ。
私もウキルアーに専念して続けていたところ、半分ほどリ
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ーリングしたところでアタリ・・・少し早かったのかもしれないが、頃合を見てアワセを一発!
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グッと重くなるはずが、ルアーがこちらに向かって飛んできてバラシ・・・。
車の中で休んでいた人たちも私達のヒットを見てすぐにキャストを始めたが、その後は相変わらず静かな港内だった。
しかし、エンジンのかかったKさんには再びヒット!
14時40分、いつになくキャストし続けていたKさん、執念の2本目とでも言ったらよいのかなかなか見事なアワセとアキアジの引き寄せで、私がタモ入れをしてネットイン。
またしてもメスだったので、オスメスを二人で釣り分けたことになった。
この頃から30分に一本ほどの割合で私達よりも左側で釣れ始めたが釣人の数は数えるほどしかおらず、朝のよう数の釣人がいたなら
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もっと頻繁にロッドが曲がっていたのかもしれない。
15時20分過ぎ、師匠にヒットしているのが見えたので駆けつけて写真を撮り見ていると、いつものように奥様がタモ入れをして無事Get!やや小振りの銀ピカオスだった。
メガ弟さんもキッシーさんのいる釣り場からこちらに来ていて、1.8mの振出ロッド+2000番位のリールに3号のナイロンラインが巻かれ、ビニールケース付きという1180円のロッドでウキルアーを始めていた。
このロッドにアキアジがヒットしたときのことを考えるとどんなに面白い光景になるかと、私達の期待は大きかった。
しかし30分後、再び師匠にヒット!
完全に師匠の一人舞台のようになってしまい、一番奥で一本釣れた以外アキアジのヒットは見ることができなかった。
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正面には、これで雨が上がった合図となる虹も出ていて、風はすっかり止んでいた。
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ここで一本釣って戻ってきたキッシーさんと相談した結果、翌朝の釣り場の下見を兼ねて場所を移動することにした。
朝は爆釣、日中もコンスタントに釣れていたという場所だったが、次第に波が高くなり始めた影響で濁りも入り始めアキアジの居そうな感じはなくなっていた。
ルアーが付いたウキが流れてきたのでキッシーさんがこれを潮流を上手くつかんでGetしたが、今にして想えばこの一件は翌日の釣りに関係していたのかもしれない。
夕暮れ近くなり翌日に不安を感じていたときに、思いもよらないの場所で他の人にヒット!
漁協の前の囲まれた港の中だったので、アキアジはこんなところま
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で入り込んできていることがわかったし、跳ねも見えていたのであった。
そしてこれも、翌日の私達の釣果に大きく関係することになる。
そんな時、ふと何気なく見た視線の先でメガ弟さんがアワセを入れる瞬間が目に飛び込んできた。
急ぎキッシーさんとメガ弟さんのところに駆けつけて、写真など撮ろうかとする間もなくバレた・・・残念。
その後、師匠夫妻も様子を見にやってきたところで納竿となった。
師匠夫妻は開放される予定の第四埠頭へ向かい、メガ弟さんは翌日仕事のために帰網。
キッシーさんとコンビニで夕食の買物をしてきてから、港内で食事をしながらの一杯を楽しんだ。
夜になっても風と波の強さは変わらず、釣り場を見に行く時にはうね
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りによる飛沫に注意しなければならないほどであった。
9月30日 外の喧騒に目覚めたのが2時過ぎだった。
早くから漁船の乗組員や釣人の車が出入りしているので騒々しくて寝ていられなかったが、本当は釣り場の心配をして
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いたせいかもしれなかった。
寒風吹きすさぶなかキッシーさんと一緒に釣り場を見に行くと、夜釣りをしている人がいたので話を聞く。
しばらく話しているうちに、私が誰であるかを知っているような口ぶり・・・なんと、3年ぶり位だろうか?網走の港や帽子岩で一緒に釣りをしたことがある大君だった。
彼は今シーズンすでに150本ほど釣っていて、今回の釣行を最後にアキアジ釣りから川釣りへ移行しようと考えての釣行だったと言う。
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思わぬところで知り合いに会い、少し心強くなった気がして釣り場は確保。
昨夜第四埠頭に向かった師匠夫妻だが、閉鎖中の入口から続く開放を待つ長い車の列にすでに釣り場はないことを知り、急遽私達に同行することとなっていた。
4時半過ぎには全員が揃い、周囲の人はウキが見えないうちからキャストしていた人がいたので、頃合を見て私達もキャストを開始しようとした頃に近くでヒット!
しかし、期待に反して予想通り海水は濁り、アキアジもほとんど釣れなかった・・・。
私達が選んだ釣り場ってどうして釣れなくなるの?そんな思いでキャストしていたところ、師匠にまたまたトラブル発生。
リーリング中だったので詳しいことは聞けなかったが、何らかのライントラブルによってのバラシだったらしい。
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そして、次に私達を襲ったのが根掛かりである。
漁港内で根掛かりなんて?と思われるかもしれないが、昨日地元の方に聞いて知っていたので驚きもしなかったが、師
匠夫妻とキッシーさんの前には何かがあるようだった。
そんな過酷な条件の中でも師匠にヒット!
ようやく日が昇り始めた5時半過ぎのことで、奥様がタモ入れをしてレギュラーサイズのアキアジが上がった。
その僅か10分後には師匠の奥様にヒット!
・・・・・しばらく経っても魚の姿が見えないなあと思っていたところ、なんと根掛かりだったのである。

