10月の釣り Ver. 3


  ■ 10月最後の釣りは、やっぱりKさん?

10月26日 「アキアジをぶんなぐってやる、皆殺しだ」(MSN語録)を合言葉に、10月最後のアキアジ釣りを楽しむべく
前夜から出発。
木曜日に、網走ではサンマが港内に巨大な群を成して入っていたので、どの場所でも入食いに釣れていたと聞いてい
たが、型は小さく、アキアジは多少は釣れているが狙って釣れるような数ではなかったと聞く。

ということで先週の釣り場に着いてみると、そこにはホタテ漁船が停泊していたが、翌朝には出漁するはずと予想してこ
の場所で釣りをすることに決めて車中泊の準備をする。
遠軽付近から降り出した雨はここでも止んでおらず、翌日の天気予報でも終日弱い雨が降るらしかった。


10月27日 この日も、漁船のエンジン音で目覚めたのが4時前だった。
外を見ると漁船は出漁の準備をしているのだろう、灯りが煌々と点いていたので外に出てみたところ、地元らしき釣人
が出漁時間と帰港時間を教えてくれたので、安心して車内に戻った頃に船が出て行った。
メガ弟さんに釣り場が決まったことを知らせることと、目覚し代わりにと思って電話をしてみたところ、なんと!たった今、タイミング良く私の車の後ろに着いたところだった。
まだ薄暗い中でも時々アキアジの跳ねが見られ、私達がウキルアーをキャストする前に、早くも近くで一本釣れた。
暗いうちからウキで狙っていた人たちのようで、私達もさっそくキャストを開始してみたがアタリはない・・・。
すると今度は遊漁船が動き出したので、どの場所で釣り客を乗せるのかが気になったが、4艘もの遊漁船はすべて他の場所でその作業を終えて出航していった。
明るくなると目の前の海中には小魚の姿が見え、時々アキアジの群
が岸壁際僅か1mほどのところを泳ぐ姿も見られたが、すでに背びれなどが白くなってエサにもルアーにも全く見向きも
しない。
小魚の中にはニョロニョロとした泳ぎの明らかにサンマだと思われる群も見られたが、型が小さいので釣ろうとは思わなかった。
しかし、チカ釣りは今回の対象魚の一つでもあったので、メガ弟さんが始めにサビキを投入・・・すぐに先週よりは随分と小さかったがチカを釣り上げた。
その後、私もサビキ竿を用意してチカ、サンマ、ニシン、キュウリなどが釣れるのを楽しんでいたところ、白くて小さな群れがゆっくりと移動している姿があった。
これがマメイカだと知ってサビキを近づけてみるが逃げてしまう・・・そこでメガ弟さんがエギも用意していたので、華麗なエギングを見せてくれた。
しかし、エギの大きさがマメイカよりも大きかったので、これではたぶん釣れ
なかろうと早々に諦めることになった。
結局、アキアジ釣りは朝マズメが終る前に全く釣れる気配もなく終了し、心配していた雨は全く降らないままに雲の切れ間に太陽も見えてくるほど天候は回復していた。
この時期にしては暖かく感じられるのんびりとした雰囲気の静かな釣り場に、突然巨大な重機の音が聞こえてきた。
釣り場の後方から船の上げ下ろしをする要塞のような大型の機械が動き出したので、初めて見る漁船の船上げショーを見ることにする。
程なくしてやってきた漁船は期待に反して小さかったが、水中にぶら下げられた4本のベルト上に停めた後でゆっくりと引き上げられ、そのままの状態でトラックに積み上げられた。
意外と時間がかかるものだと知り、それでも初めて見た大型の機械の動き
を楽しませてもらった。
その後、先週ご一緒したヒデボさんも現れて私達の隣で釣り始め、この日の楽しみと言えば頻繁に目の前を通るアキ
アジの群を見たり小魚を釣ること、そして暖かな天気の下でメガ弟さんとの雑談を楽しむことだった。
滅多に釣れないアキアジは釣れても半数はブラックサーモンだったが、何故か好調のKさんは違っていたようだった。
11時20分、Kさんがアワセを入れた姿が、現実とは思えなかったのは私がぼんやりしていたのだろう。
意外に元気なアキアジは急に走ったので、撮影をする間もなく周囲のサビキ竿などを避けているうちに、駆けつけてくれたヒデボさんがタモ入れをしてくれて無事ゲット!
72cmほどのオスアキアジだが状態の良い銀ピカで、そろそろ作ってみようと思っていたトバには不向きなほどきれいな魚だった。
期待して私達もキャストしてみたが続かず、この後は周囲でも全く釣れず再びサビキを楽しんでいたところ、いつの間に
かブラーで他の魚を狙っていたヒデボさんがカレイを釣っていた。
メガ弟さんは14時半には漁港を去って、16時頃には漁協の係員がやってきてホタテの水揚げが始まると大型トラックも入ってくるので車も移動して欲しいとのことで速やかに撤収。
水揚げの邪魔にならない広場に移動してから片付けをしていたところ、西の空がこれまで見たこともないほど真っ赤に染まっていたので、しばし撮影をしてから見とれていたほどだった。





