初日 奈良到着



燃油サーチャージが高額になり当分の間は海外旅行はお預けだと考え、添乗員付きのお任せツアーも2年続くと飽き
てきたので、今年は久しぶりに京都や奈良に行こうと決めていた。
しかし、2ヶ月前にもかかわらず、すでに京都の宿は満室となっていたのである。
苦肉の策で一泊だけでも京都に泊まろうと探していたところ、京都駅八条通り側にある新・都ホテルのデラックスツイン
ルームに泊れることになった。
しかし、2泊目は奈良のワシントン、3泊目からフジタホテルと移動を繰り返す落ち着かない日程となった。
京都の11月は世界中から観光客が集まるために、唯一11月14日だけに空室があったらしく、奈良から京都に電車で
通うよりは楽だった。

しかし、やむを得ない事情により14日は出発することができず15日の出発に変更となり、やっと見つかった新・都ホテ
ルはキャンセル・・・・・新たに旭川空港から関西空港までの航空券の手配をすることになる。
もちろん14日の航空券は紙くずとなってしまったが、一身上の都合だから仕方がない。


11月15日 コンビニのおにぎりとサンドイッチを昼食に、車内で食べながら曇り空の高規格道路を走る。
途中、レーダー探知機が異常に鳴るので速度を控えていたところ、取締り中のレーダー付きパトカーを発見する・・・前を走る遅い観光バスがいなかったら危なかったかもしれない。そのバスは途中で左折したので旭山動物園に向かったようだ。
東旭川の踏み切りで列車を待っていたところ、網走行きの特急オホーツクが通過。これから本州へ向かう私達と反対に網走へ向かう列車が少しだけうらやましくも感じる。
旭川空港には13時20分に到着し、有料になった駐車場の中でもより建物に近い場所を探して車を降りた。
雪が全くないこの景色も、帰る頃には白くなっているのだろうなあと思いながら空港ビルの中に入る。
JALカウンターで航空券を受け取り、スーツケースを預けてから到着ロビーにある喫煙所に向かう。
師匠からメールが届いていたので読んでみると、この日網走で釣りをしているが今のところ5本釣っているところ・・と、釣りができない私に親切に状況を知らせてくれていた。
やはり今週末は釣れているなあとガッカリしながらも、この時は旅行
に出かける楽しさの方が勝っていたので、さほど気にならなかった。
タバコを吸いながら返信して、次に2階の売店を覗いてみると、花畑牧場の生キャラメルは予想通り売り切れになっている。以前イノケンさんにご馳走になっていたので買うつもりはないが、テレビなどで知った人気は本当のようだった。
搭乗受付が始っていたので13時45分には手荷物検査を済ませて待合室に入ったが、乗客が15人ほどしかおらずあっけに取られてしまった。
一番前の席に座って待っていると、15分遅れだとアナウンスしていた関西からの飛行機が着陸して、目の前2番ゲートにゆっくりと近づい
てきた。小さな飛行機だった。
出発準備中の様子を見ていたところ、コンテナの中から機内へとベルトコンベアで運ばれていく私達のスーツケースが見えて、翼に給油中のタンクローリーが給油を終えて離れていった14時25分に機内への案内がはじまる。
この頃になると待合室の乗客は増えていたが、それでも随分少ないと感じる乗客数だった。
14時27分にはチェックインカウンターが空いたので搭乗口へ移動する。
乗客が少ないとはいえ機体の入口近くでは混雑していて、待つ間に機体の写真を撮影してみるがやはり小さい。
座席は4Aと4Bなのですぐ前となり、座席は左に2席と右に3席の細
長くて古さを感じるキャビンである。
14時37分頃から機体がバックし始め、空港施設に対して横になった数分で前進し始める。ゆっくりとタキシングして富良
野方向へ進み、滑走路に向かってしばらく停止していると、たった今着陸したばかりの機体が見えた。
それから間もなく滑走路に進入して加速する。いつも楽しみにしている飛行機の旅
でも一番興奮する瞬間とも言える急加速と離陸を味わい、大空に舞い上がる。
急角度で上昇するとすぐに雲の中に突入して、一旦霧が晴れて地上が見えるが再び雲の中に入っていった。
しばらくすると雲の上に出たのか太陽が眩しかったが、まだ雲間なのか周りは雲だらけだった。
飲物サービスが始り、毎回お気
に入りのスープを二人ともに注文してくつろぐ。
機内を見回すと乗客は座席に3分の1ほどしか座っておらず、のびのびとしていて圧迫感がないのがよい。
乗客が少ないせいか、飲物のお代わりはいかがですかと聞かれたのでもう一杯スープを飲んだ。
機長アナウンスでは15分ほどの遅れだと言うが、乗り継ぎではないので時間は気にしない。
携帯電話の電源は切っていたし時計を持ってきていなかったので、冷水のサービスに回っていたCAに時間を聞いてみ
ると16時05分で、到着まではまだ1時間もあった。
その後、もう一度飲物サービスがあったので、今度はゆずのジュースを飲み、飴も一個ずついただく。
着陸まで15分のアナウンスが流れると地上が近くなり始め、世界平和大観音像が見える。
世界平和大観音像は淡路島の東海岸に立つ高さ100m(台座20m)の大観音像で、神戸からでも肉眼で見ることができるほど大きな観音像だ。
高さはニューヨークの自由の女神より高く、建立当時は世界最大の像として話題になったらしい。
機体はさらに高度を下げながら進み、関西空港に通じる長い橋が見えると、間もなく着陸となる。
機体は21番スポットへと向かい早めのタキシングを続け、JAL機が並ぶスポットに停止した。
空港施設内のスポットだったので乗り物による移動はなく、そのまま機体から荷物受取のターンテーブルまで歩いて移
動する。
16時55分には出口近くの荷物受取場所に着いたのだが受け取りまでは時間を要し、予定通り出口から近いレストラン
街で夕食を食べることにする。

