10月の釣り


   ■ 朝一勝負は私の負け・・・。

10月2日 翌日、師匠御一行が先週の釣り場に行くと聞いていたが、私達の釣りができる時間は少ない。
そこで、下見がてら近場のオホーツクを体験してみようと急遽出撃することとなった。

情報によると、シケの後はさっぱりだとも聞いていたが、アキアジは突然やってくることもあるので現地に着いた夜にポ
イント偵察をしてみることにする。
その前に、新港の明るい照明のあるサビキポイントで竿を出して遊ぼうということになった。
平日のせいか誰もおらず、何も釣れないのでは?不安を感じながらもサビキ竿を投入。
すぐにアタリがあり、引き上げてみると強い引きが伝わり15cm位の魚体が見えた。
取り込みをしようと私の鼻先を通過したときに野菜のキュウリの匂い・・キュウリウオである。
その後は入食いに同じようなサイズが面白いくらいに釣れたが、サイズが小さかったので全てリリース。
中にはガヤも釣れて充分楽しむことができたので、20分ほど遊んでこの港一番人気のアキアジポイントへ向かう。
血の跡や夜釣りをしている人の話を聞くためだったが、平日なので誰もいないだろうと思っていたところ、意外に一人暗
闇で釣りを楽しんでいる人がいた。
しかし、教えていただいた情報は悲惨なもので、最近は全く釣れていないとのことだった・・・やっぱりね。
ここまで来て帰るよりは、せめて朝マズメの雰囲気だけでも味わおうと近くで車内泊をすることにして、誰もいない漁港
のトイレの近くの駐車場で寝ることになった。


10月3日 もしかして誰もいなかったりして?などという心配は要らず、次々に釣り場へ向かう車を確認したので準備を
急ぐ。
釣り場の駐車場で準備中の人に話を伺うと、昨日は全体2本釣れていたとその場所まで教えてくれたが、そこはすでに先行者がいたので近くに釣り座を構える。
ほとんどの人が声を掛けてくれるこの釣り場は実にフレンドリーでのんびりしているが、週末には豹変してしまうのだろうかなどと考えながら準備をする。
ウキが見える時間帯には全体20人以上の人がウキルアーやウキを流していて、朝日が昇るであろう方向は赤く
染まり、遠くに見える霧が幻想的に見える。
しかし、このポイントは海面までが非常に高く、慣れるまでは恐怖感さえあったくらいで、今回アルミのタモを5本接続し
ても届くだろうか心配だった。
実際にヒットしたときまで試すことはなく、届かなかったときに助けを求めようと他力本願の私・・・。
しばらくすると昨日のポイントからバシャバシャとヒットした音が聞こえ、振り出しの長いタモがアキアジを掬った。
この釣り場でアキアジを見たのは初めてだったので、リアルに釣れそうな気がしてくる。
干潮ではないが近くには海草が茂っている場所があり、時々ウキが静かに沈みこんでいくのでドキッとさせられる。
その後、周囲で4ヒット3バラシの釣果を見ているうちにヒットゾーンなど様々なことがインプットされ、もうそろそろバイトがあってもいいのではと思っていたときだった。
時間は5時半過ぎ、Kさんがいきなり「来た!」そう言ってアワセを入れるのが見えた。
先ほどの海草が茂っているポイント付近でヒットした。
近いので写真は撮らずにタモ入れの準備をするが、するするとタモを海面まで近づけてみたところ・・・余裕で届いた。
しかもまだ1m以上の余裕があったので、楽にネットイン。
レギュラーサイズのメスをリリースしようと思いながらも周囲の人に悪いので、お隣さんに聞いてみたところ受け取っていただけることになった。
自分のタモが使えることに安心してキャスト再開。
しかし、跳ねはまったくないうえに周囲でも滅多にヒットしていない・・・。
入れ替わり釣人がやって来ては、みなさん知り合いなのか情報交換しながら広々とした釣り場に散っていった。
7時を過ぎると、砂浜近くでアキアジが跳ねはじめたので移動する人も多かったが、全く食わないと帰ってくる人も多かった。
私達の周囲でも4割の人がウキ釣りを始め数本が釣れていたが、ウキルアーでももちろん釣れた人もいる。
そろそろ納竿しようかと思っていた頃に、砂浜でやっと一本釣ってきたという人が5kgを軽く超える大きなアキアジを袋
に入れて抱えていたが、2本分もありそうな大きさに見えた。
8時半、時間がきたので納竿したときには全体で6本というまだまだ寂しい釣果であった。
帰る途中の港内ではチカ釣りの人がいたので聞いてみると、ポツポツだねと言うとおりバケツには10匹ほどしか入って
いなかった。
さらにアキアジでは有名な数日前まで小爆釣していたというポイントでは、一本も釣れていなかった。
しかし、そろそろ爆釣の時期がやってくるはずなので、今後に期待して港を後にした。