   ■   10月最後のアキアジ釣り(リベンジ編)

10月31日 週末まで待てなかったのは、先週末に師匠が入釣した釣り場では意外に釣れていたと聞いたことが一番の
要因で、師匠が4本釣ったことは全く参考にはならないが他の釣り人も複数本釣っていた人もいたことが決定的であっ
た。
幸い午前中であれば時間は取れるので、早起きは少々辛かったが星空の下を快適に走った。
途中の近道ではシカの大群に遭遇してしまいその数に圧倒されはしたものの、シカはすぐに林の中へ走り去った。
半月が真上にあるので薄明るい夜空と、時間的にもほとんど車など走っていない道は快適そのもの。

駐車場に着いてみると釣り人らしき車は僅か4台だけで、この少なさは釣れていない証拠ともみえるが気にせず準備を整えて釣り場へ向かった。
波はベタ凪、風は無風に近く、気温も7℃ほどなので釣り場に着いた時には汗ばむほどだった。
何処にしようかとキャップライトを照らしてお気に入りのポイントを探していたところ、釣り人がいたので挨拶をして最近の情報を聞いてみ
た。
全然釣れていないらしく朝マズメでも5〜6本程度で、期待の8時過ぎからの釣果といえばほとんど釣れていないと言
う・・・。
そしてその地元ベテランらしき人は私に釣れそうな場所まで教えてくれたのだが、その場所こそ私が探していた場所に他ならなかった。
その後、色々なお話を聞きながら明るくなるのを待って、ウキが完全に見える頃になってからキャスティングを始めた。
久しぶりに訪れた釣り場だったが、海を見ながら磯の匂いや波が打ち寄せる音、そしてリーリングでアタリを待つ楽しさは何ものにも変えがたい久しぶりの感覚である。
がしかし、浜一はこの釣り場で一番人気のポイントにやってきて、タモの柄が動いていたこととアキアジの頭を殴っているのだろう、身振りが物語っている・・・。
そしてまたしばらく静かに時間は過ぎる。
次は私だ!その願いもむなしく、右隣、といっても釣り人が少ないので15mもあるだろうその人にヒットしていたので、隣
のベテランさんに教えたところ、おじさんが指す浜一の方角でもロッドが曲がっている・・・。
じゃあ浜四・・・もうなんでもいいからアタリだけでも来い!・・・願いもむなしく、再び右となりの人のロッドが曲がってい
た。
しかしこの人、取り込みのときにネットが抜け落ちたようで、フッキングが良かったのか自分の手でアキアジをゲットして
いた・・すごい!
さらにその時に落としたエサ箱とネットも無事に回収し、その後も続けていた根性は釣り好きの成せる業かもしれない。
そして街の朝の目覚しが鳴ってからは釣れなくなってしまった。
もしかするとこれで朝マズメは終りか?と思ってからしばらく経った7時過ぎだった。
目の前の遠投すれば届きそうなところでアキアジの跳ねがあった。
すかさず跳ねの向こうにフルキャストすると、まぐれか最高の場所にルアーが着水!
5回転ほどリールを巻き始めたところでアタリ・・・渋いがアキアジに間違いないと確信して、食って離しての繰り返しな我慢のリーリン
グ・・・ようやく合わせてみたところヒット!
遠投でのヒットは長い時間楽しめるが、食い渋りのこの時期は絶対に大丈夫と安心できることはまずないと言い切れる
ほど不安が付きまとい、それでも充分なファイトを楽しみながら近くまで寄せたので、タモを取ろうとする前に軽くなって