しばらくして大君も一本釣り上げるが、私達にはアタリさえない状態が続く。
しかし、6時半過ぎに、今度は師匠の奥様に本物のヒット!
師匠のタモ入れによって無事、奥様もGet!
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そして、この頃から滅多に釣れない時間がやってきてしまったのである。
釣れないので、朝食は車に戻って温かい食事をゆっくり食べてから釣りを再開したが、やっぱり釣れていない。
この時間に帰ろうと決めていた8時を過ぎた頃、漁船の関係者なのか私達の後方に係留されていた船に乗ってウキを流していた人にヒット!
さっそくキャストする方向を背中側に変えて、アキアジが回遊しそうなポイントを流していた数投でアタリ・・・ウグイのようなアタリから始まって、注意していなければ気付かないような微かなアタリが続く。
充分に食い込ませてからアワセを入れてみたのだが、フッキングせずルアーが足元に飛んできてしまった。
そしてキッシーさんにもアタリが来て合わせるも、同じようにフッキングしない・・・。
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激シブのアタリに翻弄されてなるものかと、さらに神経を集中してリーリングを始めたときだった。
Qちゃんは私達の斜め向かいで釣っていたらしく、すでに一本釣り上げての余裕の登場。
せっかくだからと一緒に釣ることになり、またまた賑やかな釣り場となったのである。
そして間もなく私にチャンスがやってきた。
微かなアタリから慎重にタイミングを見計らって合わせると、今度はフッキングしたようでようやくアキアジの感触を味わう。
少々抵抗はしたものの、レギュラーサイズの銀ピカオスをGetして一安心。
スカリに入れておくよりも車に持っていくほうが早いので、歩いて1分もかからない車に戻りクーラーにしまいこんだ。
アキアジが居場所を教えてくれるので狙いやすい釣りだが、そこは遠いのでいつもの私達の遠投大会の始まりとなる。
本当は目の前を通るアキアジの群を丹念に狙った方が確実かもしれないのだが、遠投好きの私達にはできない相談だ。
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そして9時過ぎにはQちゃんにヒット!
ロッドを持つ手の人差し指が立ったままでファイとしている人がいれば、おそらく彼に間違いはないだろう。
充分に楽しんでから、Kさんの差し出したタモにネットイン。
そしてその直後、キッシーさんにヒット!
この頃アタリは頻繁にあったが、なかなかアワセには至らなかったアキアジをようやくフッキングさせたのである。
そして無事Get!
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連続Getにワイワイやっていた僅か7分後には、遠投した遠目でアタリ・・・そしてヒット!
キッシーさんが写真を撮ってくれていないかと探してみるも、魚を車に運んでいたために不在・・・残念。
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写真は諦めて、ファイトを楽しんでからGet!
今回始めてのメスだったが、時間経過とともに黒く変色し始める後期群のような、一応銀ピカアキアジだった。
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次はKさんにヒット!したかに見えたがフッキングせず・・・。この日はライントラブルが多発してKさんは、絡まったラインを直している時間 |

これは師匠にヒット中
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が多かった。
そして10時17分、師匠にヒット!
Qちゃんのタモ入れで2本目をGetする。
予定時間を随分と過ぎてしまったのでこの時点で私達とQちゃんは納竿して帰ったが、その後はアタリもすっかり消えてしまったそうで
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ある。
秋晴れの青空の下、ダメかと思っていたこの日も無事釣果があって帰ることができたが、小爆釣なんぞ夢見ていたせ
いか少々拍子抜けの感は否めない。

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