   ■ 網走の前浜で投げ釣り初体験

10月5日 一週間経っても、やっぱり釣れていないと聞く網走ではあったが、それでも出かけずにはいられないのがアキ
アジ釣りである。
第四埠頭は閉鎖中だが、連休中の開放があると聞いたものの釣果はパッとしない。
キッシーさんからの電話で、前浜にブッコミ釣りができるスペースがあるとのことで、土曜日はのんびりと砂浜での投げ
釣りを初体験することになった。

現地に到着すると先に着いたイノケンさんも出迎えてくれて、師匠夫妻も網走入りしていたようだった。
いつものように車内でビールを飲みながらの談笑を楽しみ、翌日の釣果を占ってから床についた。


10月6日 4時起床だったが体がだるくて起きるのが辛く、投げ釣りなので準備も時間を要する。
イノケンさんと師匠夫妻は別の釣り場に向かい、キッシーさんは慣れているのですでに砂浜で準備を始めている様子。
ようやく準備が整い砂浜に向かう途中、地元ベテランらしき人たちが焚き火を囲んで夜明けを待っていたので情報収集
のつもりで話しかけてみた。
ところが、ここ最近は全く釣れていないそうで、希望の欠片もない絶望的なお話を伺うことになってしまった・・・。
地元の人たちは一人10本近い数の竿を立てていたが私達は一人3本で、それでもキャストを始めるまでには随分と時間がかかってしまい、さらに干潮の時間帯だったので遠浅の浜を足元を確かめるように沖へ進み、時々寄せる波に注意しながら遠投する。
こんな作業をKさんの分と合わせて6回もすると汗が出てしまうほど体力も時間もかかってしまう、ブッコミ釣りって意外と体力が必要だと知った。
周りの人たちは地元だろう、平日からここで釣っている人たちらしく竿立ての間隔も広いが、私達は激戦地の釣り場のように3m間隔程度の密集した釣り場である。
準備を終えた頃、前日に合流すると連絡のあったメガ弟さんが突然に現れたので、はじめは誰だかわからず地元の釣
人が様子を見に来たものと思ってしまった。
気温は低かったが晴れていたので、竿が良く見える位置にイスを並べておしゃべりを楽しみながらアタリを待っていたところ、右奥の人に釣れているような動きがあった。
しばらく見ているとアキアジの姿が見られ、少しだけ自分たちにも釣れるかも?と期待しながら竿先にも時々目をやる。
6時を過ぎた頃、私の竿先が緩やかにクイクイと動きをみせていたので、すぐに駆け寄って竿先を注視する。
私の投げ竿の中でも一番固い竿なので、大きな魚にしかできないアタリと確信したからだった。
そしてその竿先がすうっと引き込まれていったところで大きくアワセを入れてから巻き始めると、動きはないが重い感じがする程度のものでアキアジとは全く思えない軽さだった。
しばらく巻いているうちに生命反応があることに気付き、少しずつ重さも増してくる。しかし、リールを巻く手がだるくなり
はじめていた。
残り3分の1ほどのところまで巻くと、その重さがアキアジに変わったと思えるほど抵抗するのが伝わってくる。
さらに海上にもアキアジの姿が現れ、左右に走るので緩めないように必死だった。
しかし、あと僅かでランディングかと思ったときに左方向に走ったまま、ふっと重さを感じられなくなってしまった・・・バ・
ラ・シ。
この一本は悔しさはほとんどなく、むしろ初体験の感覚に酔ってしまうほど私は喜び、魚いるんじゃあないの!と釣れそうな気がしてきたのであった。
そして6時34分、Kさんが自分の竿にアタリを見て駆け寄り、すぐにアワセを入れて巻きだした。
釣ーりんぐ北海道の故捧さんが、ブッコミ釣りのアワセのときにとても目立つ大アワセをするのが好きで、自分もやってみたいと願っていた大アワセである。
そして、アキアジかどうかわからずに巻いていたところ、メガ弟さんが目の前で跳ねていると教えてくれて、群が私達の投げ竿付近を移動中だとわかった。
魚が近づくにつれて何度か走り出し、それでもラインは4号から6号に変えていたのでドラグは強めにしてあり、切れる
心配はほとんどないと巻き続け、波打ち際までアキアジが見えたときにメガ弟さんが足で砂浜に移動させてくれた。
Kさん初体験の投げ釣りで銀ピカオスをGet!
その後はKさんのオモリが軽くて流されるので、釣れたKさんの竿数は2本になる。
そして、先ほど釣れたKさんの竿を私が再キャストしているときだった・・・右となりの人たちが私達に何か叫んでいた。
どうやら私の竿立てが曲がっているとのことで、ヒットしたアキアジが引き曲げてしまったらしい。
Kさんがアワセを入れて巻き始めたが左利きのために巻きにくく、堪らず隣にいたキッシーさんに竿を預ける。
そしてようやく駆けつけた私が残り3分の1を巻き始めて最後のファイトを堪能し、後ずさりしながら波打ち際から砂浜へ引っ張り上げてGet!
私も砂浜でのアキアジGetは初めてで、きれいな銀ピカのメスだった。
しかし、アキアジの姿を見たのはこれが最後で、その後はのんびりとおしゃべりを楽しんだり、時々エサの交換をするく
らいしかすることはなかった。
      