        

ラーメンが食べたくなったので、ダイニングコート町家小路にある「京風ラーメン町家小路東入ル」を試してみることに。
食券機で「京風塩ラーメン&ジャコご飯」と「京風塩ラ
ーメン&串団子」の食券を購入してからカウンターに
出し呼出機を渡され、セミオープンスペースの自由席
に座って待つ。
5分ほどで呼出機がピピピピと電子音を発したので、
カウンターに行きラーメンを受け取る。
京風塩ラーメンは、さらりとした関西風スープをベース
に京菜や湯葉など“京風のせもの”を楽しむあっさりラ
ーメンで、ジャコご飯や串団子は、まあどこでもありそ
うなものだった。
鶏肉のチャーシューは意外に美味いが、細いストレー
ト麺はどうも馴染めない。
食後は町家小路内にある喫煙所で一服してから、南海電鉄のある2階の切符売場に向かった。
新今宮駅までは890円で、時間はまだ随分あったのでのんびりしながらエスカレーターでホームに降りると、すでに電車
は停まっていた。
          

18時14分発の電車がようやく出発し、岸和田駅で特急待ちのためにしばらく待たされている間に駅員に聞いてみると、
予定していた乗換えをしなくても数分の差しかないと教えてくれたので、そのまま乗って行くことにする。
18時36分に岸和田駅を出発して、新今宮駅に到着。
乗換えなので一旦改札を出ようとしたが出られず、駅員に聞くと奈良駅までの切符を購入して同時に改札機に挿入しな
ければならないらしい・・・意外と面倒だ。
何度か乗換えをして、何とか近鉄奈良駅に着いたのが20時過ぎで、一番大変だったのはスーツケースを持っての階段
の上り下りだった。
奈良駅を出たところにあるコンビニに寄り買物をして、3条通りにでると久しぶりの奈良らしい通りに懐かしささえ覚え
る。
駅から8分ほど歩いて、この日の宿泊先「奈良ワシントンホテルプラザ」に到着したのが20時半だった。

  

部屋は2階の208号室で、何と!暖房が入っていたので暑くて窓を開けることになる・・・。
空だと思っていた冷蔵庫にはお酒やジュース類が入っていて、その価格はコンビニなどと同じくらいの良心的なものだ
った。
フィギュアスケートを観ながらお酒を楽しみ、入浴剤入りの風呂に入ってくつろぐぎ、22時半には布団に入った。


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