しまった・・・・・バラシ。
その後は周囲でも全くヒットせず、底まで透けて見えるほどのきれいな海中を眺めていたのは、チカなどの小魚の群が
多かったからである。
時には数分間に渡ってチカかワカサギと思われる大群が、目の前を天の川のように流れていく姿は数十万、もしかす
ると数百万匹もいるのではないかと、ただ呆然と隣の人と一緒に顔を見合わせていたほどである。
小魚が悠々と泳いでいるときは近くにアキアジがいるはずもなく、しばらくは周囲でも静かな時間が流れ、もうアキアジは釣れないのかと絶望しかけたときである。
9時半過ぎ、半分ほどリーリングした頃にアタリ・・2度目の誘いに乗ってきたところで大きくアワセると確かな手ごたえがあり、はじめのうちはすんなりと寄ってきていたが、10m位まで近づくと急に走り出し元気にドラグを鳴らされ魚の姿も見えた。
残念ながら大きなブナだったが一本釣らねば納得がいかないので、慎重に寄せてタモを持ったまでは良かったが・・・今シーズン、もしかしてこれがはじめての自分でタモ入れだと思うと少し緊張する。
最後は難なくネットインしてようやくこの日の一本が釣れたのだが、このアキアジは重くて大きかったので、周りの釣り
人が集まってきて「大きいねー」などと声をかけてくれるので、リリースしづらい状況になってしまった。
ちょうど釣り場に着いたばかりの人に「魚いりませんか?」と聞いてみたところ、快く引き取ってくれて「イヤー、これでボ
ウズの心配せすに、心置きなく釣りできるわ」と感謝されてしまった。
至福の一服を味わってからキャストを再開し、マグレの一本に更なる期待を高めてリーリングしていたところでアタリ・・・またまた激渋のアタリだが下手な自信を持つと失敗はつきもので、アワセを入れたのだがすっぽ抜け・・・。
貴重なすっぽ抜けにガッカリしても、こんなにアタリがあることは今シーズン珍しいぞと「これはもしかするともう一本くらい釣れるかも?」期待して集中するも、その後は音沙汰なし・・・。
それから、もうやめてしまおうか、あと少しだけ続けようかと考えていた10時過ぎだった。
ヒットポイントでアタリ・・・充分に待ってから合わせるべきか、まだ早いと待つべきか悩みぬいた挙句に、たぶんこれも早かったと後から
考えるに気付いたのだが、力一杯にアワセを入れた。
幸いフッキングしたらしく、この釣りの二番目の快感といえるアキアジの重さが伝わってきてファイトを楽しみだしたのだが、10秒も楽しむことはできずバレてしまった・・・。
右隣の人が「あれ?」という顔をして私を見ていたので「バレました」と、照れ隠しに一言。
昨年もこの時期はバラシが多発していたのでわかったつもりでいたはずなのに、同じ失敗を繰り返す愚かな自分を恥じながら、この日のアキアジ釣りは納竿となった。

真冬のような服装でやってきていたので駐車場に戻った頃には、汗をかいた体に車内は日差しで暑くなっていたので、しばらくは窓を開けて走ったほどである。
周りの景色は紅葉も終りかけのような寂しさを感じるほど枯れ葉が道路に散りばめられ、青空と白い雲が半々の空か
らこの時期にしては暑いくらいの陽が射していた。

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