隣の人が私達の仕掛けを2本まとめてオマツリしてしまったので、ベテランなので率先して絡みを解いていたそのおじさ
んの手元にみんなで注目して見ていると、あまりにひどく絡んでいたのでライターの火で切り始めた時には驚いたが、
その後私の仕掛けを作り直し始めたので意外に親切な人だとわかった。
しかし、見ていると理解不能な仕掛けが出来上がりそうになった時に仲間のおじさんがやってきて「それ、どこにオモリ
つけんだー!」と言ってくれたので、不思議な仕掛けは完成を見なかった。

       

別の場所に入っていたイノケンさん情報では、自分以外はまずまずの釣果らしく相変わらず釣れている場所のようで、
師匠夫妻は2本づつ釣っていると聞く。
常呂方面は、港内におびただしい跳ねは見られるものの全く食わず、深夜にしろくまさんが2本釣ったのみでモリさん
はバイトが一度だけとのこと。
その後、私がぶらぶらと散歩をしている間にキッシーさんがウグイを釣っていたそうだが、戻った時にはリリース済みだ
った。
ウキルアーを始めたメガ弟さんも怪しいアタリがあったらしいが、釣り上げていないので魚種の特定はできず、結局そ
の後はウグイすら釣れず11時前には納竿となった。

市内でのんびりと昼食休憩をして午後からの釣り場を検討していると、Qちゃん情報では斜里方面に釣れている場所
があるというので行ってみようかとも考えたが、遠いので簡単に諦め先週の港へ行くことになった。
キッシーさん、イノケンさんが先に漁港入りし、私達は少し遅れて港内の外海に着くと16時近くにもかかわらず結構な釣人の数だった。
さっそくキャスティングを開始して、僅か4投目にしてKさんのロッドが弧を描いていた。
時間は16時16分、写真を一枚撮ってからタモの準備をして、一度目は空振りしたが2度目にネットインとなったのはやや銀ピカのメスだった。
すぐにリリースしてキャスティングを始めたもののアタリもなく、それでも釣れそうな気がしてリーリングを続けた。
時々跳ねはあるが誰のロッドにも反応はなく、港内では外海よりも更
にたくさんのアキアジが跳ねていた。
ウキが見えなくなるまで楽しんではみたものの、結局近くの人に一本釣れただけで納竿となった。
駐車場に戻る途中、街灯が近い場所ではたくさんのアキアジが跳ねていて、ウキルアーやウキ釣り、ブッコミまでしてい
る人は居たが、釣れているかどうかは定かではない。
       

コンビニで夕食を買ってきて4人でビールなどを楽しんでいたが、早々とイノケンさんが睡魔に襲われると私達も早めに
寝ることにして、釣り場の様子を見に行くとベテランらしき釣人の持っていたライトがあまりにも明るかったので聞いてみ
たところ、工具メーカーマキタの製品で充電式だがバッテリーと充電器が高価で2万円以上と言う。
しかし、その明るさはこれまで見たことがないほどで、さすがは夜間に作業をするためのプロの製品である。
それから車に戻って、すぐに眠ってしまったようだった。


10月7日 早く寝たせいか2時過ぎに目が覚めて外に出ると、風が強く釣り場では向かい風になっているようで冷え込み
も一段と厳しくなっていた。
再び布団に入るが寝付かれなかったので起きて少しづつ準備をしていると、次々にやってきては釣り場へ向かうらしき人たちがいた。
約束していた時間に外へ出てみると元気なイノケンさんとは対象に、寒がりのキッシーさんは弱々しく先に行っててほしいとのことで、イノケンさんと一足先に釣り場へ着いた。
すでにたくさんの釣人がルミカを付けたウキルアーなどで海面が蛍のように光っているが、当然誰も釣れてはいないようだった。
お隣さんと挨拶を交わし話を聞くと、地元の人らしく「ここは朝7時までがピークで、それまでに釣れなければその後はアタリもピッタリやんでしまう」とのこと。
やがて5時近くなると正面に朝焼けが見え始め、高い位置にあった
三日月も輝きを失い始めるとキャスティングのタイミングを待っていた人たちが一斉にキャストを始めたので、私達もロ
ッドを持った。
周囲で数本釣れた頃に隣の人がアワセを入れたがフッキングせず、それから少しして私にもアタリ・・・ウキがまだ見え
なかったのでタイミングを計って合わせる・・残念、フッキングせず、もう少し待ったほうがよかったと少々後悔。

       

5時15分、今度はKさんがアワセを入れた。
タモの準備をする前に写真を一枚撮ってみたが、発光禁止状態になっていてうまく写らずすぐにタモの準備をした。
私の前はテトラポットが入り組んでいてタモ入れのしずらい場所だったが、うまく掬いやすい場所にKさんがアキアジを
誘導して、さあと網を近づけたときにバレた・・・。
昨日の夕方にも釣っているKさんだけに、全く残念がらずキャストを始めた・・・余裕の表情だった。
その後、朝日が出始める5時35分頃には真っ赤に燃えた太陽が美しく眩しいくらいだったが、魚はすっかりいなくなって
しまったのかアタリも消えていた。
7時過ぎには一旦車に戻って体を温め朝食を食べる。
釣り場に戻ってみても状況に変化はなく、今日はこれで終りかと思っていた7時半過ぎだった。

        

イノケンさんが遠投からアタリ、そして長くて微かなアタリが続いてから合わせた、渾身のヒットとなったそうである。
隣にいたKさんのタモ入れで無事Getしたアキアジは、4連続ボウズに悩んだ彼の苦労が実ったような超銀ピカメスだっ
た。
周囲の人が「メジカだ、これはメジカに違いない!」そう言い切ってしまうほど美しい魚体だったが、後日イノケンさんが
確かめてみるとメジカではなかったとのこと。
あまりの興奮にテトラポット上ではひざが震えてしまったというイノケンさん、私までうれしくなるような喜びようだった。
そしてまたしばらく誰も釣れない時間が過ぎていった1時間後の8時34分、キッシーさんにヒット!
すぐにカメラを向けてシャッターを押した時には遅かった・・・写っていたロッドはすでに真っ直ぐになっていて、フックが
外れた後だったようである。
しかし、キッシーさんはこのヒットは手ごたえから推察するに、スレだったのではないかときっぱり諦めていた。

         

それから10分後、今度はKさんに遠投でヒット!
テトラポット上に座ってキャストできる丁度良い場所だったので、トローリングで釣りをしているようなショットになったが、
とりあえず2枚ほど撮ってからタモの準備をした。
難なくネットインして、まずまずのオスアキアジをGetしたKさん、ここ最近絶好調である。
しかしこれまでで、その後は周囲でもほとんど釣れずに11時前に納竿することになった。
全体でも10本くらいしか釣れていなかったので、全員にバイトがありそのうち2本Getできたのだからこれで満足しなけ
ればならないのだろうが、やはり残念・・・・・。

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